本書の積極的意味は、文学史の底辺?にあって、ほとんど忘れられた諸作品、それらの一部に光を当てようとしたことである。
『伊勢物語』は、珠玉の短篇、歌物語の典型、紛れもない古典文学であるか。-「歌語り」「古今集」「カノン化」から遠く離れて。
太宰治が創造した文学的な音響映像から美術的なアプローチによって虹色に輝く聖性を抽出する果敢な試み。迸る存在としての太宰文学の軌跡を描き出す。