ハンディ版の就職シリーズ「わかる!わかる!わかる!」の1冊、「小論文&作文」。実践的なテクニックの解説と、実際に学生が書いた豊富な実例をコンパクトに収録。練習で書いてみたいというときに、試験の直前の確認に、またエントリーシートを書くときにも役立つ1冊です。
人が暮らす最も寒い地域、シベリア。水の凍結と融解が環境を支配し、特有の自然と文化を育んできたこの地は今、大きな変化に晒されている。温暖化による生態系と水環境の変化、社会変化がもたらす影響と、それに適応して生きる人々の姿を描く。
開発はなぜ、いかにしてなされたのか。米・ソ・欧・中の対抗関係を軸にした実践と、国際機関や私的アクターの国境をこえた活動を描き出し、旧植民地・途上国との相克も視野に、20世紀初頭の「開発」の誕生から冷戦後までの、無数の思惑が交錯する複雑な歴史を初めてトータルに把握する。
序章
第1章 帝国のイデオロギーとしての開発
戦間期における文明化の使命
近代性と権威主義的支配
第二次世界大戦
第2章 トルーマンの夢
ーー冷戦と開発の邂逅
ポイント・フォア・プログラム
後進地域研究ーー社会科学者、マーシャル・プラン、そして冷戦の限界
第3章 社会主義の近代性と第三世界の誕生
植民地問題で試されるイデオロギー
無関心の時代
あと付け
中立主義の時代、あるいは第三世界の誕生
フルシチョフの挑戦
社会主義国による援助の特徴ーーイデオロギー的枠組みの構築
社会主義的協力の政治経済学
第4章 グローバル冷戦における西側の多様な開発政策
冷戦の道具としての対外援助の必然性?
ユーラフリカ計画
グローバル冷戦のイデオロギーーー近代化論の台頭
ケネディ政権ーー転換点だったのか
第5章 近代化の黄金時代における二極体制の限界
西側における協力の責務
失望ーー米国と開発援助委員会(DAC)での諍い
ロストウと拘束力のあるルールの考え
ヨーロッパ経済共同体の方式
社会主義国間の調整ーーコメコンの技術援助常設委員会
外部の挑戦への対応
第6章 国際機関とグローバルな使命としての開発
先行事例ーー国際連盟
第二次世界大戦後の知的職業としての開発
世界銀行
国連と開発ーー代替案のための場か
国連貿易開発会議(UNCTAD)
「第一次開発の10年」終了時の援助評価
第7章 1970年代の複数の近代性と社会主義の代替案
ソ連による「2つの世界」論の再解釈
収斂と相互依存
第三世界観
中国によるもう一つの開発
独立独行?--タンザン鉄道と「ウジャマー」の間のタンザニア
第三世界主義と「新国際経済秩序(NIEO)」
第8章 資源、環境、開発
ーー厄介な結びつき
科学技術に対する楽観主義の終焉?
近代社会の諸問題の再検討
グローバル環境主義の登場ーー1972年のストックホルム
東側から見た環境と開発
ストックホルムの遺産と「持続可能な開発」の発明
第9章 グローバル・サウスからの攻勢への対応
ーー南北対話
「第二次開発の10年」におけるベーシック・ニーズの誕生
ロメ革命
一つの地域計画ーーユーロ・アラブ対話
南北対話ーーグローバルな次元
開発と人権
第10章 「失われた10年」の力学
終章
謝辞
訳者解説
注
参考文献
略語一覧
人物紹介
事項索引
人名索引
私たちの身のまわりにあるさまざまな水辺。河川や湖はもちろん、人が管理する水田にも、あまたの種類の生物が暮らしています。水中で生活する魚類をはじめ、両生類や鳥類、甲殻類、昆虫、植物など、水辺とその周辺の環境で見られる生きものは数えきれないほどです。これらの生きものたちは、生息する水辺の環境に適応して、たくましく生きています。
ひとくちに水辺といっても、いろいろな環境があり、その多さに驚かされます。そこで本書ではまず、河川や湖沼、湿原、水田といった水辺の特徴を紹介します。それらの特徴を知ったうえで、生きものたちの暮らしぶりを見ていきます。とくに身近な河川と水田については、研究者直伝の観察や採取の方法も紹介します。
水辺では、生物同士が互いに影響しあい暮らしていますが、人間活動の影響も無視できません。本書は、生きものたちを保全する取り組みも説明しています。生きものたちを守る際のヒント満載です。
本書を読めば、ただ何となく見てきた水辺の環境にも、いろいろな特徴があり、それらに対応するように生きている生物たちの複雑なドラマがあると、思わずにはいられないでしょう。水辺に生きる動物や植物を観察するために役立つ知識を整理した、観察には欠かせない一冊です。
第1章 そもそも水辺とは
第2章 さまざまな水辺の環境
第3章 水辺の環境と生物の危機的状況
第4章 川の流れやかく乱に適応した生物
第5章 水田稲作に適応した生物
アフリカにおいて零細鉱業は貧困層の重要な生計手段である。零細鉱業が社会にもたらす影響性を踏まえ、あるべき支援の方途を探る。
SDGs達成に向け、環境と経済と社会をつなぐ新しい概念である「SDGsネクサス」の構造やつながり・地球環境問題解決へのアプローチをまとめた書。
本書では、SDGsの17の目標の要素である環境と経済と社会をつなげる新しい概念として、複合的地球環境問題の解決に向けて進められている「ネクサスアプローチ」を取り上げ、数多くの実例を紹介する。「SDGsネクサス」は、相関関係・因果関係・相互作用関係などのこれまでの関係性概念にはなかった直接的な連関と間接的な連関をつなげ、トレードオフ関係(二律背反)やシナジー関係(相乗効果)を含めた質的関係性を取り入れた、課題同士、地球と地域、現在と未来のマルチ時空間スケールをつなげる、新しい地球環境連関概念である。
本書では、人類の生存を脅かす地球温暖化、生物多様性の喪失、水資源の枯渇、窒素過剰負荷などの地球環境問題の根源に通底する「人と自然の相互作用環・連鎖網」を、マルチスケールで広がる「地球環境SDGsネクサス」として捉える。そして、その構造とつながりを数多くの事例を用いて示し、持続可能な社会の構築に向けて、新しい地域間連携につながる基礎となる考えを本書で示す。
経営者や組織のあり方,企業を取り囲む市場構造,そして市場に適応する組織の進化,これらの問題に,ゲーム理論,産業組織,会社法,労働経済,都市経済学,経済史等の精鋭執筆陣が,理論と実証で迫り企業像を結ぶ。生活に密着する会社の姿を経済学で理解する。
序 章 企業の経済学………中林真幸・石黒真吾
第1部 企業の構造
第1章 リーダーシップ………石田潤一郎(大阪大学)
第2章 組織における退出と発言の補完的機能………清水 崇(関西大学)
第3章 会社法制と企業統治………田中 亘(東京大学)
第4章 資産特殊性と企業の境界………中村尚史(東京大学)
第2部 企業組織の成長
第5章 組織と市場の均衡分析………石黒真吾
第6章 複数単位企業の生産組織………結城武延(秀明大学)
第7章 技能の修得と能力の学習………中林真幸
第8章 わが国における長期雇用の重要性低下………川口大司・上野有子(一橋大学)
第3部 企業と市場
第9章 市場競争と研究開発投資………松村敏弘(東京大学)・松島法明(大阪大学)
第10章 排他条件付取引の反競争性………北村 紘(京都産業大学)
第11章 市場統合と熟練形成………佐藤泰裕・山本和博(大阪大学)
第12章 製品市場と職場組織………大湾秀雄(東京大学)
2001年から20年までの20年間にわたる「新規開業パネル調査」のデータを用いて21世紀初頭における新規開業の動向を探る。
リーマン・ショック、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症の流行という経済ショックの影響。30?40歳代で独立開業する男性、育児の合間の副業として自宅で事業を始める女性、地域社会の役に立ちたいと定年後にビジネスを開始するするシニア、など開業の担い手の多様化。本書はこれら開業の姿の構造的な変化を分析する。
はしがき
序 章 パネル調査でみる新規開業企業の20年
第1節 新規開業パネル調査の目的と実施状況
第2節 本書のねらい
第3節 データに関する留意点
第4節 分析結果の概要
第1章 2016年に開業した企業の特徴とコロナ禍の影響
第1節 はじめに
第2節 廃業割合
第3節 存続企業と廃業企業の違い
第4節 新型コロナウイルス感染症の影響
第5節 経営課題と支援を受けた相手
第6節 開業者の働き方と満足度
第7節 おわりに
視点1 存続廃業状況の調査
第2章 三つの経済ショックと新規開業企業
第1節 はじめに
第2節 経営パフォーマンスの変化
第3節 計量的手法による分析
第4節 おわりに
視点2 業種別に推定した経済ショックの影響
第3章 新規開業企業に対する金融支援
第1節 はじめに
第2節 借入残高の変化
第3節 借入金回転期間の変化
第4節 民間金融機関の貸し出し姿勢
第5節 民間金融機関からの借り入れ条件の変化
第6節 おわりに
視点3 民間金融機関の業態による融資先の違い
第4章 20年間に生じた新規開業の二つの変化
第1節 はじめに
第2節 経営者の属性
第3節 開業した企業の属性
第4節 開業後の経営パフォーマンス
第5節 おわりに
視点4 業種にみる調査対象企業の特徴
第5章 多様化する開業者と事業の小規模化の関係
第1節 はじめに
第2節 女性,シニア,元非正社員の特徴
第3節 経営者の変化と事業の小規模化
第4節 経営者の変化と開業後の経営
第5節 計量的手法による分析
第6節 おわりに
視点5 開業時の従業者数と開業費用の決定要因
第6章 新規開業企業の投資の減少と生産性
第1節 はじめに
第2節 新規開業企業の投資状況
第3節 新規開業企業の生産性
第4節 生産性に関する推定
第5節 投資の減少が年商に及ぼす影響
第6節 おわりに
視点6 開業に求めるものによって変わる生産性
第7章 経験不足が新規開業企業に及ぼす影響
第1節 はじめに
第2節 斯業経験がない経営者とその企業の属性
第3節 投資状況と経営パフォーマンス
第4節 斯業経験の不足を補う支援機関への相談
第5節 おわりに
視点7 斯業経験がない経営者の満足度
第8章 新規開業企業による雇用の創出
第1節 はじめに
第2節 生み出される雇用
第3節 経営者や企業の属性の影響
第4節 増加企業の経営課題
第5節 おわりに
視点8 経済環境が従業者増加率に及ぼす影響
参考文献
索引
日本国内にある多国籍・多文化チームでリーダーを務める日本人の動的思考プロセスの外在化・視覚化を試みる論集。
プロローグ 多文化チームと日本人リーダーの思考プロセス
第1章 国内多文化チームにおける日本人リーダーの認知的志向性とその動態
第2章 国内多文化チームにおける日本人リーダーの認知的志向性の継承モデル
第3章 研究方法における分野横断的な試みーM-GTAと談話分析の接合
第4章 認知的複雑性と「コンテクスト・シフティング」
第5章 文化的多様性と「多元的察し」-日本的コミュニケーションの可能性
第6章 多文化チームの活用ーコンテクスト・シフティングとファシリテーション
エピローグ 日本的労働環境における多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス
初級対応。
「市場」、「土地」をテーマに現代アメリカの有機農業の現状・問題・将来などを論じた。
アメリカの有機農業のルポルタージュ的紹介にとどまらない、きわめて学術的な専門書であり、アメリカの有機農業の研究をめざす人には見逃せない先行研究になるので本文中の引用・参考文献などを掲載した。
序 慣行農業化、二極分化、そして小規模有機農場の社会的諸関係
第1部 市場
第1章 有機農業をどう理解するか─その略史
第2章 主流になった有機農業
第3章 スーパーマーケット有機はなぜ問題なのか
第2部 土 地
まえがき 場はどういう意味をもつか
第4章 フダンソウの真ん中でニューイングランドの景観の多様性と有機農業の実際
第5章 農業に携わる人たち
第6章 茶色バッグの海と有機ラベル─実際の有機販売戦略
第7章 無意味ではない有機農業─環境、健康、そして農業の美学についての変わらぬ議論
結論 現代のオルタナティブ農業
補遺 研究方法とアプローチ
監訳者解説
主要目次:
1. 免疫学のあらまし
2. 免疫学を担うさまざまな細胞群
3. 食細胞による異物の排除:自然免疫から獲得免疫への橋渡し
4. 抗体の働き:抗原に結合する多機能タンパク質
5. 抗体の構造と種類:多様な機能を支えるタンパク質の構造
6. 抗体を得る方法:アジュバント,ワクチン,モノクローナル抗体
7. 抗体の生合成:多様な抗体を生み出す遺伝子
8. 補体系の働き:抗体に協力する血液タンパク質
9. 抗体と抗原の結合反応:検査試薬としての応用
10.抗体産生におけるT細胞とB細胞の相互作用
11.抗体産生とマクロファージ・樹状細胞
12.免疫担当細胞間のネットワークとサイトカイン
13.細胞性免疫の機構(1):キラーT細胞の働き
14.細胞性免疫の機構(2):細胞内寄生菌との闘い
15.アレルギー:免疫による身体の傷害
16.自己免疫:自己が自己を攻撃する病気
17.移植と拒絶反応:自己と非自己を区別する主要組織適合抗原
18.免疫不全症とエイズ:免疫系の障害による重篤な病気
19.がんと免疫
20.抗体医薬と免疫療法
コラム
海洋生命系の変動は人類に何をもたらすか?自然変動する海の生物資源の生態を理解し、資源再生産の場である海洋環境保全、それぞれの種の生態にあった資源の利用方法を考える、現代海洋生命科学の集大成。自然変動する海洋生物資源との共存の道をさぐる。
1992年の市場統合の完成、EUの成立、経済通貨同盟の発足に伴うECBによる金融政策の実施、単一通貨の発行、そしてEUの中東欧への拡大はEU経済成長への起爆剤となっているが、同時に域内での経済格差が拡大し、金融、財政制度の脆弱性を露呈している。本書は欧州委員会、各国政府、EU市民間での政策決定メカニズムなど重要課題を指摘・提言する。
序章 ヨーロッパ経済統合の道程とその問題点(鈴木 利大)
第1章 戦後西ドイツの欧州経済統合観とオルド自由主義ーローマ条約交渉における政府内議論を手掛りに1953-1956-(川嶋 周一)
第2章 欧州中央銀行(ECB)の非伝統的金融政策とその実効性についてー金融市場の分断と銀行統合ー(勝 悦子)
第3章 EU域内貿易,生産要素(資本,労働)移動の推移と現状(鈴木 利大)
第4章 経済統合とEUにおける経済格差(柴田 有祐)
第5章 ポーランドのEU加盟と経済発展の内実(廣松 悟)
第6章 EUにおける多様性とスウェーデン(星野 泉)
第7章 EUの経済・財政ガバナンスとフィンランドにおける構造改革ーフィンランドにおける地方行財政改革を中心にー(小野島 真)
2013年刊「リグニン利用の最新動向」の普及版。利用が遅れているリグニンについて、リグニン分布や構造解析、分解技術などの基礎研究の解説と炭素繊維、ポリマーなどの新素材開発などの応用研究を紹介している。
味噌、醤油、ヨーグルト、日本酒、ワインなど、世界中にある発酵食品。著者はあるきっかけで“発酵”に魅せられ、日本だけでなく世界各地に伝承された美味なる食品を求めて旅をした。発酵とは、見えない自然を捉え、ミクロの生物と関係を結び、暮らしの中に喜びを埋め込む。この総体が発酵文化であり、そのローカル文化を通して人類の不思議を解くのが「発酵文化人類学」。発酵には、オーガニック、美容、ライフスタイル、イノベーションへの発展の側面があり、単なる食品にとどまらず、人間にとっての未来の可能性があり、歴史・文化を見直すきっかけになる。発酵は、今、人類の未来を左右する最も注目を集めている分野のひとつと言える理由がそこにある。
著者は発酵のしくみや人間と微生物との関わりを学ぶ中で、発見した。発酵には未来と過去があり、“微生物と人間の共存”は社会を見直すキーワードそのものだということを。
生物学、哲学、芸術、文化人類学などの専門用語を平易に解説した待望の文庫化。参考文献満載。解説・橘ケンチ(EXILE)
はじめに 発酵をめぐる冒険に、いざ出発
Column1 発酵ってそもそも何ぞや?
PART1 ホモファーメンタム
発酵する、ゆえに我あり
解説
Column2 発酵と腐敗を分かつもの
PART2 風土と菌のブリコラージュ
手前みそとDIYムーブメント
解説
Column3 発酵文化の見取り図
PART3 制限から生まれる多様性
マイナスをプラスに醸すデザイン術
解説
Column4 発酵菌と酵素の違いとは?
PART4 ヒトと菌の贈与経済
巡り続けるコミュニケーションの環
解説
Column5 恥ずかしくて人に聞けないお酒の基本
PART5 醸造芸術論
美と感性のコスモロジー
解説
Column6 醸造とは何か?
PART6 発酵的ワークスタイル
醸造家たちの喜怒哀楽
解説
Column7 発酵ムーブメントの見取り図
PART7 よみがえるヤマタノオロチ
発酵の未来は、ヒトの未来
解説
あとがき いざ、次なる冒険へ!
文庫版あとかき
解説・橘ケンチ(EXILE)