ねこが主人公のお話が8編、勢ぞろい。ネズビットやフィリパ・ピアス、宮沢賢治の作品をはじめ、民話や絵本やマンガの名作から、ゆかいな話、かなしい話、ふしぎな話などなど、とっておきの話をあつめた短編集です。ねこ好きはもちろんのこと、みんながたのしめる、ねこファンタジーランドへようこそ。小学中級から。
憲法理念にそうあるべき接見交通の展望と課題を在野法曹が熱い思いで追究。
北岡ハルミ、自称フィリップ・マーロウ。名探偵を自負している。大学卒業後、趣味の探偵業に進んだ、お嬢さん探偵だ。新宿に「北岡私立探偵事務所」を構えている。モットーは誠意誠実。自分の誇りのために動いている。今日のハルミのスタイルは、超ハデハデウェットスーツ。伊豆の海で次々と起こったダイビング中の事故の調査を依頼されてのことだ。今回もハルミ危機一髪。おしゃれな味わい、ハルミ探偵シリーズ、第2弾。
六百年の時がめぐる-。それは運命の時、輪廻の輪がまわる時-。神々に愛された刀根の国の前国主、“砦様”と呼ばれる異装の麗人。彼は、黄金一色の目、剛毅の気性をもち、“刀根の黄金龍”と呼ばれていた-。そして彼を“盟主”と呼ぶ七つの石の神獣たち。謎にみちた物語が、あでやかに今はじまる。
六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。
一八九八年、世紀末の頽廃に満ちた街ロンドン。「ロンドン絵入り新聞」の新米記者ジョーは、同僚のアランと連続殺人犯を追っていたが、逆に襲われるはめに。その危機を救ったのは、六年間行方をくらましていた父のジェラードと中国の美女・ランファだった。父の突然の帰国にとまどうジョーたちの許へ、ジェラードの旧友でハンガリー独立運動の旗手ヴルム伯の救出依頼が。ヴルム伯の独占手記を狙ったジョーたちは、カルパチア山脈の城塞に幽閉された伯爵を救うため、一路ブダペストへ。そこには、憲兵隊の不穏な動き、巨大狼と吸血鬼の出現が。さらに、張り巡らされた陰謀と罠、衝撃の真実。痛快大冒険ロマン、待望の書下ろしで登場。
幹世につれられて、天文部の1年生・麗子の家を訪れたノリミ。麗子専用の携帯電話が盗聴されて、不気味な文書が届いているという。文書に書かれている麗子の恋人・羽矢人は、借金取りに追われる青年だった。麗子が何者かに襲われる事件が起こり、ノリミが捜査を開始した。そんな時、天文部で「麦倉先生とわたし」という麦倉先生とノリミの関係を赤裸々に書いた日記が発見されて…。
勇虎たちの船は彼岸と現世と常世のはざまに浮かぶ島・ウジュンの村へ流れ着いた。この島からは、すべての世界への道が通じている。彼岸からの戻り人・龍綺にかけられた魔道は非常に強く、勇虎をも巻き込もうとする。いまだ呪いのかかっていない勇虎を現世へ戻そうと、龍綺はみずからマンギスの神の口から奈落へと飛び込み、彼岸へ帰っていく。一方、島の巫女・双羅から龍綺の本心を知らされた勇虎は、龍綺を救うため、舞を捧げてマンギスの口を開かせ、彼のあとを追うが…。
危機の時代を、古代の知識人たちはどう生きたのか。ペロポンネソス時代のソクラテスやアリストパネス。ローマ共和制末期のキケロ。ネロの時代のセネカ…。自分の生き方を淡々と貫いた哲人。絶望を笑いに転化した豪傑。見苦しく右往左往した文人。「賢人」十人の十色の身の処し方・死に方に光を当て、古典世界の知識人の姿を今日的な眼で捉え直す。
筒井和泉守政憲は江戸南町奉行に就任するや、早乙女源六を内与力にするとともに、定町廻り同心筧彦七をつけて裏探索方を命じた。そして彦七の下には手足となって働く、岡っ引きの甚八以下五人が控えていた。この六、七、八の捕物陣七人が江戸の凶悪事件の探索に当たり、浅草と麹町で同時に起きた紙問屋の押し込み強盗を追って動き出した。-街道を走り、十手捕縄を操り次々と下手人をあげる痛快本格時代小説。
樹王君と地仙姫の娘・蕾姫は、金剛山が鮮紅の秋を身にまとう頃、かならず『銀葉亭』を訪れる。哀しい瞳と傷ついた想い出をたずさえて。小さな手をまっ赤に染めた血が、たちまちかわいた日-高麗の王だった王勢龍が死んだ日から、蕾姫の時は止まったままだ。蕾姫は、百年もの昔、足を折って動けない少年・勢龍をみつけた。それが姫のおさなく愛らしい、そして哀しい初恋のはじまりだった。
覇権を奪いあう諸王たちの中から、楚の荘王が傑出してきた。夏姫を手中にして逡巡した楚王は、賢臣巫臣に彼女を委ね、運命の二人が出合った。興亡激しい乱世に、静かに時機を待った巫臣は、傾国の美女を驚くべき秘密からついに解き放ち、新しい天地に伴うのであった。気品にみちた、長編歴史小説。
南町奉行、内与力早乙女源六は、定町廻り同心筧彦七と岡っ引きの甚八ら六人を従えて裏探索方を務めていた。源六は老中より阿片がらみで失踪中の旗本、黒田左太郎を追うよう密命を受ける。その黒田が斬殺体で発見され、三日後に薬種問屋「肥前屋」から千両箱と阿片の入った皮袋が盗まれた。源六たちは、黒田家と確執のあった中野播磨の屋敷を見張り、不審な動きをする男たちを追って長崎へと旅立つ。長篇本格時代小説。