「資質・能力」規定、アクティブラーニング、「関心・意欲・態度」評価、知識基盤社会論等、グローバル競争に勝ち抜く能動性・創造力に一面化された学力や人材育成をめざす政策を批判的に検証し、対抗・挑戦・克服する理論を提起。
はじめにーー新自由主義に対抗する教育を考える
序章 学力・人格と教育実践ーー子どもの変革的自己形成を起動させるーー
1 新自由主義と学力・人格
第1章 安倍内閣の教育改革の全体像と特質
-現代把握と新自由主義教育政策の本質ー
第2章 学力と人格の関係を考える
-新自由主義教育政策の本質と「資質・能力」規定ー
第3章 「学力」をどうとらえるか
-学力論と学習論との交錯ー
2 アクティブな学びと評価
第4章 「アクティブ・ラーニング」を考える
第5章 評価の「権力化」「肥大化」のメカニズムと人格への評価
-「関心・意欲・態度」評価の問題性学力と評価ー
3 生きることと学力
第6章 「知識基盤社会論」批判
-労働の未来像と能力・学力の価値についてー
第7章 学力と道徳性、主権者性
-新自由主義と政治教育の関係を考えるー
第8章 「憲法改正論争事態」における学校教育の責務を考える
-公教育の本質に立ち返ってー
第9章 学力の意味の喪失とその回復のすじ道
-「あること」<to be >と「もつこと」<to have >の様式と学力ー
英語教育にメディア英語をどのようにとりいれるかー常に議論されている古くて新しいテーマに、メディア研究、文学、応用言語学、英語教育学から多角的に分析している。
大学で求められる英語教育を「市民性の獲得=社会の公共的課題に対して立場や背景の異なる他者と連携しつつ取り組む姿勢と行動」と定義し、メディアに触れるときに、常に「これは本当なのか?」と読み手の意図を見抜こうとする姿勢を養うことを目的としている。
それを可能にするのは英文テクストのcritical reading(批判的読解)。「すべての情報は特定の基準に基づいて選択され、編集され、加工されている」というメディアの特性を理解し、一人の市民として主体的に向き合うことがメディアリテラシーを高める」と主張し、英文テキストでメディアリテラシーを高める意味やその効用、実践での方法論を詳述した。
今までの議論にはない新しい英語教育論。英語教育に携わる人、英語上級者向け。
はじめに
第1章 大学の英語教育とメディアリテラシー
1-1 大学の英語教育の目的
1-2 これからの日本の英語教育に必要な市民性
1-3 情報化社会に必要な「これは本当なのか」の姿勢
1-4 メディアリテラシー教育の(歴史的)背景
1-5 日本の英語教育とメディアリテラシーの接点
第2章 リーディング教材としての文学テクストとメディアテクスト
2-1 文学からメディアへ
(1)リーディング教材
(2)リーティング教授法
(3)担当教員の専門分野の多様性
2-2 クリティカルな読み方ー「何を読む」から「どのように読む」へー
(1)文学と非文学
(2)生産と消費
(3)現実世界と学術世界
2-3 文学テクストとメディアテクスト
(1)文体論と批判的ディスコース分析(CDA)
(2)ナラティブ構造から見た小説とニュース記事
2-4 学習教材のためのメディアテクスト
第3章 メディアテクストを使った英語リーディングの授業
3-1 英語リーディングの情報処理モデル
3-2 背景知識とスキーマ活性化
3-3 読解ストラテジー
3-4 リーディング学習教材としての英字新聞
3-5 ニュース記事の特性
(1)見出しとリード
(2)事実(facts)と意見(opinions)
(3)社説を読む
第4章 メディア英語教育における市民的教養
4-1 市民性向上のためのメディアリテラシーと異文化理解
4-2 企業が求める英語力
4-3 メディア英語教育における市民的教養
おわりに
なぜ、今、科学技術コミュニケーションが必要とされているのか?その背景、可能性、そして人々にわかりやすく正確に伝えるだけでなく、議論の場を創り出す数々の実践法をコンパクトに集約。
精神療法入門者だけでなく、毎日の治療に新しいヒントが欲しい経験者にも役立つ、アイディア溢れる1冊である。
政府の無策と日本人気質から少子化対策を考える
「毎日残業、コンビニ飯で金もない俺が、結婚、子育てする気になるか!」
こうした叫びに医学博士と科学評論家が少子化対策レシピを提言
さまざまな将来予測の中でも人口予測ほど確実なものはない。
疫病のパンデミックや戦争などによる大量死がなければ、現在の人口ピラミッドからほぼ確実に将来人口を見通すことができる。
つまり日本は確実な将来すら直視せず、それから30年以上も何ら有効な対策をとらなかったのである。
異様な国と言わざるを得ない。
では、どうすればいいのか、何ができるのか。
さまざまな角度から本書が提案する。
本書が扱っているテーマは…
貧弱な政府の子育て支援/増加する教育費/未婚率の上昇/
若者の経済的困窮/長時間労働/若者の将来不安/女性の
社会進出/スマホゲームの普及/性に対する偏見/性教育の
貧困/戸籍制度 など
……ここに少子化対策のヒントがあります。
もくじ
01 日本の子育て支援が貧弱なのは選挙対策だった!?
02 将来に否定的で結婚しない日本の若者たち
03 なぜ日本人は世界一セックスをしないのか?
04 どうすればいいのか、少子化対策
05 社会を大きく変える
100年後、この国はどんな言葉を話しているのだろうか。人工知能の出現と浸透が「人間とはなにか」を問うように、多言語社会の到来は「言語とはなにか」を問う。それらの問いはそれぞれに、“人間性”を際立たせ、“言語性”を突き詰めさせるのかもしれない。「言語接触」はその問いを解く重要な鍵であることはまずまちがいない。
本書では、歴史教科書問題の核心である自国の伝統文化のとらえかたに焦点を当てながら、日本文化の価値と二十一世紀を拓く感性教育について問題提起をする。
本書は、メダカの分類・飼育から遺伝・行動などを総合的視点に立って著した世界に誇る成書であり、かつメダカに関する国内外の新しい文献を補追したものである。一人の研究者によって単独種の生き物をこれほど詳細に著わした書は、比類なき存在である。興味・親愛をもってメダカを学習・研究するアマチュアから研究者までが、座右に置きたい書である。
これからは「トライリンガル」の時代。トライリンガルとは、国語・英語・プログラミング言語という「3つの言語」を体得すること。偏差値やTOEICの点数で一喜一憂するような教育では、10年後、日本の子どもたちが世界で活躍することは難しい。本当に創造的な知性を育む「トライリンガル教育」とは何か。科学的視点から語り尽くす!
ICTを利用した日本語教育の研究と実践の事例を紹介。研究編、実践編、ツール・コンテンツ編の3つの柱で構成。研究編ではウェブツールを利用した日本語教育の全体図を示す論考を収録。実践編では反転授業や仮想現実を取り入れた授業実践の具体例を紹介。ツール・コンテンツ編ではICTを利用した日本語テスト、学習支援アプリ、eラーニングの開発プロセスを紹介。理論と実践の両面から情報通信技術を利用した新しい日本語教育を提案する。
第1部 研究編
1 ネットワーク時代の言語教育・言語学習
當作靖彦
2 日本語文法認知診断Webテスト
島田めぐみ・孫媛・谷部弘子・豊田哲也
3 学習者作文の習熟度に関する自動判定とWebシステムの開発について
李在鎬・長谷部陽一郎・村田裕美子
4 CEFR読解指標に基づく日本語例文分類手法
宮崎佳典・平川遼汰・高田宏輝・谷誠司
5 Skypeによる遠隔セッションを取り入れた実践
Deep Active Learningの視点から
毛利貴美
6 AIチュータの実現に向けて
誤用例文コーパスデータの構築と誤用文修正知識の習得
相川孝子・高橋哲朗
第2部 実践編
7 反転授業を意識した教材開発のための実践授業
石崎俊子
8 インターネットを活用した異文化間コミュニケーション能力育成をめざした日本語学習活動
ショー出口香
9 デジタル・ストーリーテリング(DST)を用いた活動の可能性
多様な日本語教育の現場から
半沢千絵美・矢部まゆみ・樋口万喜子・加藤真帆子・池田恵子・須摩修一
10 To combine knowledge and the real world
拡張現実を利用した日本語学習の試み
米本和弘
第3部 ツール・コンテンツ編
11 行動中心アプローチにもとづいたヨーロッパにおける日本語オンラインテストの開発
東伴子・代田智恵子
12 漢字力診断テストによる日本語力の評価
加納千恵子・魏娜
13 メール作成タスクを用いた作文支援システム
金庭久美子・川村よし子・橋本直幸・小林秀和
14 継続的オーラルアセスメントの開発
「話せる」を実感する評価法をめざして
宮本真有・深田淳
15 漢越語データベースを活用した音声認識による漢語学習アプリの開発
クロス尚美・山崎恵
16 継続的な学習につなげる日本語学習サイト
「ひろがる もっといろんな日本と日本語」
伊藤秀明・石井容子・前田純子
17 まるごと日本語オンラインコースの開発と運用
自学自習を継続させるための工夫とは
武田素子・熊野七絵・千葉朋美・檜山治樹
18 気持ちを伝える音声のWeb教材
「つたえるはつおん」
木下直子・中川千恵子
19 Fluency Calculatorによる口頭流暢性客観指標の算出とそれを用いた流暢性の縦断的研究
松本一美・広谷真紀・深田淳
索引
執筆者紹介
「あたりまえ」を問い直す
「学校」という「あたりまえ」に抗してオルタナティブな活動を行う人たち。
多様な運動同士の日常的なつながり方、連携の技法を、フィールドワークをもとに明らかにする。
●著者紹介
藤根雅之(ふじね まさゆき)
博士(人間科学)、関東学院大学社会学部現代社会学科准教授、専攻:教育社会学、社会運動論。京都外国語大学外国語学部英米語学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、大阪大学大学院人間科学研究科助教、美作大学生活科学部児童学科講師を経て現職。