美と藝術についての哲学的反省である美学──その美学の重心が,21世紀の今日,美しいものから感性的なものへ,藝術からアートへと大きくシフトしている。感性領域における価値の流動化と,制作活動が持つ意味の多様化の中で,本書は美と藝術への扉を開いた哲学者たちを取り上げて,美しいものをそれ自体の側から考察しようとする美学の原点に立ち返る。美学の今日的な意義を考える上で示唆に富む。
『その日、私は運命に出会ったーー。』
恋をしたことがないOL・日向かしこは、「何でもするから、泊まらせてほしい」と話す、
身分不詳の美少女・レイカに出会う!はじまる二人の共同生活、剥き出しの真愛がここに。美麗筆致で送る、愛と狂気の百合物語、開幕!!
高校1年生のソラは、ある夜、天体観測の途中で何万という流れ星とともに落下する不思議な物体を目撃する。駆けつけると、そこには緑色の髪をした女の子が立っていた。ヒカリと名乗る少女はソラの高校に転入し、すぐに学園のアイドルとなっていく。ところが、ある日二人は謎の組織に誘拐されて…。ソラとヒカリ、愛し合う二人の世界は、学校を、日本を、やがて地球を、宇宙を巻き込んでいくー。
結婚式に参列した千佳は、帰り道でタクシーの運転手に想いを零す(六月 アマリリス 「おしゃべり」)、資格試験に合格した優里は、喧嘩別れした親友のことを思い出す(三月 クリスマスローズ 「追憶」)、推しのスキャンダルにショックを受けたるりは、あることを思いつきーー(八月 向日葵 「あなただけを見つめる」)。女性たちの揺れ動く心情を、花と花言葉にリンクさせながら、温かく描き出していく二十四篇の連作小説集。
反ファシズムの姿勢を貫く側こそ、「敵の手法に学ぶ」必要があるのではないか。そう問いかけて、世界に衝撃を与えた古典を日本語として初めて全訳。著者である心理学者のチャコティンは、ナチズムとの「シンボル闘争」を指揮し、その報告書を含む、本書の1940年英語版(今回の日本語版原本)は、メディア研究・コミュニケーション理論・集団心理学などの基本参考文献として広く認知されている。メディア史家佐藤卓己氏の手になる、浩瀚な「解題」付。
《本書の目次・小見出しは部分》
著者と作品についての一考察ーーイタリア語二〇一八年版における著作権継承者の解説
初版の序
英語版への序
フランス語改訂版(一九五二年)の序文
★第一章ー科学的序論:厳密な科学としての心理学
人間科学/心理学の位置/行動主義/パブロフと条件反射理論/抑制/拡延/大脳機能局在ー睡眠ー暗示・・・他
★第二章ー集団心理学
政治活動/群衆心理ーギュスターヴ・ル・ボン/大衆と群衆/ロシア革命の事例/本能の体系/悪徳ー昇華ー感情/人間文化の遺産ー堕落・・・他
★第三章ー闘争本能
闘争/身体的暴力ー苦痛/威嚇/恐怖の擬態/恐怖/パニック/戦闘用マスク/制服/グーツ・ステップ/規律/軍楽・・・他
★第四章ーシンボリズムと政治プロパガンダ
現代の特徴的シンボリズム/政治シンボル/ファスケス(束桿)-鉤十字/グライヒシャルトゥング/三本矢/図画シンボル/シンボル敬礼・・・他
★第五章ー過去の政治プロパガンダ
古代/ギリシャ/ローマ/キリスト教世界/フランス革命/社会主義者の方法/一九一四〜一八年の世界大戦・・・他
★第六章ーヒトラーが成功した秘訣
ヒトラー現象とその危険/「五千人」と「五万五千人」の区別/民衆向け感性的プロパガンダと説得のプロパガンダ・・・他
★第七章ーヒトラー主義に対する抵抗運動
最初の一撃/ルーチンと無理解に対する闘争/一九三二年大統領選挙の第二回投票/プロイセン、ヴュッテンベルク、ハンブルクの選挙/ヘッセンでの大勝利/新たな希望と期待はずれ/「指先を握る」計画・・・他
★第八章ー世界規模の心理的暴力
その発端/ザール住民投票/ラインラント再武装化/アビシニア戦争/戦争危機の恐喝/スペイン戦争/「総力戦」の思想・・・他
★第九章ー行動的社会主義
自由/資本主義の最期/「マルクス主義」の黄昏/国際連盟の権威失墜/似而非平和主義/社会主義の再活性化/再生/生物科学としての政治/実験政治学/道徳要素の組織化/強迫的平和の理想とそのプロパガンダ/集団防衛協定/フランスの役割・・・他
★終章ー結論
覚醒/安全保障の状況/人間文化と生物学的健康との拮抗・・・他
解題ー「ファシスト的公共性」を体現した古典
英語版・引用文献
人名索引
「おねがいしますっ!」
針を持ってた手をひしとつかまれ、「ひぃ」って小さな悲鳴がのどからもれた。
「助けてください!」
ケガでサッカー部の練習を休んでいた針宮優人は、
クラスメイトの糸井さんによって、強引に被服部の助っ人にされてしまう。
被服部にいたのは、空気を読まない糸井さん、明るく大胆なマスミン先パイ、男子は断固拒否(!)なサンカク先パイの3人だった。
じつは、裁縫が大好きで、得意だったことを見破られた優人は、文化発表会用のドレス作りにまきこまれていく。
ケガを心配して、復帰を待ってくれているサッカー仲間のカイトにはいいだせないまま、被服室に通ううち、優人は、手芸が大好きなのに、一方でそれをはずかしいと思う自分の気持ちにむきあっていく。
ほんとうに好きなことに正直になりたい、手芸男子ストーリー!
教員をやめ、小学4年生の息子とふたり、
東京から地元に戻った黒羽三吾は、
父が営むパン屋で働きはじめる。
店で起きた万引き騒動をきっかけに、
ある少女と話をした三吾は、
彼女が学校の宿題で少し困っていることを知る。
かつての教え子の姿が心に浮かぶ三吾。
勉強を見てあげようか、と提案するのだが……。
さらに、息子の親友になった少年は、
自分も気づいていない、ある困難を抱えていた。
教員時代の後悔を胸に、人生の岐路に立つ三吾と、
学校や家で、ちょっと困ったことがあるのに、
言葉にできない子どもたちが、
「学ぶこと」の意味を探しながら成長する、
あたたかな物語。
イギリス王立美術院の設立(1769年)に伴い,著名な画家で初代学長のジョシュア・レノルズ卿が毎年行った講話に,詳細な註と解説を付した待望の翻訳である。
王立美術院の目的は,有能な人材によって将来を担う優秀な若者を教育し,優れた美術品の蒐集とそれらを手本とした模倣を通して,美の核心である荘重形式の意味を会得させることであった。自由放任主義や華麗な技術偏重主義に反対し,アカデミズム藝術の本筋を示してその基礎を据え,絵画,彫刻,建築に多大な影響を与えた。
多岐にわたる内容は,美について/模倣の真の方法/藝術は模倣に加え想像力の導きのもとにある/借用はどこまで許容されるか/賞に値する絵画について/歴史画における二つ異なる様式としての荘重様式と装飾様式/創意・表現・彩色・衣文を規制する主要な原理/彫刻には一つの様式しかない/あらゆる流派から集められるべきもの/ラファエロ,ミケランジェロ,この二人の並外れた人物の相互比較/天才は,規則の終わるところから始まる/詩であれ絵画であれ,藝術の諸原理は精神に根差す等々,実践的な提言から人文学的観点での考察,社会的機能,イタリア藝術の伝統にまで至る,豊かな知識と見識に支えられたヨーロッパ藝術思想を知るための古典的文献。
国民的トップアイドル・音羽光。
人気絶頂を誇っていた彼女は、帰り道に凶刃に襲われる。
彼女の死の真相は?売春婦としての顔はなぜ暴かれたのか?
両親との深き溝…彼女の願いは、果たされる事はあったのかーー。
人間を抉る偶像娼婦ヒューマンドラマ、終幕!!
男子校の三バカなる川地たちは、呑気に女子のいない高校生活を楽しんでいた。だが廃校計画を聞きなんとなく覚醒した彼らは、自分たちの居場所を懸けて奇跡のパフォーマンスを見せる…! バカ丸出し男子の青春物語!
あしたのために(その1)
あしたのために(その2)
あしたのために(その3)
あしたのために(その4)
あしたのために(その5)
あしたのために(その6)
あしたのために(その7)
あしたのために(その8)
祝福
ふたたび、あしたのために
1:●よりよい合唱にするために・・・
2:●よりよい合唱にするためのチェックリスト
3:●本書で使われる主な音楽用語と記号
4:【Section1 合唱の喜びを味わおう】
5:Believe
6:君をのせて
7:怪獣のバラード
8:夢の世界を
9:カリブ夢の旅
10:マイバラード
11:Let’s Search For Tomorrow
12:My Own Road-僕が創る明日ー
13:大切なもの
14:明日へ
15:変わらないもの
16:輝くために
17:地球星歌〜笑顔のために〜
18:【Section2 合唱の世界を広げよう】
19:絆
20:風をみつけて
21:大地のように
22:心の中にきらめいて
23:旅立ちの時〜Asian Dream Song〜
24:地球の鼓動
25:あなたへ -旅立ちに寄せるメッセージ
26:この地球のどこかで
27:ぼくはぼく
28:ぜんぶ
29:COSMOS
30:時の旅人
31:【Section3 さまざまな合唱アレンジに触れよう】
32:星めぐりの歌
33:見上げてごらん夜の星を
34:虹
35:懐かしい未来
36:手紙〜拝啓十五の君へ〜
37:糸
38:心の瞳
39:栄光の架橋
40:ふるさと
41:いざたて戦人よ
42:Annie Laurie/アニーローリー(アニー・ローリー)
43:モルダウ
44:Amazing Grace
45:てぃんさぐぬ花
46:谷茶前
47:【Section4 合唱の表現を深めよう】
48:このみち
49:ヒカリ
50:リフレイン
51:春に
52:はじまり
53:信じる
54:聞こえる
55:走る川
56:ひとつの朝
57:河口
58:名づけられた葉
59:【Section5 願いを込めて合唱しよう】
60:予感
61:HEIWAの鐘
62:あすという日が
63:はなさくら
64:ほらね、
65:IN TERRA PAX 地に平和を
66:-二十一世紀に生きる君たちへー決意
67:旅立ちの日に
68:大地讃頌
「デフ・ヴォイス」シリーズで話題の著者による傑作長篇!
「居所不明児童」--親などに連れられ所在が分からなくなってしまう子どもたち。
近年社会問題となっている「闇」を通して、「親と子」の在り方を問う物語。
ある日、一人の少女が失踪した。
恋人・祥子の教え子で、父親に連れられて姿を消した小学4年生の紗智。
彼女を探すことになった二村直は、少女の背後に広がる「居所不明児童」、
虐待や棄児、援助交際など、社会の闇を知ることになるーー。
自分自身の結婚への迷いや、親になることへの不安、そしてそれまで目を背けていた過去に対峙し、やがて直はある決断を迫られる。
家族とは何か、親になるとはどういうことか、を問う物語。
解説:大塚真祐子(書店員)
国連事務総長「ハロルド・グレイストーン」の提案により、
優勝国が世界の実権を握る“世界大戦トーナメント”の開催が決定。
自身の母と兄を殺害した、父の手掛かりを追う戦乙女「野茨スカーレット」は、
世界大戦へ進むため、その選手を決める“日本代表選出戦”へと臨む。
“精神移植”という技術により、現世に蘇りし歴史上の猛者たち。
その死合は混沌を極め、スカーレットもまた、
奇策を弄する「果心居士」の催眠により意識を失ってしまう。
果たして日本代表戦の結末は……!?
野茨スカーレットの体内にあるとされる、
未知の物質“エンジェル・グレイス”--。
その血の源流に値する、父「アクセル」の行方ーー。
そして、世界各国で生み出されし歴史上の猛者…兇人たちーー。
其々の野望と、数多の殺意と、深めく謎が集い合わさり、
戦乱は今、極致に達する!!
世界規模バトルアクション!
クライマックスを飾る第3巻!!
クラシック界の至宝、巨匠メナヘム・プレスラーの芸術的ピアノ演奏の神髄を伝える1冊。70年以上のキャリアを誇り、ドイツとフランスから勲章も授与されているプレスラー。彼が1955年に結成したボザール・トリオは世界屈指の室内楽団として長年称賛を集め、世界各地で年間100以上のコンサートをこなし、レコーディングではピアノ室内楽の曲をほぼ網羅するなどしていたが、2008年に解散。以後プレスラーはソリストとしての活動も増やし、2014年には90歳にしてベルリン・フィルと初共演。その演奏に魅了されたサイモン・ラトルに招かれ、同年末にはジルベスターコンサートでの共演も果たしている。本書は2部構成になっており、「Part 1」ではプレスラーの半生や演奏論についてまとめられているが、圧巻は「Part 2」。マスタークラスやレッスンで扱った23曲について、彼が発したコメントやアドヴァイスを小節ごとに細かくまとめ紹介している。
旗本・梶川与惣兵衛は、「あの日」もいつもどおり仕事をしていた。赤穂浪士が討ち入りを果たした、世にいう「忠臣蔵」の発端となった松の廊下刃傷事件が起きた日である。目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として、彼はどんな想いを抱えていたのか。江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた物語。第三回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。