言語教育の「教室」という場所から離れて、「評価」を考える。
移民研究の分野を代表する編著者のもと、「日本在住の移民2世による移民研究」が多数収載された成果。移民コミュニティ、第2世代の学校後の軌跡、ジェンダー化された役割期待、出身国との往来、日本社会からの排除等のテーマを追った意欲的な論集である。
どこをケチり、何に金をかけるか。「ドケチ」「反ドケチ」のバランスが人を育てる。
学校における方言教育や方言の教材作成といった教育と方言との関わり、また昔話の語り活動などの地域社会と方言との関わりについてその実践を紹介し、今後の展望を示す。
■「地域文化の多様性を守るためにー第2巻への招待ー」より
日本の近代史の中で、地域を越えて広域にわたるコミュニケーションに使用されるいわゆる「標準語・共通語」と、地域社会の中で使用される「方言」とは、標準語・共通語の方に教育的・社会的評価面での圧倒的な比重が置かれつつも、事実上は社会生活の中で共生関係に置かれてきた。その間、方言は豊かな地域文化の多様性を創成し、地域社会のアイデンティティーを表出するための重要な手段として、標準語・共通語ではなしえない役割を日本各地で果たしてきたといえる。しかしながら、戦後の高度経済成長にともなう都市部への若年労働人口の集中などにより地方社会は疲弊し、豊かな地域文化を支えてきた方言も、若い話し手たちを奪われ、各地の方言は衰退の窮地に追い込まれている。今日のようなグローバル化の進展する状況下にあって、日本各地で多様な地域文化を醸成してきた方言が失われてしまうことも、ある程度は仕方がないという意見もあるかもしれない。しかし、たとえば関西人から関西弁を取り上げるといったら、関西のみなさんはどう感じるだろうか。決して愉快なことではあるまい。関西弁ほど優勢ではない方言を話す日本各地においては、自分たちの言葉を奪われる危機の度合いははるかに高く、それ故に方言に対する愛惜の念は一通りのものではないだろう。あるいは、自方言が失われることをすでに諦めている地域もあるかもしれない。かつての言語研究者のように自然の成り行きに任せるのではなく、その方言の話し手の立場に立って、方言を残したいという地域社会の思いを受け止めて、方言が次世代に継承されるためのポジティブ・アクションを、多様な社会的立場から模索する時が来たのではないか。
心理学はデータに基づいて心のメカニズムを研究する学問である。心理学の研究で利用される代表的な統計手法として「データの記述」「正規分布」「独立した2群の差」「相関係数」「対応ある2群の差」「実験計画法」「比率・連関」「回帰分析」「因子分析」を扱う。本書では、従来の初級の心理統計法が前提としていた有意性検定を利用せず、ベイズ流のアプローチで学習系列が展開される。その点で本書はとてもユニークな内容となっている。
1.データ分布の要約 2.事後分布とベイズの定理 3.1群の正規分布の分析 4.生成量と研究仮説が正しい確率 5.2群の差の分析1 6.差を解釈するための指標 7.相関と2変量正規分布 8.2群の差の分析2 9.1要因実験の分析 10.2要因実験の分析 11.2項分布による分析 12.多項分布による分析 13.単回帰分析 14.重回帰分析 15.発展的学習によせて
20世紀後半に活躍したイタリアの建築家、アルド・ロッシ(1931-1997)のプロジェクトを参照しながら、その設計思想を軸に、理論・建築・ドローイングの3つを対象として論じる。今なおポストモダン時代の建築家として括られることの多いアルド・ロッシ。本書では、ロッシを中心に形成された「合理主義建築」を標榜する1973年の「テンデンツァ」運動と、その背景にある「幾何学」の設計思想を、同時代の建築家たちーーカルロ・アイモニーノ、マンフレッド・タフーリ、ジョルジョ・グラッシ、ジャンウーゴ・ポレゼッロらとの協働を通して読み解く。ここから、イタリア戦後建築と社会思想が辿った道筋について新たな見方を提示する。ロッシの手記やドローイング、著者による実作写真、図面・立体モデルの豊富な資料を盛り込み、被覆材の貧しさ、幾何学形態の理論的なアプローチ、それらをつなぐ「記憶」の在り方に着目し、理論とイメージが抱合される場を見出す。ロッシ/テンデンツァ研究書として、既存の一面的な理解ではないロッシ像を現代によみがえらせる。理論のみならず、創造的活動の端緒ともなる設計者必読の書。
「人はなぜ食べるか」を根底のテーマとし,食行動科学の基礎から生涯発達,予防医学や消費者行動予測等の応用までを取り上げる〔内容〕食と知覚/社会的認知/高齢者の食/欲求と食行動/生物性と文化性/官能評価/栄養教育/ビッグデータ
漫才はなぜおもしろい?このグミは「ぷるぷる」?「もにもに」?「押す」「突く」「刺す」「つつく」、どうちがう?「中高生日本語研究コンテスト」の優秀発表を紹介しつつ、気鋭の研究者が日本語研究の魅力を解説。日本語を探究する面白さを、国語教育の現場へ。日本語を対象とした「探究活動」のヒントが満載!
戦後日本の貧困の実態、その貧困から脱出する方法の模索、そして新たな社会問題の発見ーー。半世紀以上前に行なわれた複数の社会調査の個票をデジタル復元し、その統計分析と各種史資料とを検討することにより、戦後期日本社会の世帯・家族と福祉の実像を再構成する。
まえがき(佐藤 香)
序章 戦後日本社会の世帯と福祉を復元二次分析から解読する(相澤真一)
第I部 戦後の貧困へのまなざしーー1950年代・1960年代の貧困はいかなるものだったか
1章 社研所蔵社会調査の由来と特徴ーー復元二次分析の可能性(岩永理恵)
2章 「調査員」を中心に社会調査を描きなおすーー神奈川調査シリーズにおける民生委員の役割に着目して(堀江和正)
3章 戦災母子世帯の戦後(渡邊 勉)
4章 「ボーダー・ライン層」調査の復元二次分析ーーデータから見る1960年代前半の低所得層(相澤真一)
第II部 人びとはいかに厳しい状況からの脱却を図ったかーー生業・教育・医療・住宅
5章 高度経済成長期の福祉貸付ーー昭和30年代の世帯更生資金貸付(生業資金)の位置と効果(角崎洋平)
6章 高度経済成長初期段階の進学支援とその意味(白川優治)
7章 福祉貸付と医療保障ーー療養資金の機能と「ボーダー・ライン層」の健康(坂井晃介)
8章 既存持家の改善からみる住宅資金の歴史的意義ーー住宅事情および政策の棲み分け(佐藤和宏)
9章 福祉資金の利用にともなう恥の規定要因ーー民生委員による伴走支援に注目して(石島健太郎)
第III部 マージナルな人びとのライフコースーー主婦・子ども・高齢者
10章 耐久消費財の普及は妻の家事時間を減らしたのか(渡邉大輔・前田一歩)
11章 団地のなかの児童公園ーー高度経済成長期の外遊びをめぐる生活時間データの分析(前田一歩)
12章 1960年代における高齢者の生活の実相ーー「老人問題」の諸相(羅 佳)
13章 戦後日本型労働・雇用 - 保障体制の手前における高齢者の働き方と子からの自立生活意識(渡邉大輔)
付録(復元作業過程・調査票)
あとがき(佐藤 香)
「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」
大真面目に性を追究し、世界平和を標榜するアダルトグッズメーカー最大手「TENGA」。世界65カ国以上で展開するグローバル企業のド根性物語。
プロローグ
第一章 ジャンヌ・ダルクたち
コラム1 ナチズムと性
第二章 元自動車整備士、TENGAをつくる
第三章 女性の心を解放せよ
コラム2 マスターベーション世界調査
第四章 流 通
コラム3 バルセロナから来た女
第五章 性の悩みも表通りに、そして性教育へ
コラム4 「敵」と呼ばれる男
第六章 すべての人たちへ
エピローグ
食育は,生きる上での基本であり,知育,徳育および体育の基礎となるべきものと位置づけられます。それは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し,健全な食生活を実践することができる人間を育てるための教育です。本書は、日本食育学会の編集により、食育を食の基礎知識やサステイナビリティ、教育、政策、歴史、文化、そしてその国際的な広がりなど様々な側面から扱った中項目事典です。食育は日常の市民生活や、その持続可能性を牽引していく分野ですので、その発展は未来へとつながることになることでしょう。
台湾における日本語教科書と日本語資料
日清韓会話書・台湾語会話書の成立と中国語方言会話書への展開
中国語会話書(北京官話会話書)の成立と展開
ビッグデータの時代を迎えた現代において,日本社会における統計科学の展開,統計教育の進化,公的統計の改革はどうあるべきかを,統計学の有識者18人が語る.今後のデータサイエンス展開の方策と諸問題を考察する上での基本資料となる一冊.
序 章 失われた50年ーービッグデータ時代における統計科学(国友直人)
第I部 日本社会における統計科学の展開
第1章 バイオ統計学ーーライフサイエンス研究の新潮流(柳川 堯)
第2章 日本的品質管理活動と統計科学(椿 広計)
第3章 マーケティング・リサーチにおける統計学の役割(鈴木督久)
第4章 ビッグデータ時代のマーケティングと統計科学(山口景子)
補論1 私の計量経済学50年(佐和隆光)
第II部 統計教育の進化への動き
第5章 日本初のデータサイエンス学部創設ーー滋賀大学による文理融合構想(竹村彰通)
第6章 「統計検定」の経緯と今後(中西寛子)
第7章 日本の中学校・高等学校における統計教育(青山和裕)
第8章 統計教育におけるe-learningコンテンツの制作ーーJMOOCにおける実際例(下川敏雄)
補論2 日本の私立大学文系の統計教育(山本 拓)
第III部 公的統計の改革への動き
第9章 サービス産業における計測ーー価格と生産性の正しい計測法(深尾京司・池内健太)
第10章 国民経済計算の平成23年基準改定ーー最新の国際基準への対応(多田洋介)
第11章 家計調査の改良と消費動向指数(CTI)の開発ーー公的統計の進化へのチャレンジ(阿向泰二郎)
第12章 統計制度の国際比較ーー日本の統計の特徴と課題(川崎 茂)
第13章 公的統計の課題と改革(美添泰人)
補論3 ビッグデータと経済分析(北村行伸)
STATISTICS AND JAPANESE SOCIETY:
Recent Developments in the Era of Date Science
Naoto KUNITOMO and Taku YAMAMOTO, editors
●個人情報保護法,第五次医療法の改正などで,より医療の透明性が求められている現在,記録による実践の証明および説明責任を果たすことが重要になっている.看護記録においても,診療報酬上,重症度・看護必要度の測定が義務化されるなど,看護記録の方法も変貌しており,重要性が増大している.
●本書は,いま求められている記録とは何かを,説明責任を果たせる看護(介護)記録とは,倫理と法と記録の関係性などを踏まえて説明している.後半では,フォーカスチャーティングによる12事例の記録例を通して,説明責任を果たす記録の内容・方法を,具体的にわかりやすく解説した.
●看護必要度との記録の連動方法,災害時の記録と説明責任,介護施設における記録による説明責任などのカレントトピックス,医療界の変化にも対応した内容.また,臨床でのフォーカスチャーティング記録に関する疑問を解決できるように巻末に用語例を収載した.
Chapter 1 変革する医療情勢と看護記録の重要性(川上千英子)
Chapter 2 病院の電子情報の個人情報保護と安全管理(山本隆一)
Chapter 3 説明責任と法と記録(鈴木 真)
Chapter 4 説明責任と看護師の役割(川上千英子)
Chapter 5 フォーカスチャーティング(R)の基本原則と活用の実際(川上千英子)
Chapter 6 各シート類との連動方法の実際(川上千英子)
Chapter 7 説明責任が果たせるフォーカスチャーティング(R)による看護記録の実際例
Chapter 8 電子情報と記録
Chapter 9 記録の評価・監査とその教育の実際(佐藤早苗,遠藤貞子)
「資質・能力」規定、アクティブラーニング、「関心・意欲・態度」評価、知識基盤社会論等、グローバル競争に勝ち抜く能動性・創造力に一面化された学力や人材育成をめざす政策を批判的に検証し、対抗・挑戦・克服する理論を提起。
はじめにーー新自由主義に対抗する教育を考える
序章 学力・人格と教育実践ーー子どもの変革的自己形成を起動させるーー
1 新自由主義と学力・人格
第1章 安倍内閣の教育改革の全体像と特質
-現代把握と新自由主義教育政策の本質ー
第2章 学力と人格の関係を考える
-新自由主義教育政策の本質と「資質・能力」規定ー
第3章 「学力」をどうとらえるか
-学力論と学習論との交錯ー
2 アクティブな学びと評価
第4章 「アクティブ・ラーニング」を考える
第5章 評価の「権力化」「肥大化」のメカニズムと人格への評価
-「関心・意欲・態度」評価の問題性学力と評価ー
3 生きることと学力
第6章 「知識基盤社会論」批判
-労働の未来像と能力・学力の価値についてー
第7章 学力と道徳性、主権者性
-新自由主義と政治教育の関係を考えるー
第8章 「憲法改正論争事態」における学校教育の責務を考える
-公教育の本質に立ち返ってー
第9章 学力の意味の喪失とその回復のすじ道
-「あること」<to be >と「もつこと」<to have >の様式と学力ー