革命前夜のパリ。メルトイユ侯爵夫人はかつて自分を裏切ったジェルクール伯爵への復讐のため、伯爵の縁談相手セシルを誘惑するよう情人ヴァルモン子爵をそそのかす。上流社交界に渦巻く悪徳と頽廃を描いたラクロ(1741-1803)のこの小説を、当時世人は作中人物が実物に似すぎていると眉をひそめつつ、しかし熱狂的に愛読したという。
背徳漢ヴァルモンとその恋人メルトイユ夫人が狡智をかたむけて仕組んだたくらみは、今や着々と実行に移されていった。清純なセシルもヴァルモンの甘く執拗な誘惑に抗しきれず、ついにその身を彼の胸にゆだねる…。えぐるがごとき鋭い心理分析のゆえに、この書簡体小説はフランス心理小説の最高傑作の一つに数えられている。
この国は、本当に変わったのか?欧州からの、「北朝鮮」最新レポート。
生命科学の発達は、血液や臓器など「肉体の一部」が人体の外部で生きつづけることを可能にし、ローマ法で生まれ現在の西洋に受け継がれた、人間を非物質的なものとみなす観念を大きく揺さぶることになった。体から離れた部分はいったい何なのか、そして誰のものなのか。本書は、切断された他人の手を奪うというフィクションを考えるなかで、この観念の歴史的歩みを明らかにし、肉体をめぐる新しい法論理の道を追究する。
ロシュフォート公爵令嬢クラリスは、父殺しの汚名を着せられるが、謎の侵入者に助け出される。彼らに連れて行かれた先はクラリスの母親の元婚約者の所だった。男は自分を振って公爵家に嫁いだ母親が許せず、その娘に復讐の刃を向けたのだ。薄暗い地下牢で様々な恥辱の責め受けるクラリスだが…。
ハーバード・ビジネス・スクールにおけるケース・メソッドの核心。プライベート・エクイティ投資の歴史的背景、その仕組み、投資活動に参加する主要な当事者の考え方、行動様式等を、各段階ごとにケース・スタディと解説で紹介。日本におけるプライベート・エクイティ投資の発展と将来展望を知るための必読書。
裕福な家庭で育ち、大手出版社に勤め、恋人はエリート。順風満帆な毎日を送る梅村靖子の前に突然現れた若き格闘家・真島一馬。「俺はあんたのために闘うよ」。しなやかな獣と運命の恋に堕ちた靖子。その人生に初めて、闘いのゴングが鳴り響く。
第二次大戦後のベルリン。ナチス政権を批判して弾圧されていた二〇世紀最大の劇作家ブレヒトが、亡命先から故国に帰ってきた。反骨の劇作家の言動には東西両陣営とも神経をとがらせ、東側は女優マリア・アイヒを彼の許に送り込む。美貌のマリアはほどなくブレヒトに愛されるところとなり、彼女はブレヒトと過ごしつつ情報を送り続ける。ブレヒトの生活は奔放にして精力的で、女たちとの無垢な愛憎に満ちていたー。大戦後の、ヨーロッパの政治的熱情、心理的状況をも克明に描いて絶賛を浴びた。フランス・ゴンクール賞一〇〇周年目の問題作、ついに刊行。
きょうはクリスマス。プフとユピーは友だちとパーティーをひらきました。ところが、モミの木にろうそくの火が燃えうつり…。白猫のプフと犬のユピーの絵本。
冬休みを雪山ですごすことにしたプフとノワロー。吹雪の中で遭難しかけたり、雪かきをしていて生き埋めになったり、もう大変!白猫のプフと黒猫のノワローの絵本。
ブームとしてノストラダムスを読む時代は終わった。これからこそじっくりこの予言者=詩人と向き合わなければならない。とりあえず本国フランスでブームが過ぎ去ったあとのノストラダムス解釈がどれほどのレベルに達しているかは、本書が明快な見取り図を提示しているといえよう。著者のひとり、パリ第一大学で教鞭をとるエルヴェ・ドレヴィヨンは、17世紀フランスにおける占星術に関する研究で学位を取得した歴史学者である。その意味からも、信憑性の高いノストラダムス文献が乏しいわが国において、本書が信頼できるこのうえないノストラダムス入門書になることは疑いない。
主要なシークエンスとショットを追って、物語と映像の展開をテクスト論的立場からダイナミックに解きほぐしつつ、映画技法と映画史と映画理論についての再検討をもおしすすめる野心的な論考。
西洋は何を根拠に成り立ち、みずからを世界化したのか?マネージメントと科学主義がグローバルな支配を及ぼす時代に、鏡をとおして、イメージ、主体、アイデンティティを問い直し、ことばを話す生き物=人間の生きる論理を明るみに出す。ドグマ人類学への最良の手引き。
本書は、確率論を実際に自分の仕事や研究で使う必要のある人のために書かれた、確率論の入門書である。直感的イメージを大切にし、具体的なモデルを使って考えることによって、読者が確率の本質を数学的形式にわずらわされることなく理解できるよう配慮されている。また、本文中の要所要所に練習問題(全問解答つき)を配し、これらを解いてゆくうちに、本文で学んだ内容に対する理解が自然に深まるように工夫が凝らされている。