本書は、日本学術会議の基礎生物学委員会・統合生物学委員会による「参照基準」に準拠した、大学初年次向けの生物学の教科書である。遺伝子、タンパク質、細胞などを扱うミクロ分野から、生態系、生物多様性を扱うマクロ分野まで、生物科学の幅広い分野をカバーしているので、基礎から最先端の知識までを体系的かつ効果的に学ぶことができる。生物学の多様な分野の第一線で活躍している研究者らが長年の講義経験をもとに、わかりやすく丁寧に解説した一冊である。
生態学の学問的地平は限りなく広く,また個々の研究者の専門領域は非常に狭い。本書は広領域の概論でも一領域の深掘りでもなく,ある視点から選択した学問領域に横串を通すように話題を構成した。その視点とは,持続可能社会の要件である「自然共生」である。このため,本書の著者として生態学の狭領域のスペシャリストではなく,工学を中心に,広く自然と人間社会の実質的問題に取り組む研究者を選んだ。
本書の前半では,およそ高等学校の学習指導要領に現れるような基礎学理を概説している。ただし工学系学生の興味と理解を助けるため,数理的表現なども取り入れた。後半は「生態系サービス」をキーワードとして,自然と人間社会の関係と課題を提示し,工学だけでないさまざまな課題解決へのアプローチを示している。限られた紙数で,それぞれの課題を掘り下げることはできない。本書を手掛かりに,自発的,発展的に学習をし,理解を深めてほしい。
まえがき
第1章 生物と地球の共進化とバイオーム
第2章 生物生産と食物連鎖
第3章 生態系物質循環
第4章 個体群と群集
第5章 生態系のダイナミクス
第6章 河川流域と沿岸海域の生態系
第7章 生態系情報学
第8章 生態系と人間社会の軋轢
第9章 生態系と生物多様性のアセスメント
第10章 気候変動と生態系
第11章 生物資源
第12章 生態系サービスの意義・現状・将来
第13章 生態系サービスの経済評価
第14章 生物多様性オフセットとバンキング
第15章 人類生態学
ダム建設、サンゴ礁保護、放射性廃棄
物、砂漠化、遺伝子組み換え作物など、
世界各地の環境問題から12の典型例
を取り出し、生態系と人間社会の不可
避的な葛藤と解決への道を考えていく。
言語の働きは本当に道具としてのそれだけなのだろうか?それとも、言語には有用・無用にかかわりなく存在するなにかもっと大切な働きがありはしないだろうか?一見、無用とも思われがちな少数民族の言語に私たちはかけがえのない価値、それも当該民族にとってのみならず、この地球上に生きる私たちすべてにとってかけがえのない価値を見出すことはできないのだろうか?そして、そのような価値を見出すことができたとして、私たちはそれを守るために一体なにができるだろうか?本書は、シベリアの少数民族の言語、コリャーク語のフィールドワークを通して、著者がこのことを自分自身に問い続けてきた記録である。
世界を形づくる上で建築が果たす重要性、可能性、課題、役割を
100の概念に集約したリファレンスブック
建築アイデアの100の概念を集約した、実用的なリファレンスブックです。「アーキタイプ」「手法」「環境」「関係性」「想像力」の5つのテーマから、創造的で豊かなデザインのための多様なアイデア・コンセプト・アプローチを提示。コラージュの図版とともに1項目につき1見開きで解説し、初学者でもアクセスしやすい構成となっています。
本書では建築の初期構想から、建造環境への影響についての考察、さらには世界を変革しようとする願望や理想にいたるまで、さまざまなテーマを多角的に展開。私たちが世界とどのように関わり、どんな想像を巡らせるかに応じて変化する建築の意味や目的、その実践について思索する、未来に向けた1冊です。
ー目次ー
はじめに
・誤解された“グローバル人材”
・「自利利他」の精神を持つ人財に育てる
・共感力を高める研修の必要性
・ロジカル・シンキングからデザイン・シンキングへ
・自ら課題を見つけ出す能力
【第一章】 グローバル人材は、集めるから育てるへ
・「どんな環境でも成果を生み出せる人材」が企業が求めるグローバル人材の定義
・多様な人材を取りまとめて率いることができるグローバル人材
・グローバルであるとはどのようなことか
・コミュニケーション能力の高さの意味するもの
・持って生まれた「適性」よりも、自社の戦略や役職ごとに求められる「知識」と「能力」を引き上げる
・多様な文化への理解力と語学力は良質な経験と適切な学習方法で身に付ける
・個々の企業の事業内容を見極め、適切な道筋を示すことが人材育成の近道
【第二章】 ビジネスにハートを。思いを伝えるコミュニケーションの5つのポイント
言葉には現実を変える力がある
・「認知的共感」と「情動的共感」のバランス
・「阿吽(あうん)の呼吸」や「察しの良さ」に頼らない
・言葉の使い方で相手のパフォーマンスが変わる
Point ? 共感力によって多様性の相乗効果を高める
Point ? 完全主義と減点主義からの脱却
Point ? 身に付けた知識を、問題解決の力に変える
Point ? コミュニケーションの目的を見定める
Point ? 多様性からシナジー効果を生み出すファシリテーション力
【第三章】 使える! 研修事例
Case ? 子どもたちの心の育ちに深く関わる教員こそ、自ら学ぶ姿勢を
ー学校法人河野学園 緑ヶ丘幼稚園様
Case ? 相手に寄り添って考える姿勢を忘れないために
ーメガバンク様
Case ? 単なるディベートで終わらない議論のスキルを
ー模擬国連会議関西大会運営事務局様
Case ? 研修が終わったときからが始まり
ー株式会社フローレツエンティワン様
Case ? デザイン・シンキングで成熟市場での消耗戦から脱出する
【第四章】 時代の変化に立ち向かえる人材作りで日本企業を支援する
・人間ならではの優れた面を重視した教育
・主体的に気付きを得て成長できる人材作り
・英語の学習を目的にするのではなく、英語を使えることで何ができるかを目的にする
謙虚であれ
・参加者の気付き・成長を促す質の高い研修
【第五章】 学習塾事業を通じてグローバル人財を育成する
・私たちが高めるべき能力は何か
・「三方良し」の精神で教育に携わる
・何のために勉強しているの?
・子どもたちに、より多くの選択肢を持たせたい
・志望校に合格することがゴールではない
・少子化でも塾が成長産業である理由
・知識から価値を創造できる子どもたちに
・自分の価値を高める塾での学び
・まず自らがグローバル人財に
・女性が活躍できる会社
・ヒューマン・ブレーン国際事業本部可能性の追求
おわりに
新しい時代に活躍できる人財を
地域地域の条件に見合った多様な集落営農をどうつくり、どのように運営し、経営管理はどうやっていくか。その考え方と実際を、さまざまなタイプの事例を豊富に紹介しながら平易に解説。月刊『現代農業』に四年間にわたって好評連載された記事から精選、新たな書き下ろしを加えて編集された、農家、地域農業リーダー、現場指導者向け集落営農の決定版。
これから資本主義は長期にわたって苦しみながら朽ちてゆくーこれまでの危機理論を検証しながら、民主政治の解体と資本主義の変容を洞察する。『時間かせぎの資本主義』の著者による資本主義終焉論の決定版。
グローバル化が進む研究開発の中でも日系多国籍企業が国境を越えて展開する共同研究開発を対象に、知識の移転とイノベーションを担う人材の育成とマネジメントについて分析。
地方圏の人口減少、高齢化が急角度で進んでいる。特に地方の中小都市では若者人口の流出が著しい。そのような中で、必死の工業化を推進してきたのが岩手県北上市である。地方圏の中小都市の中ではほとんど唯一、人口を維持し、産業活動も活発なことで注目されている。
この地域は、藩政時代は南部藩と伊達藩の境界に位置し、産業発展の契機をつかむことができなかった。1954年の町村合併によって市としてスタートするが、数年は財政再建団体として苦難が続いた。だがその間も人びとは懸命に「工業立市」に向けた努力を重ねた。巨大工業団地の開発、語り草になるほどの果敢な企業誘致を重ね、ついに北東北一の産業集積を形成することに成功。現在、工業団地は10カ所、約690ヘクタールにも及び、進出企業は270社以上を数える。優れた地元中小企業も育ち、工業集積の厚みも増している。
ただし、近年、同市を取り巻く状況も大きく変わってきた。看板の半導体産業は世界的な再編の中で構造転換を迫られている。次の時代を期待され、集積が始まった自動車産業は、取り組みが思うようには進んでいない。他方で、交通条件の改善もあって北上の拠点性が注目され、物流関係企業の集積が進んでいる。また、発展する市街地と、人口減少・高齢化の進む郊外の中山間地域との市内格差という問題も生じている。
他に類を見ない発展を遂げてきた北上市の次の課題は、工業集積の内面の高度化を果たし、内発的な展開力をつけることである。さらに、北東北の工業ネットワークの形成、地元の人びとの暮らしを豊かにしていくための地域産業社会の形成も必須であろう。その意味で、北上は「地域創生」時代の先駆モデルでもあり、私たちはその成果だけでなく課題からも学ぶことができるだろう。(せき・みつひろ)
フィールドワークに憧れて現場に飛び込んだものの、実体験と理論のギャップに立ちすくむ…。そんな状況を打ち破るために「国際協力」という可能性を提示する。より良い世界への架け橋をめざして。
生活における快適さ"comfort"は時代によってどのように変遷してきたか。マルサスが唱えた愉楽の標準(standard of comfort)を軸に、J.ステュアート以降、J.S.ミル、マーシャル、ヴェブレン、ロバートソンなど9人の経済学者たちの思索を辿る。
序 章 「愉楽の標準」と経済学者たち 柳田芳伸
第1章 奢侈的な豊かさは幸福を意味するか
--J.ステュアートの嗜好の標準と生存の標準 古谷豊
第2章 ウィリアム・ペイリーの幸福概念 柳沢哲哉
第3章 デュガルド・スチュアートにおける 「動機づけ」の政策思想
--「愉楽の標準」に焦点を当てて 荒井智行
第4章 マルサスにおける「貧窮の標準」と「愉楽の標準」
--「便宜と愉楽に対する嗜好」を手掛かりにして
柳田芳伸
第5章 J.S.ミルの『経済学原理』における幸福と適度な「快適の標準」
--多様な私有財産制の可能性と政府の役割 小沢佳史
第6章 マーシャルの生活標準への途
--進歩の源泉を求めて 近藤真司
第7章 ゆたかさと不平等分配
--ヴェブレンにおける「品位の標準」が意味するもの
石田教子
第8章 余剰と余暇
--ホブスンにおける分配の人間的原理 尾崎邦博
第9章 経済の進歩、変動、格差
--ロバートソンにおける「安楽の標準」と「生活の標準」 仲北浦淳基
枯れ木の中では多種多様な菌類による「陣地領地獲得合戦」が繰り広げられています。その様子はさながら戦国時代のよう。武将として登場する菌類には,シイタケのような立派なキノコを作る種類だけでなく,顕微鏡を使わなければ見えないようなカビもたくさんいるのです。ただし,カビといっても侮るなかれ。決して雑兵ではありません。そもそも,キノコもカビも同じ菌類の違う姿にすぎないのです。
本書では枯れ木に生息する菌類をすべて「木材腐朽菌」と呼び,森の枯れ木の中で彼らがどのような暮らしをしているのか紹介します。最近の菌類生態学の大きな進歩の一つに,キノコではなくその本体である菌糸の野外でのふるまいに関する知識が急速に増えたことがあげられます。本書では,こういった最新の研究成果を盛り込んだ菌類生態学の解説を目指しました。
第1章 木材腐朽菌と木材
キノコとカビ
木材腐朽菌の多様性
木材の構造
第2章 木材腐朽菌による材分解の多様性
白色腐朽
褐色腐朽
軟腐朽
糖依存
第3章 枯れ木の中は戦国時代
金太郎あめ
木材腐朽菌たちの領地獲得競争
菌種間競争の勝敗に影響する要因
腹が減っては戦ができぬ
第4章 木材腐朽菌の生活史戦略
攪乱依存種
ストレス耐性種
競争依存種
菌類の資源競争モデル
第5章 ブナの原生林へ
ツキヨタケの夜
ブナの死亡判定人
原生林を徘徊
ブナの枯れ木のなかをのぞく
シャーレのビルに埋もれて
第6章 シイタケのホダ木の中をのぞく
シイタケ以外の住人たち
ホダ木ウォーズ
寄生者たちとの戦い
第7章 木材腐朽菌群集と分解機能
種間相互作用と材分解
種多様性と材分解
他の生物と菌類の相互作用と材分解
木材腐朽菌の広域分布と材分解
引用文献・参考文献
あとがき
解説(コーディネーター大園享司)
索引
重要判例を素材に、社会保障法の論点を学ぶ人の目線で丁寧に解説する本。事例から問いを設定し、回答する形式でわかりやすい。
はしがき 菊池馨実
第1部 総論
1 社会保障制度における生存権の意義………………………………常森裕介
2 社会保障制度と国籍…………………………………………………菊池馨実
3 ライフスタイルの多様化と社会保障制度…………………………常森裕介
4 社会保険における連帯と強制加入・強制徴収の正当性…………菊池馨実・常森裕介
5 被保険者資格の認定と保険料の徴収………………………………川久保寛
6 社会保障制度における給付の調整…………………………………川久保寛
7 年金の給付水準と年金額の改定……………………………………菊池馨実
第2部 各論
8 障害年金における障害等級認定と所得保障の必要性……………常森裕介
9 遺族年金と配偶者性…………………………………………………常森裕介
10 労災保険法における業務上外認定…………………………………小西啓文
11 雇用保険制度における失業の認定…………………………………林健太郎
12 公的医療保険制度1(保険診療の仕組み)………………………浅野公貴
13 公的医療保険制度2(保険診療の範囲)…………………………浅野公貴
14 公的医療保険制度3(医療供給体制)……………………………菊池馨実
15 介護サービスと介護保険……………………………………………川久保寛
16 保育を受ける権利と市町村の役割…………………………………古畑 淳
17 障害福祉サービスにおける介護ニーズの評価……………………福島 豪
18 社会福祉サービスにおける契約と規制……………………………宮尾亮甫
19 被虐待児の保護と措置制度の意義…………………………………宮尾亮甫
20 最低生活保障における生活保護の意義と申請権…………………池谷秀登
21 生活保護制度における補足性の原理1(収入・資産)…………木村康之
22 生活保護制度における補足性の原理2(稼働能力)……………木村康之
23 生活保護制度におけるケースワークと指導・指示および助言……池谷秀登
24 生活保護制度おける基準決定と判断過程審査………………………常森裕介
「主要判例」索引
執筆者一覧
経済学の保健医療への幅広い応用を学ぶ。ロンドン大学(熱帯医学衛生学大学院、LSE)における講義をベースにした、「世界標準」のテキスト。医療や公衆衛生に関わる人たちにも最適の入門書。
固定的な性別役割分業規範、危ういワーク・ライフ・バランス、不安定な雇用、大きな男女間賃金格差……厳しい状況の中で過剰なストレスとメンタルヘルス不調に苦しんでいる多くの働く女性に、いま何が必要なのか。本書では、医学・医療を中心とした多角的な視点から国内外の研究を幅広く精査し、働く女性のストレスとメンタルヘルスをめぐる現状と課題の全容を明らかにする。エビデンスベースの対策を後押しする基本テキスト。
目次
はじめに
第I部 働く女性のストレス:その現状と課題
1 働く女性の活躍推進とストレス:法政策の動向からの接近
2 キャリア・ストレスとキャリア形成
3 女性の晩婚化、晩産化とストレス
4 ひとり親で働く女性が持つストレスの現状と課題
5 育児・介護ストレスとワーク・ライフ・バランス:就労支援の現状と課題
6 雇用形態の多様化と働く女性のストレス
7 働く女性の健康格差:ジェンダーの影響
8 いじめ・ハラスメントの現状と課題
9 性暴力被害の心理的影響と被害者支援
Column 女性のライフステージの理解
第II部 働く女性のストレスとメンタルヘルス不調
1 働く女性のうつ病と自殺:多様性の理解と治療・援助への還元
2 職業性ストレスによるメンタルヘルス不調の男女差
3 女性労働者の労災における業務上災害の特徴と精神障害
4 女性看護師の職場ストレスとメンタルヘルス不調
5 働く女性に多く見られる心身症関連疾患
6 更年期女性の心身症
Column 精神障害における性差
第III部 働く女性のメンタルヘルスケア:その実践と支援
1 ストレスチェック制度導入の実際と高ストレス女性面接の留意点
2 働く女性の健康管理と女性外来のあり方
3 疾病を抱えた女性の治療と就労の両立支援
4 依存からの回復支援:女性の飲酒とアルコール依存
5 災害時の女性支援者のストレスとその対策
6 カウンセリングによる働く女性のキャリア支援
7 若年女性の就職活動ストレスとメンタルヘルスケア
8 アンガーマネジメントおよび攻撃/敵意対応のノウハウとスキル
9 EAP機関による女性支援
10 多様化する女性労働と人材開発
11 女性労働のメンタルヘルスケアに必要な法的側面
Column 女性研究者のキャリア形成
第IV部 トピックス
1 働く女性のポジティブメンタルヘルス:ワーク・エンゲイジメントとワーク・ライフ・バランスからの理解
2 ダイバーシティの尊重とLGBT対応:生物学的性、性的指向、性自認の観点から
3 母性保護に関する政策:近年の国際的動向
4 海外における女性労働者のメンタルヘルス対策:先進諸国の取り組み
Column ストレスチェック制度と職場復帰支援の接点:女性好事例の経験から
資料 働く女性の産業ストレス対策の現状と展開
資料I 働く女性の母性保護と健康管理、並びに就業制限の概要
資料II 働く女性の産業ストレス対策関係年表:女性労働に関する法政策とメンタルヘルス対策の動向
人名索引
事項索引
われわれの生命や生活を支える水。21世紀は「水の世紀」といわれる。水危機が懸念されるアジアの水問題を検討するとともに、歴史や民俗、生活の視点からアジア社会の多様な水を紹介する。
はじめに
第一部 現代の水問題
第1章 アジアの持続可能な水環境ー水の現状と課題ー
第2章 チベット高原の経済開発と水問題ー国際河川との関連よりー
第3章 乾燥地の地下水開発と水危機ーイランの事例からー
第4章 日本の近代水道の創設ー横浜水道を中心にー
第5章 住民参加による多自然型川づくりー日本・源兵衛川と韓国・水原川を事例としてー
第6章 流域ガバナンスの変遷ーメコン川を事例に考えるー
第二部 水と社会
第7章 植民地朝鮮・全北湖南平野における水利組合の設立過程
第8章 タイにおける水と人とのかかわりーその多様性と多義性をめぐってー
第9章 ミエン・ヤオ族の儀礼における水の功能ー中国・ベトナム・タイ広域比較分析の取り組みー
第10章 日中文化交流の一側面ー『西湖佳話』と津藩の治水事業ー
第11章 物流と海洋:海運と国際調達の新たな役割
あとがき
ニホンザル研究の最前線ーー生態学,行動学,認知科学など,多様な分野の気鋭の研究者が執筆.伝統的な日本の霊長類研究の歴史をふまえて,これからのニホンザル研究を展望し,新しい野生動物学の地平を拓く.野生動物の研究や保護管理に携わる人たちの必読書.
序 章 日本の哺乳類学とニホンザル研究の過去から現在(中川尚史)
第I部 ニホンザル研究の再考
第1章 食性と食物選択(澤田晶子)
第2章 毛づくろいの行動学(上野将敬)
第3章 亜成獣期の存在に着目した社会行動の発達(勝 野吏子)
第4章 行動の伝播,伝承,変容と文化的地域変異(中川尚史)
第5章 オスの生活史ならびに社会構造の共通性と多様性(川添達朗)
第II部 ニホンザル研究の新展開
第6章 中立的・機能的遺伝子の多様性(鈴木ー橋戸南美)
第7章 四足歩行や二足歩行による身体の移動(日暮泰男)
第8章 コミュニケーションと認知(香田啓貴)
第9章 群れの維持メカニズム(西川真理)
第10章 寄生虫との関わり(座馬耕一郎)
第11章 他種との関係(辻 大和)
第III部 人間生活とニホンザル
第12章 動物園の現状と課題(青木孝平)
第13章 共存をめぐる現実と未来(江成広斗)
第14章 福島第一原発災害による放射能汚染問題(羽山伸一)
終 章 これからのニホンザル研究(辻 大和)
あとがき(辻 大和・中川尚史)
Monkeys of Japan: A Mammalogical Studies of Japanese Macaques
Yamato TSUJI and Naofumi NAKAGAWA, Editors