日本性感染症学会編集による性感染症診断・治療ガイドラインがついに書籍化! 2002年の初版作成以降,諸外国のガイドラインを参考とし,わが国の医療状況に応じて,改訂を重ねてまいりました.2020年度版では過去の内容を踏襲しつつ,新しい知見を加えて現在の医療に耐えうる内容とし,日常臨床でも活用いただける1冊となりました.ぜひ,性感染症診療に携わるすべての医療従事者のみなさまのお手元においていただき,日頃の診療にお役立てください.
口 絵
2020年度版発行に添えて 三鴨廣繁/高橋 聡
作成組織一覧
略語一覧
ランク付けについて
第1部 症状とその鑑別診断
?尿道炎
?急性精巣上体炎
?直腸炎
?潰瘍性病変
1 男 性
2 女 性
?腫瘍性病変
1 男 性
2 女 性
?帯 下
?下腹痛
?口腔咽頭と性感染症
?眼と性感染症
第2部 疾患別診断と治療
?梅 毒
?淋菌感染症
?性器クラミジア感染症
?性器ヘルペス
?尖圭コンジローマ
?腟トリコモナス症
?細菌性腟症ー性感染症関連疾患としてー
?ケジラミ症
?性器カンジダ症
?マイコプラズマ感染症
1 男 性
2 女 性
?A型肝炎
?B型肝炎
?C型肝炎
第3部 疫 学
?発生動向調査からみた性感染症の最近の動向
よくある症状から性感染症を鑑別し、デリケートな内容を問診、説明するためのコツやポイント、最新の治療薬などについて網羅!
近年急増している梅毒をはじめ、性感染症は増加傾向にあります。感染の自覚があると保健所や専門医を受診するものの、自覚がなくコモンな症状で一般外来を受診しに来た患者を診る場合、適切な診療を行うことが、慢性化・難治化やさらなる蔓延を防ぐために重要です。そこで、本書では、性感染症の基本から診療まで幅広く網羅し、最新の知見も盛り込みました。性感染症患者に対応する医師、看護師、薬剤師が、エビデンスに基づいた正しい知識をアップデートできる参考書です。
2020年に書籍化された日本性感染症学会編集によるガイドラインが6年ぶりに改訂!
2002年の初版作成以降,諸外国のガイドラインを参考とし,わが国の医療状況に応じて,改訂を重ねた本書.2026年版では新たにBQ・CQを設定し,エビデンスレベルや推奨グレードも記載.また,2020 年版の項目に加え,非淋菌性尿道炎,疥癬,エムポックス,PrEP・PEP に関する項目を新たに追加し,HIV 感染症,軟性下疳,赤痢アメーバ症が復活.
性感染症診療に携わる医療従事者のみなさまにぜひご活用いただきたい1冊.
STI(性感染症)は患者にとってデリケートな問題であり,医師も診療にあたっては性感染症特有の性質を知っておく必要がある.本書ではSTI診療未経験者を念頭に置き,3人の達人が診療に際して最低限知っておくべき知識と技術をレクチャーします.
8年ぶりの改訂!近年の梅毒の爆発的増加など,日本でも性感染症(STI)の現状は予断を許さない状況にある.STIの診断と治療を最新のデータと貴重なオールカラーのアトラスで解説!泌尿器科,皮膚科,産婦人科,内科におすすめ.
実は新型コロナウイルスよりも
危険な性感染症
〜性感染症を知り、その予防法を学ぶことが新たな感染症からあなたの身を守る〜
プライベートゾーン(水着で隠れる部分)は命をつなぐ大事な場所!
ここ30年余りで多数の新興感染症が見つかり、簡単には治療できない、性感染症が増えている。無症状であるものも多く、自覚しないあるいは症状が軽く気が付かないということ、あるいは自覚症状があっても正しい治療に結びつかなかったり、感染がいつの間にか他の人へ広がってしまったりすることがある。一度感染するとなかなか体内から駆除することができずに体の中に潜み、免疫が低下すると症状がでてきたり、感染して数年後に発症するエイズのようなものがあったりすることも大きな問題だ。そう、今猛威をふるう新型コロナウイルスと同じ感染症なのだ。性感染症を知り、その予防法を学ぶことは新型コロナウイルスを含め、今後人類に襲いかかるであろう、新たな感染症から身を守る術を学ぶことでもあるーー。
序章 性感染症を知らなければ生き残れない時代に
逃れることができない性感染症/簡単には治療できない性感染症の増加の恐怖/新型コロナウイルスとの共通点/性病から性感染症へ
第1章 症状でわかる性感染症
第2章 意外に知らないパンツの中の医学常識
第3章 セックスの真実
第4章 意外に少ない、完全な男と完全な女
第5章 セックスでうつる「難病」、「意外な病気」、「幻の病」
第6章 加齢とセックス
高齢者の性が社会問題に/閉経女性に淋菌感染症やクラミジアが少ないワケ/セックスと若返り/セックスは寿命を延ばす/認知機能の維持にセックスは有効か?/男性はいつまでセックスできるのか/高齢者向きの体位とは?/増えていく高齢者の性感染症/高齢者のセックスでの落とし穴
終章 新たな感染症が次々と現れる時代に
これからは性感染症を知らなければ生き残れない/科学が進歩しても呼吸器感染症と性感染症だけは防げない/感染症の原因となるウイルスが生殖細胞に影響を及ぼす?
胎児から高齢者に至るまで、年齢を問わず健康に影響を及ぼす性感染症。しかし健康教育の現場でも、診療場面においても、“何となく苦手”が付きまとう。本書では、リスク回避方法を伝え、「感染したかも」と不安を抱える人を早期受診に導き、治療に取り組む人をフラットな姿勢で支援するための最新知識が楽しく学べる。医療者・健康教育関係者が「何となく話しづらい」を克服するための一冊。
"<目次>
【序章】
診断エクセレンスとは何か?
【肺炎の診断をどうするか?】
病歴・身体所見から迫る肺炎
キーフレーズで迫る肺炎
これは肺炎でよいのか? Clinico-Radio-Pathological Evaluationで重要な肺炎の鑑別診断
これは肺炎でよいのか? 臨床医と話し合いたい肺炎の鑑別診断 画像編
これは肺炎でよいのか? 臨床医と話し合いたい肺炎の鑑別診断 病理編
この肺炎の原因は何か? Clinico-Radio-Pathological Evaluationで重要な肺炎の病因診断
この肺炎の原因は何か? 臨床医と話し合いたい肺炎の病因診断 画像編
この肺炎の原因は何か? 臨床医と話し合いたい肺炎の病因診断 病理編
Gram染色からアプローチする肺炎診療
肺炎診療に役立つPOCT 抗原検査から多項目遺伝子検査まで
どの肺炎患者に気管支鏡検査を行い,結果をどう説明するか 現場からみた適応・禁忌と診断・治療方針・安全性
【肺炎の治療をどうするか?】
市中肺炎の抗菌薬選択をどうするか
医療介護関連肺炎・院内肺炎の抗菌薬選択をどうするか
人工呼吸器関連肺炎の治療をどうするか
ウイルス性肺炎の治療をどうするか 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・インフルエンザを中心に
重症肺炎に対する治療をどうするか
肺炎患者の呼吸管理 NIV・HFNC編
肺炎患者の呼吸管理 ECMO編
免疫抑制状態・抗がん剤治療中の患者の肺炎の治療をどうするか
【肺炎患者のトータルマネジメント】
肺炎患者のマルチモビディティのマネジメント
肺炎患者の緩和ケア
多職種連携で取り組む誤嚥性肺炎のマネジメント
医療の質・PXを意識した肺炎診療・ケア移行
肺炎の予防をどうするか
【肺炎診療を改善するスチュワードシップ・臨床研究】
肺炎診療のスチュワードシップと教育の取り組み
肺炎の臨床研究におけるピットフォールとコツ
肺炎の多施設共同研究の始め方"
【感染症病理のエッセンスが詰まった決定版アトラス!】
感染症の病理診断とは病原体の診断であり,そのために知っておかなければならないことも多い.
本書では,総論的なこととして,感染症の病理診断の考え方や生体反応,感染防護などの基本事項を取り上げ,各論では,代表的な感染性疾患から,まれではあるが特徴的な疾患,新たに概念が確立した疾患,さらに腫瘍性病変の下地としての感染症まで,今,知っておきたい感染症を豊富な写真とともに取り上げた.日々の病理診断にも知識の整理も役立つ一冊.
≪主要目次≫
総論
1.感染症診療における臨床推論
2.感染症診療における病理の役割
3.感染症病理診断の考え方
4.病原微生物と生体反応
1.病原体に対する生体反応の形態的な現れ方
2.ウイルス
3.細菌 その他
5.感染症病理診断のための検体取扱と感染予防策
1.細胞診検体,組織診検体
2.剖検
3.感染性検体の保管と輸送
各論
1.心血管
1.心筋炎
コラム:オズウイルス心筋炎
2.感染性心内膜炎
3.感染性大動脈瘤
2.頭頸部
1.ヒトパピローマウイルス(HPV)と中咽頭癌
2.Epstein-Barrウイルス(EBV)と上咽頭癌・リンパ腫
3.呼吸器
1.細菌性肺炎
2.結核症
3.非結核性抗酸菌症 その他
4.消化管
1.Helicobacter pyloriと胃MALTリンパ腫 ヘリコバクター属菌と胃病変
2.Epstein-Barrウイルス(EBV)と胃癌
3.胃のアニサキス症 その他
5.肝胆道
1.肝炎ウイルスと肝細胞癌
2.日本住血吸虫症 その他
6.生殖器
1.妊娠関連感染症
2.ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸癌 その他
コラム:先天性ジカウイルス感染症
7.皮膚
1.皮膚結核
2.皮膚真菌症 その他
8.骨・関節
1.化膿性・結核性骨髄炎および関節炎
9.中枢神経
1.プリオン病・進行性多巣性白質脳症(PML)・亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
2.トキソプラズマ症 その他
10.リンパ・造血器系
1.Epstein-Barrウイルス(EBV)と血液腫瘍
2.ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-I)と成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL) その他
Ⅺ.全身感染症
A.ウイルス感染症
1.COVID19
2.インフルエンザウイルス その他
コラム:ウイルス性出血熱
B.免疫不全状態における感染症・腫瘍と病理診断
1.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症
(1)病理学的特徴
(2)疫学および治療の変遷
2.免疫抑制療法 その他
C.その他の感染症一般と病理診断の関わり
「性病」だけでなく「性の健康」を重視し,性に関するネガティブなイメージを払拭することが,性感染症の対策を進めるために重要!
急増する梅毒をはじめ,クラミジアや淋菌,HIVなど各種疾患について必要な情報をわかりやすくまとめた,プライマリケアや公衆衛生の現場でも役立つ性の健康を守るためのポジティブハンドブック.性感染症は,何か悪いことをしたからなるものではありません.当事者が自責の念に駆られる必要はなく,医療者が怖がったり,陰性感情を持つ必要もありません.正しく知れば,性感染症は防げる・治せる!
・がん治療について議論するとき、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の存在は欠かせない。同時に、ICIの副作用である免疫関連有害事象(irAE)が生じた患者への適切な対応が求められるが、ICIを実際に用いているがん治療科の腫瘍医のみならず、非腫瘍医に相談がなされる場面も増えている。
・その際irAEガイドラインに通じていることなどはもちろん、疑われるirAE病態特有の注意事項についての知識を前もって有していることが望ましいが、最も頼りになるのはirAEに通じた各臓器専門科エキスパートのアドバイスではないだろうか。
・本特集は、irAEが疑われた際の“心強い相談相手”となるような一冊である。
■第1土曜特集 免疫関連有害事象(irAE)対策について非腫瘍医が知っておきたいミニマム・エッセンス
・はじめに
●総論
・がん専門医でなくとも知っておきたいirAEの機序と基本の考え方ーー2025年の時点では“誰に効果があるのか”“誰に副作用が出るのか”がまだわかっていない
〔key word〕幅広い適応、多臓器にわたるirAE、持続する抗腫瘍効果と長引く副作用、早期介入しつつ鑑別、Go-To-Person
・irAEは従来のがん救急とどう異なるか?
〔key word〕がん救急(oncologic emergency)、oncologic critical care、免疫関連有害事象(irAE)、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、多職種連携
・irAEを疑ったときの最初の一手ーー主治医ではない医師が時間外外来、救急外来などで対応を迫られたとき
〔key word〕免疫関連有害事象(irAE)、徴候、サイトカイン放出症候群(CRS)、免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)
●各論
・irAE皮膚障害
〔key word〕疫学、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)、皮膚障害、免疫関連有害事象(irAE)
・irAE下痢・腸炎ーーこじらせると大変です
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、下痢・腸炎
・内分泌irAEを見逃さないために
〔key word〕免疫関連有害事象(irAE)、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、下垂体機能低下症、甲状腺機能異常症、1型糖尿病
・irAE肺臓炎実践マネジメント
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、肺臓炎、ステロイド、急性間質性肺炎(AIP)、びまん性肺胞障害(DAD)
・免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による神経関連有害事象
〔key word〕髄膜脳炎、多発神経根炎、重症筋無力症(MG)、筋炎、傍腫瘍症候群
・ICI関連心筋炎
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、心筋炎、心エコー検査
・非肝臓専門医が知っておくべきICI関連肝障害の診断と初期治療のポイント
〔key word〕肝障害、R値、肝生検、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)
・ICIによる胆管炎
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、胆管炎
・ICI関連膵障害(ICI-PI)
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、膵炎
・リウマチ性irAE--ICI使用中の患者が筋骨格系の疼痛を訴えたときのアプローチ
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、関節炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、筋炎
・irAE腎障害
〔key word〕急性腎障害(AKI)、急性間質性腎炎(AIN)、腎生検
・血液学的irAEの診断と治療、およびirAE管理における血液内科医の役割
〔key word〕免疫関連有害事象(irAE)、血液学的irAE、血液内科、カルシニューリン阻害薬、日和見感染症、サイトカイン放出症候群(CRS)
・ICIによる眼のirAE--ぶどう膜炎を中心に
〔key word〕眼有害事象、ぶどう膜炎、免疫寛容
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
『J-IDEO』好評連載が加筆を経て書籍化.性感染症のみかただけでなく,性についての正しい知識も基本のさらに手前から学び直せるハンドブック.知れば知るほど奥深い性感染症を,冷静に,華麗に,正確に診断治療を行うための第一歩を,この一冊から始めてみませんか.
STI診療はデリケートな問題への配慮や疫学情報の把握など,特有の難しさがあります.
本書では,非専門医に必要な基礎知識,専門医が求める最新治療・予防までを幅広く網羅.専門クリニックの実例を踏まえ,医療スタッフに求められる配慮,当事者への説明の工夫にも焦点を当てています.
見落とされがちな疾患やトランスジェンダーの方々のSTIにも丁寧に言及.日常診療で役立つ実践的知見と最新情報を凝縮した一冊です.
"「それってホント?」--本特集では,循環器診療に関する臨床的な疑問を各論文のテーマとして取り上げる.論文冒頭でその答えを提示するとともに,最新のエビデンスや臨床現場での知見をもとにテーマを掘り下げ,日々の診療に役立つ視点を解説した.
【急性冠動脈症候群(ACS)の診断と侵襲治療】
ACSは結局カテなら,急性期に非専門医ができることはないってホント?/心電図が読めなくても,トロポニンを測ればよいってホント?/他
【慢性冠動脈症候群(CCS)の診断と侵襲治療】
安定期胸痛患者の診断とリスク評価:CTがあればそれでよいってホント?/狭心症が安定していれば血行再建をやらなくてもよい,というのはホント?/他
【冠動脈疾患の薬物治療】
LDLのコントロールはスタチンだけで用が足りるというのはホント?PCSK9阻害薬・ベムペド酸の役割は?/他冠動脈疾患患者のLDL-Cのターゲットは55 mg/dLになるってホント? あるいは低ければ低いほどよい?/他
【心不全(一般診療)】
身体診察は,もはや心電図やエコーの後でよいってホント?/心不全(特にHFpEF)はBNPで診断できるってホント?/他
【心不全(心筋症など特殊疾患)】
アミロイド心筋症を疑ったら,結局何をオーダーすればよい?/肥大型心筋症が心配,結局のところ全例危険ってホント?/他
【不整脈】
心房細動の治療は結局アブレーションということでOK? しかも,なるべく早くというのはホント?/心房細動や静脈血栓塞栓症で抗凝固療法が大事というのは論を俟ちませんが,もはやDOAC一本でよいというのはホント?/他
【弁膜症】
感染性心内膜炎の管理が外来でできるってホント?/僧帽弁や三尖弁の経カテーテル弁修復術(TEER)が外科手術より安全ってホント?/他
【予防医学】
血圧のターゲット,結局SBP 130 mmHg未満ということで決着がついたというのはホント?/スクリーニングの心電図の調律で最も気をつけなくてはならないのは心房細動の見落とし,というのはホント?/他
【その他】
急性心膜炎が油断のならない疾患ってホント?/手術前のリスク評価は,結局4 METsを確保できれば安心ってホント?"
本書では、いかにすれば現在流行している性感染症患者を抑え込むことができるかについて述べていきます。
感染症の名医として研究・臨床を30年以上にわたって行ってきた著者が近年懸念していることが
「日本国内における性感染症の蔓延」です。
国立感染症研究所の感染症情報センターによる2018年の統計では梅毒患者は7001人で、
8年間前から11倍に増加しています。
また、クラミジア感染症は、女性がかかると不妊症になることもある重大な感染症です。
罹患者数が多く、毎年45万?50万人が新たに感染していると推計されていて、
高校生10人に1人がクラミジア感染症にかかっているというデータもあります。
性感染症は知識があればある程度予防でき、感染しても早期に適切に治療すれば、
ほとんどの場合、治癒します。そのことを知らずに、性感染症にかかってしまう若者が急増していること、
また恥ずかしさなどから医療機関を受診していない罹患者も大勢います。
我が国の中学校や高校では系統的な性教育が十分行われているとはいえず、
世界的にみて日本は性教育の後進国とされています。
高校生の2割近くが性行為の経験があるという統計があり、
性感染症に罹患している可能性も同様にあるのです。
中学生や高校生に性感染症の予防法や検診の大切さ、性感染症にかかってしまったときの対処法、
自分の人生への影響などについて伝える必要があります。
思春期の子どもに性の話はしにくいと感じている親や教師が多いでしょう。
しかし、子どもに性感染症の正しい知識を伝えるのは、子どもの健康を守るために必要なことです。
10?20代の子どもを持ち親世代の方、中学校や高校の教師など教育関係者の方に、
性感染症が広がっている現状を認識して頂き、
性感染症とはどのような病気かを知ってもらいたいと思います。
本書をきっかけに正しい知識を適切な機会に子どもたちに伝えて頂くことを心から願っています。
【目次】
第1章 知ってほしい性感染症の実態
第2章 主な性感染症を知る?症状、検査法、治療法
第3章 性感染症を防ぐために改善するべきこと
第1章 知ってほしい性感染症の実態
第2章 主な性感染症を知るー症状、検査法、治療法
第3章 性感染症を防ぐために改善するべきこと
性について正しい知識を持つことは他の学びと同様「未来を生き抜くために」大切なこと。感染症医として、あるいはその立場を越えて性にまつわる考え方を多角的に案内する。
クイズに答えて、感染症対策!
感染症にかかったときの対処法や注意点などをクイズ形式で紹介。問題を解くことで、正しい感染症の知識が身につけられます。2巻は、食中毒を引きおこす腸管出血性大腸菌感染症O157とノロウイルス感染症をテーマに、発症から治るまでの流れを時系列で解説。そのため、実際に感染したときのことをイメージしやすく、感染症を「自分事」として考えられます。マンガやイラストを豊富に掲載! オールカラー・総ルビなので、やさしく感染症対策が学べます。
はじめに
この本の見方
マンガ【プロローグ】食いしんぼうはトラブルのもと?
問題1 走ったら、のどがかわいちゃった! なにを飲もうかな?
問題2 バーベキューの準備をするよ。凍らせていた肉の解凍のしかたは?
問題3 あれ、トングが1つしかないよ! 肉と野菜どちらを先に焼けばいい?
問題4 料理がいっぱい! でも食べちゃダメなものもあるみたい。どれかな?
コラム こんなものは食べちゃダメ!
問題5 さあ、肉を焼こう! どれくらい焼いたらいいかな?
問題6 つぎは貝を焼こう! 焼くときに気をつけることは?
問題7 後片づけをしよう。調理器具の一番よい消毒方法は?
問題 8 おなかがすごく痛い! うんちには血が混じっている。この病気は?
問題9 急に吐きけがして、はげしく吐いちゃった。これって?
問題10 げりや吐きけが止まらない…。こんなときはどうすればいい?
問題11 トイレでうんちや吐いたものを流すときに気をつけることは?
問題12 トイレを消毒するときには、なにを使うといい?
問題13 体から出たウイルスや細菌は、家のなかのどこにいる?
コラム 吐いたものの片づけ方
問題14 寝たいけれど吐きけがある…。そんなとき気をつけることは?
問題15 げりをしているときのおふろの入り方で注意することは?
問題16 吐きけがちょっとおさまってきた! そんなときにまず、やることは?
問題17 症状がおさまった! これで完全に治ったのかな?
コラム 正しい手の洗い方をマスターしよう
マンガ【エピローグ】2人からのサプライズ
コラム 食中毒を引きおこす感染症