塀の中のシステムを科学した刑務所体験学。拳銃不法所持に麻薬法違反まで重なってオツトメした府中刑務所の4年間。衣食住に給与体系、独持の用語、しきたりを哀歓あふれるエピソードと読書記録、シャバとの私信すべてを公開して生き生きと描く。ヤクザ安部直也が、作家安部譲二に生まれ変わる粋な記録。
ボクはフロッキー。生後9カ月の子犬だ。きょうは、家族のみんなのようすがおかしい。ちっともかまってくれないし、じゃまあつかいばかりする。パパがへんな木をもってきたので、「そとのさむいところでオシッコをしなくてすむぞ」と、よろこんでオシッコしようとしたら、どなられてしまった…クリスマスの準備にいそがしい家族のようすを、子犬の目からみたら-。
中学3年の2学期。学園祭の演し物、「赤ずきんと七人の小人たち」の準備中に起きた2大事件は、まず病院送りになった登校拒否児の奪還。もうひとつは、イタリアの少年についてきた不気味な絵画贋作マフィアとの対決。大人の協力者を動員したり、マフィアを学園祭に出演させたり、頭と体をフル回転させて、ぼくらの大胆なチームプレイが開始された。仲間を救出するまでの、勇気と友情と笑いにみちた学園ミステリー。大人気、ぼくらシリーズ8冊目。書き下ろし。
ぼくたちわんぱく5人組は、毎日それは忙しい。だって、面白いいたずらが次々に浮かんでくるんだもの。空箱を集めて街を作り火事遊びをしたり、ネズミをトランクに入れてお手伝いさんを驚かせたり、もちろんけんかもする…。アウシュヴィッツ強制収容所に消えた作者が、チェコスロヴァキアの小さな田舎町で過ごした黄金の子供時代に思いを馳せて綴った遺作。小学上級以上。
たしろしゅう平は、とってもくうそうずきな男の子。くうそうしはじめると、いつのまにかくうそうのなかで、おかしなことをしてしまうのです。ある日、たいくつそうにあるいていたしゅう平の目の前に、とってもかわいらしい女の子があらわれたのです。男の子の空想の世界を、ユーモアたっぷりに描く。小学校低学年向き。
幼児〜小学低学年以上向。
この本を執筆した当時、コクトーはすでに五十七歳だった。第二次大戦が終結して間もない、占領下の陰惨な記憶も鮮やかな時点で、その多くは世を去った親しい友人たち-ラディゲ、サティ、プルースト、ディアギレフらを回想する的確かつ魅力的な人物論がちりばめられ、エスプリにみちたコクトーの姿と透徹した芸術観が浮かびあがってくる。
高校2年の気だるい夏休み、万年平刑事の親父が言った。「お前の同級生の女の子が死んだぞ」偶然のことでお通夜へ出かけたが、どうもおかしい。そして数日もしないうちに、また一人。ぼくと親しい娘ではなかったけれど、可愛い子たちがこうも次々と殺されては…。開高健氏絶賛の都会派青春小説。サントリーミステリー大賞読者賞受賞作。
とてもユニークな囲碁入門書。とくにはじめてのママに最適です。
単調な仕事を毎日続けている者にとっては恵みの雨のような恋、ある特定の男の体が必需品になる恋、初めて悪態をつく事を知った恋、愛情の蓄積などものともせず、一日に一度別れる二人…。恋愛は、楽しい。けれど、眠れない夜を過ごさせる、甘くせつないもの。体に毒なものは、時には心には薬である。男と女の間に漂う贅沢な目に見えない糸を織り上げることの出来る特権を持つすべての人に捧げる、胸にしみいる山田詠美の恋のテン・ストーリーズ。
おじさんがカンガルーをプレゼントしてくれるというんです。ぼくはもう うれしくてうれしくて…。
町を歩くと不思議なものにであえる。さあ、出発!小学中学年以上向。
もっともよき時代の浅草に育ち、浅草で不良となり、浅草で女を見つけ、浅草で飯を食い、そして浅草で多くの友達と会ったー。“神武以来の不良少年”サトウ・ハチローの破天荒の物語。
「おとうさんのゆめは、ききゅうにのって、せかいじゅうをたびすることさ。」そんなはなしをきいたせいだとおもうのです。ぼく、そのばん、ききゅうにのったゆめをみました。