重要判例を素材に、社会保障法の論点を学ぶ人の目線で丁寧に解説する本。事例から問いを設定し、回答する形式でわかりやすい。
はしがき 菊池馨実
第1部 総論
1 社会保障制度における生存権の意義………………………………常森裕介
2 社会保障制度と国籍…………………………………………………菊池馨実
3 ライフスタイルの多様化と社会保障制度…………………………常森裕介
4 社会保険における連帯と強制加入・強制徴収の正当性…………菊池馨実・常森裕介
5 被保険者資格の認定と保険料の徴収………………………………川久保寛
6 社会保障制度における給付の調整…………………………………川久保寛
7 年金の給付水準と年金額の改定……………………………………菊池馨実
第2部 各論
8 障害年金における障害等級認定と所得保障の必要性……………常森裕介
9 遺族年金と配偶者性…………………………………………………常森裕介
10 労災保険法における業務上外認定…………………………………小西啓文
11 雇用保険制度における失業の認定…………………………………林健太郎
12 公的医療保険制度1(保険診療の仕組み)………………………浅野公貴
13 公的医療保険制度2(保険診療の範囲)…………………………浅野公貴
14 公的医療保険制度3(医療供給体制)……………………………菊池馨実
15 介護サービスと介護保険……………………………………………川久保寛
16 保育を受ける権利と市町村の役割…………………………………古畑 淳
17 障害福祉サービスにおける介護ニーズの評価……………………福島 豪
18 社会福祉サービスにおける契約と規制……………………………宮尾亮甫
19 被虐待児の保護と措置制度の意義…………………………………宮尾亮甫
20 最低生活保障における生活保護の意義と申請権…………………池谷秀登
21 生活保護制度における補足性の原理1(収入・資産)…………木村康之
22 生活保護制度における補足性の原理2(稼働能力)……………木村康之
23 生活保護制度におけるケースワークと指導・指示および助言……池谷秀登
24 生活保護制度おける基準決定と判断過程審査………………………常森裕介
「主要判例」索引
執筆者一覧
経済学の保健医療への幅広い応用を学ぶ。ロンドン大学(熱帯医学衛生学大学院、LSE)における講義をベースにした、「世界標準」のテキスト。医療や公衆衛生に関わる人たちにも最適の入門書。
固定的な性別役割分業規範、危ういワーク・ライフ・バランス、不安定な雇用、大きな男女間賃金格差……厳しい状況の中で過剰なストレスとメンタルヘルス不調に苦しんでいる多くの働く女性に、いま何が必要なのか。本書では、医学・医療を中心とした多角的な視点から国内外の研究を幅広く精査し、働く女性のストレスとメンタルヘルスをめぐる現状と課題の全容を明らかにする。エビデンスベースの対策を後押しする基本テキスト。
目次
はじめに
第I部 働く女性のストレス:その現状と課題
1 働く女性の活躍推進とストレス:法政策の動向からの接近
2 キャリア・ストレスとキャリア形成
3 女性の晩婚化、晩産化とストレス
4 ひとり親で働く女性が持つストレスの現状と課題
5 育児・介護ストレスとワーク・ライフ・バランス:就労支援の現状と課題
6 雇用形態の多様化と働く女性のストレス
7 働く女性の健康格差:ジェンダーの影響
8 いじめ・ハラスメントの現状と課題
9 性暴力被害の心理的影響と被害者支援
Column 女性のライフステージの理解
第II部 働く女性のストレスとメンタルヘルス不調
1 働く女性のうつ病と自殺:多様性の理解と治療・援助への還元
2 職業性ストレスによるメンタルヘルス不調の男女差
3 女性労働者の労災における業務上災害の特徴と精神障害
4 女性看護師の職場ストレスとメンタルヘルス不調
5 働く女性に多く見られる心身症関連疾患
6 更年期女性の心身症
Column 精神障害における性差
第III部 働く女性のメンタルヘルスケア:その実践と支援
1 ストレスチェック制度導入の実際と高ストレス女性面接の留意点
2 働く女性の健康管理と女性外来のあり方
3 疾病を抱えた女性の治療と就労の両立支援
4 依存からの回復支援:女性の飲酒とアルコール依存
5 災害時の女性支援者のストレスとその対策
6 カウンセリングによる働く女性のキャリア支援
7 若年女性の就職活動ストレスとメンタルヘルスケア
8 アンガーマネジメントおよび攻撃/敵意対応のノウハウとスキル
9 EAP機関による女性支援
10 多様化する女性労働と人材開発
11 女性労働のメンタルヘルスケアに必要な法的側面
Column 女性研究者のキャリア形成
第IV部 トピックス
1 働く女性のポジティブメンタルヘルス:ワーク・エンゲイジメントとワーク・ライフ・バランスからの理解
2 ダイバーシティの尊重とLGBT対応:生物学的性、性的指向、性自認の観点から
3 母性保護に関する政策:近年の国際的動向
4 海外における女性労働者のメンタルヘルス対策:先進諸国の取り組み
Column ストレスチェック制度と職場復帰支援の接点:女性好事例の経験から
資料 働く女性の産業ストレス対策の現状と展開
資料I 働く女性の母性保護と健康管理、並びに就業制限の概要
資料II 働く女性の産業ストレス対策関係年表:女性労働に関する法政策とメンタルヘルス対策の動向
人名索引
事項索引
われわれの生命や生活を支える水。21世紀は「水の世紀」といわれる。水危機が懸念されるアジアの水問題を検討するとともに、歴史や民俗、生活の視点からアジア社会の多様な水を紹介する。
はじめに
第一部 現代の水問題
第1章 アジアの持続可能な水環境ー水の現状と課題ー
第2章 チベット高原の経済開発と水問題ー国際河川との関連よりー
第3章 乾燥地の地下水開発と水危機ーイランの事例からー
第4章 日本の近代水道の創設ー横浜水道を中心にー
第5章 住民参加による多自然型川づくりー日本・源兵衛川と韓国・水原川を事例としてー
第6章 流域ガバナンスの変遷ーメコン川を事例に考えるー
第二部 水と社会
第7章 植民地朝鮮・全北湖南平野における水利組合の設立過程
第8章 タイにおける水と人とのかかわりーその多様性と多義性をめぐってー
第9章 ミエン・ヤオ族の儀礼における水の功能ー中国・ベトナム・タイ広域比較分析の取り組みー
第10章 日中文化交流の一側面ー『西湖佳話』と津藩の治水事業ー
第11章 物流と海洋:海運と国際調達の新たな役割
あとがき
ニホンザル研究の最前線ーー生態学,行動学,認知科学など,多様な分野の気鋭の研究者が執筆.伝統的な日本の霊長類研究の歴史をふまえて,これからのニホンザル研究を展望し,新しい野生動物学の地平を拓く.野生動物の研究や保護管理に携わる人たちの必読書.
序 章 日本の哺乳類学とニホンザル研究の過去から現在(中川尚史)
第I部 ニホンザル研究の再考
第1章 食性と食物選択(澤田晶子)
第2章 毛づくろいの行動学(上野将敬)
第3章 亜成獣期の存在に着目した社会行動の発達(勝 野吏子)
第4章 行動の伝播,伝承,変容と文化的地域変異(中川尚史)
第5章 オスの生活史ならびに社会構造の共通性と多様性(川添達朗)
第II部 ニホンザル研究の新展開
第6章 中立的・機能的遺伝子の多様性(鈴木ー橋戸南美)
第7章 四足歩行や二足歩行による身体の移動(日暮泰男)
第8章 コミュニケーションと認知(香田啓貴)
第9章 群れの維持メカニズム(西川真理)
第10章 寄生虫との関わり(座馬耕一郎)
第11章 他種との関係(辻 大和)
第III部 人間生活とニホンザル
第12章 動物園の現状と課題(青木孝平)
第13章 共存をめぐる現実と未来(江成広斗)
第14章 福島第一原発災害による放射能汚染問題(羽山伸一)
終 章 これからのニホンザル研究(辻 大和)
あとがき(辻 大和・中川尚史)
Monkeys of Japan: A Mammalogical Studies of Japanese Macaques
Yamato TSUJI and Naofumi NAKAGAWA, Editors
現在、地球上でもっとも繁栄している植物群である被子植物へといたるまでに、植物は数々の進化的適応を獲得して多様化してきた。獲得されていった適応は、動物とは違った植物の生き方、すなわち独立栄養でおもに固着生活をするという生活戦略に深く関係している。
本書では、おもに陸上植物を扱い、植物へいたる進化の道筋をまず概観し、次に陸上植物における進化上重要なイノベーションについて詳しく見ていく。最後に陸上植物の各群の特徴を解説する。その際に意図したのは、分子系統学の研究で明らかになった系統関係から植物の進化を解説することである。
植物の進化はもちろん生物学全般に興味をもっている方に一読をお勧めする。
1.生物界と植物の系統
2.陸上植物の特徴
3.維管束植物の特徴
4.種子の起源と種子植物の特徴
5.被子植物の特徴と花の起源
6.被子植物の系統と進化
7.陸上植物の多様性と系統
世界遺産検定2級に対応した公式テキストです。 2025年3月時点で登録されている日本の遺産26件と、世界の代表的な遺産300件を写真つきで紹介します。
このテキストは世界中の遺産を「世界で最初の世界遺産」や「文化的景観」、「絶滅危惧種」などのテーマごとにまとめてあるので、遺産同士の横のつながりを意識しながら、世界の多様性を学ぶことができます。また「英語で読んでみよう」では50件程の遺産を英語で説明しています。「世界遺産の基礎知識」では、世界遺産を理解するうえで重要な語句の説明もしているため、世界遺産を学ぶすべての人が対象読者となります。
■対象読者
・世界遺産検定2級受検者
・世界遺産に興味・関心がある人
・世界の文化や歴史に興味・関心がある人
・旅好きな人
・文化財、自然が好きな人
地図
1章 世界遺産の基礎知識
2章 日本の遺産
3章 世界で最初の世界遺産
4章 文化的景観
5章 シリアル・ノミネーション/トランスバウンダリー
6章 文化の多様性
7章 歴史地区と旧市街
8章 都市計画
9章 キリスト教(カトリック/プロテスタント)
10章 キリスト教(正教会/東方諸教会)
11章 イスラム教
12章 仏教
13章 世界の宗教
14章 古代ギリシャとヘレニズム
15章 ローマ帝国
16章 先史時代
17章 古代文明
18章 アメリカ大陸の文明
19章 東南アジアと南アジア
20章 ヨーロッパの建築様式
21章 近現代建築
22章 十字軍と騎士団
23章 大航海時代とキリスト教の海外布教
24章 商業・交易・貿易
25章 混ざり合う文化(文化交流)
26章 近代国家
27章 産業遺産
28章 未来への教訓
29章 記憶の場
30章 地球の歴史
31章 カルスト地形
32章 氷河地形
33章 湖・湿地帯
34章 森林・熱帯雨林
35章 草原
36章 火山
37章 化石出土地帯
38章 固有の生態系
39章 海洋生態系
40章 絶滅危惧種
索引
UFO研究書のベストセラー全訳!機密文書が語るUFO事件の真実。米政府は何を恐れ、何を隠したか?政府機関の隠蔽工作の謎に迫るノンフィクション。初公開の政府文書。
生物界の基礎生産を行い、酸素の供給源ともなっている植物に関して、その多様性、生理、発生、生化学、生殖、成長、他の生物との相互作用について説明する。さらに、合わせて医薬、食料や環境修復、園芸など暮らしとの関わりに関する応用植物科学の側面も解説する。植物について、その生物学的な基礎を理解するとともに、環境や他の生物との関わりを理解する、また私たちの暮らしと植物の関わりについても、理解と関心を深めることが目標である。
1.さまざまな植物たちーその多様性と暮らし 2.光合成と一次代謝 3.発生・成長(1):植物の体制と胚発生 4.発生・成長(2):休眠・発芽と伸長 5.発生・成長(3):根 6.発生・成長(4):シュート 7.発生・成長(5):花芽形成 8.発生・成長(6):受粉と受精 9.形態の可塑性と環境適応 10.動物との相互作用ー食害、送粉、種子散布 11.植物間の相互作用ー競争、寄生、生殖隔離 12.微生物との相互作用ー病害、共生、寄生 13.特化代謝と私たちの暮らし 14.現代社会と植物科学ー農業・健康・環境 15.最後に:植物と植物学ーまとめと復習を兼ねて
本書は、アジアの農村を対象として、⑴人口と農業、⑵むら共同体の機能、⑶市場を形成する商人(財市場)、そして(4)農村金融市場の4つの柱で構成される。「人口と農業」以外では、冒頭で議論の枠組みを説明して、そのあとで「開発の現場」を念頭に置いた解説をする。アジアは多様であり、すべての地域に妥当する結論の提示はできない。ひとつの地域でえられた知識を普遍化することは、危険性をはらむものであるので、いくつかの地域を比較した議論をする。具体的事例から、開発課題の背後にある因果関係を捉える方法の習得を目標とする。
1.貧困とは 第1部:人口と農業 2.人口と経済発展 3.農業と工業化:リカードの成長の罠 4.緑の革命 5.食料問題から農業問題へ:インドの経験 第2部:むら共同体 6.むら共同体とリスクへの対応 7.共同体と共有資源管理 8.共同体の多様性と開発 第3部:財市場 9.市場と商人:市場の低発達性 10.農産物にみる財市場の多様性 11.農村工業:ラオスの手織物業 第4部:農村金融市場 12.農村金融をみる 13.グラミン銀行 14.信用組合 15.開発の現場から:ラオス南部の事例
枯れ木の中では多種多様な菌類による「陣地領地獲得合戦」が繰り広げられています。その様子はさながら戦国時代のよう。武将として登場する菌類には,シイタケのような立派なキノコを作る種類だけでなく,顕微鏡を使わなければ見えないようなカビもたくさんいるのです。ただし,カビといっても侮るなかれ。決して雑兵ではありません。そもそも,キノコもカビも同じ菌類の違う姿にすぎないのです。
本書では枯れ木に生息する菌類をすべて「木材腐朽菌」と呼び,森の枯れ木の中で彼らがどのような暮らしをしているのか紹介します。最近の菌類生態学の大きな進歩の一つに,キノコではなくその本体である菌糸の野外でのふるまいに関する知識が急速に増えたことがあげられます。本書では,こういった最新の研究成果を盛り込んだ菌類生態学の解説を目指しました。
第1章 木材腐朽菌と木材
キノコとカビ
木材腐朽菌の多様性
木材の構造
第2章 木材腐朽菌による材分解の多様性
白色腐朽
褐色腐朽
軟腐朽
糖依存
第3章 枯れ木の中は戦国時代
金太郎あめ
木材腐朽菌たちの領地獲得競争
菌種間競争の勝敗に影響する要因
腹が減っては戦ができぬ
第4章 木材腐朽菌の生活史戦略
攪乱依存種
ストレス耐性種
競争依存種
菌類の資源競争モデル
第5章 ブナの原生林へ
ツキヨタケの夜
ブナの死亡判定人
原生林を徘徊
ブナの枯れ木のなかをのぞく
シャーレのビルに埋もれて
第6章 シイタケのホダ木の中をのぞく
シイタケ以外の住人たち
ホダ木ウォーズ
寄生者たちとの戦い
第7章 木材腐朽菌群集と分解機能
種間相互作用と材分解
種多様性と材分解
他の生物と菌類の相互作用と材分解
木材腐朽菌の広域分布と材分解
引用文献・参考文献
あとがき
解説(コーディネーター大園享司)
索引
1999年の初版以降,大きく発展した進化生態学・行動生態学の成果を盛り込み,大幅に書き換えた大改訂版!!
本書は,「生き物がうまく適応している」という視点から生き物の不思議さが進化した理由を探る本である。
本書に登場するのは,読者が身近に感じることができる話題ばかりである。これは,身近な話題を選んだというよりも,「身近なものほど不思議」という法則が生物の進化にはある(?)からである。そしてその不思議さがなぜ進化したのかを,種の違い,ときには動物植物の違いを越えて,できるだけ統一的に理解することを目指していこう。
本書は,生き物に関する読み物として,一般の読者に楽しんでいただくために書かれている。そのため,生物学の知識が無くても理解できるように配慮している。章によっては多少の数式が登場するが,いずれもごく基本的なものである。
第1章ではまず,進化が起きる仕組みを解説する。この章に登場する自然淘汰説は,本書全体を通して,生き物の不思議さを解き明かすための根本的な拠り所となるものである。そして第2,3 章では,自然淘汰説に基づいて生き物の不思議さを解き明かすための2つの理論─最適戦略論とゲーム理論─を紹介する。特に明示していなくても,この2つの理論のどちらかが,第4章以降において生き物の不思議さを解き明かすための道具となっている。第4章以降には,生き物のさまざまな不思議さが登場する。登場するのは,みなさんにとっても身近に感じることができる話題ばかりである。これは,身近な話題を選んだというよりも,「身近なものほど不思議」という法則が生物の進化にはある(?)からである。そしてその不思議さがなぜ進化したのかを,種の違い,ときには動物植物の違いを越えて,できるだけ統一的に理解することを目指していこう。本書を読んで,今までとは違った視点で生き物の不思議さを見るようになっていただけたとしたら,それは執筆者一同にとって大きな喜びである。(まえがきより抜粋)
グローバル化と新興市場経済の台頭、金融面を含めた技術革新など現在、企業も市場・社会も大規模な変動を経験し、企業は多様な姿を見せている。もはや企業を1つの型にはめ込んでとらえられないし、市場・社会は多様性を受け入れざるをえない。何に、そしてどのように変わるのか。本書は、新しい企業社会のルール・価値観を検証し、その国際比較像を大担に提示している。金融危機の明日を考える上で欠くことのできない材料を提供する。
植物の殿堂ーー英王立植物園250年の歴史。
世界中から集められた700万の標本と知識がキューには蓄えられている。
市民、植物学、環境保護、生薬研究を結ぶネットワークとしての植物園の役割とは何か。
植物からの恩恵と未来戦略など、英国BBCで好評を博した上質な25の植物譚を紹介していく。
災害の実態を見据える。危険に対する人間の偏見を知る。そうして事前の警戒力を高め、臨機応変に非常時へ対応できるコミュニティをつくる。従来型の建物を丈夫にし、避難空間や避難経路を確保するだけではなく、日常的にはアメニティを確保するなど環境の質を向上させるハード面での整備はもちろん、人と人のつながりを強めるソフト面での「まちづくり」を考える。防災を総合的に考え、行政と地域住民が協働で防災に取り組むことにより、災害に強い社会を目指す。