本書は、東京大学農学部で行われている同名の講義の講義録に基づいて講義はオムニバス方式として、同じ講義題目の下に専門の異なる数人の教官が講ずる形式をとっている。
アジアの東の端に生まれ育ったキリスト者にとって、自らの内にある宗教意識、文化、生活規範は信仰とどのように切り結び和解するのだろう。本書は1998年2月16〜20日行われた、ルーテル学院大学公開講座第32回教職神学セミナー「対話」の講演録をまとめたものである。
ピュタゴラス以来、科学は単純性を志向し、単純化、モデル化によって基礎科学を形成する重要な諸法則が発見された。しかし生命体や生態系、環境や社会などの複雑系は単純系の集合ではなく、不確定なゆらぎを経て自己組織化し、変異しつつ発展するシステムである。物質科学で見出された単純な原理に基づいてこれを解明することができるか。解決の糸口を求める科学者たちの様々な試みと、著者自身の「関係化の理論」を明快に説く。
本書は公衆衛生に携わる著者らの日頃の研究成果を踏まえて執筆。見開き1ページで一つのまとまりをもたせ、図や表を豊富にし視覚的な理解を容易にした。また、具体的な事例を引用し社会的・歴史的視点から説明している。
本書は、日本の各地で多様な学習者の学びや人権保障のあり方に関心をもつ人々に、多文化教育を多面的に把握してもらうことを意図して書かれている。また、はじめて多文化教育について学ぶ人にも、その広がりと奥行きが伝わるようにと構成されている。
本書は、河川・ため池・水田およびこれらの間に張り巡らされた水路網といった身近な水辺の自然とその改変について、生態学者の立場から述べたものである。水辺にはどれくらい多様な生物=生物群集が生息するのか、これらの生物群集がそこに生息できる、あるいは改変によって生息できなくなる理由やしくみはどのようなものか、これらの理由やしくみから考えて水辺の環境保全はいかにあるべきか、といったことが書かれている。
森林生態学の立場から森林と人間との多様なかかわりを包括的に語り、経済一辺倒の森林行政を脱して人と自然が共生するための森や里山をいかにして創出するか、森林再生への具体的な方法をさぐる。緑の山河を残すための21世紀への提言。
本書の第1、2章は北海道大学理学部数学科3年次の後期に講義される幾何学3(多様体入門)の内容に大体沿うものである。また第3章から第5章までで、トムの横断性定理、マルグランジュの準備定理とその応用、可微分関数芽の特異点の分類(特に、トムの7つの初等カタストロフィー)といった実特異点論の標準的な話題について解説した。第6章、第7章ではシンプレクティック多様体および接触多様体とそれらに付随したラグランジュ特異点およびルジャンドル特異点について解説した。第8章ではわれわれが最近研究した話題およびこの分野における現在進展中の話題として1階偏微分方程式論への応用の研究の紹介を行った。本書で詳しく触れられなかった話題については、第9章でわれわれおよびその他の人たちによる主要な成果と関連する文献の紹介を行った。
微分位相幾何学への初等的かつ直観的アプローチ。解析学を1年、線形代数学を半期学習した数学の学生向け。
一人で見るのがもったいない風景、どこを切り取っても絵になる街。建築家が案内する静岡発世界35都市。
自らを「培地」とする初めての「動物細胞培養」に成功、ただいま子育て奮闘中の著者が実体験に基づいて語る生活体感生物学。
危機に直面し、われわれの経済システムはどこに行こうとしているのか。進化、制度、組織、歴史をキーワードに、内外の俊英が渾身の論究を競う。20世紀末批判的経済学の到達点。
公共事業の見直しなど、これまでの政策の再評価に対して、社会的に関心が高まっている。政策実施の上での、その効果への問いかけは、もはや研究段階にとどまらず、政策実施のうえでの重要な課題となった。サーベイ編と評価事例編の二部構成で、環境評価研究の展望と具体的な評価手法を紹介。
会計方針の多様性をテーマに、それに関わる経営者の論理と投資者の論理の両方に焦点を当てたことが、本書の第一の特徴である。会計方針の多様性が株式市場においてどの様に評価されているのかを、企業間差異、期間的差異、国際的差異という3つの側面に分けながら総合的に探究している。これが、本書の第二の特徴である。
国際的視点から財務会計と管理会計を理論的、実務的に詳述。主要国の移転価格税制の最新情報を提供。
本書は「色」、「香り」、「形」、「咲く」のシンプルなタイトルの4部から構成されている。というのも、花粉を運ぶ動物や昆虫たちのみならず、私たち人間もこの4つの特徴により花を認識していると考えたからである。さらに、この花の色、花の香り、花の形、そして花の咲きかたこそが、まさに繁殖のために進化してきた花の特徴でもある。本書では、花の多様性ならびにその美しさに秘められた進化の謎を、繁殖生態学、化学生態学、分子生物学、生理学などの多彩な側面から紹介する。