夏も近づく八十八夜。野にも山にも若葉がしげる。古い歌を口ずさむたびに、亡き母の言葉がよみがえる。「一年のうちで、いちばん美しい季節が八十八夜の頃。あなたの人生の八十八夜を大切に…」加納妙子、23歳。この美しい季節を無駄にすごせない。殺風景なオフィス、平凡な男たち、ありふれたOL生活に別れを告げようと思った。
真夏のある夜、キャサリンと浜口は宏壮な屋敷に住む莫大な資産家の未亡人、水尾マユの晩餐会に招かれた。ところがその夜、マユの養女の1人が何者かの手で毒殺された。やがて第2,第3の魔の手が屋敷を襲って行く…。一方でマユの息子と名乗る男が出現し、水尾家の遺産を巡め相続争いは一層、深刻になって行った。謎の連続殺人事件を追う名コンビ、キャサリンと浜口を待ち受ける思わぬドンデン返しとは…京都の豪邸を舞台に繰り広げられる莫大な資産をめぐる争い。トリックの女王が描く華麗なる長編ミステリー。
ありえない。男が男と、ですよ。新宿二丁目に生きるウリセン・ボーイたちが初めて明かす驚愕の世界。
諸井誠のライフワーク「ベートーヴェンピアノ・ソナタ研究」第一弾登場。ピアノ・ソナタ全32曲をソナタ形式になぞらえ、独自の視点から各ソナタを詳細に分析した渾身のベートーベン論。
戦後日本を代表する評論家・大宅壮一の長男として生まれ、学問、文学に早熟の才を示した大宅歩。彼が愛用していたノートには、沢山の詩と思索の結晶が綴られていたー。父への反発から純文学的なものに傾倒していった著者が残した、人間や社会に対する思い。そこには、シニシズムと反逆の姿勢を感じさせながら、その底には透明な哀しみが湛えられている。病のため33歳で夭折した天才の命が放つ、純粋な魂の光芒。
自称「某国王女の身代わりアンドロイド」パミルが起こす騒動もひと段落。パミルとの兄妹生活にも馴染んできた匡平は、ちょっと変わった、でも平凡な生活に安心し始めていた。…だがしかし、そうは問屋が卸さぬと、海から流れ着いたのは、ひとりの金髪美少女!?榊一郎が贈るスラップスティックラブコメディ、一気呵成のフィナーレへ。
五嶋龍の2年ぶりとなる待望のアルバム。メニューインによって設立されたポーランドの室内オーケストラとの競演で、豊かな感性に彩られた演奏を披露している。カップリングの超絶技巧の無伴奏作品も聴きものだ。