本書は、「植民地支配の歴史」を異なる立場から共有する隣国・韓国の歴史を併記して対比させ、国際情勢の変化にも留意しながら、現代日本社会の特徴や性格、変遷過程を歴史的に明らかにするものである。時期区分としては1960年前後を「現代日韓史」の起点と位置づけ、植民地期を含むそれ以前を「前史」、米ソ冷戦体制下を第1部、冷戦体制解体後を第2部としている。そして今日に至る「現代日韓60年史」の基軸として1953年の朝鮮戦争の停戦協定後に形成された「朝鮮停戦体制」という概念を新たに導入し、それが90年代以降は米ソ冷戦体制に代わって南北分断体制を補強する役割を担ってきたこと、これを「終戦・平和体制」へと向かわせることが現代の私たちの課題である。「補論」として「「安倍・改憲派と統一教会」20年史」、「ウクライナ戦争と朝鮮停戦体制」を収め、「安倍国葬」をめぐって噴出した問題の今日的重要性も強調している。
はじめに;前史1 近代日本と朝鮮・東アジア;前史2 現代日韓関係への移行過程;〔第1部〕米ソ冷戦体制下の日本と韓国;1.現代日本の確立;2.「市民自治体」の萌芽;3.自民党内の派閥抗争;4.冷戦激化から脱冷戦へ;5.米ソ冷戦体制の解体;〔第2部〕冷戦体制崩壊後の日本と韓国;1.「自社共存」体制の解体;2.「日韓パートナー」関係の萌芽;3.自公連立政権の確立;4.自民党の世襲政権;5.民主党中心の政権;6.安倍・改憲派政権の確立;7.安倍・改憲派政権の崩壊;補論1 「安倍・改憲派と統一教会」20年史;補論2 ウクライナ戦争と朝鮮停戦体制;むすびに;参考資料;
邦楽合奏団の草分け的存在である宮城合奏団の代表的な委嘱作品8曲を収録。筝と尺八を独奏楽器とした協奏曲風の「春の海幻想」をはじめ、筝の華やかな響きを多層的に活かそうとするさまざまな試みが思いのほか新鮮で、興味をそそる。現在の筝曲やその可能性を知るのに格好の2枚組。
古朝鮮から高句麗・百済・新羅の三国の時代、さらに統一新羅・高麗・朝鮮王朝・大韓帝国へといたる歴史のなかで、朝鮮半島と中国大陸との間で繰り広げられた、高句麗・渤海、女真人・満洲人など、さまざまな国家や民族の興亡をとおして、今日の韓国・朝鮮につながる「民族」や「領域」の意識の形成過程を描きだす。また、不断に他の民族と接触・融合を重ねてきた朝鮮半島の人々の歴史から、東アジアの多元的な世界像の構築を試みる。
人生はずっと続くから。
つかの間の休息を。
山のふもとに立つ「ペンション・ワケアッテ」。タクシー運転手によると、「ワケアリ」のオーナーが経営しているらしい。不安や秘密を抱えながらペンションを訪れる人々だったが、大自然に囲まれた静けさの中、本当の自分の気持ちに気が付き、明日への一歩を踏み出していく。
あくせくした毎日からちょっとだけ抜け出し、「今」を生きる大切さを噛みしめたくなる、温かな連作短編集。
2024年のブリティッシュ・ブックアワードにノミネートされ、世界40カ国で翻訳が進行中の『森崎書店の日々』や「純喫茶トルンカ」シリーズなど、世界中で注目される著者が描く、「ワケアリ」の人々が「なりたい自分」と「生きたい未来」を見つけ出していく、明日への希望に満ちたヒーリング小説。
*本書は2002年に出版され20年余り、34刷重版を重ねたベストセラー『キャリアカウンセリング』を、時代の変化、社会労働環境の変化に合わせ、再度全面的に見直し、校正・加筆を行った改訂版『[新版]キャリアカウンセリング』です。
**はじめに より抜粋**
情報技術の目ざましい発展に伴い、働く人々の労働環境は大きく変化し、同時に、働く人々自身の価値観・キャリア観も多様化、また、平均寿命が延び、働く時間と人生はますます長期化傾向にあり、定年延長後も仕事を継続するシニア層も増えている現在。変化の著しい労働環境、確実に先が見通せない社会において、キャリアカウンセリングに対する社会の期待は高まり、キャリアカウンセラーによる支援を必要としている人々はますます増加している。
殊に企業においては、従業員に対する「キャリア自律」を提唱し、自己のキャリアは自律的に切り開いてキャリアを形成し「自立的人材」になることを求める傾向が強まっている。
今やキャリアカウンセリングは、単に人と仕事をマッチングするだけではなく、絶えず変化する社会的ニーズを読み取り、クライエントニーズに的確に柔軟に対応できる質の高い支援、実際に役立つ支援が求められている。
キャリア支援者であるキャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)は勿論のこと、生徒、学生のキャリア教育に携わる教育領域のキャリアカウンセラー、従業員のキャリア開発とキャリア支援に関する社内の制度設計に携わる人事や人材開発の担当者、直接従業員のキャリアカウンセリングに携わる方々に大いに日々活用していただきたい。
『世界遺産学への誘(いざな)い』と題した本書の背景として、世界遺産登録を目指す彦根城に隣接する滋賀大学で2019年度より、彦根商工会議所寄附講座・国際文化システム特殊講義として「世界遺産学」が始まった。国内外の世界遺産の現状や課題を学習し、その意義を学ぶなかで、地域の文化遺産としての彦根城への関心と理解を深め、まちづくりや文化政策に興味を持つと同時に世界の今後について考え、国内外の文化・自然遺産の保存と活用に貢献できる人材を育成することを目的にした。初年度の講義が始まったその年に、ノートルダム寺院大聖堂と沖縄首里城の二つの世界遺産が焼失した。翌年はコロナ禍でやむなく中止となり、2021年には2020年に企画した遺産の破壊と修復、保全さらに継承というテーマに加えてコロナ禍が世界遺産や文化財に及ぼす影響も視座に入れて15回の講義を行った。コロナ禍の特殊事情によって講義内容をすべて録画したので、これをベースに本書の発行が決まった。録画を文字の起こし、講義者に加筆訂正をいただいたことで高度な内容がわかりやすく解き明かされることとなった。一方で資料や画像はそれぞれの著者が提供いただいたことで世界遺産に関する多くの知識が満載され、現状を広く学ぶことができ、新たな知見を得られるものとなった。とりわけ首里城焼失現場の生々しい記録や戦時下の破壊された世界遺産の惨状など臨場感あふれる報告集。
デパート・ガールの美苑は、ある期を境に眠れなくなり、売り場で神様の幻覚まで見る始末。下された辞令に左遷と思いきや、そこは幻覚ではなかった神様相手に、あれやこれやの御用を承る“特別”な外商部で……!?
昭和一九年十月仙台の宮城県第一高女四年生に学徒勤労動員令が下った。彼女たちはそれぞれの事情をかかえながら、しかし、雄々しく横須賀に近い逗子の久喜火工工場で砲弾に火薬を装填する作業につく。そこで彼女たちは懸命に働く。敗戦間際、仙台から横須賀の海軍工廠に勤労動員で行った女学校四年生の感動の手記。
霧の迷宮から脱出した優人たちが次に飛ばされたのは、広大なる大海原だった。そこで通り掛かりの船に拾われるが、旅路の途中で突然現れた巨大な怪物・赤クジラの襲撃を受ける。そして戦いの末に辿り着いた海の底で、優人は過去の勇者と聖女にまつわる悲しき物語に出会い、元の世界に帰るためのヒントを探し求めていく。-波乱万丈な展開が目白押しの、怒りの撤退ファンタジー!
屹立する近代女性表現者と稀代のプロデューサー、その知られざる絆の秘奥に迫る!新たな切り口で臨む与謝野研究の道標!
雪舟・雪村・宗達・山雪・光琳・乾山・抱一・宗季・庸昌・蕭白・蕪村ら計十一人の巨匠の代表作品を考察。これまで見過ごされていた画中の「文字」と、構想の源となった「テキスト」に着眼、画家が画の中に仕組んだ巧妙な仕掛けを謎解きする。随所に見られる画家の細やかな「奇想」(機知に富んだすぐれた構想)を見抜くことで作品に隠された「深意」を探る。本書により絵画の鑑賞法が大きく変わる。これまでの目に見える範囲内で論じる「造形論」や「様式論」主体だった絵画研究から、あまり触れられなかった「主題論」「意味論」に挑む。