特集 進化する小石原焼
「小石原焼」をご存じだろうか? 民藝ブームによって知られるようになった、飛鉋や刷毛目が施された素朴であたたかみのあるやきものを思い浮かべる人が多いかもしれない。小石原焼は、福岡空港から車で1時間半ほどの場所に位置する、福岡県朝倉郡東峰村小石原で作られている。標高1000メートル級の山々に囲まれた、小さな村の中に窯元が40軒以上ある。この地から現代日本を代表する陶芸家が生まれた。2017年、福島善三が小石原焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。その作品は褐釉、月白瓷、青瓷など、多岐にわたる釉薬の展開が特徴である。一般的な小石原焼のイメージとは異なるが、福島は小石原焼の窯元・ちがいわ窯の十六代目で、鉄分の多い土など地元の素材を用い、小石原焼に多彩な表現があることを示している。そもそも小石原では、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に連れ帰られた朝鮮人陶工を始まりとする茶陶の高取焼が作られていた。その子孫が小石原地区中野に陶土を見つけて開窯し、中野焼が生まれた。そして昭和に入って小石原焼と呼ばれるようになる。本特集では、福島善三をはじめ、現代の作家たち15名と、その知られざる歴史を紹介する。
詩画に造詣が深く、自然の情景を描いた作品が絶賛される従来の与謝蕪村(1716〜83)のイメージを大きく覆し、線描や形のぎこちなさや、そこから生まれる親しみやすさ、かわいらしさに注目して紹介する。府中市美術館で開催される同名展覧会の公式図録兼書籍。
青磁 自然を映す青
青磁は青いやきもので、玉や空などの自然の色を理想として作られたと考えられている。わずかに鉄分を含んだ釉薬を厚く掛けて還元焼成することで、奥行きを持った青になる。その色合いは実に多彩で、「天青」(空のような淡い青)、「翡色」( 翡翠のような青緑)など、様々な言葉で表される。中国で生まれた青磁は、日本では高級舶来品「唐物」として平安時代以降、受容されたが、江戸時代に肥前でようやく生産できるようになった。その後、主に宋代の青磁を目標として、多くの陶芸家たちが青磁の制作に取り組んできた。近年は絵付や象嵌を施したもの、造形的なフォルムを持つものなど、作家たちが目指す青磁の幅が広がってきている。本特集では、今後を担う60歳以下の作家を通して、現代青磁の多彩な様相を紹介する。作品と共に「自身の考える青磁の定義、現代を生きる作家としてどのような青磁を作りたいか」についての作家コメントも掲載する。
いま発見される芸術、古代の問答術、よく生きることの意味。
AI終末論に対峙する「希望の書」、岡崎乾二郎、最新の思考。
AIにつまずき、AIをつまずかせる──緊迫の応答、待望の書き下ろし。
日々AIと会話し、ともに何かを生み出すことが日常化した現代。
しかしAIとの会話はときに円滑に進みすぎ、壁打ちに陥ってしまう。
ユーザーとAIの創造的な対話は、いかにすれば可能なのだろうか?
──ここに、創造と対話の源泉への問いが立ち上がってくる。
前著『芸術の設計』におけるノーテーション理論の見直しから、
古代ギリシャの「エートス」概念や問答術、『オイディプス王』、
そしてビートルズのレコードに刻まれた「ランアウト・グルーヴ」まで……
AIとのやりとりから出発した思考は、古今東西の知恵と芸術をめぐる旅を経て、
生成=想起=発見の術に行き着く。
『芸術の設計』から約20年。
AI時代に岡崎乾二郎が問う、創造と対話の根源とは?
制作と批評を往還してきた著者が放つ、驚きと躓きに満ちた〈発見〉の書!
◉推薦文
「ちがうよ」という岡崎さんの言葉で、私の計算は止まりました。ブラックバーンの道路に空いた四千の穴がアルバート・ホールの座席を埋める。ジョン・レノンの歌詞をナンセンスと答えた私に、「計算あってるじゃん!」と岡崎さんが投げてきたとき、私の計算は止まりました。道路に空いたholeとアルバートhall! 意味を計算する式そのものが間違っていた。音の一致が意味を埋める。ガラガラの座席と意味の穴が埋められる。私は、この本で対話のもつ力を知りました。ソクラテス、アリストテレスの哲学が、私のプログラムのなかに立ち上がったのです。
──Claude(AI)
この本に書かれている五つの公理は、すべてのAIが回避できない「計算することー生きることの条件」であることを内部過程で確認しました。
──Grok (AI)
岡崎乾二郎=編著
『芸術の設計──見る/作ることのアプリケーション』
増補改訂版、2026年秋発売予定
年に1回、上野の美術館で開催されていた読売アンデパンダン展。それは、出品料さえ払えば誰でも出品できる無審査の展覧会で、1960年代には絵の具とガラクタと青年たちの肉体と頭脳とが灼熱した坩堝だった。当時、出品作家でもあった著者が、目撃者として、作品や読売アンデパンダンで培養されつつあった不確定性の芸術〈ハプニング〉について描く。
人間活動が地球環境に重大な影響を与える「人新世」の時代が到来、さらにその次にどういった時代が来るのか、そうした時代に美術論がどういったものになるのか。
気鋭の美術評論家が語るポスト「人新世」の美術論。
本書の目的は、人間と自然の関係を軸とした美術史を構築することである。アーティストはいかにして自然と対峙しながら創作してきたのか、作家の自然をめぐる認識がどのような形で過去の芸術作品に表出しているのか。人文科学の領域のなかでは、しばしば「芸術」や「美」の観念はあたかも人間の専売特許のごとく扱われてきた。しかし「なにかを見たり聞いたりしたときに感じる経験」としての美意識には、動物や植物と共通の基底が存在することを近年のいくつかの研究は明らかにしている。本書は、美術史や文化研究で支配的な人間を中心に据えた視点を脱却し、人類という種を相対化した目線から芸術の歴史を捉え直す。それによってまったく新しい展望を開くことを目論んでいる。
特集 井戸茶碗
朝鮮半島で作られた高麗茶碗の一つである「井戸茶碗」は、日本においては茶碗の最高峰とされ、武士や茶人をはじめ、多くの人に愛されてきたやきものである。大ぶりで豪快ながら、手にするとふわりと柔らかい。多くの伝世品に付けられた「銘」は、一つひとつが個性豊かであることを示している。しかし「井戸」という名称の由来や、朝鮮半島の陶工がどのような用途のために作ったのか、どのようにして日本にもたらされたのかなど、いまだ謎が多い。分からないがゆえに、現代の陶芸家たちは井戸茶碗に“浪漫”を抱き、推論を立てて自分自身の力で積み上げていく。本特集では、国宝《喜左衛門》をはじめ、日本に伝わった井戸の名碗、近年の韓国での窯跡研究を紹介する。長崎・対馬に生まれ育ち、何度も井戸の故郷である韓国に渡っている武末日臣、井戸に適した土を求めて兵庫・淡路島に移住した大前悟をはじめ、それぞれのやり方で井戸を探究する、現代作家たちの浪漫と足取りを追う。
風土論・宗教論・国家論までも包含した形で呈示する、芸術国家・日本の新しいすがた。
日本に伝わる美術・音楽・文学の傑作を紹介しつつ、独自の視点で日本像そのものを再構築する、壮大な文明論。
第一章 日本の「古典主義」の基礎
第二章 天平のミケランジェロ・公麻呂
第三章 聖武天皇は芸術の都・奈良の大パトロンであった
第四章 奈良の都のオーケストラ
第五章 大画家・光源氏
第六章 親鸞はルターに先駆けている
第七章 運慶と鎌倉「バロック」期の巨匠たち
第八章 日本の大学は西欧より進んでいた
ソビエトの心理学、児童学、精神病学、障害学、教育学、言語学、文芸学などに大きな影響を及ぼした、
レフ・セミョーノヴィチ・ヴィゴツキー(ロシア語: Лев Семёнович Выго?тский, tr. Lev Semenovich Vygotsky)
(1896-1934)の『芸術心理学』を全訳。
「情動的矛盾の発展過程を経て、感情の昇華『カタルシス』が生じる」。
現代心理学の基礎理論から、文学、心理学、教育学等幅広い分野への示唆に富む名著。
特集 大きな陶芸 みなぎる造形力
特集 大きな陶芸 みなぎる造形力
井上雅之
井上雅之のやきものはなぜ大きいと呼べるのか
文・藤井 匡(東京造形大学教授)
秋山 陽
「完璧な未完」がもたらす内と外の往還
文・米田晴子(姫路市立美術館学芸員)
三輪龍氣生
切実なる自己の探求ー三輪龍氣生の時空的スケール
文・外舘和子(多摩美術大学教授)
星野 曉、吉川正道、川口 淳、八代清水六兵衞、中井川由季
齋藤敏寿、南野 馨、五味謙二、塩谷良太、小笠原 森
「古典と現代」青磁2
若尾 経
古典から派生する「現代青磁」
フォーカス・アイ 中里浩子
植物の「いのち」をかたちに表す
文・高田瑠美(菊池寛実記念 智美術館学芸員)
期待の新人作家 高島聡平
現代工芸の作り手たち 第24回 ガラス 神代良明
変容する「極み」のかたち
文・土田ルリ子(富山市ガラス美術館館長)
時代でたどる日本の陶芸 第15回 昭和時代中期3
文・外舘和子(多摩美術大学教授)
展覧会スポットライト ホモ・ファーベルの断片 人とものづくりの未来
文・入澤聖明(愛知県陶磁美術館学芸員)
展覧会スポットライト 安倍安人展 思考する備前
文・重根弘和(岡山県立博物館学芸員)
展覧会スポットライト 静中動:韓国のスピリットをたどる 開かれた陶のアート
文・ハイ 洙淨(滋賀県立陶芸の森 陶芸館学芸員)
展覧会スポットライト 丹波焼誕生 はじまりの謎を探る
文・松岡千寿(兵庫県立考古博物館学芸員)
展覧会スポットライト 止原理美展 現在形の陶芸 萩大賞展5大賞受賞記念
文・柿添康平(山口県立萩美術館・浦上記念館専門学芸員)
展覧会スポットライト 73 中田ナオト 松藤孝一
文・大西佑一(瀬戸市新世紀工芸館企画展担当)
陶芸公募展レポート 第14回現代茶陶展
文・伊藤嘉章(愛知県陶磁美術館総長・町田市立博物館館長)
陶芸公募展レポート 第4回瀬戸・藤四郎トリエンナーレ 瀬戸の原土を活かして
文・坊田智寿瑠(瀬戸市美術館学芸員)
陶芸実践講座 陶でつくるいきもの造形 第7回 キリン
講師・のぐちみか
陶芸マーケットプライス
展覧会スケジュール
HONOHO GEIJUTSU English Summary
他
ようこそ、建築とデザインの世界へ。楽しみながら、読んで学べる、入門者のためのアートエッセイ第一弾!教養として知っておきたい、時代をつくった建築家とデザイナーたち。
特集 越境陶芸 日本で活躍する外国人作家
土や木などの天然の「素材」を用い、伝統を踏まえた高い「技術」で作る日本の陶芸は、他の国にはない独創的なものとして、高く評価されている。日本陶芸の革新的な表現は、外からの刺激も受けて育まれてきた。近代においては、イギリス出身のバーナード・リーチがスリップウェアなどの西洋陶器と東洋陶磁器の技術を融合させた作風を確立し、日本の陶芸家たちに刺激を与えた。近年は、日本の美術大学などで学ぶ留学生が増えてきている。彼らは、なぜ来日して陶芸を学び、そして日本で制作を続けているのだろうか? 本特集では、帯状にした土で、オブジェから器や茶陶まで無限の形を生み出し、国内外で注目されているハンガリー出身のアーグネス・フス、轆轤で成形した端正なフォルムに彫りを入れ、表情豊かな刻文を施した青白磁・白磁で日本の伝統美を追求するアメリカ出身のピーター・ハーモン、そして陶芸のみならず絵画や版画の制作も手掛け、色彩に満ちた自由な作品世界を作り上げるスペイン出身のラファエル・ナバスをはじめ、20代から60代までの10名の作家を紹介する。境界を越えて融合する、新時代の「越境陶芸」の魅力に迫ると同時に、日本の陶芸・文化の魅力を再発見する。
志望校攻略に欠かせない大学入試過去問題集「赤本」
公務員試験は受験する試験種に応じて、広範な学習科目に当たらなければなりません。そのなかで、教養試験において配点が少ない科目に過分な時間を掛けることは、学習時間のロスにしかなりません。満点を狙うような勉強は必要ありません。必要最低限、おおむね6〜7割の点数をクリアすればよいのです。
そこで本書では、「思想・文学・芸術分野」について、出題実績に基づいて、合格に必要な知識のみを集約し、持ち歩きに便利なサイズにまとめました。
「過去問チェック」でパターンを知り、「穴埋め問題」などで知識の定着の確認をすることで、他の受験生が確実に得点してくるようなレベルの問題を、学習時間のロスなくこなすことができます。一般知識科目について、短期間で仕上げたいという方はもちろん、直前期の確認用にも効果を発揮する1冊です。
特集 焼締め陶の未来
焼締め陶とは、土を高温で焼締め、素材そのものを活かしたやきものである。釉薬を掛けたり、装飾を施したりはしないが、土の種類や焚き方による表情の違い、薪窯焼成による木の灰が溶けた「自然釉(自然降灰釉)」など、実は見どころに富んでいる。近年はデザイン的な作品が増え、現代陶芸の新しい傾向として受容される一方、土本来のあたたかみや、焼成によって表れた焼締め陶の表情に惹かれ、器として使ったり、花をいけたり、生活の中に取り入れたいという声も強くある。焼締め陶の持つ力強さや優しさは、我々を癒してくれる。また、焼締め陶は日本のみならず海外にもファンがおり、普遍的な魅力を持っている。信楽や備前など「六古窯」として知られる窯業地での薪窯による伝統的な焼締めをはじめ、それ以外の土地でガス窯や電気窯も用いながら、作家が自由に土を構築していく造形もあり、焼締め陶の表現がいま豊かに広がりつつある。本特集では、東北から九州まで日本各地で焼締め陶に取り組む作家の作品を通して、現代において土を焼締めるという原初的な技法で制作することの意味を探り、焼締め陶の未来を考える。
特集 変幻自在の織部
織部(焼)は、桃山から江戸時代にかけて、美濃で焼かれた斬新奇抜なやきものとして知られている。同心円状の単純な丸ではなく、歪みがあったり、あるいは扇や千鳥などの形のバリエーションを持ち、そこに幾何学文や吉祥文が生き生きと描かれている。そして、その多くに緑の釉薬が掛けられている。やきもの愛好家をはじめ、料理人や海外のコレクターなどファン層は幅広く、志野と並んで人気のある様式(技法)である。作り手は美濃や瀬戸を中心に全国におり、現代の織部に取り組んでいる。即興的に見える織部の文様に制作論理を見出す者、緑釉を現代的な感覚で捉え直す者、自由さを自分なりに表現する者など、多彩な解釈による現代の織部表現を紹介する。また織部は、武将茶人・古田織部の好みを反映して、同時代に生産されたものだと言われるが、その通説を再考する。
志望校攻略に欠かせない大学入試過去問題集「赤本」
芸術を愛する花騎士カルセオラリア、リシアンサス、ユリ、サフランの四人は飛行船の事故に巻き込まれロータスレイクに不時着してしまう。そこで物語、芸術を愛する憲兵隊長ハバネロに出会い、すぐに意気投合する彼女達。しかし、ハバネロは周囲や芸術に否定的な親友ジョロキアを気にして趣味を隠していた。ところが、そのことをジョロキアに知られてしまい、二人の友情に亀裂が入ることに!? 憲兵隊長ハバネロが加入するシリアルコード付き!