妻の肉体を次々と客人に提供するという衝撃的な小説三部作『歓待の掟』(1953-60年)で欲動の共同体を望見したクロソウスキーが、フランスにおける有力なニーチェの翻訳者・研究家の一人として68年5月直後のフランス思想界に投じた、驚嘆すべきニーチェ論。人格の同一性の下にざわめく言語以前の無数の欲動、すなわち強度の解放という本書の提示した光によって、ニーチェの悲劇的生と思想はまったくあらたな相貌を明らかにする。大小の断片を積み重ね、自在な引用をつむいでゆく、それ自体破天荒で啓示的な反ー論述は、21世紀の今も誇らしく異端的な地位を失っていない。優れた翻訳による、みずみずしく真に独創的なニーチェ論の蘇り。
時代を代表する人物と重要年号を通して、世界史が具体的にわかる。各項目に、重要年号を中心に、時代の流れがわかる年表を完備。1万項目におよぶ豊富な索引項目で、詳細なクロスレファレンスが可能。多くのコラム記事とともに、人物と時代を的確に浮き彫りにする充実した記述。最新の科学的調査と歴史研究を幅広く反映したフレッシュな内容。フルカラーの1200におよぶ豊富な図版と地図で、ヴィジュアルな情報が満載。
2倍以上になる株の取って置きの見つけ方とその目標値の出し方を分かりやすく、具体的に解説。さらに、最近分割などで人気が沸騰している新興市場と新規公開株(IPO)にも紙面を割いた。
「結婚する!」蘇芳龍の思いがけない言葉に末広聖の頭は混乱した。しかも相手の女性は今まで聞いたことのない女性だ。結婚が恋愛の完成なら聖の恋は終わったことになる。だが、蘇芳のほうは聖との恋は終わっていないと言う。愛しているのはおまえ一人だと言う。混乱と憔悴、聖は蘇芳のココロが欲しかった。そして、苦悩の果てに思いついたとてつもない計画が聖の体に火をつけた。
戦前の満州でキャメラマンを志し、戦後、新東宝で一本立ちし、中川信夫監督の傑作『東海道四谷怪談』を撮ったのち香港へ渡り、六〇年代以降の香港映画黄金期の確立に寄与して、キン・フー、ブルース・リーなどの映画を撮るにいたる-西本正がその波乱にとんだ歩みを縦横無尽に語る。
データが示す究極のエコハウス。家の快適さを実際の温度測定値や電気代で証明。
この冬注目度No.1キャラクター登場。どこかとぼけてて、でも誰かに似ている?ポエールたち。
詩人の書き記したものほとんどすべてを、断簡零墨にいたるまで一望のもとに置き、全体的読解によって「隠された同一性」を浮き彫りにする、「文学についての文学」にして「テーマ批評」の最も力強い試み。ヌーヴェル・クリティックの金字塔。
主人公のチャンスは孤児である。生まれてすぐ偶然にも大富豪に拾われ、庭師として育て上げられた。屋敷と庭から一歩も外に出たことがない。学校にも通ったことがない。読み書きもできない。庭仕事をしている以外は、ひたすらテレビを見ている。ところがある冬の日、主人が死んでしまい、生まれて初めて外の世界に出ることに…。童話のような、寓話のようなおかしなおかしな一週間の物語。映画『チャンス』の原作、27年ぶりに新訳で復刊。
「帝国」の再興に心をくだいた、六世紀の偉大な皇帝ーユスティニアヌスは、世界の新たな統合原理となるキリスト教の教義論争に介入し、イデオロギーの統一にも情熱を注いだ。本書は、当時の政治・経済の枠組を解説しながら、ユスティニアヌス帝の法制・行政改革や宗教政策など、多彩な事績の全貌を示す。
住職が怨霊に食い殺されたという噂のある廃寺・尊岩寺。そこに聖基という謎の男が住みついた。名前から僧なのだろうと察しはつくが、怪しいこと、この上ない。一目会ったその日から彼につきまとわれるようになったのは、建設会社に入社して間もない童顔の青年・中村太陽。聖基の実直でかつ大胆な行動は、やがて太陽の周囲を大騒動にまきこんで…。
廃寺・尊岩寺の住職聖基。その摩訶不思議な魅力の虜になった中村太陽。いつしか太陽はすっかり骨抜き状態。そんな時、聖基を本山に連れ戻すべく僧恵海が尊岩寺にやってきた。だが説得に失敗した恵海はちゃっかり尊岩寺に住み着いてしまう。太陽にとってはとんだ「おじゃま虫」。なんとか聖基と二人つきりになりたい太陽が考えた一計は、やがて大騒動に発展して…。
東野翠れんの撮る写真があたたかな光に包まれているのは、世界がそうあってほしいと願うから。その声が切ないのは、自分の影を見つめているから。この本は彼女の光と影そのものです-。すべての女の子たちが注目する東野翠れん初の自作集。