誰かに救われたり裏切られたりしながら、
世界への信頼を少しずつ取り戻していく。
幸福と絶望を行き来する
解離性同一性障害者の「普通の日常」。
「凄かった。読み終えると世界が澄みわたって見えた。生き延びて、なおかつ伝えることを諦めずにいてくれる碧月さんに心の底から感謝する。」
ーー村山由佳さん(作家)推薦!
【本書の内容】
虐待サバイバーで解離性同一性障害者。そんな過去や属性を聞いたとき、どう思うだろうか。怖い、可哀想、つらい過去を乗り越えた強い人、下手に関わらないほうがいい相手。あるいは、かつて「多重人格」とも呼ばれたこの病に、好奇の目を向けるだろうか。この社会では、正常とされる枠からはみ出た瞬間、一方的に判断され、傷つけられることが日常茶飯事である。
本書は、虐待サバイバーである自身の原体験をもとに、マイノリティの現状や課題について発信してきたライターが、主人格含む7つの人格と共に、パートナーにも支えられながら生きる「普通の日常」を綴った一冊だ。
“私は自分の言葉で、自分の日常を書きたいと思いました。幸福だった瞬間も、絶望した瞬間も。私という「人間」がこの社会で、あなたと同じように生きていることを伝えるために。読み終えたあとに、清廉潔白ではない、死に物狂いで生きている私の(私たちの)日常を、少しでもみなさんの心に残せたとしたら、この上ない喜びです。”
ーーはじめに 私の人間宣言
「交代人格」と共に、そばにいるパートナーと共に、この理不尽な社会に抗う様を記録した、気高きデビューエッセイ集。
はじめにーー私の人間宣言
交代人格
「はるさんはゴレンジャー」
眠るのが下手な母と、長男の憂鬱
虫を素手で触る母は、時々、大の虫嫌いになる
「もう子どもだもん!」
精神疾患と親権
つながる海
「どうしてみんな意地悪するの?」
ありふれたトリガー
約束のオムライス
「帰りたい」場所
飲めないレモンスカッシュ
いつかみんなでごはんを
“怒り”の瞬発力を養う
食べることは生きること
桜の庭
二度目のはじめまして
パートナーが適応障害と診断された日
支える者は「つらい」と言えない
もし、二度目の人生があったなら
おわりにーー幸福と絶望は行き来する
自分の性別に違和感を抱く子どもに親と先生ができることとは?大切な未来をよりよく考える!
戸籍上の性を変更することが認められる特例法が二〇〇四年から施行され、日本でも性同一性障害が社会的に認知されるようになった。しかし、いまだ誤解や偏見もあり、当事者を取り巻く環境は厳しい。
本書は性同一性障害とは何かを理解し、治療や性別変更の手順、また、現実社会で生活していくために、当事者やまわりはどうすればよいか、をQ&A形式でやさしく解説。
性同一性障害って何?
性同一性障害の治療
性同一性障害と生活・仕事
性同一性障害と法律・社会
終わりに
資料1 性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第三版)
資料2 性同一性障害のための医療機関等リスト
資料3 性同一性障害/トランスセクシュアル/トランスジェンダーの自助支援グループ
[Qの例]
性同一性障害は病気なのですか?
だれに相談すればいいのですか?
ホルモン療法ってどういうものなのですか?
性別適合手術ってどうゆうものなのですか?
職場に性同一性障害をもつ人がいたら、どう扱うべきでしょうか?
どのような手続きで性別を変更するのですか?
オチンチンがある子はなぜ男の子なのか?性同一性障害の当事者であり、研究者である著者が最新の研究成果をもとに“性別”をめぐるさまざまな問題を目からウロコの納得分析。最も分かりやすいトランスジェンダー学入門。
身体は女なのに頭脳は男、またはその反対。胎児期の性決定メカニズムの狂いから生じる「性同一性障害」は人知れぬ心の傷を「彼」や「彼女」に与えてきた。その悩みを解消すべく立ち上がったのが、埼玉医大総合医科センターの特別チームだった。原科孝雄教授を中心とした医師団の手術を追いつつ、悩みを持つ多くの実例も検証し、「男」と「女」の原点のドキュメントがいまここにまとまった。これは、性の分かれ道に立ちつくす、すべての人びとに贈る性転換医療最前線からの希望に満ちた迫真のレポートである。
虐待等による複雑性PTSDへの簡易処理技法であるTSプロトコール。具体的な症例をもとにその臨床を余すところなく紹介する。
序 章 TSプロトコールの実践……………………………………………7
1 TSプロトコールの概要 7
2 簡易型処理を行う時のコツ 11
3 TS処方の工夫 18
第1部 TSプロトコールの臨床
第1章 トラウマ処理初期対応の工夫……………………………………24
1 TSプロトコールの弱点 24
2 脱落例の検討 26
3 最初から入院治療を行った症例 27
4 3回目までを乗りきる工夫 29
第2章 複雑性PTSDの治療経過をめぐって………………………………34
1 症例 34
2 複雑性PTSDの治療過程 43
3 TSプロトコールのもう1つの役割 45
第3章 自我状態療法の留意点……………………………………………48
--部分人格は主人格を著しく損なうことがあるのか
1 表者と裏者 48
2 表者を著しく損なう裏者の症例 51
3 表者を傷つける裏者に和解をうながす 59
4 DIDアルゴリズムの修正 61
第4章 TSプロトコールを受けてーー当事者からのメッセージ………62
1 独身時代 62
2 結婚・出産・育児 64
3 TSプロトコールとの出会い 66
4 TS処理とTS自我状態療法 66
5 治療者の先生へ 73
第2部 発達障害へのTSプロトコール
第5章 TSプロトコールの応用ーー小トラウマ症例への治療…………76
1 症例 79
2 症例の背景にある「トラウマ」 89
3 近年の子どもたちの臨床像の変化 91
第6章 自閉スペクトラム症と解離性同一性障害の併存例1…………93
--大きなトラウマをもたない症例の検討
1 症例ーー深刻なトラウマ体験がない青年期・児童青年期患者 94
2 深刻なトラウマ体験がないにもかかわらず 98
ASDはなぜDIDを生じうるのか
3 ASDに認められるDIDへの治療的対応 103
第7章 自閉スペクトラム症と解離性同一性障害の併存例2…………106
--大きなトラウマ体験をもつ症例:STP解離
1 症例 107
2 STP解離生成の病理 111
3 STP解離への治療 112
第8章 トラウマ体験の言語化に困難をもつPTSD………………………114
--身体感覚に焦点化したTSプロトコールの試み
1 症例 116
2 治療の経過 118
3 考察 121
第9章 知的発達症および自閉スペクトラム症の性被害………………124
1 症例 124
2 発達障害に大きなトラウマが掛け算になった症例への治療 130
3 オンラインでのトラウマ治療 131
文 献 133
あとがき 137
かつては「多重人格障害」と呼ばれた病は,誤解を招く用語であるとして現在の世界的な診断基準では診断名として「解離性同一性障害」(略称:DID)と呼ばれていますが,その性質からいまだに非常に多くの誤解を持たれがちであると言えるでしょう。本書は,解離性同一性障害の豊富な臨床経験をもつ著者らが,当事者やご家族のために,主人格や人格交代などの専門用語を使いながらも,事例を交え,時には脳のメカニズムにも触れながらわかりやすく解説しています。解離性障害の患者さんにこれから出会う方々や,これからどのように治療していこうかと思案されている治療者の方々にも役に立つでしょう。
書いた記憶のないノート、買った覚えのないパーカー、街を歩けば「先日はどうも」と知らない人から声が掛かる…(T_T)脳内に13人の人格が存在する「ぼく」が彼らとこの世をサバイブする、本当のはなし。
性同一性障害、性的マイノリティ、LGBTの基礎知識。家庭、学校での子どもへの対応は?文部科学省の見解は?かつては子どもだったすべての親と先生に知ってほしい。
「たとえ罰せられても医師として覚悟の上。国や法律ができる前から医療は存在してるんだ」
性同一性障害者の手術を600人以上執刀した医師・和田耕治の知られざる物語。
性転換(性別適合)手術がタブーの頃から自らの哲学のもと、性に悩める患者を救い続けてきた。
2007年に53歳で急逝した伝説の医師が今蘇る!
【出版社からのコメント】
故・和田医師(1954〜2007年)の生前に残した記録(ブログ・家族、関係者の証言、裁判記録)をもとに構成し、
和田医師の生涯と哲学に迫る。
2018年4月、日本では適合手術に保険が適用されることになった。
しかし、その是非が問われている。今こそ問いたい、性とは、生とは何か。
「たとえ罰せられても医師として覚悟の上。国や法律ができる前から医療は存在してるんだ」という
医師の信念に強く揺すぶられる、肉迫の一冊。
はじめに
序章
第1章 生い立ちーー大学時代
公美子回想1
第2章 外科から形成外科、美容外科へ
公美子回想2
第3章 大阪へ
公美子回想3
第4章 初めての性転換手術
第5章 新しい動き
第6章 開業へ
第7章 「和田式」の変遷
第8章 最初の事故
第9章 性転換・美容整形へ全力投球
公美子回想4
第10章 最も不幸な医療事故
公美子回想5
第11章 医療機関への憂慮と希望
第12章 神に感謝
終章 燃え尽きて
長いあとがき
父を思う 長男
父を思う 次男
補遺
・ブルーボーイ事件
・性転換史
性同一性障害者の願いで戸籍上の性を変更することを認める特例法が、2004年から施行された。これにより性別変更ができた人がいる反面、未成年の子どもがいないこと、性別適合手術の有無など、同法の定める性別変更の要件を満たせず、未だ苦しんでいる人もいる。
本書は、精神科医や弁護士などの専門家と当事者が「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」をやさしく解説、具体的な戸籍の性別変更手続き、戸籍変更後の問題、そして同法の問題点などをQ&Aで答える。 増補改訂版では、2008年、2013年の特例法改正を踏まえ内容を刷新し、最新情報も加えた。(2013.02)
女として生まれたものの心は男…!性同一性障害をものともせず、友情、恋愛、セックス…。さまざまな葛藤もろとも青春を疾走中!19歳の感動ノンフィクション。
学校では絶対に教えてくれない性(セクシュアリティ)のはなし。
性転換手術を終えて新しい自分になったとき、ようやくこの地獄が終わりを迎えたー。過酷な運命と愛への渇望を赤裸々に綴ったエッセイ。
「林ちゃん、なにか護身術習えば?」そう提案されるがままに、私はパルコの屋上にいる「蹴り男」に会いに行く。「空に飛び蹴り」気になる人ができたかも。新学期、クラス替えした教室で、私は原田幹雄に出会う。クラスでひと際目立つ原田の存在が、私を悩ませる。「怒る泣く笑う女子」学校を舞台に、10代特有の初期衝動を描く連作5編。
・性の要素は身体の性、性の自己認識(性自認)、性的指向、性別表現、性役割、指定された性(社会に割り当てられた性)など多岐にわたる。これらのいずれかが多数派と異なる人々は性的マイノリティとよばれる。
・性的マイノリティ当事者は“医療”を利用する患者の数%を占めると考えられ、すべての診療科の医療スタッフは、見えにくいながらも日常的に接しているはずである。
・しかし、多くの医療スタッフにとっては系統的に知識を得る機会は限られている。本特集がその一助となればと思う。
■ 医療スタッフが知っておきたい性的マイノリティと医療
・はじめに
・LGBTと精神科医の役割
〔key word〕レズビアン(lesbian)、ゲイ(gay)、バイセクシュアル(bisexual)、トランスジェンダー(transgender)、精神科医
・性別違和、トランスジェンダーにおけるホルモン療法
〔key word〕性別違和、エストラジオール、テストステロン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アナログ
・性同一性障害/性別違和に対する外科治療
〔key word〕性同一性障害(GID)、性別違和(GD)、性別適合手術(SRS)、緩和外科
・性同一性障害/性別違和と保険適用
〔key word〕性同一性障害、健康保険、ホルモン療法、乳房切除術、性別適合手術、混合診療
・性同一性障害/性別違和の診療ガイドラインとGID(性同一性障害)学会認定医/認定コーディネーター制度
〔key word〕日本精神神経学会、GID学会、性同一性障害の診断と治療に関するガイドライン、エキスパート研修会、認定医、認定コーディネーター
・地域における多施設連携から協働への進展
〔key word〕性別違和(GD)、連携、協働、地域、性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
・性的マイノリティ当事者が受診を躊躇しない外来づくり
〔key word〕性的マイノリティ、医療施設、受診、躊躇
・性的マイノリティの子どもーー教育と医療の連携
〔key word〕児童期、教育、医療、連携
・性的マイノリティ当事者を取り巻く現状ーー法律、結婚、生殖医療など
〔key word〕同性パートナー、子なし要件、手術要件、婚姻要件、同性婚、配偶子提供
●TOPICS
神経精神医学
・重大な他害行為を行った精神障害者の社会復帰ーー医療観察法
臨床検査医学
・Lp(a)の臨床的意義アップデート
麻酔科学
・新しい静脈麻酔薬レミマゾラム
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・22.単包虫症(診断は肝?胞と思いますが、何となく違うような気もします)
〔key word〕単包虫、単包条虫、包虫症、エキノコックス症、中間宿主、アルベンダゾール
オンラインによる医療者教育
・8.Withコロナ時代の内科系診療参加型臨床実習:兵庫医科大学の事例ーーハイブリッド型の診療参加型臨床実習
〔key word〕Moodle、Teams、ハイブリッド
ユニークな実験動物を用いた医学研究
・6.ヒツジ:胎仔を用いた先進医学研究
〔key word〕ヒツジ胎仔、ヒト血液キメラ、ヒト胎児モデル
●フォーラム
子育て中の学会参加
・14.学会中の戦慄
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
性別転換生活を選んだが故におこる数々の驚異体験をユーモラスに綴る。性同一性障害がよく分かる本。
スーパードクターなんか、いない。医者だって迷う。医者だって悩む。怒ることもあるし、泣きたくなるときもあった。絶望しかけたことだってある。それでも走ってきた。仲間がいたから、走り続けてこられた。十年間走り続けて、周囲の景色はまだ変わらない。それでも、また走りだす。