われわれは母を選ぶことはできなかった。それと同じように、言語を選ぶこともできなかった。われわれ日本語の環境の中へ生まれ落ち、その方言を身につけ、その方言で考える人間として成長した。われわれの身体の中に母親があるように、われわれのことばの中には生まれた土地の方言がある。文字に書けば標準語でも、話せばそれぞれの地方の特徴が出る(東京方言も含めて)。「血は争えない」ように、「地も争えない」のである。
コミュニケーションとは、正しい言葉を〈書き、読み、話し、聞く〉ことによるアイデアの“伝え合い”はもちろんのこと、相手をしてさせる、つまり〈話をさせる、書かせる、聞かせる、読ませる〉という面も見逃せない。本書はそれぞれの局面において、どのようにすれば一番効果的なのか、その具体的ノウハウを満載した強力な知的マニュアルであるー。
今、日本語ブームだと言われます。ところが以前にくらべて現代人の語彙は、減少の一途をたどっているように思えます。ますます忙しくなった日常、言葉を選んで悠長に話してなどいられないことも事実です。そこで本書では、昔から人々が伝えてきた言葉の周辺の姿をパズルにしてみました。
“シルクロード必殺研究人”の東西よもやま言葉談義第二弾。ファースト・フード・メニューは多彩な歴史の饗宴、愛車名語源に手ほどき、あなたのお好きかも知れないダイヤモンドに相似たあの輝きのジルコンは、古代ペルシャを出てから時空間を漂泊、スペインのアルハンブラ宮のグラナダ王国を経て、現在に生きております、など。
“人間の認知とは何か”を問い続ける心理学の中でも最近とくに進展めざましいのが認知心理学である。本書は、その認知心理学の成果によって精神医学を洗い直すことを研究課題としてきた著者が、20年来に及ぶ研究の里程標としてまとめたものである。
この本は、これまで多くの方々から出された話力(話す力、聞く力)に関する質問の中から頻度の高いものを取り出し、それに対する具体的解決策を提示しようとしたものです。
「物語の構造分析序説」(1966)以来、バルトはフランスのナラトロジー(物語記号論)のリーダーとしてこの先端領域を切り拓いてきた。本書は、この分野における主要な論考、「物語の構造分析-『使徒行伝』10-11章について」(1969)「行為の連鎖」(1971)「エドガー・ポーの一短編の分析」(1973)を収める。この三編の邦訳によって、バルトの《物語学》関係のエッセーはほとんど訳されたことになる。彼の新鮮な分析視角はわが国の《物語研究》にも有益な示唆を与えるであろう。
NHKチーフアナウンサーである著者が公私にわたる交流からすくいあげたスーパースターの積極的人生・会話術。長嶋茂雄、王貞治、青木功、岡本綾子…。