その闘いは大阪で始まった!ヘルパーT細胞の数を示すCD4。まるで砂時計の砂がこぼれ落ちるようにその数値が減っていく。刻々と迫る死を見据えながらなぜ彼らは立ち上がったのか。なぐりつけてくるような運命のなかで、人を信じ、人を愛し、魂を輝かせ続けた人々の群像を、いま初めて語られる訴訟の真実とともに描ききった感動のノンフィクション。
兄の広太は1980年9月5日、弟の健は1983年9月24日に生まれた。二人は、血友病と診断されたが、明るく仲良く育っていった。しかし、兄弟は薬害エイズの犠牲となる。だれもが信じていた未来は、ともに12年という短さで閉ざされてしまった。ただ、その12年間、二人の一瞬一瞬は常に輝いていた。未来を信じ、今を懸命に生きていた。全力疾走で生きぬいたのだ。本書は、残された絵画や作文、写真を紹介しながら、つらい病気と闘いながらも輝いていた兄弟の日々と、二人を見守った両親の苦悩、悲しみ、怒りをつづった記録である。
心の拠り所。人はそれぞれ『心の故郷』をもっている。その拠り所を63人の随筆家が問う感動作。
本書は、そんな耐え難い運命にみまわれながらも、けんめいに生き抜いたたくさんの人たちの中の、三人とその家族の愛と勇気の物語です。
血友病患者のエイズ認定はなぜ2年も見送られたのか?“エイズ第1号が2人”という異常事態はなぜ起きたのか?10年以上も前に輸血によるHIV感染が起きていた!薬害エイズ事件の埋もれた附分を克明にたどるうちに筆者はHIV感染の途方もない広がりと意外な起源に気づいた。NHKの93年入手資料と96年の厚生省公開資料の徹底検証から浮上した行政の「情報秘匿」と「不作為」の驚くべき連鎖。
原因ウイルス発見から遺伝子治療まで、エイズの全てを語る。
1983年、厳格で信仰厚い父が死んだ。45歳、エイズだった。その日から残された家族の生活は一変し、苛酷な試練がはじまった。非難や好奇のまなざし、自分たちの健康の不安、崩れていく家族の絆…。わたしは苦い真実を、同性愛者としての父の隠された顔をおいもとめる。生涯、真実を語ることのできなかった父の鎮魂と自らの癒しのために、祈りをこめて綴る、いたましくも美しいノンフィクション。
本書はテレビアニメ『きこちゃんすまいる』の最後に、1問ずつ出される“きこちゃん天才クイズ”のコーナーを、1冊の本にしたものである。
本書は、現代社会が要請する危機介入、援助活動の理論を展開し、それにもとづく実践方法論について、体系的に、的確かつ具体的に、わかりやすく述べた手引書として好評のCrisis Interventionの第7版の全訳である。これまでの内容を大幅に改訂し、現代社会の危機的な状況すなわち薬物依存、強姦、児童・老人・妻の虐待、セクハラをはじめ新たな社会問題やライフステージ上の危機(エイズ、心的外傷後ストレス障害、燃え尽き症候群、アルツハイマー病、死など)に焦点を当て、それらの問題を詳しく取り上げている。これらはもちろんアメリカ社会の問題にとどまらず、わが国においても共通のものであり、その対応・対策が問題になっている。これから医療・看護・福祉などの援助専門職をめざす人にはもちろん、現任者にも格好のハンドブック。