貴方が生きている限り、避けることのできない苦しみがある。どんなにうまく人生を遣り繰りしてきたつもりでも、身の処し方に迷うことがある。そんな時、拠り所になる信条を持っていますか?遠く懐かしい記憶を、今でも大切にしていますか?かつて幼かった貴方の姿を、瑞々しい筆致で描いた掌編小説集。
安永二年、深川の夏祭りをめぐって、地元の親分の間で起こった諍い。浪人暮らしを続ける坂崎磐音は権造親分への借りを返すために一働きすることになる。国許の豊後関前藩では、磐音と幼馴染たちを襲った悲劇の背後にうごめく陰謀がだんだんと明らかになる。父までもが窮地に陥ったことを知った磐音は、決意を胸に江戸を発つ。
友だちとうまくいかなくなった時、恋人と別れた時、どうすればいいのか、いつも本が教えてくれた。村上春樹「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」、宮下奈都「羊と鋼の森」、吉田修一「パレード」、西加奈子「サラバ!」…。大切な本を通して、人生のターニングポイントとなる瞬間を切り取った、瑞々しい初エッセイ。
かつて一世を風靡しながら、不慮の事故で行方を晦ました歌舞伎役者が、十五年ぶりに京都に姿を現した理由とは。茶会の準備で老舗和菓子屋の女性が見せた「おもてなし」の神髄。ようやくお店出しが決まった舞妓に思わぬ事態が…。花街祇園にひっそりと佇む一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」を営む元芸妓・もも吉と、そこに集い、慎ましくも誇り高く生きる人々の哀歓を描いた連作短編集。文庫オリジナル。
乗客の失踪が相次ぐ大西洋横断客船“海のスルタン”号。消えた妻子の行方を追うため、乗船した敏腕捜査官マルティンの前に、次から次へと謎がー。巨大な船の奥底で一体何が起きているのか?鬼気迫る捜査から導き出された驚きの結末とは?ドイツ屈指のベストセラー作家がばく進させる、前代未聞の閉鎖空間サスペンス!
中国の不動産バブル崩壊が幕を開けた。それは貨幣的な現象に留まらず、金融、行政、政治システムへと飛び火し、やがては共産党統治体制をひっくり返す要因にもなり得るー。バブル形成から崩壊まで、複雑怪奇な構造をどこよりも分かりやすく読み解く。
最高の健康ホルモン「テストステロン」を作り出す。骨や筋肉の強度を向上。今日からできる生涯現役のためのマッサージ。
「芸術はとにかく実行なのです」西欧文学に通暁し幅広いテーマの名作を書き続けた著者が実践的な小説作法の要諦を論じ尽くした名著。
一九二三年に完成した帝国ホテル二代目本館、通称「ライト館」。“世界一美しいホテル”として絶賛された名建築だが、完成までの道のりは、想像を絶するものだったー。二十世紀を代表する米国人建築家、フランク・ロイド・ライトによる飽くなきこだわり、現場との対立、難航する作業、襲い来る天災…。次々と困難が立ちはだかったが、男たちは諦めなかった。ライト館の建築に懸けた者たちの熱い闘いを描いた、著者渾身の長編小説。
ギリシャ哲学の徹底的な読解によって日本における西洋哲学研究の基礎をきずいた著者が、「現実」「未来」「過去」「時間」「ロゴス」「イデア」といった根本概念の発生と変遷をたどった代表作。半世紀の時を超え初の文庫化。
バスていくん、どこにいくの?おなじところに立っていることにあきあきしてしまったバスていくん。よそへ行ってみることにしました。
その女性は出生前診断で「異常なし」と報されて子供を産んだが、実は誤診でダウン症児だと告げられる。三カ月半後、乳児は亡くなった。自己決定の機会を奪われた女性は医師を提訴するのだがー“命の選択”に直面した当事者たちの内面に肉薄する、大宅壮一ノンフィクション賞&新潮ドキュメント賞W受賞作。
伊丹の新酒を積んで江戸に向かったはずの新酒番船が消息を絶った。その船頭の息子と知り合った「かわせみ」の面々が心配するなか、父親の船頭が生還したとの知らせが。安心したのもつかの間、船頭は、再び海に挑む…。表題作ほか、全七篇を収録。美しい江戸の四季を背景に、人間模様を情緒豊かに描き出す不朽の人気シリーズ。
一方的すぎる想いから出る言葉は大切な人の心を抉る。弓道部の部長を務め、誰もが認めるイケメンで、その人気から告白されることも日常茶飯事の柳楽涼介。そんな彼には、霊感体質という秘密があった。負の感情を抱き、妖狐に取り憑かれてしまった同級生とともに妖の世界に閉じ込められた涼介は、異空間の壁を打ち破ることができるのか。そして、言霊の力は心にかかった靄を取り払ってくれるのか。『神様とゆびきり』では高校生だった涼介の、中学生時代の物語。