「KADOKAWA『あの子もトランスジェンダーになった』」
あの“焚書”ついに発刊
世界10か国翻訳
日本語版緊急発売
「今年最高の1冊」タイムズ紙(ロンドン)
「今年最高の1冊」エコノミスト誌
ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー
トランスジェンダー生徒が直面する困難は学校がつくりだしている!
教室の中で性別カテゴリーが構築される過程でトランスジェンダー生徒はどのような困難を抱えさせられるのか、その困難を軽減するためにどのような実践をおこなうのか。行為主体としてのトランスジェンダー生徒の姿を描く。
……
マイノリティが排除される過程と生徒たちの日常的実践を通して「学校文化」を問う必読の書!
はじめにーー本書を書くにいたった個人的な背景
序章 研究の背景と本書の目的
1 トランスジェンダー生徒をめぐる社会的背景
2 本書の目的
第1章 先行研究の検討と本書の分析視角
1 トランスジェンダー生徒はどのように語られてきたか
2 学校教育とジェンダー
3 本書の分析視角
第2章 調査の概要
1 私のポジショナリティ
2 研究の対象
3 調査協力者の5つの局面とその時代背景
第3章 トランスジェンダー生徒に対する学校の対応と当事者からの評価
1 何にもそんな言葉ないから「自分変なんや」みたいなーートランス男性のハルトさん
2 性別をおしつけるも何も、性別なかったですーートランス女性のツバサさん
3 「したい」っていう選択肢なんてないですよーートランス男性のススムさん
4 そういうちょっとしたことをやってもらうだけで自分はうれしかったなぁーートランス男性のユウヤさん
5 なんかもうすべてが「もうええわ」ってなりましたねーートランス男性のシュウトさん
6 直接聞いてきてくれたのが、すごいうれしかったーートランス男性のユウキさん
7 新しい前例としたらおかしくないでしょうーートランス女性のキョウコさん
8 あれがなかったらなかったで、こうならなかったーートランス男性をやめたアキさん
第4章 学校の性別分化とトランスジェンダー生徒のジェンダー葛藤
1 ジェンダー葛藤が強まる過程
2 「言語化」「カミングアウト」「出会い」「要求」
3 ジェンダー葛藤を弱める要素
4 「性別にもとづく扱いの差異」によって設定される性別カテゴリーの境界線とジェンダー葛藤
5 おわりに
第5章 トランスジェンダー生徒による性別移行をめぐる日常的実践
1 研究の対象と方法
2 ユイコさんの教室内の所属グループと他者からの性別の扱い
3 ユイコさんの語りから見た教室内に働くAGABの強制力と性別カテゴリーの境界線の変遷
4 おわりに
第6章 トランスジェンダー生徒による実践しない「実践」
1 研究の対象と方法
2 マコトさんの語りに見る女子グループへの参入過程
3 マコトさんによる実践しない「実践」
4 おわりに
終章 トランスジェンダー生徒の学校経験から見えてきたこと
1 性別カテゴリーへの「割り当て」に着目することの意義
2 AGABの強制力と性別カテゴリー内の多様な位置どり
3 トランスジェンダー生徒の実践が意味すること
4 トランスジェンダー生徒が包摂される学校であるために
あとがきーー「はじめに」のその後
文献
「性別を生きる」って、どういうこと? トランスジェンダーについての基礎的な情報、性別分けスペースのこと、「トランス差別はいけないけれど気になる」疑問など、大きなクエスチョン21個、そこから派生するクエスチョン65個の問いと答えをまとめる。
第1部 性別の重み
性別を重要視する社会
性別らしさと性別であること
性別と服装
性別と外見
性別と身体
性別とアイデンティティ
性別の多元性
性別分けスペース
性別二元制社会
第2部 基礎知識
Q1:トランスジェンダーとはどんな人たちを指すの?
Q2:トランスジェンダーって、「女らしさ」や「男らしさ」の押し付けがいやな人たちのこと?
Q3:トランスジェンダーの人たちは、どれくらいいるの?
Q4:「性別を変える」ってどういうこと?
Q5:生活上の性別を変えるって、何をするの?
Q6:身体の特徴を医学的に変えるって、何をするの?
Q7:書類上の性別(戸籍)を変えられるの?
Q8:ノンバイナリーの人も性別を変えるの?
Q9:トランス男性は男の人、トランス女性は女の人、と理解しておけばいい?
Q10:自分の望みどおりに性別を「変えた」トランスジェンダーの人たちは、もう困りごとはないの?
Q11:どんなことが理由で差別を受ける?
Q12:差別の現状を示すデータについて、もう少し知りたいな
Q13:ノンバイナリーの人たちも差別を受ける?
Q14:最近、SNSでトランスヘイトがひどいよね?
第3部 性別分けスペース
素朴な疑問は素朴ではない
未来を考えるために
Q15:トランスジェンダーは性別分けスペースに混乱を招きませんか?
Q16:性別分けスペース1トイレ
Q17:性別分けスペース2公衆浴場
Q18:性別で分かれることがある活動ーースポーツ
第4部 「トランス差別はいけないけれど気になる」疑問
Q19:トランスジェンダーと医療
Q20:トランスジェンダーと社会の変化
Q21:トランスジェンダーとジェンダー特権
あとがき
もっと知りたいあなたへ
生殖不能要件は憲法違反ーー長く放置されてきた人権侵害を是正するため、「性同一性障害特例法」の改正が求められている。いま私たちに必要な基礎知識とは何なのか。特例法が制定された背景から、法・医学・国際人権の知見まで、高井ゆと里、野宮亜紀、立石結夏、谷口洋幸、中塚幹也らエキスパートが解説する。
はじめに……………高井ゆと里
第1章 特例法の制定過程から考える、その意義と限界……………野宮亜紀
第2章 性別変更要件とはなにか……………立石結夏
第3章 国際人権基準と性別記載変更法の現在……………谷口洋幸
第4章 特例法とトランスジェンダー医療……………中塚幹也
おわりに……………高井ゆと里
ニューヨークタイムズベストセラー!
苦悩と解放、そして愛を求めて
──「JUNO/ジュノ」でアカデミー賞にノミネートされた俳優が紡ぐ、魂の物語。
「この勇気を、この人生を、あなたはまだ無視するのですか。」
──中村 中(シンガーソングライター・役者)
【書評掲載】
THE NIKKEI MAGAZINE Ai|ペイジが書いたのは彼の個人的な道のりであり、一人のクィアとしての話が「普遍化されて一人の人間がすべてのクィアの代弁者になってしまう」ことを懸念してもいる。しかし、トランス女性以上に可視化されていないトランス男性の物語は、様々なことを考えるきっかけをくれる。彼らではなく、私自身を含めたシスジェンダーの側にまつわる問題について|山崎まどか
幼い頃から、「僕は大きくなったら男の子になれる?」と母親に尋ねていたエリオット。
ステップ・ファミリーや実の母親との心の溝、愛の渇望、性自認の不一致から来るメンタルヘルスの不調、俳優としての成功とハリウッドでたびたび受けたハラスメント、様々な友情や人々との交歓……
みずみずしく、そして映画のように情景が瞼に浮かぶ描写が美しい、エリオット・ペイジが初めて執筆した回顧録。
たくさんのものを失くしながら、それでもまた新たな幸せを得て生きていく、すべての人に向けた愛と喪失の物語です。
◆「ニューヨークタイムズ」ベストセラー
◆「ニューヨークタイムズ」2023年の注目書籍100
◆「タイム」2023年必読書100
◆「ワシントンポスト」注目すべきノンフィクション作品50
◆「オートストラドル」2023年ベスト・クィア・ブックス
「今まで誰も言葉にしてこなかったような新しいこと、奥深いことは僕には言えない。
でも、自分が本に助けられ、救われてきたことはわかっているから、この本も誰かの孤独を和らげ、
自分の存在を感じてもらうための力になれるかもしれない。それが誰であろうと、どんな旅の途中にある人だろうと。
僕の旅の本に興味を持ってくれてありがとう。」(本文より抜粋)
トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。
性別を変えるには何をしなければならないのか。
トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。
そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。
トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。
◆目次◆
第1章 トランスジェンダーとは?
第2章 性別移行
第3章 差別
第4章 医療と健康
第5章 法律
第6章 フェミニズムと男性学
◆著者略歴◆
周司あきら(しゅうじ あきら)
主夫、作家。著書に『トランス男性による トランスジェンダー男性学』、共著に『埋没した世界 トランスジェンダーふたりの往復書簡』。
高井ゆと里(たかい ゆとり)
倫理学者、群馬大学准教授。訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題 議論は正義のために』、著書に『ハイデガー 世界内存在を生きる』。
著者は体が女性で心が男性のトランスジェンダー。
5歳のときに初めて性別に対して違和感を持ち、小学5年生で初潮を迎えると、あまりのショックにトイレで泣き崩れたこともあった。
男の子との初恋、両親へのカミングアウト、不登校、自殺未遂、そして就職し「胸オペ」を受けるまで……。
セクシュアルマイノリティとして波乱万丈な人生を歩んできた著者が、今、自分のことがよくわからなくて不安を抱えている全ての人たちに贈る「生きやすい社会」へのメッセージ!
小学上級・中学から
トランスジェンダーの人々が生きることに伴う「実感」とはどのようなものなのか?
ーートランスジェンダーの一人として生きる著者と、8人のトランスジェンダーとの語り合いをつうじてこれらの問いに迫る労作。
それぞれの過去といまの体験世界を解くことで導き出された、〈雰囲気〉〈擬態〉〈器〉の3つの鍵概念からトランスジェンダーを生きるという体験に接近する。
トランス女性である著者が、トランス嫌悪的な社会で生きるトランスの現実を幅広い分析によって明らかにする。不十分な移民政策、医療体制の課題など、英国の抱える問題は日本と共通するところが多く、本書は日本の「トランスジェンダー問題」を考える上でも大いに参考になる。
プロローグ
イントロダクション 見られるが聞かれない
第1章 トランスの生は、いま
第2章 正しい身体、間違った身体
第3章 階級闘争
第4章 セックスワーク
第5章 国家
第6章 遠い親戚ーーLGBTのT
第7章 醜い姉妹ーーフェミニズムの中のトランスたち
結論 変容(トランスフォーム)された未来
謝辞
解説 スーパー・グルーによる一点共闘ーー反ジェンダー運動とトランス排除[清水晶子]
訳者解題 日本で『トランスジェンダー問題』を読むために
訳者あとがき
原注
自分を恥じたり嫌悪することなく生きたい
韓国発、トランスジェンダー当事者が語るコミックエッセイ
2人のトランスジェンダーが
セクシュアリティについての悩みや解決策をオープンに綴る
トランスジェンダーの男性マラン、トランスジェンダーの女性シャイエン。2人の当事者がオープンに語る、韓国生まれのコミック・エッセイ。
多くの人と同じように、この2 人もそれぞれの幸せのために一生懸命生きていて、ときには失敗することも間違うこともある平凡な人たちです。ただ違うのは、セクシュアリティに対する悩み が続いているということ。
自分のセクシュアリティに悩む人、セクシュアル・マイノリティの声を聞いて応援したい人に、新たな学びと勇気を与えてくれる、等身大の温かな物語。
本書は2020年12月に韓国の同一の出版社から同時に発行された2冊の本を1冊にしたものです。著者の二人、マランとシャイエンはそれぞれトランスジェンダーかつ性別違和(以前は性同一性障害という診断名)を抱えたことで、性別移行しました。その移行過程をメモワール/回想録として描いていますが、それだけでなく、移行する前後や途中で感じたり考えた「様々な思い」をも描いています。
多くが平坦な人生ではない性別違和を抱える当事者にとって暗闇の中の小さな「明かり」になるように、また性別違和が何なのかよくわかっていない人々へ当事者の実態を示すために、この本は出版されました。
身体とは何か。ほかならぬ、誰もが生きているこの「私の身体」とは何か。本書は、トランスジェンダーの身体経験の分析を通し、そのトランスの身体を(シスジェンダーに対して)「特殊な」身体、「特殊な」経験とみなすのでなく、かつ、そのトランスジェンダーに対する既存の病理学的な認識図式を批判し、「トランスにとっての身体とは何か」のみならず、誰もが生きているこの「私の身体」とは何かを問いかける。
病理学的図式、デカルト的図式、構築主義的図式という「心身二元論」から発する「神話」を解体し、そのアポリアを問うとともに、オルタナティヴな理論的枠組みの提示を試みる。
「真理はあなたのなかに存在する。私たちは自分を曲げなくていい」
序 章 マトリックスの夢、あるいは真理の場所
第一章 感じられた身体ーー トランスジェンダーと『知覚の現象学』
第二章 身体を書き直すーー トランスジェンダー理論としての『ジェンダー・トラブル』
第三章 たったひとつの、私のものではない、私の身体
第四章 パスの現象学 -- トランスジェンダーとサルトルの眼差し
第五章 ポストフェミニズムとしてのトランス?-- 千田有紀「「女」の境界線を引きなおす」を読み解く
第六章 語りを掘り起こすーートランスの物質性とその抹消に抗する語り
第七章 トランス・アイデンティティーズ、あるいは「名のなかにあるもの」について
終 章 「私は自分の身体を愛することができるか」
あとがき
トランスジェンダーなど性的少数者に対する素朴な疑問・誤解から偏見・不安を煽るデマや陰謀論まで事実と人権に基づき一問一答。日本の性教育を再び後退させないため各分野のエキスパートが結集!
私は「男になりたかった」のではない。「女ではない」身体が欲しかっただけだ。フェミニズムとの共闘へ、クィアコミュニティの深部から放つ爽快なジェンダー論。
「男性」から「女性」に同化していったノンバイナリー/トランスジェンダーのあかりと、「女性」から「男性」に同化していったトランス男性あきらによる往復書簡。エッセイとも解説書とも違った、全く新しいかたちで、トランスジェンダーの経験を描き出す。
第1章 身体がはじまる
あかりより(1)--小さくなった身体
あきらから(1)--もし大きくなれたら
あかりより(2)--なりゆく身体、なりゆきの身体
あきらから(2)--なぜ現在地があるのか
第2章 身体は通過(パス)する
あかりより(3)--どこから来て、どこへ行くのか
あきらから(3)--翼はどこに
あかりより(4)--その壁の向こうに
あきらから(4)--鎧は知れず
第3章 思春期はまだない
あかりより(5)--わたしの身体を取り戻す
あきらから(5)--何がよかった
あかりより(6)--想像の限界
あきらから(6)--哲学的ゾンビ
第4章 性同一性を持たない
あかりより(7)--性同一性なんていらない
あきらから(7)--シスジェンダーの解体
あかりより(8)--トランスジェンダーの解体
あきらから(8)--非正攻法
第5章 あり得たかもしれない
あかりより(9)--ごめんなさい
あきらから(9)--飛ばされた
あかりより(10)--未来なき未来
あきらから(10)--足のない鳥
第6章 好きは嫌いです
あかりより(11)--好きは嫌いです
あきらから(11)--サイレントマジョリティ
あかりより(12)--不協和音
あきらから(12)--踊り場
第7章 時間は絶たれる
あかりより(13)--今しかないかもしれない
あきらから(13)--時間をねじまげる
あかりより(14)--時間をふやかす
あきらから(14)--なりゆきの生命
第8章 復讐する
あかりより(15)--リアル・ワールド
あきらから(15)--パラレル・ワールド
あかりより(16)--無へ
あきらから(16)--女性はこわい
第9章 愛してる?
あかりより(17)--許してください
あきらから(17)--愛がなんだ
あかりより(18)--分からない、身体とセックスのこと
あきらから(18)--分かるはずもなく
第10章 関係は変わる
あかりより(19)--不幸の手紙
あきらから(19)--シンプルなだけ
あきらから(19-2)--シンプルなだけ
あかりより(20)--ややこしいのは誰?
あきらから(20)--あなたを嫌いになる日
第11章 場を分散させる
あかりより(21)--自由研究
あきらから(21)--何が「好き」
あかりより(22)--恐怖を感じる
あきらから(22)--遠くへ来てしまった
用語集
「LGB-fake-T」として、不可視化されてきたトランスジェンダーの身体。本書は、現象学や精神分析をトランスジェンダー理論として読み直す。「身体自我」、「身体図式」などの概念を駆使して、トランスジェンダーの身体経験を理論的に考察。「身体とは単なる物質的なものではなく、身体イメージの媒介によってはじめて生きられる」というトランスジェンダーの身体経験の分析を通じて身体そのものを問い直し、「感じられた身体」と「物質的な身体」の不一致や心身二元論を乗り越える枠組みを提示する。トランスジェンダースタディーズの重要書。
序論
第1部 身体とは何か?
第一章 身体自我と物質的なものという不確かな領域
第二章 性的図式ーー『知覚の現象学』における転位とトランスジェンダー
第2部 ホモエラティックス
第三章 ボーイズ・オブ・ザ・レックスーートランスジェンダーと社会的構築
第四章 トランスフェミニズムとジェンダーの未来
第3部 性的差異を超えること
第五章 性的差異のエチカをトランスするーーリュス・イリガライと性的未決定性の場
第六章 性的無差異と限界の問題
第4部 法を超えて
第七章 文字=手紙(レター)を保留することーー国有財産としてのセックス
原 註
参考文献
謝辞
訳者解説
トランスジェンダーの著者が、昭和末から平成の時代に新宿の女装バーへ通った日々の日記小説。性的マイノリティーへの理解が乏しかった時代に、苦しみ、悩みながらも仲間と出会い、自らの心のままに生きてきた体験をもとに書き上げた作品。偏見に満ちた世間の目をかいくぐりながらも、性をトランスすることでバイタリティーをもって、したたかに生きてきた人々がかつて存在したことを知ってほしい。
☆☆☆「普通」という言葉、使いづらくなってない?☆☆☆
LBGTQ関連の話をしていると、
「普通」という言葉が使いにくい、
という問題が出てきます。
たとえば「非当事者」という意味で「普通の人」というと、
途端に「じゃあ当事者は普通じゃないのか?」とクレームが入る…
おそらく容易に想像できると思います。
しかし、これが非当事者だけではなく、
当事者からの「使いにくい」という声であったら…
それでも反応は変わりませんか?
☆☆☆13歳でカミングアウト、15歳で起業、20歳で初出版☆☆☆
☆☆☆メディア注目の当事者による「やり過ぎ・足りな過ぎ」☆☆☆
著者は中学時代、制服のスカートを穿けなくなったことから、
市内で初めて男女同じ制服の改革のきっかけとなりました。
さらに15歳で起業し、現在は小学校〜大学までの教育機関のほか、
自治体、学会、大手企業にて講演をおこない、
「トランスジェンダー」や「LBGTQ」といった枠を超えて活動しています。
そんな著者による提言は「当事者からの本音」を通り越して、
非当事者の立場も尊重した非常にバランスがよく、
かつ斬新なモノばかりです。
・「LBGTQについて教育しなきゃ」は逆効果
・少数派に配慮していたらキリがない
・「男らしく、女らしく」の考えも多様性の一つ
・オーバーケアを至るところで感じる
・そもそも「LBGTQ」で括るのが間違い…
メディアでは「LBGTQの意見を尊重せよ」と声高に叫ばれがちですが、
著者は「違うと感じるものは違う」と主張し、真の意味で差別のない、
多様性社会の実現を目指しています。
若い人はトランスジェンダーやLBGTQ問題について、
本当はどう考えているのか、捉えているのかを知りたい…
そんな方にお勧めの1冊です。
【もくじ】
第1章 自分で生きにくくしている当事者たち
第2章 「思うようにいかない」のはみんな一緒
第3章 僕の仕事は「前例」をつくること
第4章 カミングアウトは本当に必要なの?
第5章 「トランスジェンダー」という言葉をなくすために
【第170回 芥川賞候補作】
割りあてられた「男」という性別から解放され、高校の演劇部で人魚姫役を演じきった。
そんな真砂(まさご)が「女の子として生きようとすること」をやめざるをえなかったのはーー。
『人魚姫』を翻案したオリジナル脚本『姫と人魚姫』を高校の文化祭で上演することになり、人魚姫を演じることになった真砂は、個性豊かな演劇部のメンバーと議論を交わし劇をつくりあげていく。しかし数年後、大学生になった当時の部員たちに再演の話が舞い込むも、真砂は「主演は他をあたって」と固辞してしまい……。
自分で選んだはずの生き方、しかし選択肢なんてなかった生き方。
社会規範によって揺さぶられる若きたましいを痛切に映しだす、いま最も読みたいトランスジェンダーの物語。
【著者略歴】
川野芽生(かわの・めぐみ)
小説家・歌人・文学研究者。1991年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科在籍中。2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞、21年に歌集『Lilith』で第65回現代歌人協会賞受賞。他の著書に、短編小説集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌編小説集『月面文字翻刻一例』、長編小説『奇病庭園』、エッセイ集『かわいいピンクの竜になる』がある。