18?19世紀に始まった東アジアにおける英語受容の取り組みを解明
中国の『英吉利国訳語』『華英通語』、日本の『諳厄利亜語林大成』『増訂華英通語』などの初期英語辞書・学習書の内容を分析し、それらがいかにして編集されたかを明らかにするとともに、日本人の英語学習と中国の語学書の関わり、英語音声の知覚と表記、音訳と意訳、言語名の歴史、和製英語などの関連する諸問題を論じる。
熊本県内に生息する野生哺乳類を対象に、熊本野生生物研究会のメンバーが実際に体験したり学んだことを通して、それぞれの動物の生態学的特徴や地域の自然を紹介している。「あか牛」等の熊本ならではの動物をとりあげている。
近年注目を集める幾何学的群論の入門書。幾何学的群論は、代数的な対象である群を、幾何を使って調べる分野。本書は従来の幾何学的群論の教科書とは違い、トポロジーの話題から始めることで、遥か遠くから空間を粗く眺めて本質をとらえるという幾何学的群論のアイデアを明確に伝える。重要な対象である「グロモフ双曲群」の解説はもちろんのこと、低次元トポロジーと幾何学的群論の相性の良さを裏付ける「写像類群」も後半で取り上げる。著者のいきいきとした筆致により、本分野の魅力を存分に感じることができる。雑誌『数学セミナー』の好評連載を収める新シリーズ「数学セミナーライブラリー」第1弾!
第1章 序論/オカンと幾何と群
第2章 基本群/柔らかい幾何学?
第3章 被覆空間/空間を開いてつなげる
第4章 多様体と幾何構造/曲がった空間
第5章 双曲幾何/非ユークリッド幾何学
第6章 タイヒミュラー空間/双曲幾何の変形空間
第7章 群と表示とケーリーグラフ/点と点をつなぐ
第8章 擬等長写像/粗い幾何学
第9章 グロモフ双曲空間/やせた3角形
第10章 グロモフ双曲空間の応用?/智はまるいか?
第11章 グロモフ双曲空間の境界/無限遠点たちの集合
第12章 写像類群の幾何/“忘れて” 得られるもの
限りある資源、美しい地球を次世代につなげていくために、私たちは今、何ができるだろう?「食」「自然」「暮らし」「心」「住」の5分野からさぐる未来への可能性。
わかりやすい地図でたどる、壮大なヒトの歴史ーー
入り組んだ系統樹の中で、私たちだけが生き残った。
600万〜700万年前にチンパンジーとの共通祖先から進化した人類は、多くの種に枝分かれし、アフリカから世界に拡散し、その多くが絶滅し、唯一、ホモ・サピエンスだけが生き残った。人類がどのように生まれ、危機の時代を過ごし、世界各地へ拡散していったのかを、様々な考古学的データをもとに再現した書。
大判の判型に、アフリカから世界各地に拡散していく地図、豊富な図解、写真を掲載し、見応えのある誌面を構成。化石データに加え、古代の気象図や海岸線図を参照しつつ、人類の歴史と大移動の経路をたどる。移動過程における定住や生態系への影響、複数の人類が共存した可能性なども探る。
また最新の皮膚形成術をもとに、化石骨格から各時代の人類の容姿を生き生きとした復元像で再現。生物学的な進化だけでなく、道具や言語、生活習慣などの進歩もたどることで、今日、世界各地で独自の文化を持って暮らす諸民族誕生の謎にも迫る。
序文/まえがき/プロローグ
1章 人類の夜明けと最初の拡散
2章 旧世界のさまざまな人類の形態
3章 ホモ・サピエンスの第2の誕生
4章 新石器革命と世界への拡散
5章 遺伝子・民族・言語の多様性
付録 博物館と遺跡/用語集/参考文献
乳酸菌やビフィズス菌は、病原性のない食用微生物として古くから世界中で利用されてきた。本書は発酵乳関連の研究に研究に活躍する大学,企業,公的機関の研究者が専門研究領域を執筆。研究成果を網羅。
25年間番組制作に携わってきたテレビマンの著者が、「名著」と「人との出会い」から学んだ「心に残る珠玉の言葉」が、ここにはちりばめられています。アドラー心理学『嫌われる勇気』の著者岸見一郎氏との対談も収録。
(初版1986年12月20日)数とは何か,集合とは何か,数学の証明とは何か,数学における直観とは何かなどといった事柄を親しみやすく解説した数学が見える本.
【目次】
1章 数学的風景
2章 数学的経験の多様性
3章 外への表出
4章 内への表出
5章 数学の精選話題
6章 教授と学習
7章 確実性から可謬性へ
8章 数学的実在
子どもの目線でつくる生活環境。子どもにとって優しい環境は障害者や高齢者にも優しい環境。子どもの目線を借りて、まちづくり、学びの環境、癒しの環境という三つの生活空間を見直しリニューアルする試み。
海辺に咲く花の名前を知っていますか?万葉集に詠われて以来、源氏物語、枕草子にも登場する、日本人に最も親しみ深い海流散布植物ハマユウ(ハマオモト)を主な題材に、黒潮が運んだ海岸植物に秘められたふしぎの数々を、植物生態学者にして漂着物学の第一人者である著者が丹念に読み解く。
かつてはどこにでもいた生きものたちや、むかしながらの景観が失われつつあるー。「生物多様性」とはなんだろう?その問いにこたえるべく、環境省の若きレンジャーたちが、日本の生きもの、そして日本の自然保護行政の歩みについて、わかりやすくかつ科学的にリポートする。
ヒマラヤや中央アフリカの高山帯・砂漠など極限環境への植物の適応、地球温暖化の影響や生態系と種の保存、日本の自然を形づくる多様な植生とその成因、植物分類学・生物地理学などに関わる論考を収録。
究極のリサイクルシステムとしての森林。これをどう活用するかが、現代文明の危機を救う鍵なのだ。
ハンディ版の就職シリーズ「わかる!わかる!わかる!」の1冊、「小論文&作文」。実践的なテクニックの解説と、実際に学生が書いた豊富な実例をコンパクトに収録。練習で書いてみたいというときに、試験の直前の確認に、またエントリーシートを書くときにも役立つ1冊です。
アジアにおける生物資源の持続的利用のあり方をさまざまなフィールドからさぐる.生物資源学と環境学という2つの座標軸で生物資源生産が直面する課題をとらえ,その解決に向けた方法論について解説.さらに遺伝資源としての生物資源の特性と,その未来を語る.
はじめに(則定真利子・小島克己)
序章 アジアの生物資源と環境(小島克己)
第I部 生物資源の多面性と持続的社会
第1章 荒廃地に森を作る(則定真利子)
第2章 農業生産システムを生態系として捉える(大久保悟)
第3章 木質資源を活用する(井上雅文)
コラム 木の長所を伸ばす材料開発(足立幸司)
第4章 地域を保全する(堀 繁)
第II部 遺伝資源としての生物資源
第5章 作物の遺伝資源を掘り起こす(根本圭介)
第6章 野生植物を利用する(高野哲夫)
第7章 地下から森林を見つめ直す(奈良一秀)
コラム 外生菌根共生系における物質転流を可視化する(呉 炳雲)
第8章 遺伝子を通して個体群を捉える(練 春蘭)
コラム 外来樹種ニセアカシアの分布拡大経路を遺伝子から推定する(木村 恵)
第III部 生物資源の持続的利用
第9章 農業生産システムを選択する(鴨下顕彦)
第10章 沿岸海域の環境を保全する(福代康夫)
コラム バラスト水とアジアの水生生物(都丸亜希子)
第11章 熱帯泥炭湿地を保全しながら利用する(小島克己)
コラム <i>Melaleuca cajuputi</i>の営み(山ノ下卓)
第12章 地域と地球を結ぶ(山ノ下麻木乃)
終章 生物資源環境学のめざすもの(小島克己)
おわりに(則定真利子・小島克己)