日本はもとより、世界の人々から愛される街・京都。その魅力の大きな要素となっているのが数々の寺院、そして日本の美意識の結晶とも言える庭園です。 2018年3月に刊行された「しかけに感動する『京都名庭園』」は、京都の名庭園の歴史やエピソードなどを、豊富な写真とともに紹介し好評を得ました。
「日本のランドスケープデザインの原点は日本庭園にある」と戸田芳樹氏は言う。その戸田氏とは50年以上の付き合いという野村勘治氏は、作庭家重森三玲氏に入門し桂離宮を始めとする名園の調査に専念してきた。後に作庭家として独立するが、その傍ら「庭の語り部」としても活動してきた。政治や文化など時代背景とともに日本庭園を読み解く野村勘治氏の解説は、知的好奇心を刺激する。この2人がタッグを組み、名庭園の作者の想いとデザインを読み解き1冊にまとめた。2人の個性的な視点から読み解く日本庭園は、解説書に留まらず日本文化の歴史を壮大に語る一面も持つ。各章に添えられているコラムとともに日本庭園史における時代背景に触れることができる。一般の方へも配慮した細部に渡る用語解説付き。
●はじめに
第1章:龍安寺庭園の謎を解く〜天皇の陵墓を守る龍の庭〜
第2章:鶴亀石組の意味と表現〜鶴亀の先に何が見えるか〜
第3章:小石川後楽園の3つのテーマ〜能の世界・旅の風景・中国への憧憬〜
第4章:小堀遠州の生涯と作品〜綺麗さびを巡って〜
●用語解説
●著者紹介
★ 鑑賞にやくだつ
全国 日本庭園MAPつき!
★ 鑑賞のポイントから
歴史に欠かせない重要人物まで。
豊富な写真と解説で、
奥深い庭園の世界にご案内します。
★ 野原の小川を示す「遣水」、
あの世への思いを託した「中島」、
結界の役割を持つ「橋」…
構成要素で見る鑑賞のポイント。
★ 枯山水、書院造、茶室と露地…
時代で見る鑑賞のポイント
◆◇◆ 著者からのコメント ◆◇◆
「庭」とは、古くは祭祀や儀式を行うための
神聖な場所をさしたといわれます。
日本の政治はおもに天皇を中心とする朝廷によって
行われてきましたが、
まさに朝廷の「廷」は庭に由来するのです。
早朝、白砂を敷いて浄化された庭に皇族が集まり、
儀式を行ったことがその語源とされます。
いっぽう日本各地で発掘される「環状遺跡」と呼ばれる
巨石を円状に並べた古代の遺構がありますが、
これらは古来、神が宿ると信じられてきた巨石(磐座)を中心に
古代人が祭祀を行った場所で「にわ」と
呼ばれていました。
京都のルーツ・平安京が開かれると、
皇居である大内裏に接して日本最古の
寝殿造り系庭園である神泉苑が作られますが、
この庭も儀式のための神聖な場所でした。
庭とはただ単に自然を楽しみ癒される対象というよりも、
むしろ日本人の精神の発祥に関わる
神聖な存在であることが垣間見えるのです。
本書は、従来の庭園のガイドブックに数多く見られるような、
その造形的魅力の解説に加え、
さらにこうした庭園の本質的な意味について、
平易な文章でまとめたものです。
これまでの庭園の解釈に加え、
新たな視点をもって庭に対峙した時、
そこにさらなる魅力を感じていただければ、
本書のもくろみははたされたことになります。
宮元 健次
◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆
☆ 第一章
時代ごとに見る日本庭園鑑賞のポイント
* 時代ごとに見る庭園形式
・ 浄土式庭園の特徴を見る
・ 寝殿造り系庭園の特徴を見る
・ 枯山水庭園の特徴を見る
・・・など全9項目13ポイント
* 時代ごとに見る作庭家
・・・全2ポイント
☆ 第二章
構成要素から見る日本庭園鑑賞のポイント
* 庭園を構成する要素を見る
・ 自然風景式庭園
・ 水
・ 石
・・・など全5項目28ポイント
* 茶室の露地を見る
・ 茶室の露地
・・・全1項目8ポイント
☆ 第三章
庭園鑑賞の基本をおさえる
・・・全4ポイント
【Column】
* 重森三玲の作品に触れられる「重森三玲庭園美術館」
* 日本庭園の最高傑作「桂離宮」造営の歩み
* 岩石の特徴を知る
* 3つの離宮から構成された雄大な日本庭園「修学院離宮」
・・・全4項目
※ 本書は2010年発行の
『歴史と文化を愉しむ 日本庭園 鑑賞のポイント55』
を元にした新版です。
日本庭園は各地域の気候・風土・文化・植生・地質の違いや 歴史的な背景、使われ方によって、それぞれ様式や形状が異なります。 また、楽しみ方も「座って楽しむ庭」「歩いて楽しむ庭」とさまざまです。
日本の庭園は、大地の上に、自然の素材を使用して作り上げた「空間芸術」です。本誌では、美しさを楽しむだけでは終わらない、歴史と技と“主(あるじ)の素養”に圧倒される名家・名門の庭園を紹介。「皇室ゆかりの庭園」、「政界・財界の名門の庭園」、「殊勲・新華族の庭園」、「江戸時代の大名庭園」など日本全国至高の89庭を、形式・構成要素・用語の解説とともに紹介します。日本庭園から洋風の風景式庭園、整形式庭園まで、美しき自然風景を堪能し、ぜひ作者が大地に込めたストーリーを想像してください。
「庭」にはその国や地域の文化が色濃く反映する。東アジアの庭を、絵画はどう描いたのか。庭に先立つ周囲の建築は、庭とどのような関係を結ぶのか。そこには、作庭家の意図をその文化がどう捉え評価したかという、社会的位置づけがあらわれてくる。中国韓国研究者の視点も交えて、新たな視点で庭という空間を読み解く。
Chapter1 庭園としての都市ー東南アジアの都城理念にみるコスモロジー 大田省一
Chapter2 中国庭園にみられる多様な廊とその役割 高木真人
Chapter3 仇英筆「金谷園・桃李園図」と明代蘇州の庭園雅集文化 植松瑞希
Chapter4 共鳴する庭園と絵画─和歌が介在する風景 井戸美里
Chapter5 描かれた花鳥と庭ーー大徳寺大仙院花鳥図再考 並木誠士
Chapter6 Rivalry for Cultural Supremacy: Construction of Architectural Space and Its Representation in 19th-century Choosn Society Kim Soojin
Chapter7 Zhuozheng yuan and its Owners:The Making, Sharing, and Interchanging of Fame Sylvia W. S. Lee
Chapter8 The Politics of Ideal Landscapes in Joseon Dynasty Korea Cho Kyuhee
京都に拠点をおき、江戸時代から代々続く植彌加藤造園。そこでは手入れ、維持管理、育成管理を含む、庭園の景色をはぐくむすべての営みを「フォスタリング」と呼んでいる。無鄰菴や對龍山荘などでの事例を紹介しながら、広くて深い庭園の世界へ読者を誘う。
プロローグ
日本庭園の独特の理念ーーフォスタリング
第1章
フォスタリングとは?
第2章
名勝無鄰庵庭園ーーフォスタリングの全容をみる
第3章
文化財庭園の修復的フォスタリングと災害時の緊急対応
第4章
南禅寺で継承されてきたフォスタリング
第5章
庭を再生するフォスタリング
第6章
「地域単位の景をはぐくむ」という視点のフォスタリング
エピローグ
未来に向けたフォスタリング
元来、神社仏閣や日本庭園巡りは年齢層の高い人たちの趣味とされてきましたが、
昨今ではSNSが身近になり幅広い世代が楽しんでいます。
そのなかでも1200年の歴史がある京都はこの町でしか見ることのできない景色がたくさん残っており、
そのひとつである日本庭園には様々な見どころがあります。
忙しい日常から離れて庭園を眺めていると、癒しやインスピレーションが得られるだけでなく、
庭園について知ることは、各時代の歴史や文化、価値観、庭園を造った人の思いを知ることに繋がります。
庭園には歴史、文化、芸術、造園など、すべてが詰まっているのです。
まるで庭園は生きたアートのよう。
季節によっても表情が変わりますし、昨日と今日でも感じ方が全然違うのです。
特に、庭園に配置されている庭石や植物には、美しさだけではない、そこから伝わる仏教思想と、壮大な宇宙観があります。
そんな日常からかけ離れた庭園イメージに触れてみたいと感じる人が多くなっています。
とりわけ、京都の庭園や寺院には、歴史的なストーリーとロマンがあります。
世界各国から多くの観光客が訪れる京都ですが、その中でも京都の庭園にふれると、
皆さんは、ホッという深いため息をつき、大きな感動を抱かれるようです。
多くの人に、そんなすばらしい京都の庭園を堪能してほしい。
本書では京都人庭園デザイナーの烏賀陽氏による、楽しみ方を紹介します。
■はじめにより
日本庭園には、さまざまな「しかけ」が隠されている。
それを読み解き、理解していくと、今まで気が付かなかった美しい景色が見えてくる。
それはまるで、庭に散りばめられた暗号のようだ。
しかけを知ると、日本庭園は美の宝庫であることに気付く。
そして日本人の美意識、知識、文化、技術が詰まった、芸術作品であることが分かる。
たとえば「蓬莱思想」を理解すれば、庭に隠されたしかけが分かる。
単なる石が不老不死の仙人が住む秘境の山になり、白砂が大海の景色に変わる。
鶴島や亀島も生き生きと見えてくる。
日本人にとって「長寿」というものがいかに尊い、おめでたいことであるかが、庭から理解できるのだ。
また庭を作った作り手の意図を知ると、庭はますます面白くなる。
権力者が己の力を誇示するためにわざわざ名石を庭に運ばせたり、自分の庭に川を流すために琵琶湖疏水を引き込んだり……。
そういったエピソードを知ると、庭がとても身近に感じられる。
庭から何とも人間くさい、作り手の想いが伝わる。
それらを知ると、今まで見ていた景色が一変する。
日本庭園の面白さはそこにある。
★ 鑑賞にやくだつ「全国日本庭園MAP」つき
★ 浄土式、枯山水、書院造…時代で変わる鑑賞のコツ
★ 野原の小川を示す「遣水」、
あの世を託した「中島」、
結界の役割を持つ「橋」…
構成要素の鑑賞のコツ
★ 庭園の歴史と変遷、構成要素に託された意図を
写真と平易な解説で。
奥深い庭園の世界にご案内します。
◇◆◇ 著者からのコメント ◇◆◇
「庭」とは、古くは祭祀や儀式を行うための
神聖な場所をさしたといわれます。
日本の政治はおもに天皇を中心とする
朝廷によって行われてきましたが、
まさに朝廷の「廷」は庭に由来するのです。
早朝、白砂を敷いて浄化された庭に皇族が集まり、
儀式を行ったことがその語源とされます。
いっぽう日本各地で発掘される
「環状遺跡」と呼ばれる巨石を円状に並べた
古代の遺構がありますが、
これらは古来、神が宿ると信じられてきた
巨石(磐座)を中心に古代人が祭祀を行った場所で
「にわ」と呼ばれていました。
京都のルーツ・平安京が開かれると、
皇居である大内裏に接して日本最古の
寝殿造り系庭園である神泉苑が作られますが、
この庭も儀式のための神聖な場所でした。
というのも泉があり、
古来泉はあの世とこの世の出入口と認識され、
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が吹き出して
この世に天変地異や疫病をもたらすと
信じられたからに他なりません。
そこで天皇は、雨ごいなどの儀式を
この庭で行わせました。
つまり、民衆に害を与える魑魅魍魎を
コントロールする力こそ「王権」であり、
それができるからこそ天皇として君臨できるといった
寸法だったようです。
このように見てくると、庭とはただ単に
自然を楽しみ癒される対象というよりも、
むしろ日本人の精神の発祥に関わる神聖な存在であることが
垣間見えるのです。
本書は、従来の庭園のガイドブックに
数多く見られるような、
その造形的魅力の解説に加え、
さらにこうした庭園の本質的な意味について、
平易な文章でまとめたものです。
これまでの庭園の解釈に加え、
新たな視点をもって庭に対峙した時、
そこにさらなる魅力を感じていただければ、
本書のもくろみははたされたことになります。
※本書は2020年発行の
『日本庭園のひみつ 見かた・楽しみかたがわかる本 鑑賞のコツ超入門』
を新版として発行するにあたり、
内容の確認と必要な箇所の修正を行ったものです。
四季折々に美しい庭、見る角度で景色を変える庭、生き方をも変える庭ー庭は奥が深い、そして愉しい。京都を拠点に活躍するガーデンデザイナーにして、庭めぐりツアーも主催する著者が、一度は行ってみたい「絶景庭園」をセレクト。見逃せない定番の名園から、心和ませる町家の名庭まで。その見どころを、初心者にも分かりやすくガイドする。
2018年3月刊行の「しかけに感動する『京都名庭園』」は、庭園デザイナー・烏賀陽百合が京都の名庭園の歴史、エピソードなどを豊富な写真とともに紹介し、好評を得ました。
庭園で名高い街といえば、まず京都。しかし、東京にも数多くの名庭があります。
本書では有名庭園から一般にはあまり知られていない名庭まで、17箇所の東京庭園を「しかけに感動する『京都名庭園』」の烏賀陽百合氏が紹介。
東京を訪れる人達にとって興味深い、「庭」をテーマにした東京のガイドブックであるとともに、東京在住の人達が新たな東京の魅力を発見できます。
東京庭園は、私達をどこかへ「誘う庭」だ。憧れの場所や、和歌、俳句に詠まれた世界など、想像の世界に運んでくれる。そして時を超えて、江戸、明治、大正、昭和、平成の時代に生きた人々の想いや美意識を伝えてくれる。(「はじめに」より)
■目次
はじめに
小石川後楽園
浜離宮恩賜庭園
カナダ大使館
ホテル椿山荘東京
ホテルニューオータニ
六義園
朝倉彫塑館
旧古河庭園
浅草寺伝法院
旧芝離宮恩賜庭園
草月会館
山本亭
八芳園
清澄庭園
五島美術館
国際文化会館
子規庵
東京名庭園 花図鑑
東京名庭園 石&石造物図鑑
東京名庭園 灯籠図鑑
おわりに
東京名庭園マップ
**********************************
はじめに
小石川後楽園
浜離宮恩賜庭園
カナダ大使館
ホテル椿山荘東京
ホテルニューオータニ
六義園
朝倉彫塑館
旧古河庭園
浅草寺伝法院
旧芝離宮恩賜庭園
草月会館
山本亭
八芳園
清澄庭園
五島美術館
国際文化会館
子規庵
東京名庭園 花図鑑
東京名庭園 石&石造物図鑑
東京名庭園 灯籠図鑑
おわりに
東京名庭園マップ
世界中のあらゆる庭園を正しく理解するガイドブック。配置から建造物、植栽材料、構成要素までを、美しい写真や図版とともに解説。
美しい世界の庭園を42、日本の庭園を14セレクト。花いっぱいのオランダの庭園や、枯山水の方丈石庭で有名な京都のお寺など、華麗にして精緻な庭園写真集。
小石川後楽園、浜離宮等の名園では、どのような社交が繰り広げられていたか。競って造られた庭園の姿に迫りヨーロッパの宮殿とも比較。解説 尼崎博正
重森三玲との出会いから日本庭園に興味をもった著者は、飛鳥時代から近現代にいたる全国の庭園を撮影行脚するなか、独自の鑑賞の眼を養った。造形の完成度・斬新さで厳選した100庭の紹介と、その思想的背景や特徴的技法にせまる解説を軸に、多様な日本庭園の全体像を的確なアングルで捉えた写真で解き明かす意欲的ガイド。
観光者に人気のある歴史的庭園は、世界中の多くの国に見られます。
王侯貴族などの邸宅や別荘に営まれたものがほとんどで、日本では、それらに加えて、お寺にも見事な庭園が多く造られました。そうした庭園が、後に観光の対象として人気を持つことになりました。
京都の金閣寺や龍安寺、金沢の兼六園などの庭園は観光者に人気があります。
日本を代表する観光地の京都では、特にお寺の境内の雰囲気などとともに庭園が観光の主たる対象となっていると言っても過言ではないでしょう。
本書では、日本と欧州の庭園とその観光の歴史などに触れたうえで、歴史的庭園を対象とした庭園観光の今後を展望します。
はじめに
一 日本の庭園と庭園観光
1 「日本庭園」デザインのはじまり
(1)飛鳥時代の庭園/(2)奈良時代の庭園/(3)庭園デザイン転換の理由
2 仏教寺院と庭園
(1)奈良時代ーー法華寺阿弥陀浄土院/(2)平安時代前期ーー離宮・別荘の寺院への転換/
(3)平安時代中後期ーー浄土庭園と臨池伽藍/(4)平安後期から鎌倉時代ーー石立僧の活躍/
(5)鎌倉時代ーー蘭渓道隆による建長寺建立と境致/(6)鎌倉時代末期から南北朝時代ーー夢窓疎石の活躍/
(7)室町時代ーー鹿苑寺(金閣寺)と慈照寺(銀閣寺)/(8)室町時代ーー禅宗寺院における作庭/
(9)桃山時代ーー豊臣秀吉による寺院復興と庭園/(10)江戸時代ーー京都の諸寺の庭園と全国の寺院
3 日本における庭園観光
(1)宗教観光/(2)室町時代の庭園観光/(3)江戸時代の庭園観光/(4)近代の庭園観光/
(5)現代の庭園観光
二 西洋の庭園と庭園観光
1 西洋庭園略史
(1)古代ローマの庭園/(2)イスラム世界の庭園/(3)中世の庭園/(4)イタリア式庭園/
(5)フランス式庭園/(6)イギリス風景式庭園/(7)イギリス園芸庭園
2 イタリアとイギリスの庭園観光
(1)イタリア/(2)イギリス
三 庭園観光の展望
1 フィレンツェ歴史的庭園憲章
2 国際文化観光憲章
3 庭園一般ならびに歴史的庭園独自の特質
4 庭園観光の特質と展望
おわりに
あとがき
参考文献
【本書の特色】
1、グローバル時代にふさわしい「日本庭園」の全容がわかる本。
日本人の自然観、日本庭園の本質・特色・作庭技術と独自性・多様性などをまとめて紹介。
2、造園、建築、土木、環境デザイン、アーティストなどと共用できる。(全頁フルカラー、多数の写真掲載。)
豊富なガーデンデザインのバリエーションを目指した。
3、平和、自然、生物多様性、カーボンニュートラルなど、現代的・世界的課題から未来の環境を考える。
4、日本の歴史・文化を熟知していない人にも、「日本庭園」に内包する“平和”と“自然”が、
混沌とする地球社会のあり方、自然共生社会を目指すグリーン・エコライフへの知恵を提供できるよう英語ネイティブライターの参画を得て合理的・普遍的な解説をしている。
【著者プロフィール】
(しんじいそや 1944年京都市生まれ。農学博士・造園家)
著者は、「日本庭園と農の融合による”みどりのまちづくり”功績」などで
内閣から「みどりの学術賞」を受賞、紫綬褒章受章者で、日本学術会議会員
(環境学委員長)、日本造園学会長、日本都市計画学会長、東京農業大学長、
福井県立大学長など歴任された造園学の泰斗(現、東京農業大学名誉教授)
序 明治神宮の森 - ⽇本⼈の⾃然観と近代⽇本の造園へ
第1章 庭園とは何か - ⼈が⽣きられる理想境
第2章 ⽇本庭園の特質 - ⾃然共⽣の造園思想
第3章 ⽇本庭園の変遷 - 神仏境域から諸国名所に遊ぶ回遊式庭園へ
第4章 ⽇本式庭園の空間・景観構成の⼿法
5原理:囲繞・縮景・借景・樹藝・ 然び
第5章 ⽇本庭園の構成要素と細部技法
「⾃然に順う」・「⾃然に学ぶ」
植栽術、水工法、土の造形、石組・石造物、庭灯籠、庭橋、垣根術、
庭園建築物、園路、敷砂術、風水術、生き物術、芝生術、季節術
第6章 現代に⽣きつづける⽇本庭園:30庭園解説
仏寺・貴族の庭園、大名の回遊式庭園、近現代日米の庭園
用と景の調和・地方色・エコアート
石灯籠を最初に庭に取り入れた人は?砂紋はどうやって作るの?浄土式庭園が表す二つの世界とは?日本庭園の種類、歴史、鑑賞方法など、知っておきたいポイントをイラストでわかりやすく紹介。「庭」を通して日本の伝統が学べるユニークな絵本です。