地球の陸地の4分の1を占める『山岳』。山は、主要な河川の源で、私たちの生活に欠かせない水を供給しています。山の存在は、気象パターンに影響を与え、生物や文化の多様性をはぐくむ中心的役割を担ってきました。地下資源鉱物の宝庫で、レクリエーションの場も提供しています。いま、気候変化の影響を強く受け、山は急激に変化しています。本書は、山に関して、私たちが知っておくべきことを国際的な視点で非常にコンパクトにまとめています。そして、山の恩恵を受けてきた私たちの社会が、山の変化に対して地球規模で取り組むべき課題を提示しています。本書を読み終わった時、山の見方が変わっているかもしれません。
コンパクトにまとめられた,待望久しいスタンダード・テキスト。変動が激しく,多様に展開されているグローバル・マーケティングについて,戦略の視点に立った明確な枠組みに基づき解説する。生き生きとしたケースを豊富に盛り込み,臨場感たっぷりに学ぶ。
序 章 グローバル化する企業活動とグローバル・マーケティング
第1章 グローバル・マーケティング戦略の枠組み
第1部 グローバル配置
第2章 グローバル市場環境分析
第3章 グローバル・マーケティング・リサーチ
第4章 参入市場の決定
第5章 参入モードの決定
第2部 グローバル調整
第6章 標準化/現地化とグローバル・ブランドによる展開
第7章 グローバル知識移転戦略
第8章 グローバル・マーケティング組織の設計
第3部 実践的・今日的課題
第9章 サービス業のグローバル・マーケティング戦略
第10章 小売業のグローバル・マーケティング戦略
第11章 国家ブランドとしてのクールジャパン
第12章 新興市場に対するマーケティング戦略
従来の制度や技術を超えて,思想と場所という視点から,都市計画史研究の歴史的展開を後付け,今後の行方を構想する.そして社会的な総体に関心を広げ,都市の実態により接近し,社会との接点を柔軟に模索するための「開かれた都市計画史」を多様な主題から探求する.
序 日本近現代都市計画史ノートーー都市計画の思想と場所を求めて
第1部 都市と都市計画家
01 日本近代都市計画における都市像の探求
02 「中心市街地活性化」のアーバニズム
03 石川栄耀による都市探求
04 石川栄耀と「都市」に向き合う都市計画家
05 高山英華による都市計画の学術的探求
06 高山英華の戦時下「東京都改造計画」ノート
07 つくる都市,できる都市,いとなむ都市
第2部 まちづくりと都市デザインの思潮・運動
08 郊外風景の思想史
09 民間保勝運動の展開と理念
10 「都市計画の民主化」を巡って
11 「都市デザイン」の誕生
12 大高正人のPAU 建築と社会を結ぶ方法
13 「三春町建築賞」による地域の建築文化向上の試み
第3部 東京の場所性と都市計画
14 東京 多様なアーバニズムのアリーナ
15 浅草 「昭和の地図」の想像力
16 「湯立坂の景観」の共有範囲
17 都市計画事業家・根岸情治と池袋駅東口地下街
18 新宿駅西口広場の問いかけ
19 東京臨海地域の歴史的文脈
第4部 記憶の継承と都市計画遺産
20 岩手の詩人計画者たち
21 三陸地方の都市計画史1 計画遺産
22 三陸地方の都市計画史2 記憶と意図
23 三陸地方の都市計画史3 デジタル・アーカイブ
24 戦後都市計画史における藤沢391街区
25 再開発ビルをストックとして評価する三つの視点
結 都市計画史の語り手は誰か?
Thoughts and Places on Urbanism: Notes on Japanese Plannning History
Naoto NAKAJIMA
「ヒトとまちを動かす交通」を踏まえた、モビリティとツーリズムの実態と政策的な論点の諸相を概説、官(行政)・民(交通・観光業界)・学(大学等)の視点から、地方交通の維持や活性化など地域の交通施策、MaaSや空港コンセッション、オーバーツーリズムなどの課題解決が求められている多様なトピックスを取り上げて解説・考察する。「モビリティ×ツーリズム」の概要・現状・課題・展望などを知ることで、交通・観光分野の関係者が政策形成や戦略展開を容易にするとともに、関連分野・関連事業を目指す学生等初学者にも参考になる一冊となっている。
看護・医療系入試で出題された良問を精選
全国の看護・医療系の学校(看護系大学・学部/看護系短大/高等看護学校など)の入試で出題された数多くの問題を分析し、良問を精選した問題集。生物基礎・生物の全範囲をカバーし、看護・医療系入試に対応。「まとめ」「計算例題」「標準問題」「応用問題」「総合問題」で構成。「まとめ」は入試出題傾向に合わせて学習事項をまとめ、特に重要な用語や内容は空欄補充形式で掲載。「計算例題」は代表的な問題を例題として取りあげ、その解き方をていねいに解説。「標準問題」は標準的で出題頻度の高い良問。「応用問題」はやや難易度の高い問題。「総合問題」は分野を横断した問題や思考力を要する問題。看護・医療系を志望するすべての人にオススメ!
多くの企業がブランド戦略に取り入れている「パーパス」。
実際の現場では、どう作られ、浸透されているのか。
その実例を紹介する。
アイディアの発想からアウトライン、パラグラフの組み立て、推敲まで、文章作成に必要な技術を効率よく学べる、「一歩上を行くレポート・論文作成」を目指す人のための教科書。イラスト、写真、図解、問いをふんだんに盛り込み、授業用としても独習用としても万全の1冊。109題掲載した問いは、ペアワークやポイント確認にも使える。この1冊で大学で必要な論理力、分析力、思考力の肝要が学べる。書く技術を一生の宝物に。
現代社会の食料の生産・貿易・消費の構造は、グローバルな環境システムとどのように関わっているか。「環境と親和的な美しい産業」としての農業は単なる幻想か、農薬や化学肥料は環境を破壊するのか。食料自給率や飢餓や貧困というグローバルな問題を農業経済学はどのように問うてきたのか。これから我々はどのように食べ生きるべきか。「持続/維持可能」な「開発/発展」をめぐって繰り広げられる全14章。明治大学食料環境政策学科の専任教員全員による多彩かつ総合的なテキスト。
序章 Sustainabilityと農業、農村、食ーーーー廣政幸生
第1部 環境編
第1章 農業は環境にやさしいかーーーー藤栄 剛
第2章 持続可能性と会計ーーーー本所靖博
第3章 コモンズとしての農村環境ーーーー市田知子
第4章 エシカル消費を楽しんでもらう3つの方法ーーーー岡 通
太郎
第2部 食料編
第5章 飢餓の撲滅は可能かーーーー池上彰英
第6章 生乳のフードシステムと有機牛乳ーーーー大江徹男
第7章 食料貿易と持続可能性ーーーー作山 巧
第8章 食ビジネスと持続可能性ーーーー中嶋晋作
第3部 農業・農村編
第9章 世界農業の起源と多様性ーーーー暁 剛
第10章 農業政策の展開と日本農業の持続可能性ーーーー橋口卓也
第11章 農業における家族経営の重要性ーーーー竹本田持
補章 農業への企業参入ーーーー古田恒平
第12章 地方に放置された資産の対策とそのゆくえーーーー片野洋平
第13章 農村の内発的発展ーーーー小田切徳美
教育的配慮が行き届いた学部生向けテキストの9年振りの改訂.細胞生物学の基本原理(各章タイトルの前半に提示)を身につけることに重点を置き,細部の知識に留まらず,細胞の総合的な理解を促す.第3版では,この分野の研究の進展が反映され,進化の視点も取り入れられている.また,教育経験豊富な共著者が加わり,本書の特長がより強化された.コラムの各種BOXは充実し,章末問題は大幅に追加されている(解答は巻末に掲載).本来の細胞生物学の魅力を学生に伝える好著.
第1章 生命とはチームスポーツであるーー細胞の多様性の進化
第2章 DNAは生命の教則本であるーー核酸の構造と組織化
第3章 タンパク質は進化の原動力であるーーポリペプチドの構造と機能
第4章 膜は区画の境界を定める複雑な流動体であるーーリン脂質と膜構造
第5章 細胞骨格は生命の構造的複雑性のための構築基盤を形成するーー中間径フィラメント,微小管,アクチンフィラメント
第6章 多細胞性の台頭ーー進化上の重大な転機
第7章 核は細胞の頭脳部であるーー核の構造とDNA複製
第8章 RNAはDNAの情報をタンパク質の活動に結びつけるーー転写翻訳タンパク質の選別
第9章 内膜系はほとんどの高分子の搬入と搬出のための装置として働くーー膜交通
第10章 化学結合とイオン勾配は細胞の燃料であるーー細胞の代謝とエネルギー貯蔵
第11章 シグナル伝達のネットワークは細胞における神経系であるーーシグナル伝達と細胞のコミュニケーション
第12章 タンパク質複合体は細胞の意志決定装置であるーー遺伝子発現の制御
第13章 細胞周期の進行時は細胞の一生のなかでもっとも傷つきやすい時期であるーー細胞の誕生と死
第14章 人間の活動は進化におけるパラダイムシフトを誘発するーーバイオエンジニアリングと人為的な選択の探求
国家と市場の関係を扱う政治経済学を,その基本的な考え方から新しい研究までカバーした教科書。先進国の資本主義,福祉国家のありよう,不平等が起こる政治的要因,また各国の財政・金融政策の違いがもたらす政治経済的な帰結などについてわかりやすく解説。
序 章 政治経済学とは何か
第1章 戦後の政治経済体制
第2章 グローバル化の政治経済学
第3章 資本主義の多様性
第4章 福祉国家の多様性
第5章 福祉国家の政治経済学
第6章 福祉国家のゆくえ
第7章 選挙と分配
第8章 不平等と再分配
第9章 経済成長と政治
第10章 財政政策の政治経済学
第11章 金融政策の政治経済学
第12章 コーポレート・ガバナンスの政治経済学
本書は創業者豊田喜一郎の発想を受け、トヨタ生産方式(TPS)の確立に邁進した大野耐一元副社長を中心とする人達の口述記録を纏めたものである。
現代の日本は、経済や社会の縮小・衰退に伴って発生する諸問題に直面している。現代の日本が必要としているのは、拡大・成長路線に復帰することではなく,経済や社会の縮小・衰退を受け入れる価値観を育み、当面する課題に対処することができる新たな理論や概念を構築していくことではないか、こうした問題意識に立ち、文字通り「ポスト拡大・成長の経済地理学」を検討する。
第1部 地域構造の過去と現在/第1章 戦後日本の地域構造・都市構造と再生産 /第2章 ポスト拡大・成長社会における労働市場の地理的多様性/第3章 若者のライフコースからみた大都市圏と地方圏をめぐる地域格差/第2部 地方創生と再生産をめぐって/ 第4章 「地方創生」の目的論/ 第5章 政治経済学的人口地理学の可能性 /第6章 融けない氷河 : 「就職氷河期世代」/第7章 再生産の困難性,再生産と主体性/終章 資本主義の危機としての少子化
一般相対論は重力の理論であり、また時間と空間を結びつける理論でもあるが、数学の立場からは物理現象をリーマン多様体の理論に基づく考察によって定式化する理論ともいえる。本書は筆者の講義をもとにして、数学の立場から書かれた、一般相対論の骨子であるアインシュタイン方程式が内包する幾何学への入門書である。まず、多様体上における微積分の準備をテンソルを介して行い、次に特殊相対性理論を扱う。その後、アインシュタイン方程式の導出をし、非真空アインシュタイン方程式、コーシー初期値問題としての定式化、シュバルツシルト時空、ハミルトン形式との関係などを解説する。最後には、いわゆるブラックホールのホーキング・ペンローズ理論を解説する。
美しく神秘的なプランクトンの世界。水中を漂う小さな生物は、地球の環境に大きな存在感を放つ食物連鎖の要です。
植物だったり、動物だったり、魚類だったり、藻類だったり。その多彩な生態に迫る美しいビジュアルブックです。
序文/はじめに 漂流者の生活/CHAPTER 1 すばらしき多様性/CHAPTER 2 生活様式と適応/CHAPTER 3 捕食と繁殖/CHAPTER 4 プランクトンの漂流地/CHAPTER 5 海洋への栄養補給/CHAPTER 6 未来に立ち向かう/写真クレジット/ 用語解説/参考文献/
「CO2排出量は想像以上に速いペースで減っている」「私たちはここ数世紀でもっともきれいな空気を吸っている」--新鋭のデータサイエンティストがファクトと数値を手に気候変動、食糧問題、生物多様性などの難題に切り込み、希望に満ちた未来を描き出す。
地球温暖化、オゾン層破壊、生物多様性の喪失、放射能汚染、マイクロプラスチック汚染など、環境問題は地球規模で広がり、その解決・改善は喫緊の課題となっている。
地球全体で何が起こっていて、どの程度深刻なのか。またそれらは何に起因し、どのように解決できるのか。
本書では、信頼性の高い科学データを多数交えながら、いま取り組むべき課題を明らかにする。
その客観性、網羅性、平明さによって30年にわたり読み継がれてきた基本図書の最新版。
まえがき
第1章 地球の自然環境の進化と構造
1 地球における物質進化と生命の起源
2 生物と自然環境の相互作用と進化
3 地球における物質の循環バランス
第2章 オゾン層破壊と紫外線増加
1 地球のオゾン層と紫外線
2 オゾン層破壊問題の起源
3 南極のオゾンホールと地球のオゾン層破壊
4 オゾン層破壊による人間と生態系への影響
5 オゾン層破壊物質 35
6 オゾン層保護の取り組みの経緯とオゾン層回復の可能性
7 オゾン層の現状と今後の予測
第3章 危機に直面する地球温暖化・気候変動
1 地球の気温と温室効果ガス
2 温暖化の進行とその影響
3 温室効果ガス濃度の急増
4 地球温暖化の進展による影響予測
5 温暖化防止のための国際的取り組み〜パリ協定発効まで〜
6 日本の温暖化防止対策と今後の課題
第4章 大気汚染と酸性雨、深刻化する浮遊粒子状物質被害
1 大気汚染と酸性雨、酸性降下物
2 地球規模の大気汚染、酸性雨問題
3 環境の酸性化による生物への影響
4 酸性化防止のための国際的取り組み
5 浮遊粒子状物質による大気汚染と人間の健康被害
6 浮遊粒子状物質による大気汚染の防止
第5章 残留性汚染物質とプラスチックによる海洋汚染
1 残留性有機汚染物質(POPs)
2 POPs 汚染の地球規模汚染と生物影響
3 POPs 汚染の軽減・防止対策
4 合成高分子材料の種類と特性
5 合成高分子材料の生産と利用の問題点
6 合成高分子材料による海洋汚染
7 合成高分子材料による海洋汚染予測と防止対策
第6章 原子力利用と放射性物質汚染
1 放射線と放射性物質、放射能
2 放射線の人体に対する影響
3 核兵器による放射能汚染
4 原子力発電による汚染
5 放射能汚染の防止
第7章 進行する生物多様性の損失
1 生物多様性とその価値
2 生物多様性の損失の現状
3 生物多様性の減少の原因
4 生物多様性の保全策
5 国内および国際的な取り組み
6 生物多様性と持続可能な社会形成
7 最近の新たな動向
第8章 地球環境危機を克服しうる持続可能な社会
1 地球環境問題の本質と特徴
2 持続可能な生産消費体系
3 再生可能エネルギーを中心とするエネルギー生産への転換
4 持続可能な生産消費活動ー物的生産消費活動
5 生産の民主的コントロールによる持続可能な社会の実現
あとがき
日本初の公立総合植物園として知られ、国内最多の約1万2000種類を保有する京都府立植物園は、絶滅危惧植物の保全活動をおこなう拠点園の一つとしても知られている。
本書は同園の元園長が約30年にわたって日本各地で撮影した絶滅危惧植物の写真を中心に、代表的な種の生態や特徴を解説する。
そのほか、生物を取り巻く環境の変化や保全活動の現状、レッドリストや生物多様性など、私たちが知っておくべき問題点や取り組みをまとめた、日本における希少植物を知るための恰好の案内書。
話題のSDGs関連本としてもオススメ。
【本書の特長】
◆代表的なものから愛好家の多いものまで112種を紹介
絶滅危惧植物の象徴のようなホテイアツモリソウをはじめ、人気のラン科や愛好家の多いカンアオイまで“知っておきたい”種や属を多数収録。
◆日本各地で撮影した貴重な写真を掲載
絶滅危惧植物の保全拠点園の一つとして知られる京都府立植物園の元園長が約30年にわたって撮りためた写真を一挙掲載。花のアップや自生地の様子も。
◆知っておきたい関連情報も網羅
危険度ランクやレッドリスト、種の保存法、生物多様性を守る意義など、重要な基本項目の解説も充実。実際の保全活動の方法や事例も紹介。
Part1 絶滅危惧植物とは何か
日本の絶滅危惧種の半分以上は植物
危険度を示す3つのランク
定性的な評価と定量的な評価
レッドリストとは何か
植物ではいまや調査員が絶滅危惧
もう一つの絶滅危惧種のカテゴリー
私たちを取り巻く環境の変化
生物多様性とは何か
多様性はなぜ必要なのか
単一の植物で構成される森や畑は弱い
多様性がもたらす利益
絶滅危惧植物を守る方法
域外保全で最も気をつけること:善意による多様性の低下
地域の協力でより良い域外保全を
植物たちの声なきSOSを聞く
Part2 絶滅危惧植物図鑑
アツモリソウ属
アマミアセビ
アマミカジカエデ
ウケユリ
エビネ属
オオキンレイカ
オグラコウホネ
カイコバイモ
カミガモソウ
カンアオイ属
カンラン
キブネダイオウ
キレンゲショウマ
クモイジガバチ
コウシュンモダマ
コケセンボンギク
コケタンポポ
コブシモドキ
コブラン
サクライソウ
サクラソウ属
シソバウリクサ
シマオオタニワタリ
シマタキミシダ
シモダカンアオイ
ショウキラン属
ジョウロウホトトギス類
スゲ属
ソナレセンブリ
タキミシダ
タヌキノショクダイ
テンナンショウ属
トキソウ
トキワバイカツツジ
トクシマサイハイラン
トビカズラ属
トラキチラン属
ハナノキ
ヒメシラヒゲラン
ヒメハイチゴザサ
ヒロハタマミズキ
ホシクサ属
ホテイラン
モダマ
ヤクシマヒメアリドオシラン
ヤシャビシャク
ヤドリコケモモ
ワダツミノキ
対馬の植物 など
身体の仕組みから、進化、行動、人間との関わりまでーー全6章で網羅する、美しき「アリのビジュアルガイド」
私たちの足元に広がる、小さくも壮大な世界。少し目を向ければ誰もが見つけられるアリだが、その精緻な身体の仕組みや、驚くほど高度な社会性について、私たちはどれだけ知っているだろうか。
『ANTS アリの世界 ビジュアルガイド』は、そんな身近にして謎に満ちた昆虫のすべてを、圧倒的なビジュアルと全6章に及ぶ緻密な解説で解き明かす決定版である。
本書の最大の魅力は、アリの生物学と生態のあらゆる側面を網羅した、その圧倒的な情報の深さにある。
第1章「アリとは何か」では、攻撃や防御、移動のための驚くべき身体構造(体外のつくり)から、体内のしくみや生殖システムまで、まずはその「個体」としての完成度に迫る。続く第2章「進化と多様性」では、アリがなぜ地球上でこれほどの優位に立ち、繁栄できたのかという「革新的な進化とその代償」を、5大亜科の紹介や化石記録、島嶼での分布パターンから紐解いていく。
第3章「生活史と繁殖・成長」で明かされるのは、コロニーの構築や真社会性、カースト制度、さらには働きアリの略奪といったライフサイクル。第4章「行動」では、アリたちのコミュニケーション手段や、視覚の活用、記憶、そして独自の「社会胃」による栄養交換などの社会システムが鮮やかに描かれる。
そして、科学的研究が盛んな分野に触れる第5章「生態」では、アリ同士のニッチ(生態的地位)の分割や、他の生物との共生・敵対関係、さらには環境破壊による種の保全問題にまで言及。最終第6章「アリと人々」では、農業や文化、芸術における関わりから、現代の市民科学の歴史、侵入種問題まで、アリと人間社会の深い結びつきを照らし出す。まさに、マクロからミクロまで、アリを巡る知的探求がこの一冊に凝縮されている。
また、各章の最後を飾る「アリのプロフィール」という試みが、本書の図鑑としての価値をさらに高めている。絶滅した「ジゴクアリ」の亜科から、現生の主要な「属」にいたるまで、現時点での最先端の科学知識の限りを尽くしたデータ(分布、生息環境、食性、巣の傾向)を公開。人目につきにくい彼らの秘められた生活を、美しい写真とともに深く掘り下げていく。
監修を務めるのは、気鋭の昆虫学者・丸山宗利氏。読みやすさを追求し、すべての分類群に和名を網羅した本作は、初心者には楽しく美しいビジュアルブックとして、自然科学ファンには深く体系的な学術書として、一生物の価値を持つだろう。ページをめくれば、いつもの散歩道が、未知なる驚きに満ちた「生命の帝国」へと姿を変えるはずだ。
はじめに
CHAPTER 1
アリとは何か
CHAPTER 2
進化と多様性
CHAPTER 3
生活史と繁殖・成長
CHAPTER 4
行動
CHAPTER 5
生態
CHAPTER 6
アリと人々