土木作業員の祐一は、出会い系サイトで知り合った佳乃が山奥で置き去りにされているのを助けようとして殺害してしまう。時を前後し、同じサイトで出会った祐一と光代は互いに惹かれ合い、逃避行の旅に出る。加害者と被害者、その家族や友人。一体誰が悪人なのか。交差する様々な思いを克明に描いた不朽の名作!
第一章 彼女は誰に会いたかったか?
第二章 彼は誰に会いたかったか?
第三章 彼女は誰に出会ったか?
第四章 彼は誰に出会ったか?
最終章 私が出会った悪人
解説 斉藤壮馬
社会学のエッセンスを、各分野の第一人者が、読んで面白い48の命題で、コンパクトに解説。個々の解説では、ものごとの自明性を疑うという社会学的な発想はもちろんのこと、社会学的な発想そのものを超えるパースペクティブが巧みに示される。ジンメルの「外集団への敵対と内集団の親和」や、デュルケムの「人格崇拝の成立」、ミードの「自我の社会性」、ゴフマンの「自己呈示のドラマツルギー」といった社会学の基本命題の他、ヴェブレンの「誇示的消費」、藤田省三の「天皇制国家の支配原理」、ベイトソンの「ダブル・バインド」など、思考を鍛える隣接分野からの命題も多数収録。
規則は行為の仕方を決定できないーーこのパラドックスの懐疑的解決こそ、『哲学探究』の核心である。異能の哲学者によるウィトゲンシュタイン解釈。===「規則は行為の仕方を決定できない、なぜなら、いかなる行為の仕方もその規則と一致させられ得るから」。クリプキは、ウィトゲンシュタインの提示したこのパラドックスとその懐疑的解決こそが『哲学探究』を理解する鍵であるとして、自身のやり方で議論を展開していく。数学の哲学、私的言語論、他人の心といった議論は、このパラドックスの問題を経由して解明されるべきものなのだーー刊行後多くの議論を巻き起こした、異能の哲学者によるウィトゲンシュタイン解釈。訳者による解題「クリプキの『探究』解釈とウィトゲンシュタインの世界」を収録。===『哲学探究』の核心刊行後多くの議論を巻き起こした異能の哲学者によるウィトゲンシュタイン解釈===【目次】まえがき 一 序章 二 ウィトゲンシュタインのパラドックスーー規則の問題 三 その解決と「私的言語」論 四 補遺ーーウィトゲンシュタインと他人の心 訳者あとがき 文庫版訳者解説 クリプキの『探究』解釈とウィトゲンシュタインの世界 人名索引 事項索引
まえがき 一 序章 二 ウィトゲンシュタインのパラドックスーー規則の問題 三 その解決と「私的言語」論 四 補遺ーーウィトゲンシュタインと他人の心 訳者あとがき 文庫版訳者解説 クリプキの『探究』解釈とウィトゲンシュタインの世界 人名索引 事項索引
経営思想の巨人による21世紀のマネジメント論。ニューコア、ハイアール、ミシュラン…官僚主義を乗り越えた新しい地平へ世界中の大企業が動き出す。
たまには、遠くに行きたくなる日もあるよねーー。
父・沢村四朗(70)
定年退職後、趣味と体力づくりに勤しんでいる。
愛読書は『鬼平犯科帳』。新潟のへぎそばが好物。
母・沢村典江(69)
明るく社交的で、料理が上手。近所に友達も多い。
好きな番組は「朝ドラ」。得意なメニューは魚の煮つけ。
娘・沢村ヒトミ(40)
ひとり暮らし未経験の独身。入社18年目のベテランOL。
仲良し3人組でおしゃべりに興じるのが一番のストレス解消。
そんな平均年令60歳の沢村さん一家。
今回は高齢になってきたお父さんお母さんが久しぶりの夫婦旅で函館へ、
40歳の娘ヒトミさんはひとり旅に挑戦します。
歳を重ねた親子、長く連れ添った夫婦、中年と呼ばれる年齢になっても家では「娘」、
といった家族のさまざまな視線で、三人の日常が紡がれていきます。
沢村さん家の愛しい毎日を描いたホームコミック。
描き下ろしマンガ『ヒトミさん、初めてのひとり旅』も収録。
ぼくはジェイク。ぼくと友だちの5人は下校途中、不時着した宇宙船を見つけた。乗っていたエイリアンは、傷を負いながらも教えてくれた。悪いエイリアンが地球侵略をたくらんでいると。動物に変身するアニモーフという力を授けてもらったぼくたちは、戦うため立ちあがった!大人気SFシリーズ第1作。
坂崎磐音の嫡子・空也。
名を捨て、厳しい武者修行の旅に出た若者の前に待ち受けるものはーー。
長編時代小説の金字塔「居眠り磐音」に続く「空也十番勝負」シリーズ、〈決定版〉として刊行開始!
いざ薩摩へーー「一番勝負」!
寛政七年夏。
薩摩国の国境に近い牛ノ峠(うしのとうげ)に、一人の武者修行の若者が辿り着く。
他所者を受け入れない“異国”薩摩での修行のため、若者は、名前を捨て、「無言の行」を己に課していた。
国境をまもる影の集団「外城衆徒」(とじょうしゅうと)が、彼の薩摩入りを阻止すべく、付け狙う。
一晩の雨露をしのぐため、山小屋に若者を迎え入れた百姓の親子は、非情にも殺された。
精霊の住まう山々を舞台に、外城衆徒との激しい闘いの幕が切って落とされた……。
古事記は遠い古代から私たちになにを語っているのか。古事記を構成するひとつひとつの言葉を分析し、本文の文脈に即して意味を確定する全注釈。本居宣長『古事記伝』以来の解釈について、国文学はもとより、民俗学、人類学、神話学等の視点、知見を導入して根本から問い直し、ひとつの世界としてその全体像を明らかにする。西郷古典研究の最高到達点であり、古事記研究の金字塔。第四巻は「天孫降臨」「天孫降臨(続)」「海神の宮」を収録。
いつだっただろうか。ふと義母が言った「言葉」に私は救われたーーマレタイムでいこう。その言葉は大好きなホットコーヒーを飲んだ時のように心の奥に沁み込んでいき、どうしようもない現実に、ただ悔しく、悲しむことしかできなかった私を救ってくれた。そうだよ。希のペースで、希の時間でゆっくりやっていけばいい。大丈夫、私は生きている。文芸社第2回人生十人十色大賞・最優秀賞受賞作品。
落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。
「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。
音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。
反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。
74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、
石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。
「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。
うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。
穂村弘さんーー
「夢を諦めてはいけない、何者かにならなくてはいけない。
そんな声がずっと聞こえていた。
世界には自分しかいなかった。
でも、本書を読み進むうちに、呪いは薄れてゆきました。
そこは未知の世界でした。
自分のほかにも人間がいた。
何者かわからない住人たちに奇妙な親しみを覚えました」
柚木麻子さんーー
「カラオケボックスでの出来事は、言語化されることは滅多にない。本作は、あの数々の奇跡をとらえ、ときほぐし、我々がなんでカラオケを愛するのかを、ささやく、のではなくハンドマイクで熱っぽく伝えてくれる」
佐伯ポインティさんーー
「人生の憂鬱に抵抗するには、魂に叫ばせてあげるのが一番だ。
人生いろいろある登場人物たちがカラオケを通して、真っ直ぐ希望を歌うJ-POP歌手たちに元気をもらう姿は、受けた光を乱反射するミラーボールのように美しくて愉快!」
エピローグで明かされる、本書全体を通した仕掛けには思わず笑ってしまうこと間違いなしです。
不死の呪いをかけられた少女 胡桃沢加恋。彼女が死ぬただ一つの方法は、真に彼女を愛する恋人に殺されること。
「だから、私を殺してくれないかな」
って、彼女のことが好きでしょうがない僕に頼みやがった。
もちろんそんな願いは叶えられない。だから僕は言ってやる。
「僕には殺せないね。お前のことが好きじゃないから」
ゆらめく現実と幻想の境界、とっくのとうに死んだ神様、彷徨する天使と悪魔に絶えず過ぎていく日常──18歳の才能が鮮烈に描く、罪と赦しの物語。
「さあ、文芸部に入部しませんか?」
未解決事件などの捜査書類を収蔵する通称“赤い博物館”の館長・緋色冴子。遺留品や手掛りを元に、ずば抜けた推理力で事件を幾つも解決してきた。ある日、部下の寺田から相談されたのは、26年前に起きた奇妙な誘拐事件。犯人と目されたのはその子の親だったようでー表題作他、予測不可能なミステリ全5編。
佐渡裕率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団が、本拠地のオープニングでついにデビュー。世界11ヵ国での厳しいオーディションで選ばれた若手奏者たちが、佐渡の指揮のもと一世一代の第九を披露。
土地の名が呼びさます昔の幻影。連作短篇集 たまらん坂、おたかの道……武蔵野に実在する不思議な土地の名が初老期の男達に垣間見せる青春の残像。時間と空間の交点に人生を映し出す黒井文学の豊かな収穫。
土地の名が呼びさます昔の幻影。連作短篇集 たまらん坂、おたかの道・・・武蔵野に実在する不思議な土地の名が初老期の男達に垣間見せる青春の残像。時間と空間の交点に人生を映し出す黒井文学の豊かな収穫。