ヒトの性的指向を決定するものは何か。選択か?生まれつきか?遺伝子、ホルモン、ストレス、脳、認知心理学、行動学的心理学、精神分析ー性的指向を扱う科学理論を網羅的に取りあげ、その限界と意義を検証する。
欲望の着地点をどこに求めればいいのか。ゲイの性愛、恋愛、パートナーシップについて、「タックスノット」の大塚隆史氏、『G-men』元編集長の長谷川博史氏、「ISLANDS」のラクさんの愛の3賢人が語りおろした座談や、小浜逸郎・藤本由香里らが語り合った「恋愛脅迫の時代」など、欲望の先にあるゲイの恋愛とパートナーシップを考えてみた。2005年夏に行われた「東京レズビアン&ゲイパレード」の写真集も掲載。
■■QJr Special SEX, LOVE&PARTNERSHIP
あなたに恋人ができない理由 関係が続かない原因
●欲望の着地点をどこに定めるのか○文 伏見憲明
●それぞれのパートナーシップの形
カップルの食卓○文・写真 田辺貴久
●愛の賢人会議[座談会]○大塚隆史/長谷川博史/ラク
●性愛、パートナーシップについてどう考えますか?[アンケート]
●出会いの可能性としてお見合いの再発見
お見合い[企画・ルポ]○森村明生/うっちい/佐藤智砂
●37年間育んできた愛[インタビュー]○トーマス・ソング
●エイズに逝ったパリの恋人
生きぬいて 愛したい[ルポ]○文・写真 及川健二
●なぜゲイは浮気するのか○文 玉野真路
●恋愛強迫の時代[座談会]○小浜逸郎/藤本由香里
●黄色、緑、廻転燈[小説]○ぼせ
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■■大パレード写真集
●TOKYO Pride gallery 2005
東京レズビアン&ゲイパレード2005
第9回レインボーマーチ札幌
●パレード会場 100人の笑顔
パレードの肖像○写真 森 栄喜
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●ポスト「マッキー世代」のリアリティ[座談会]○カズ/田辺貴久/バルバラ高尾/ぼせ
●ゲイの肖像○文・写真 田辺貴久
ひろゆき○「家族」の名をもつ輪に囲まれて
●QJr AD
バディ/G-men/Hearty Cafe/MAD/ルミエール
2006年の今を生きるゲイライフのリアルとは何か?
そしてわれわれは今をどうやって「生き残る」ことができるのか?
メガバンク、大手不動産、エンジニア、トレーダー、高校教員などといったさまざまな仕事の現場で働く13人のゲイへのロングインタビュー「会社で生き残る!」をはじめ、「HIV感染とゲイ」の現在を真摯に語り合ったシンポジウムなど、それぞれの現場でのそれぞれの人なりの「生き残る」現実をさぐりました。
クィア・ジャパン・リターンズ0号創刊からほぼ1年。
2号は、編集長・伏見憲明に「四国お遍路」だったと言わしめたほどのハードな取材の結果、できあがった大作です。
生き残る。 ● 文 伏見憲明 ……002
会社で生き残る! ● インタビュー 伏見憲明 ……004
システムエンジニア41歳 お姫様抱っこのためにマンションを購入 ……006
大手メーカー36歳 フェラチオでさえ憧れの同僚たち ……009
福祉関係35歳 保母さんじゃなくてホモさん? ……012
トレーダー32歳 運用資金は400万円→6千万円 ……016
サービス業30歳 彼氏と暮らすために上京 ……019
メガバンク42歳 オカマはノンケの2倍働く必要がある ……022
美術工芸品制作35歳 親族会社で働きながら独立を目指す ……027
大手不動産36歳 ホモ嫌いの上司が実はホモだった! ……030
環境分野の企業43歳 自分を虐めてやろうと営業職に ……041
ソフトウェア開発30歳 オネエは警官に向かなかった ……045
専門商社51歳 45歳まで禁欲生活、モノクロからフルカラーへ ……048
高校教員43歳 先生、“さぶ”っぽいですね ……051
大手出版31歳 風俗接待はエンターテイメントの一種 ……054
社会で解決すべきことと、個人で乗り切るべきこと[座談会] ● 高山真/田辺貴久/南野智也……057
海外で生きるという選択 ● 文 後藤純一 ……066
respiration[カラーグラビア] ● モデル TAKA / 写真 YUKI OHMORI ……033
生き残るためのペット[座談会] ● 斎藤綾子+忠太郎/西野浩司+デビ/佐藤智砂+鉄……068
エイズ研究の最先端 ● 文 玉野真路……090
日本のゲイコミュニティとHIV/エイズ[シンポジウム] ● 長谷川博史/市川誠一/生島嗣/伏見憲明……102
エイズで去ったゲイたちが遺したもの ● 文 長谷川博史……118
ゲイにとってのうつ病 ● 文 後藤純一 ……124
闘病記 ● 文 大塚隆史 ……132
ゲイと生命保険 ● 文 田中洸貴 ……138
人生はカネだ! ● 文 エスムラルダ ……144
パートナー法実現の可能性を考える ● 文 尾辻かな子 ……150
良いハッテン 悪いハッテン[座談会] ● ゆうじ/トム/太郎 ……158
STD徹底解説 ● 文 玉野真路 / 監修 井戸田一朗 ……170
●QJr対談
生き別れの姉妹か、『悪徳の栄え』か!? ● 田亀源五郎 × 伏見憲明 ……174
●ゲイの肖像
癌とともにエイズと闘う──飯田真美 ● 写真・文 田辺貴久……196
●QJr AD
ニ丁目の過去・現在・未来[座談会]● 中田たか志[Sifty Air]/福島光生[mf(メゾフォルテ)]……188
欲望問題[広告]……194
編集後記……206
■制作意図
近年、「アート史におけるクィア」を考えるという傾向が世界的に広がり、「クィア・アート」と呼ばれるジャンルの研究が進んでいます。
本書『クィア・アートの世界』は、第一に、抑圧や偏見、差別によってアートとして語られず、それ故にこれまで私たちが目にすることができなかったアートを見直したい。第二に、アートにおける「クィア」を考える上で、社会的に抑圧され差別を受けていたものが、アートにおいては歓迎され、多く取り上げられている、それがなぜなのかという問題を扱いたい。そして第三に、「クィア」という言葉がとても多様で共通の認識がないため、それを考える一つの試みを行いたいとの思いから、制作に至りました。
■書籍の内容
本書では、「クィア」がいかに社会的、歴史的に変遷していったかを述べた上で、「アートにおけるクィア」をセクシュアルマイノリティに限らず、その域を超え、抑圧や差別等によりアートとして語られてこなかった広いジャンルの作品を包括して取り上げました。
LGBTQ+のアート、フェミニズムのアート、カウンターカルチャーやポップ・カルチャーにおける多彩な表現のアート、アンダーグラウンド・アート、ポルノグラフィティのアート……。独自の視点で、古代エジプトから現代までーー美術(絵画、挿絵、彫刻)を中心に、多岐にわたるジャンルの作品とともに、アート史における「クィア」の流れを追っていき、「クィア・アート」の系譜を探究しております。
美術史上の名作とされる作品の中に「クィア」性を見出したり、抑圧や偏見、差別によってこれまで見ることができなかった多様な作品を、驚きと感動、そして問題提起を含んだ解釈で紹介します。
製作60周年ーー
スリルと興奮の脱走劇を完全映画化した不朽の名作が
4Kニューマスター+吹替“完全”初収録でよみがえる!
大戦中にドイツ軍の捕虜になったポール・ブリックヒルの実録小説を、『OK牧場の決斗』『荒野の七人』の名匠ジョン・スタージェス監督が映画化。
●オリジナルネガより4Kレストアされたニューマスター版
●一部セリフが欠落していた日本語吹替音声(フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」版)を完全復元し初収録
●別バージョンの日本語吹替音声(テレビ東京「木曜洋画劇場」版)を初収録
●2 種類の音声解説(1キャスト&スタッフ/22007 年版キャスト)を収録予定
●オリジナル劇場予告編収録(2 分 40 秒)
※収録内容は変更となる場合がございます。
台湾は本当に「LGBTユートピア」なのか?
22人のマイノリティの語りに向き合い読み解かれる、
揺れ動く台湾の実相と、いくつもの〈性/生〉の「現在地」
「台湾のホモナショナリズムとは、共同体としての異性愛規範は維持しつつ、台湾をアジアにおいて例外的に「同性愛に寛容」な場とし、(…)国家・文化的な優位性を特徴付ける形で、同性愛者を国家に内包する言説」であると同時に「「台湾という存在自体」を維持することに寄与している」--(本書「おわりに」より)
序章 「台湾=LGBTユートピア」像の広がり
第1章 ホモナショナリズムはどのように語られてきたか
第2章 反婚視座をめぐるアンビバレンス
第3章 ナショナルプライドをめぐるアンビバレンス
第4章 「われわれ台湾」vs.「かれら中国」で見えなくなること
第5章 国際同性婚における「一國四制」と理想的移民像
終章 名もなき運動や声と共に
あとがき
「わたしたちのセクシュアリティ」と 自己変容の企み
レヴィナスはなにを規範とし、なにを不在にしたのか、そこにはなにが可能的に蠢いていたのか、そのテクストがいまクィアに/へ開かれていく。ジェンダークィアを生きる新進気鋭の著者によるまったく新しいレヴィナス論。
村上靖彦氏、藤高和輝氏推薦
拉致された世界的な脳外科医はどこへ、そして何のために?巨大国家アメリカの深部で暗躍する国立人間資源研究所の極秘プロジェクトとは?自らの正体を明らかにした冒険小説界の巨匠、クィネルが放つ超ハード・アクション巨編、待望の刊行。
本書は、文学を読むことの快楽と、狭い意味での性的快楽との区別を、意図的に混線させる試みである。
日本でも大人気放送中のNetflixの人気ナンバー1番組「クィアアイ」の番組公式ガイドブック。
この番組は、ファブ5(アントニー、タン、ジョナサン、ボビー、カラモ)をメインMCに添え、性的マイノリティの人達を始め、自己不安な人々を励まし人生を豊かにする番組。本誌は、番組に出演する5人の魅力(生き様、考え方、見た目)を、写真付きで紹介するフォトエッセイ風!
※ファブ5とは、ヘアスタイリスト、俳優、デザイナー、司会者など、それぞれの分野で成功した男性五人組の番組ユニット。
女の子にもなりたくないし、男の子にもなりたくない。
私はただ、自分自身でいたい。
クィア、ノンバイナリーのコミック作家マイア・コベイブの自叙伝。
自身の生い立ち。幼少期から思春期で過ごした環境、そして、青年期にかけてクィアをテーマにした音楽や漫画、ファンタジー作品と出会い、自身の性のあり方に向き合い出すことで、生まれた、気づき、葛藤、戸惑いを丁寧に描く。
ひとりの人間の、ありのままの記録。
2020年 アメリカ図書館協会 アレックス賞受賞
2020年 ストーンウォール図書賞名誉賞(ノンフィクション部門)受賞
“みんな”でいたくない“みんな”のために
「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。
「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を
行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。
ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望にーー。
性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来ーー
バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、
すべての「普通」と「規範」を問い直す。
「『普通』や『みんな』という言葉に己を託したり託さなかったり、託せたり託せなかったりする読者のみなさんを、風通しのよい、というよりは強風吹きすさぶ場所へと連れて行ってしまおうというのが私たちの企みです。どうぞ、遠くまで吹き飛ばされてください」(森山至貴「はじめに」より)
「ワクワクだけでも足りません。ヒヤヒヤするかもしれませんし、何か責められたような気分でイライラしたり、何様だコイツ、という思いでムカムカするかもしれません。逆に、全然言い足りてないぞ、と思うこともあるかもしれません。そのくらいのほうが普通じゃないかと思います。そのくらいでないと、私たちも語った甲斐がありません」(能町みね子「おわりに」より)
性暴力、セックスレス、エイズ、同性愛、性同一性障害、男女共同参画などの今日的問題を、映画・音楽・アートも含めた身近な話題を通して、マイノリティの視点から包括的に捉えなおす。ジェンダー/セクシュアリティの新しい展望をきりひらく、斬新でクィアなエッセイ集。
ゲイコミュニティ、そして一般のメディアにもその先端性が高く評価され話題を呼んだシリーズ『クィア・ジャパン』(勁草書房)をリニューアル復刊。「槇原敬之」をキーワードに、多様化するリアリティに迫る。
ゲイ裏街道の天才、ブルこと斎藤靖紀の特濃ロング・インタビューをはじめ、「ゲイ能スキャンダルの今昔」、読者アンケート〈マッキー世代の望む場所〉など、「いま」を切りとる記事が盛り沢山。「エイズ最前線!」「同性婚をめぐって」では最新のトピックをイラストや図版入りで紹介。「AERA」「ダ・ヴィンチ」「Footival」で活躍中の写真家・森栄喜によるグラビアなど、カラーページも充実です。
■TOOT in his room
(カラーグラビア全20頁・写真 森栄喜)
aKi/MIZO/TOHTARO/KASSY/HIRO
■QJr Special.1
○槇原敬之の世代
マッキーと団塊ジュニアゲイ ●文 風間景一
アンケート〈マッキー世代の望む場所〉
ビバ! エスム世代 ●文とモデル エスムラルダ
斎藤靖紀●天才ゲイ人・斎藤靖紀
桜丸●ある30代サラリーマンとの対話
ゲイ能スキャンダルの今昔 ●文 森村明生
○プレ・マッキー世代から
青山吉良●俳優として、団塊の世代のゲイとして
生島嗣●36歳で脱サラ、啓発活動へ飛び込む
おかべよしひろ●二丁目の人気者がついにパレード実行委員長に!
GAY chronology ●年表制作 角屋 学
■QJr Special.2
○Couple
ジェンダー、セクシュアリティ、クィア・リーディングを学び、文学批評で実践するための、前著『愛の技法』に続く絶好の入門書。執筆者は大田美和、岸まどか、石川千暁、米谷郁子、ヴューラー・シュテファン、長島佐恵子、黒岩裕市、森岡実穂、清水晶子という気鋭のジェンダー、セクシュアリティ、クィア理論の実践者たち。取り上げるテクストは、笙野頼子、松浦理英子、シェイクスピア、ブロンテ、スタイン、トニ・モリソン、イヴ・セジウィックなど現代日本から英国、米国、アイルランドに及び、ジャンルは小説、日記、演劇、文学理論と幅広い。文学テクストを読み直す興奮と革新性に改めて目覚めさせてくれる、愛と連帯の文学論集。
<主要目次>
第一章 ヨークシャーの女たちの物語
ー『シャーリー』、『アン・リスターの日記』、『ミス・マイルズ』をつなぐ
第二章 世話するひとたち -ガートルード・スタイン『三つの人生』と修復的読解の鍛錬
第三章 身体に根ざしたエロティックな力 -ネラ・ラーセン『パッシング』からトニ・モリソン『スーラ』へ
第四章 内なる異郷への旅 -『テンペスト』の翻案を読む
第五章 「私は私ではない」とは誰に言えることなのか -否定性批判として笙野頼子『皇帝』を読む
第六章 エマ・ドナヒュー『フード』(Hood)の饒舌なクローゼット
第七章 松浦理英子『裏ヴァージョン』と女子プロレス
第八章 動物たちのナイトクラブ -ビエイト演出《妖精の女王》におけるセクシュアリティ表象について
第九章 ビサイドのクィアネス -イヴ・セジウイックにおける接触