本作品の音楽集第2弾がリリースされた。今回はシリーズ中盤より使用された、センチメンタルなイメージの楽曲を中心に収録している。BGMのタイトルを富野総監督がネーミングしており、独特のイメージがガンダムシリーズの新境地を感じさせる。
神田橋條治の薫陶を受け、長らく臨床の現場に身をおいてきた、真の臨床家である著者の集大成。「治療者の迷いや困る能力」「あいまいさを愛する能力」などに思考をめぐらせ、増井法ともいわれる独自の臨床理論を示した今までの貴重な論文を収録する。ある一人の心理臨床家の成長記録としても読めるユニークな論集。
3 症例研究
はじめに/ある境界線症例の分析的面接過程と”支持すること”についての一考察/うつ感情が強かったある性格神経症についてー治療面接中に同性愛的感情が高じた一事例ー/夢と催眠心像を素材にした一つの精神療法の試みーHystero Nuanceが強く認められた一事例についてー/”意味イメイジ”を適用した一治療面接過程についてー震えと妄想気分が強かった一症例ー/自閉的な分裂病の治療面接における日とうつの統合の試み
4 コメント論文
はじめに/甘えの入れ子構造・試論に見られる甘えの入れ子防衛・これも試論ー私の空想と現実からの問いかけー/「間を置くこと」への誘い /分裂病患者の苦慮性と治療者が抱くイメージについてー素朴な人間学的観察よりー/壺イメージ法の理論と方法的な独自性ー壺というメディアの効用ー/Nさんへの手紙ー治療における曖昧さの価値を巡ってー/精神療法の基礎の基礎ー治療者の迷い、困る能力とその工夫ー/私なりのケースの見方。書き方。、感じ方ーあるコメント論文よりー/天性の「素直な優しさ」をより大切にーその治療的洗練と関与的観察の深化に向けてー
5 自己史論およびスーパーバイズ論
はじめに/心理臨床家の職業病ー前田重治先生に聞くー/スーパーヴァイズの上手な受け方ー双方の経験を通じてー/「私」という中心点に向かっての旅立ちー私のスーパーバイズの体験から
近代以降、同性愛は文学の中でどのように表現されてきたのだろうか?
BL、百合という文脈で語られると共に、一方でLGBTQを考えるための文学としても着目されている同性愛文学。
森鷗外、三島由紀夫、田村俊子、吉屋信子ら近代文学の作家から、松浦理英子、吉田修一、山崎ナオコーラ、村田沙耶香、綿矢りさら現在進行形の作家まで紹介し、明治から平成までの文学史の一側面に光を当てた一冊。
はじめに 同性愛をめぐる二つの「自由」
序章 問題と方法ー日本の同性愛文学と「LGBT」
第一章 「同性愛者」以前
第二章 「同性愛者」の誕生ー三島由紀夫という分水嶺とその後
第三章 女性同性愛の文学
第四章 間奏 稲垣足穂と森茉莉ー二つの抽象
第五章 同性愛文学の現在、あるいは「同性愛者」後の同性愛文学の可能性
終章 新たな「自由」へ
おわりに
「美のための美」はなぜ進化したのか?メスが美的感覚をもとに配偶者を選び、オスを改造していくー世界的鳥類学者が刺激的な新説を提唱し、華麗な鳥の羽から人間の同性愛まで、従来の進化論では解き明かせない美と性の謎に斬り込む野心作。ピューリッツァー賞(2018年)ファイナリスト。ニューヨークタイムズ紙「年間ベストブック10冊」(2017年)選出。
「女と男」は人類の最大の関心事ともいえる。この永遠のテーマが最新のサイエンスによって解明されつつある。野心的なタブーへの挑戦のなかから、意外かつ誰でも楽しんで読める最前線の研究を紹介。果たして女と男の戦略のちがいとはー。
野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か、自らを知ることーーアフリカの熱帯雨林でゴリラと暮らした霊長類学者と、その言葉なき世界の気配を感じ取ろうとする小説家。京都大学の山極研究室で、野生のサルやシカが生息する屋久島の原生林の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐり、二人の深い対話は続けられた。知のジャングルで、ゴリラから人間の姿がいきいきと浮かび上がる稀有な一冊。
セレブが集う最先端の中東のリゾートホテル、使いやすくてかつエレガントな欧州のホテル、アジアのコテージタイプの宿、アフリカの寝台列車……etc.世界中の宿泊施設に泊まり、ゲストルームの実測図を40年以上にわたって描き続けている著者によるホテル探検記。見ているだけで泊まった気分が味わえる好評シリーズ第3弾。
いまだに「普通ではない」という目を向けられがちな同性愛だが、実は、地球上の生物の間では、同性愛はまったく珍しくない。
実に1,500種を超える動物で、同性間の性行動が観察されているからだ。
しかし、なぜ、子どもを残さないはずの同性間性行動がこれほど盛んなのだろうか?
どうして、ヒトの社会では同性愛が抑圧されてきたのだろうか?
ジェンダーかセックスかという既存の枠組みを超え、性の多様性の本当の意味を明らかにする。
目次
はじめにーー「ジェンダー」を生物学に取り込む
Part1 同性愛でいっぱいの地球
自然界の同性愛者たち/鳥の同性カップルは子育てもする/揺らぐダーウィニズム?/同性間性行動と「性的指向」としての同性愛/ボノボはけっこうアマゾネス/イルカ─若衆宿と、義兄弟の契り/ゾウ─念者と若衆/一夫一妻の進化史/ペア・ボンドは雌雄の間で進化したのか/コウモリの豊かな性生活/稚児を持つテンジクネズミ/ローレンツのガンの同性カップル/繁殖に結びつかない性行動は珍しくない/シカと交尾するニホンザル/ほか
Part2 ヒトの同性愛を生物学から探る
「同性愛者」の誕生/生物やヒトの両性性を示す/性を決めるのは染色体か、ホルモンか/進化理論による宗教的自然観の破壊/ゴールトンと優生学/優生学の惨禍と没落/ゲイやトランスジェンダーになるのは親の育て方のせい?/生得的な方向付けの追及へ/利己的な遺伝子/ほか
Part3 生物学的説明の限界
同性愛の進化的な説明/遺伝子による行動の説明は難しい/ゲイ遺伝子を追え!/行動遺伝学いまむかし/ホルモンによる性の両義性説と行き詰まり/ジェンダー=社会的な性、という定義は妥当か?/雌雄二元論ではない生物学への試み/性的指向と性自認それぞれに対応する神経核/ほか
Part4 ジェンダーの生物学
一つの性に複数の性役割が存在する/一生の間で性役割が変わる/脊椎動物も性転換する/性役割の揺らぎ/性決定の方式も進化の途上/オスの精子で遺伝子組み換えをするサラマンダー/両性具有的なブチハイエナ/性の曖昧さと神聖さ/ほか
Part5 ヒューマン・ユニバーサルな同性愛
男女間の恋愛は、文化現象か生物学的な普遍性があるのか/異性愛の恋愛歌よりも古い、性別越境文化の遺物/男性同性愛が当たり前の古代ギリシアとローマ/キリスト教に攻撃されたキュベレー/キリスト教と同性愛の共存/同性愛の冬の時代/不寛容はイスラム社会への対抗?/日本の古層より/ほか
Part6 宗教戦争としてのホモフォビア・トランスフォビア
生物学的なベースは、セックスではなくジェンダー/性淘汰ではなく社会淘汰/なぜヒトの社会で同性愛が忌避されるようになったのか/ほか
Part7 多様性は繁栄への途
シリコン・ヴァレーは多様性でいっぱい?/日本の歴史的ギフテッド─三島由紀夫と南方熊楠/天才はいいことばかりじゃない/ほか
まとめーー「おわりに」にかえて
引用文献
差別や偏見の目で見られがちな現象が、動物行動学のアプローチでウソをつくことも、ごまかすこともなく説明できる!
反響を呼んだ『ヒトはなぜ神を信じるのか』『性倒錯者』『ヒトはなぜ自殺するのか』の著者によるエッセイ集.性と信仰の話題に加え,自殺についても語る.生物学や進化心理学の視点から,われわれ人間の本性を,ユーモアも交え鋭く分析.気になる題名のエッセイから読んでほしい.下品,不謹慎の先にある真実.
1 どうしてぶら下がっているの? その理由
2 自己フェラチオの道(もうちょっとなんだけど)
3 なぜペニスはそんな形なのか? 亀頭冠の謎
4 早漏のなにが「早過ぎ」?
5 ヒトの精液の進化の秘密
6 あそこの毛ーーヒトの陰毛とゴリラの体毛
7 カニバリズムの自然史
8 なぜにきびができるのか?--裸のサルとにきび
9 脳損傷があなたを極端なほど好色にする
10 脳のなかの性器
11 好色なゾンビーー夜間の性器と夢遊
12 マスターベーションと想像力
13 小児性愛と思春期性愛
14 動物性愛
15 無性愛者の謎
16 足フェチーーポドフィリア入門
17 ゴム偏愛者の物語
18 女性の射出
19 「ファグ・ハグ」--男が好きな男を好きな女
20 女性のオルガスムの謎
21 意地悪の進化ーーなぜ女の子どうしは残酷なのか?
22 ゲイに道は聞くな
23 抑圧された欲望としてのホモ恐怖
24 失恋,性的嫉妬ーーゲイの場合
25 トップかボトムか,それとも
26 プレ同性愛者ーー性的指向を予言する
27 (日曜だけは)敬虔な信者
28 産めよ,増えよーー信者の産む子どもの数
29 亡き母の木
30 自殺は適応的か?
31 自殺者の心のなか
32 ヒトラー問題で考える自由意志
33 笑うネズミ
ヒトの性の多様性があるのはなぜか?ということについて自然科学の観点から解説した数少ない本。胎児の発生過程で起こる脳の性分化を核心にして解説されている。性の多様性に関する社会科学的なアプローチともあわせ、セクシュアルマイノリティへの差別がなくなることを願って執筆された。目次 第1 章 ちょっとはじめに身体のことを考えてみましょう 第2 章 動物の性と生殖 第3 章 性転換する魚類たち(コラム1 まだまだあるおもしろい魚の仲間たち) 第4 章 哺乳類の脳の性(コラム2 ジェンダーという言葉の意味 コラム3 性自認と性的指向の定義)第5 章 性のレベル(コラム4 医学が進んで小林の身体に卵巣と子宮を移植したら子どもが産めるのか? コラム5 ブレンダと呼ばれた少年)第6章 身体の性のパーツ,脳の性のパーツの組み合わせにより性の多様性ができる(コラム6 LGBT とDSDs コラム7 トランスジェンダー,ニューハーフの語源 コラム8 性の多様性に関するいくつかの表現)第7 章 同性愛,トランスジェンダーは病気ではない(コラム9 ブルーボーイ事件から性適合手術の夜明けへ その1 コラム10 ブルーボーイ事件から性適合手術の夜明けへ その2)第8 章 生物の特徴と生物学の考え方(コラム11 生物学者の仕事)第9 章 ヒトの性の多様性の起因 第10 章 脳の性差と傾向 第11 章 セクシュアルマイノリティと社会(コラム12 昔 話) 第12章 ヒ トの性,セクシュアルマイノリティに関する本 第13 章 誰がどこでLGBTQ +について教えるの?
第1 章 ちょっとはじめに身体のことを考えてみましょう 第2 章 動物の性と生殖 第3 章 性転換する魚類たち(コラム1 まだまだあるおもしろい魚の仲間たち) 第4 章 哺乳類の脳の性(コラム2 ジェンダーという言葉の意味 コラム3 性自認と性的指向の定義)第5 章 性のレベル(コラム4 医学が進んで小林の身体に卵巣と子宮を移植したら子どもが産めるのか? コラム5 ブレンダと呼ばれた少年)第6章 身体の性のパーツ,脳の性のパーツの組み合わせにより性の多様性ができる(コラム6 LGBT とDSDs コラム7 トランスジェンダー,ニューハーフの語源 コラム8 性の多様性に関するいくつかの表現)第7 章 同性愛,トランスジェンダーは病気ではない(コラム9 ブルーボーイ事件から性適合手術の夜明けへ その1 コラム10 ブルーボーイ事件から性適合手術の夜明けへ その2)第8 章 生物の特徴と生物学の考え方(コラム11 生物学者の仕事)第9 章 ヒトの性の多様性の起因 第10 章 脳の性差と傾向 第11 章 セクシュアルマイノリティと社会(コラム12 昔 話) 第12章 ヒ トの性,セクシュアルマイノリティに関する本 第13 章 誰がどこでLGBTQ +について教えるの?
古代ギリシアの文化と社会を知るうえで、無視することのできない同性愛的傾向。それは、どのような形で表現され、受けとめられていたのか。本書は20世紀を代表する古典学の権威が、紀元前の8世紀から2世紀にわたる詩、壷絵、アリストファネスの喜劇、プラトンの対話篇、法廷弁論から落書にいたる膨大な史料を精査した、古代ギリシア研究史上の画期的名著である。同性愛的な行為と感情を克明に追い、性的関係のもつ複合的性格と自由で多種多様な姿を描きだすことによって、ジェンダー研究の基礎文献となった。収録図版多数。
解説 栗原麻子
第1章 問題点・資料・方法
1 方針
2 美術
3 文献
4 用語
第2章 ティマルコス告発
A 法律
1 男の売春
2 刑罰
3 身分
4 ヒュブリス
B エロスのさまざまな現れ
1 売春容疑に対する弁護
2 エロスと欲望
3 エロスと愛
4 つきまといと鞘あて
5 同性愛の詩
C 自然と社会
1 自然の衝動
2 男の体形と女の体形
3 男らしさと女らしさ
4 追う者と逃げる者
5 求愛と性交
6 支配する側と屈服する側
第3章 特殊相と展開
A 秘めざる恋
B 偏愛と幻想
C 喜劇における同性愛
D 哲学における同性愛
E 女性と同性愛
第4章 変遷
A ドーリス人
B 神話及び歴史
原註
訳者あとがき(一九八四年)
著者後記(一九八九年)
新版訳者あとがき(二〇〇七年)
文庫版解説 色差豊かな世界の分析 栗原麻子
イスラーム法で同性愛が禁じられてきたことは広く知られているが,前近代のアラブ文学作品には,同性同士の性愛描写もしばしば見られる。近代西洋社会の産物とされる「同性愛概念」は,イスラーム社会では,いつ,どのように芽生えていったのか。文学作品・医学史料・性愛学文献・年代記等における男性同士の性愛描写を歴史学的に分析することで,前近代の社会通念や性愛観念,ジェンダー規範を丹念に読み解く。巻末に9世紀の文人ジャーヒズによる性愛にまつわるアラビア語逸話集『ジャーリヤ(女奴隷)とグラーム(少年奴隷)の美点の書』の翻訳を収録。
本書の中で、デイヴィド・マックスウィニーは、ヒトという動物の行動、殊にその不合理ないし狂ったような行動に、あらゆる角度から刺激的で、時には今まで考えられなかったような光を当てる。実験心理学や脳外科にも通じた精神科臨床医である著者は、先ず、脳について詳しく述べ、脳の働きに関する最新の知見を紹介すると共に、精神外科という論争の多い分野にも言及する。うつ病、分裂病以下の精神病は詳しく説明され、ひとつの章では自分自身の職業についても考察される。彼は精神科医が普通そう考えられているほど他人を思いやる気持から行動しているかに疑問点を投げ掛けるのだ。ヒトの行動を理解しようとする際に、「正常」なものであれ「異常」なものであれ、性の問題を抜きにすれば、それは限られた価値しか持たないと強調した上で、マックスウィニー博士は、最後の諸章で性のアイデンティティと性役割のアイデンティティ、男の同性愛と女の同性愛、多種多様な倒錯について論ずる。
本書には、生前最後のものを含め、1981年から84年にかけて、いずれも直接間接に『性の歴史』をめぐって行われたフーコーのインタヴューが収められている。
なぜ人間は過剰な生産と過剰な消費を追いかけるのか。呪術・エロス・象徴・タブー・無意識など、人類の深層に横たわるものを交換・互酬・分配など経済行為の核心にかかわるものとしてとらえ、根源的な視点から、経済学の再構築をはかる画期的な視座。