「お前の居場所は、俺が作るから。泣くな」
ピアノだけが友達の孤独な少女の夏子は、異彩の少年・月島と出会い、振り回され、傷
付きながらもその側にいようとする。
やがて月島は唐突に「バンドをやる」と言い出した。
彼は、夏子の人生の破壊者でも創造者でもあった。
大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんてーー。
異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。
直木賞候補となった鮮烈なデビュー小説。
「生生しくて、切なくて、痛くて、何度も胸を揺さぶられた。この小説が好きだ。好きだ、と叫び出したくなる」
宮下奈都(解説より)
【藤崎彩織】
1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』がある。
性行為の歓喜が心身の力を極限まで高め、究極の智恵をもたらすという理論を根拠に、修行に導入された「性的ヨーガ」。不正義の人が悪事を成す前に、浄土に送り届けることは救済にほかならないという思想に基づく「呪殺」。チベット密教には、いまだ秘匿された教義が数多く存在する。なぜそうした奥義がチベットで歓迎されるに至ったのか。その背景を解き明かしつつ、知られざる神秘に迫る。国や地域と時代を問わず、宗教にあまねく内在する暴力とエロティシズムの原理にまで鋭く切り込んだ一章を増補。宗教の本質を抉り出す驚異の密教入門書。
郡司正勝、本田安次らの後は未着手のままであった初期歌舞伎研究を中心に、近世初期の芸能(歌舞妓・能楽・琉球芸能)と絵画・工芸・文芸を縦横に行き来し、日本文化史を図像学の観点から捉えなおす。時を超え意匠から鮮やかに蘇える近世期ー珠玉の日本文化論。
はじめにー日本文化のこころに触れる図像学
第一章 込められたものがたりの始まりはー鯉と恋と「扇の的」《阿国歌舞伎・遊女歌舞伎》
一 「柳橋水車図屏風」が放つ金色の妖気
二 「遊女柳橋扇面流図屏風」を解く「鍵」はー七面の絵扇
第二章 あらわれた柳の大樹の“謎”-宇治の橋姫と『歌舞伎図巻』「鐘聞」
一 どうして柳の木があるのー柳は夢か幻か。「鐘聞」の“謎”
二 「月」が導く“時(時代)の意匠”
三 江戸時代の表象世界を読み解く〈鍵〉はーたとえ時が移ろうとも……波に洗われた千鳥の足跡は永遠に残る
第三章 舞踊図:画にとどめられた一瞬の舞姿ー初期歌舞伎舞踊の「型」の成立と「舞踊図」の誕生《遊女歌舞伎》
一 描かれた「舞踊図」の謎ー江戸時代初期に花開いた女性の舞踊姿とは
二 意匠が伝える由来ー鳳凰の表された意味は
三 国宝 琉球国王尚家伝来紅型衣裳と左三つ巴紋ー海を越えた意匠
第四章 藤の花枝に込められた想いはー大津絵「藤娘」のこころと若衆歌舞伎
一 大津絵「藤娘」の“謎”-あなたは誰?
二 〈謎解き〉のスタートー解く“鍵”「藤の花枝」
三 黒紅地小袖の“娘”-描かれた“踊衣裳”
四 藤娘と“恋の縁結び”-藤の花を折りて……(在原業平)
五 「笹を藤に持ち替えて」の謎ー飛び出た藤の花・“絵姿”・記された“ことば”
第五章 洛陽の時と別れー画に響くのは謡の詞「誰が袖図屏風」に込められた能のものがたり《若衆歌舞伎・野郎歌舞伎》
一 配された情景に物語が流れ出すー日本美術における“御所解模様”
二 画に響くものは謡の詞章ー根津美術館蔵「誰が袖図屏風」
第六章 軒端の梅と朝露の花ー歌謡と芸能、琉球宮廷舞踊と大和文化
一 軒端の梅と朝露の花ー世阿弥作「東北」(仕舞)と玉城朝薫・「かぎやで風」
二 琉球に伝えられた京の都の“淀の川瀬の水車”-「江戸下口説」
三 琉球宮廷舞踊 古典女踊り「諸屯」と大和の宮廷文化
四 『古今和歌集』と琉球芸能の幕開け祝儀舞踊ー若衆踊「若衆特牛節」
五 “楽童子”はなぜ元服前の少年であったのかー琉球宮廷舞踊 古典女踊り「柳」
六 琉球に伝えられた“小野小町”
七 咲くやこのはなー琉球宮廷芸能に咲いた“藤の花”
図版典拠・映像一覧
あとがきー図像学と生きる深さ
著者・田所剛之氏は東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻し、卒業研究ではサッカーのインサイドキックを力学的に研究しました。
在学中は、東京大学サッカー部のフィジカルコーチも務めました。また、学生ながらパーソナルトレーナーとしても活動しており数多くのJリーガーを指導しています。
本書では感覚的なことは一切排除をして、物理学的に正しいとされるキックの理論を記す。
いままでは慣習的に正しいとされていたけれども、物理学的には間違っていたキックの常識にメスを入れます。
本当に強いシュートの蹴り方、本当にゴールに繋がるフリーキックの蹴り方、本当に味方が求めるパスの蹴り方を身に付けられます。
オールカラーでイラストと写真をふんだんに使い、サッカープレイヤー、サッカー指導者だけでなくサッカー少年・少女の保護者の方などにも理解しやすい作りとなっています。
第1章 キックを考えるうえでの前提
第2章 球速を高める
第3章 飛距離を伸ばす
第4章 インサイドキック
第5章 無回転と縦回転
第6章 カーブの蹴り方
第7章 低弾道の蹴り方
第8章 ふんわりと落とすボール
モデル紹介・撮影場所
おわりに
母親の都合で引っ越してきた高2の楓。新しい家の近所には、死神と呼ばれる風変わりな老女が住んでいた。今にも死にそうな犬を連れた死神。興味を持ち声をかけた楓が気づいた死神の正体とは…。テストを放棄した少年、迷子の小学生、失くしたお守りの行方、そして死神の秘密ーー日常に転がる小さな謎と思春期の少女の葛藤を描いた青春ミステリ。第5回文芸社文庫NEO小説大賞受賞作。
おこんに異変が……。
磐音、どうする!?
江戸・深川の六間堀で浪人暮らしの坂崎磐音は
八月十五日の早朝、六間湯の一番客となった。
江戸を代表する両替商・今津屋吉右衛門とお佐紀の
祝言の日を迎え、花嫁行列の先導という大役を果たすためだ。
和やかな祝言から暫くが経ち、磐音は奥向き女中のおこんの様子が
どこかおかしいことに気付く。
友人医師らに相談した磐音は、ある決意を固め……。
ふたりの関係が大きく変化するシリーズ第17弾!
芸者をやめたお文は、伊三次の長屋で念願の女房暮らしを始めるが、どこか気持ちが心許ない。そんな時、顔見知りの子供が犠牲になるむごい事件が起きてー。掏摸の直次郎は足を洗い、伊三次には弟子が出来る。そしてお文の中にも新しい命が。江戸の季節とともに人の生活も遷り変わる、人気捕物帖シリーズ第四弾。
駿太郎が夏風邪をひいた。幸い大事には至らなかったが、そんな折、小籐次は公儀の筋から相談を持ちかけられる。駿太郎の看病で研ぎ仕事がおろそかになり、御用の手助けは控えたかったが、すでに外堀は埋められているようだ。久慈屋の娘おやえと番頭の浩介の祝言が迫るなか、小籐次が巻き込まれた大事件とは?
文春オンラインで大反響!
港区女子が嵌っていく夜の闇を描いたビターな現代寓話、第1巻。
「港区の夜にはさぁ 歪んだ男もいるってこと」
SNSで見るきらびやかな「東京」に憧れて上京してきた女子大生のさちこ。
詐欺DMをきっかけに、同級生のリオナに誘われて港区で「ラウンジ嬢」バイトを始める。
ずっと憧れていた場所には、想像もしなかった恐ろしい闇が潜んでいてーー。
【※大学などの授業用テキストにつき、解答・訳・参考書等はいっさい販売しておりません。】
オールイングリッシュの映像付レベル別コースブックの中級編(CEFR A2-B1)。映像は様々な話題を取り上げ,文系理系のクラスを問わず無理のないクラス運営が可能。映像と書き下ろしのReading Passage(250語前後)を軸に,学習した内容・表現・文法などをSpeaking,Writingの力を高めながら強化していく。DiscussionやRetellingのアクティビティも配備し,インプットとアウトプットを両立した主体的な学習活動にも配慮した。
A Day on a Film Set / Jobray the Artist / Horseback Library / Arctic Football / Can a Computer Write a Musical? / Volunteer Hairdresser / Truths About Common Illnesses / Shona Faces Her Fears / Alternative Shopping: Vintage Markets / Transformer Boy / Reaching for the Stars / Bionic Hand / Life Afloat / Bengaluru Eco Office / My Italian Town (全15章)
藤井厚二、アントニン・レーモンド、吉田五十八、坂倉準三、前川國男、吉村順三、西澤文隆、清家清らが追求した住宅のディテールを集めた作品集。外構/玄関・廊下/内部空間/庭/窓・建具/暖炉/家具・照明等のエレメントを切り口に、300点以上の写真・図面で紹介。巨匠のデザイン手法に住宅設計の手がかりを探る。
老いは自然に受け入れよう!
身体各部56カ所への開き直り方を伝授する抱腹絶倒エッセイ。
年を重ねると、身体は段々と意のままにならなくなってくるもの。
お茶にゲホッとむせやすくなっても、写真を撮ると目の下に影ができて
「子泣きじじい」になっても、身体の変化を自然に受け入れて
アンチエイジングにアンチでいよう!
脇腹、鼻の下、足の小指、へそ、加齢臭、尿もれ……56カ所の部位について
ユーモアたっぷりに描いた抱腹絶倒エッセイ。
本書を読んで笑ってほっこりして、来たる老いを迎えいれましょう!
〈老いを実感するとき〉
◎手のシミが北斗七星に…
◎テレビの女性の甲高い声が「るれるれるらるら」と聞こえる…
◎せんべいをかじる口のまわりに皺が…
◎背丈は縮むのに、鼻の下はのびる…
娯楽がない鎌倉時代、人々に刺激を与えたのは踊り念仏だった。家族も財産もすべてを捨てて阿弥陀仏の導きに従う一遍は、念仏を唱えて日本全国を行脚する。一遍とともに僧達が床板を叩く足音のリズム、次第に加速する念仏、上昇する心拍数を表すかのような鉦の音。時衆が繰り広げる激しいパフォーマンスは、見る者の心を鷲掴みにする。念仏はロックだ! 破天荒かつ繊細な捨聖、一遍の物語。
音大付属中学に通う嶋幸紀・15歳。ピアノ一筋の人生が暗転し、冬の夜に自転車で家出する。道に迷いヤンキーに追いかけられた先で遭遇したのは、夜空にギラギラと輝く25歳のホスト、弥勒。酔っぱらった弥勒に縋り部屋に転がり込むとそこは……。それぞれに問題を抱え行き場のない二人が織りなす胸キュン書き下ろし小説。
第164回直木賞候補作。
ひたひたと忍び寄る恐怖
ぬるりと変容する日常
話題沸騰の「最恐」ミステリ、待望の文庫化。
閉鎖空間に監禁された
デスゲームの参加者のような切迫感。
──彩瀬まる
平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家……
きっかけはほんの些細な秘密だった。
保身や油断、猜疑心や傲慢。
内部から毒に蝕まれ、
気がつけば取返しのつかない場所に立ち尽くしている自分に気づく。
凶器のように研ぎ澄まされた“取扱い注意”の傑作短編集。