ランドスケープ・生物多様性・遺伝子。さまざまなスケールで「生態系」をとらえ、自然再生のためのフレームワークを示す。
●生物の個体レベルから分子レベルまで、カラーの美しい図版により生物学への興味を引き出します。
●写真を随所に配置し、視覚的にも興味をもたせられる紙面構成にしました。
●学生のつまずきやすい代謝について、より学生が理解しやすい構成にしています。
●分子生物学の進展に伴うトピックスも取り上げ、わかりやすく掲載しています。
●生物の進化と種の多様性を、ストーリーをもたせた展開で説明をしています。
●巻末に生物学を学ぶにあたって必要となる物理・化学の基礎知識をまとめています。
消滅可能性自治体という言葉が話題になった。20〜30歳代の女性人口の少なさが基準となっているようで、ショックを受けた自治体も多い。それ以外にも人口減、高齢化、大都市への人口流出、少子化など、さまざまな要因によって都市の存続や生活手段の維持が危ぶまれている。
では、そもそも都市とは何なのだろうかという点から考えてみたのが本書だ。歴史的にみた都市の形態やその発展の様子、世界にはどのような都市があり、都市での生活の実態や都市の持つ魅力、都市のデザイン、グローバル・シティの利点と弱点、さらには持続可能性などを考えていく。その中から生み出されてきたのが「15分都市」という考え方だ。
15分都市とは、生活、仕事、買い物、医療、教育、自己啓発という6つの必須な社会機能に15分以内に徒歩または自転車でアクセスでき、社会生活にとっても地球環境にとっても持続可能となる新しい都市モデルのこと。2020年にパリ市長が都市計画作成に盛り込んだことで注目を集め、コロナ禍の影響でさらに関心が高まった。世界の人口の大半が大都市に集中し、文化、環境、技術、経済など人類の発展における主要な問題が集中する都市地域の改革は今や喫緊の課題だ。本書では、私たちの生活空間や有用な時間との関係について問いかけ、よりよい暮らしのための新しい都市の在り方を提案する。
序文 リチャード・セネット
はじめに 都市に住む権利、都市で生きる権利
第1章 生きている都市ー過去の都市、今日の都市、未来の都市:生きる場所
第2章 気候への課題ー環境変動にさらされた街と都市生活
第3章 都市の複雑性ー多様な顔を持つ都市:不完全、未完成、脆弱な都市
第4章 都市に生きる権利ー都市への権利から都市の中で生きる権利へ
第5章 持続可能な大都市ー街は何よりも長く続いていく
第6章 近接性の実験ー15分都市
第7章 大転換ー大都市化、グローバリゼーション、地域
第8章 ユビキタスな街へー21世紀のテクノロジー、いたるところに接続する都市
結論 新型コロナウイルスとともに生きる現在、未来はどうなるのか
解説 サスキア・サッセン
圧倒的大多数の現地語といくつかのヨーロッパ諸語の織りなす重層的な多言語使用の実態。危機言語、母語主義といった西側世界による介入。それらがつくり出す複雑な言語状況を概観し、サハラ以南アフリカ14カ国の、ことばと社会をめぐる諸問題を具体的に論じる。アフリカ社会を理解するうえで、なぜ言語問題が重要なのかを明らかにし、アフリカ地域研究への新たな視点を提示。
生命科学の分野で、電子機器、情報、材料工学、合成化学等の技術と研究成果を融合させた「バイオテクノロジー・クラスター」の構築が始まっている。21世紀型「バイオ・ルネッサンスー異分野融合によるバイオ新産業創出」に向け、行政、ベンチャーキャピタル、ビジネス、マスコミをはじめ、広く一般市民を対象に、「バイオテクノロジー」と「ビジネス」との接点をわかりやすく解説。
「人間とは何か」を考える。そのとき、霊長類学の成果に触れることを勧めたい。あまり一般に意識されないが、先進諸国のなかで野生のサルがすむ国は日本だけだ。アメリカザルとかフランスザルというのは存在しない。そうした文化や自然の背景があって、日本人はサルについてよく知っている。深い興味を寄せてきた。それが追い風となって、霊長類学は、日本が世界の一線に立って発信し続けてきた稀有な学問である。
<2007年11月初版発行>
◇育成・活用の基本!
◇働きがいのある会社をつくる
「女性が働きやすい企業ほど国際競争力が高い」が世界の常識です。少子高齢化が加速する現在、女性の継続就業を可能とする職場環境整備と女性活用は待ったなしの状況です。
女性の活躍の場を拡大するためには、男女雇用機会均等法など法律に則した人事制度の整備が不可欠ですが、それだけでは不十分です。人事制度の運用、つまり人材活用を、性別でなく社員の意欲や能力に即したものとするために、人事制度の整備に加え、職場での管理職による人材活用を点検し、見直すことが必要となります。
本書は、「ダイバーシティ推進室」を設立し、社員のワークライフバランスを推進する東京電力、ジェンダーフリー推進から男女共同参画へと取り組みをステップアップさせた資生堂、均等推進企業表彰の厚生労働大臣優良賞を受賞した帝人グループなど、女性活用を推進し自分らしく働ける職場づくりを進める先進企業11社の事例を紹介します。女性の管理職への積極的登用や出産・育児・介護などに対する両立支援など、女性活用策の考え方から運用上の具体策まで、各社の人事トップや推進責任者が詳細に説き明かします。
〈解説〉佐藤博樹(東大教授)
「女性の活躍の場拡大とワークライフバランス」
〈主な企業事例〉
東京電力
ダイバーシティ推進策
ダイキン工業
日本型タレント・マネジメント
伊藤忠商事
人材多様化推進計画
資生堂
男女共同参画施策
高島屋
キャリア・ライフプラン支援
松下電器産業
多様性推進による企業革新
三菱東京UFJ銀行
ワークライフバランス
種子作物はしばしば、花芽形成から減数分裂・開花・受精を経て胚・胚乳形成に至る一連の生殖生長過程において、生殖にきわめて不利な環境変動に遭遇し、収量に著しい減少を来すことが少なくない。イネもその例外ではない。イネの生殖器官(小穂)はわずか数ミリという小さなものであるが、不良環境に対応して形態を変化させたり、種子繁殖のシステムそのものを変えたりする。そこでは、穎の変形、雌ずいの増生と雄ずいの減生といった小穂の形態変化とともに、雄ずいと雌ずいという、植物が長い進化の過程で発達させてきた性の分化と受精による生殖、つまり有性生殖を転換して性によらない繁殖すなわち無性繁殖へと切り替えていく姿を見ることができる。そこには、厳しい環境が襲来してもその場所から逃げることなくそれに真向かう中で生き延びようとする闘いの姿と同時に、したたかな生命といったものを見ることができる。
南の海原から独立峰のごとく屹立する山岳の島・屋久島。そこは、亜高山帯の植物が茂る山稜から、太古の命宿る縄文杉の森、そして亜熱帯のマングローブが繁茂する海辺まで、日本列島と琉球列島、中国大陸の自然が凝縮し、かつ溶け合ったカオスの大地だ。豊な水と森、巨岩に彩られた「不思議の島」をめぐり、特異なフロラとファウナに秘められた謎を解く。
尾瀬の貴重な自然を守れ! 国民の宝・奇跡の大自然 尾瀬を次世代につなぐために。
・貴重な大自然「尾瀬」の魅力を美しい写真とともに解説
・SDGsが叫ばれる今こそ、尾瀬の保護を真剣に考える
・日本の自然保護活動の発祥地・尾瀬からの発信
山と自然の文庫サイズ書籍「モン・ブックス」シリーズ第6弾。
日本の自然保護活動の発祥地・尾瀬を通して、自貴重な自然景観、
動植物を、美しい写真とともに解説するオールカラー図鑑。
絶妙なバランスの上に成り立っている奇跡的でデリケートな大自然である尾瀬を、
次世代に伝えるために、どうすればよいかを考える。
尾瀬の自然保護なくして、SDGsはあり得ない。
第2部「尾瀬の保護と課題」は最新の知見を取り入れてほぼ改稿をほどこした。
田部井淳子/尾瀬の思い出 尾瀬地図 尾瀬への誘い
第1部 尾瀬の多様性 尾瀬の山 尾瀬の滝 尾瀬ヶ原 湿原 湿原の不思議 尾瀬沼 池塘 拠水林 気候変動と尾瀬 尾瀬の気象 尾瀬の四季 尾瀬の花 尾瀬の樹木 APG分類体系4 尾瀬の哺乳類 尾瀬の鳥類 尾瀬の両生類・爬虫類 尾瀬の魚類 尾瀬の昆虫 希少な動植物とSDGs 尾瀬の地名由来 尾瀬を楽しむ
第2部 尾瀬の保護と課題 新旧 「尾瀬ビジョン」 尾瀬で過去に生じた難問 「お膳自然を守る会」 尾瀬が乾燥している? 尾瀬沼の水はきれい? 尾瀬沼のコカナダモ ゴミ問題 二ホンジカ対策 このままでは尾瀬が過労死する 尾瀬をレジャーランド化? 尾瀬の外来植物相 尾瀬アカデミー開講
地球上で誕生した生物は40億年近くかけて進化し、今日では大きな生物多様性が見られる。この生物の変遷について、生物の誕生から細胞の進化、様々な生物の繁栄と絶滅、植物や動物の多様化、そして人類に至るまでを紹介する。また、生物の進化のしくみについて、ダーウィンが明らかにした自然選択説、木村資生による分子進化の中立説といった基本的な理論について解説し、最近の知見である形態やゲノムの進化機構、あるいは寄生や共生といった生物間の関係の変遷についても紹介する。生物の進化と生物の多様化について総合的に考察する。
1.生物の進化と多様化 2.自然選択と適応 3.中立進化と偶然 4.生命の誕生 5.ミクロな生物の進化 6.カンブリアの大爆発と多細胞動物の起源 7.顕生代の絶滅事件:オルドビス紀末を例に 8.植物の陸上進出と多様化 9.花の進化:陸上植物の生殖器官の進化 10.動物の発生と進化 11.ゲノムの進化と生物の多様化 12.寄生ーその生態と進化ー 13.内部共生がもたらす進化 14.性と進化 15.人類の進化
創造的な行為や産物に貢献する特定の認知プロセスや構造,またそれらを明らかにするアプローチである創造的認知。
その概念を援用し,数々の先行する研究成果を示しながら,実験や開発者へのインタビューから,視覚化,アナロジ,概念結合,ビジョニング,組織の要因といった開発者がアイデアを創出する際に駆動させる創造的認知にまつわる様々な仮説を具体的に検証。認知プロセスの一端を明らかにし,効果的なプロセスや方法を検討する。
「新しい製品やサービスは,人の生活を大きく変え豊かにすることができる。そのような新製品・サービスの開発において,アイデアは,その開発プロジェクトの成否を左右するほどの重要性を持つ。それゆえにアイデア開発の問題は,新製品・サービス開発やデザインなどに関わる研究において,高い関心を持って,さまざまな角度から取り組まれてきた。(中略)アイデアの創出も,開発者自身によることがすべてではなく,開発者以外の誰かあるいは何かに依存することも考えられる。むしろ,リードユーザー理論を扱うものやオープンイノベーションを扱うものなど,開発者以外に依存すべきことを主張する研究もある。
その中にあって本書はあえて,開発者によるアイデア開発を問題とするものであり,それ自体がまず本書の特徴の1つである。それはひとえに,開発者自らによるアイデア開発がそれほど簡単ではなく,またごく素朴なことでありながら,未だその効果を追求できる余地があると考えられるからである。」(「まえがき」より)
●著者紹介
磯野 誠
担当:まえがき,第1,2, 3部はじめに,おわりに,1〜 5章,7章,コラム1,2,あとがき
公立鳥取環境大学経営学部教授。博士(商学)。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。P&Gなどを経て,2012年より現大学所属。
専門は,マーケティング,新製品開発,デザイン。
『地方創生のための経営学入門』(編共著,今井出版,2019年)ほか。
高橋佳代
担当:第1,2部はじめに,おわりに,1章,2章,4章,コラム3
鹿児島大学大学院臨床心理学研究科准教授。博士(心理学)。
九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻博士課程修了。
2015年より現大学所属。
専門は,臨床心理学,臨床発達心理学。
『臨床動作法の実践をまなぶ』(分担執筆,新曜社,2019年)ほか。
島田善道
担当:第3部はじめに,おわりに,5章,6章,コラム4,5
公立鳥取環境大学経営学部准教授。修士(経営学)。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程満期退学。松下電器産業(パナソニック)を経て,2018年より現大学所属。
専門は,経営組織,国際経営,人的資源管理。
『経営学ファーストステップ』(共著,八千代出版,2020年)ほか。
本書は、日本学術会議の基礎生物学委員会・統合生物学委員会による「参照基準」に準拠した、大学初年次向けの生物学の教科書である。遺伝子、タンパク質、細胞などを扱うミクロ分野から、生態系、生物多様性を扱うマクロ分野まで、生物科学の幅広い分野をカバーしているので、基礎から最先端の知識までを体系的かつ効果的に学ぶことができる。生物学の多様な分野の第一線で活躍している研究者らが長年の講義経験をもとに、わかりやすく丁寧に解説した一冊である。
生命の誕生した楽園である水中を追われ、過酷な陸上に避難した哺乳類の先祖たち。彼らはどのように環境に適応し、どうしてここまで繁栄できたのか? その秘密は「乳」というシステムにあった。生物の歴史を丹念にたどり、哺乳類、そして人という生き物の本質に迫る。人が生物の頂点に達するまでの壮大な進化の物語。(ブルーバックス・2015年1月刊)
はじめに
第一部 遺伝の仕組みにあった進化の根源
第一章 有性生殖を可能にした進化
第二章 有性生殖と遺伝的多様性
第三章 進化の仕組み
第二部 新天地を求めた動物
第四章 水中から陸上へ移動した生物
第五章 陸棲がもたらした進化
第六章 鳥類で見られる進化
第七章 哺乳類で見られる進化
第三部 進化の究極──乳腺と泌乳
第八章 乳の進化
第九章 乳腺の進化
第一〇章 泌乳制御の進化
第一一章 進化はヒトに何をもたらしたか
おわりに
「インテリア」というと、家具の選び方であったり、モダン調・ヴィンテージ調といったテイストのことだと理解されることが多い。けれど実際は私たちの生活とインテリアは切っても切り離せないものであり、普段何気なく暮らしている身の回りのすべてがインテリアだといっても過言ではない。
「家づくり」が専門化されることでブラックボックス化されてしまった現代において、「建築」という専門領域と「生活」をつなぐ大気圏としてのインテリア=「超インテリア」という概念のもとに、日本の生活空間、そして都市の姿を新たに提案する。
はじめに
序章 超インテリア時代の到来
建築から超インテリアへ
超インテリア時代の背景1--ソトとウチの解体
超インテリア時代の背景2--「建てるべきではない」社会への移行
超インテリア時代の背景3--「普通さ」の反撃
超インテリア時代の背景4--コミュニケーションの多様化
「建築の大気圏」のなかで超インテリアを感覚する
第一章 超インテリアとモノ
?1 天井はなんの役に立っているのか
?2 トイレにはなぜフタがあるのか
?3 なぜ畳は絶滅しつつあるのか
?4 塀の内側はインテリアか
?5 後付けバルコニーは建築か
?6 木材は自然物といえるのか
?7 なぜガラス空間はモダンなのか
?8 プラスチックは人類を滅ぼすのか
?9 なぜ三匹目の子ぶたはコンクリートで家をつくらなかったのか
?10 スマートフォン、自動運転車、住空間、どれにお金をつぎ込むか
?11 なぜ壁に絵を飾るのか
?12 柱はインテリアの役にたつのか
?13 雑貨は建材なのか
?14 なぜ扉を開け放しにしたら怒られるのか
第二章 超インテリアとコト
?1 リノベーションは新築の劣化版なのか
?2 なぜ古い建物には抗いがたい魅力があるのかーー「ノスタルジー」の源泉
?3 インテリアはその場所で完結するものなのか
?4 《中銀カプセルタワービル》はなぜ解体されたのかーー都市の端末としてのインテリア
?5 タテとヨコ、どちらから空間をイメージするか
?6 「空気」をどのようにデザインするか
?7 その部屋の20年後が予想できるか
?8 なぜインテリアで地震対策をしなくてはならないのか
?9 家をお店にしてはいけないのかーーインテリアと法規
?10 AIと3Dプリンターで空間を自動生成できるか
?11 なぜ屋根にソーラーパネルをのせたいのかーーサステイナブル
第三章 超インテリアの思考
超インテリアと総合性
「機能」と「パッケージ」
超インテリアへのアプローチ
超インテリアへのアプローチ1--「現代」を相対化する
超インテリアへのアプローチ2--コミュニケーションの表現
超インテリアへのアプローチ3--制度・形式の辺境へのアクセス
超インテリアへのアプローチ4--新技術による可能性
超インテリアへのアプローチ5--入口のデザイン
超インテリアへのアプローチ6--対話された空間
結語 超インテリアは情報を減らさない
社会が総合性をもたなければ、AIも総合性をもたない
超インテリアへのアプローチ7--情報を減らさない
総合性をデザインする
あとがき