私たちのまわりには、ことばに関する不思議がもりだくさん。「キャベツの入ったコロッケパン」を見ると、二種類のパンが見えてきます。「公園にジャイアンたちがいたよ」たくさんのジャイアンを想像しないの何故?。35のテーマを言語学のプロがやさしく紐解きます。中学生から大人まで、言語の謎を楽しもう。
【まえがき】
ショッピングセンターに行ったら、入り口に「大型犬用カート」と書かれたショッピングカートがありました。「大型犬用カート」の「犬」ってどう読むんだろう。「いぬ」だろうか、それとも「けん」だろうか。そう考え始めた瞬間、あなたは言語学の世界に一歩足を踏み入れています。
妻は、昔は「スープ、温めたから飲んでね」と言ってくれました。でも、最近は「スープ、温めてから飲んでね」と言うようになりました。「た」が「て」に替わっただけなのですが、なんとなく妻の気持ちも変わったような気がしています。そう思ったあなたも、知らないうちに言語学の世界に入り込んでいます。
こんなふうに、なんとなく言語学の世界に入ってしまったあなたに《ことばの仕組みが見える眼鏡》を差し上げるのがこの本のねらいです。その眼鏡さえあれば、今まで見えなかった美しくて、ちょっぴり不思議なことばの世界が見えるようになるはずです。
まえがき
1 「犬」 をどう読むか
2 売れない
3 飛んでいます
4 キミに言いたいことがあれば
5 「ない」の前に「ある」?
6 牡蠣をフライにしてみたら
7 ゴミ箱がいっぱいだ!
8 「きもい」とは言えない
9 「ラ抜き」と「レ足す」
10 温めたから飲んでね
11 公園にジャイアンたちがいた
12 肉しか食べない
13 もう帰るわ
14 おくれない
15 詰めものはいつ詰めた?
16 よく切れる
17 ピーマンの肉詰め
18 「飲め」そして「食べろ」
19 大谷選手が取り上げられた
20 「食べすぎ」と「食べまくり」にはご注意
21 誰似?
22 学校に行っていない
23 置き忘れた
24 「ゆでた卵」と「ゆで卵」
25 パパが見えるところで遊んでね
26 大きいエビフライ
27 キャベツの入ったコロッケパン
28 カブトムシいる?
29 「みんな」と「みなさん」
30 「寒っ」の「っ」の謎
31 息子の写真
32 食べたそうだ
33 「ならない」か「なくなる」か
34 誰の手料理?
35 私の夢
小噺の目次
それとなく小噺1 間違い…ない
それとなく小噺2 雨戸と網戸
それとなく小噺3 「見たかった」と「見つかった」
それとなく小噺4 ナンパか? セールスか?
それとなく小噺5 なか4つ
それとなく小噺6 学食のメニュー
それとなく小噺7 誰が引っ越しするの?
それとなく小噺8 けが人は確認されていない
それとなく小噺9 飲むだろう 飲んだろう
それとなく小噺10 禁酒か節酒か
それとなく小噺11 何駅?
チャンネル登録者数14万人!
ことばの不思議を探求する人気YouTuber「ことラボ」が初の書籍を発表!
ゆる言語学ラジオ 水野太貴さん推薦!
「 日本語は非論理的? 最近の言葉は乱れている?
気になったあなたは、すでに冒険の第一歩を踏み出している! 」
言語は魔法のようなものです。
目には見えない考えや気持ちを、音にして互いに伝え合うことができる。文字を使えば、時代や場所を超えた意思疎通すらできる。そんな言語を形作っているのは、一体どのような仕組みなのでしょうか?
本書のタイトルにもなっている「クエスト(quest)」は英語で「探求」を意味し、ロールプレイングゲームでは冒険の意味合いで使われることもあります。その語源はラテン語のquaerere(探し求める)。これは「問い」を意味する英語のquestionの語源でもあります。
本書は32の問いからなる、ことばの謎を探求する冒険の書です。
この探求の先には何が待っているのでしょうか?
言語への理解を深めることで、文章やコミュニケーションのスキルレベルがアップする、というのはあるかもしれません。しかし真のゴールとは、言語の先に広がるより大きな世界を見つけることです。
本クエストを進めるにあたって、専門的な予備知識といった大層な装備は必要ありません。
さあ、「言語学クエスト」を始めましょう!
本書は、言語における語の成り立ちを取り扱う「形態論」という研究分野について、コンパクトに概説したものである。全6章から構成されており、前半の4章は伝統的な派生形態論、後半の2章は近年注目されている分散形態論の考え方をわかりやすく紹介している。英語を中心に豊富な用例を示し、最近の研究動向も踏まえながら、統語論、意味論、音韻論との接点を含む、形態論の全体像について、簡潔かつ丁寧に解説している。
第1章 語の基本概念
1.1. 形態論とは何か
1.2. 形態素の種類
1.3. 語と句の違い
1.4. 形態論から見た言語の類型
1.5. 語の不思議
第2章 様々な語形成
2.1. 語形成の種類と生産性
2.2. 複合
2.3. 派生
2.4. 転換
2.5. その他の語形成
第3章 語の内部構造
3.1. IC分析
3.2. 語の主要部
3.3. 可能な語と不可能な語
3.4. 語形成にかかわる統語的条件
3.5. 語の編入
第4章 語の意味分析
4.1. 意味の透明性と語彙化
4.2. 単純語の意味
4.3. 複合名詞の意味
4.4. -er派生名詞の意味
4.5. 名詞転換動詞の意味
第5章 語形成と分散形態論
5.1. はじめに
5.2. 派生と屈折
5.3. 反語彙主義の考え方
5.4. 品詞:√Root仮説
5.5. 分散された形態論:語彙挿入の理論
第6章 分散形態論の応用可能性
6.1. はじめに
6.2. 統語論と形態論の関係と局所性
6.3. 補充形と局所性:*ABA
6.4. 複合語と分散形態論
レイザーラモンRGの「あるあるネタ」はどうしておもしろいのか。「飾りじゃないのよ涙は」という倒置はなぜ印象的なのか。猪木の名言から「接頭辞BLUES」まで縦横無尽に飛び回りながら、日常にある言語学のトピックを拾い出す。抱腹絶倒の言語学的総合格闘技、Round 2スタート!
この本を手に取ってくださった皆様へ
1.生産者の顔が見える原稿
2.言語版SASUKEに挑む
3.言葉に引導を渡す者
4.あるあるネタはなぜ人を笑顔にしがち♪なのか
5.最高にイカすぜ、倒置は!
6.悪い言葉の誘惑
7.【コント】ミスリーディング・セミナー
8.2023年も“行けばわかるさ”
9.【創作】言語モデルに人生を狂わされた男
10.話題のAIをちょっと真面目に解説してみる
11.【創作】メトニミーのない世界
12.日本語は「世にも曖昧な言語」なのか
13.重言パラダイス
14.日本語は本当に「非論理的な言語」なのか
15.【コント】接頭辞BLUES
あとがき
異端の言語学者、ことばを武器に、あらゆるリングに上がる。
「読むなよ,絶対に読むなよ!」
ラッシャー木村の「こんばんは」に,なぜファンはズッコケたのか.ユーミンの名曲を,なぜ「恋人はサンタクロース」と勘違いしてしまうのか.日常にある言語学の話題を,ユーモアあふれる巧みな文章で綴る.著者の新たな境地,抱腹絶倒必至!
この本を手に取ってくださった皆様へ
1 「こんばんは事件」の謎に迫る
2 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか
3 注文(ちゅうぶん)が多めの謝罪文
4 恋人{は/が}サンタクロース?
5 違う,そうじゃない
6 宇宙人の言葉
7 一般化しすぎる私たち
8 たったひとつの冴えたAnswer
9 本当は怖い「前提」の話
10 チェコ語,始めました
11 あたらしい娯楽を考える
12 ニセ英語の世界
13 ドラゴンという名の現象(フェノメノン)
14 ことば地獄めぐり
15 記憶に残る理由
16 草が生えた瞬間
あとがき
GENGOGAKU Vale Tudo
Ai KAWAZOE
あなたは「言語学」に何を期待しますか? 語源「正しい日本語」、マルチリンガル、哲学・思想……ありがちな思い込みをただし、外国語学習者はもちろん「ことば」に興味ある全ての人に贈る「入門の入門」。(講談社現代新書)
あなたは「言語学」に何を期待しますか? 語源「正しい日本語」、マルチリンガル、哲学・思想……ありがちな思い込みをただし、外国語学習者はもちろん「ことば」に興味ある全ての人に贈る「入門の入門」。
第1章 言語学をはじめる前にーーことばについて思い込んでいること
1--言語学のイメージ
2--言語学のストレス
3--言語学のポイント
第2章 言語学の考え方ーー言語学にとって言語とは何か?
1--目的はメッセージを伝えること
2--「キゴウのタイケイ」とは?
3--文を語に分け、語を音に分ける
4--虹が七色とは限らない
5--人間にだけ言語がある
第3章 言語学の聴き方ーー音について
1--大切なのは人間のことばの声
2--世界中の言語音を書き表わす方法
3--日本語に巻舌はいらない
4--声の上げ下げで意味が変わる
5--音声と音韻の違いを押さえる
第4章 言語学の捉え方ーー文法と意味について
1--文法と文法書は違う
2--世界共通の文法はない
3--いちばん小さな意味のまとまり
4--「寒いねえ」は単なる気象情報ではない
5--言語のしくみにどうアプローチするか
第5章 言語学の分け方ーー世界の言語をどう分類するか?
1--言語は数えることができない
2--日本語と英語は「比較」できない
3--《ウラル・アルタイ語族》なんてない
4--ことばは変わらないわけにいかない
5--地域差だけが方言ではない
第6章 言語学の使い方ーー言語学がわかると何の得になるか?
1--《美しい言語》も《汚い言語》もない
2--お金儲けは難しい
モーラ、音節、音楽と言葉の関係(テキストセッティング)、プロミネンスの衝突を俎上にあげ、東京方言以外の方言にも視野を広げて日本語の音韻構造を明らかにする。「一般言語学から見た日本語の音声」シリーズ3部作の最終巻。
【まえがき】より
本書は「一般言語学から見た日本語の音声」シリーズ(3部作)の3巻目として上梓するものである。このシリーズでは、まず2021年に『一般言語学から見た日本語のプロソディー』を、続いて2023年に『一般言語学から見た日本語の語形成と音韻構造』を刊行した。いずれも一般言語学の知見を取り入れて、日本語の音韻現象と音韻体系を日本語のウチとソトから分析したものである。第3巻となる本書でも、引き続き一般言語学の視点から日本語の音声現象を分析した。今回は前2巻で取り上げることができなかったテーマーーモーラ、音節、音楽と言葉の関係(テキストセッティング)、プロミネンスの衝突ーーを俎上にあげ、東京方言以外の方言にも視野を広げて日本語の音韻構造を明らかにしようとしたものである。
第1章 一般化と有標性
1.1 一般化
1.2 有標性
第2章 モーラと音節
2.1 これまでの研究
2.2 詩の韻律
2.3 音韻規則
2.4 形態規則
2.5 言い間違いと吃音
2.6 音楽のテキストセッティング
2.7 言語獲得/発達
2.8 フットの役割
2.9 まとめ
第3章 モーラと音節に関する史的考察
3.1 言語類型と日本語
3.2 モーラ方言と音節(シラビーム)方言
3.3 甑島方言との比較
3.4 鹿児島方言で現在進行中の変化
3.5 鹿児島方言のモーラ性
3.6 まとめ
第4章 歌謡と音韻構造
4.1 英語のテキストセッティング
4.2 日本語のテキストセッティング
4.3 Happy Birthday to Youの分析
4.4 野球の声援の分析
4.5 まとめ
第5章 プロミネンスの衝突
5.1 英語の「強勢の衝突」
5.2 日本語の「高音調の衝突」
5.3 モーラ間のプロミネンス衝突
5.4 母音と母音の衝突
5.5 子音と子音の衝突
5.6 まとめ
ナゾ解き感覚で知らない言語を解読、隠れた法則を解き明かそう!
新感覚ナゾ解き、言語パズルの世界へようこそ!
世界中の全51言語が登場(DL付録「日本言語学オリンピック過去問」あり)。
予備知識は一切不要で、言語パズルを楽しみながら、観察力や論理的思考も鍛えられます。
ミニコラムでは、世界の言語や言語学に関するマメ知識もご紹介。
〔監修者紹介〕
風間 伸次郎(かざま しんじろう)
東京外国語大学総合国際学研究院教授。専門はアルタイ諸言語の現地調査による記述研究、言語類型論。著書に『世界のなかの日本語4 くらべてみよう、言葉と発音』『世界のなかの日本語5 くらべてみよう、文のしくみ』(ともに小峰書店)、『28言語で読む「星の王子さま」--世界の言語を学ぶための言語学入門』(東京外国語大学出版会)がある。
問題編
初級レベル ★☆☆☆
スペイン語「小さな世界」
ハンガリー語「電気警察」
アラビア語「海を渡る」
日本語「おたかづけ、やなの!」
スワヒリ語「キスワヒリ・ワスワヒリ」
中級レベル ★★☆☆
ドイツ語「木のケーキ」
マニンカ語「惹かれる音」
沖縄語「沖縄の心」
ベトナム語「金魚白旗」
古英語「英語の謎を探る」
ペルシア語「ペルシアの道」
クメール語「プノンペン」
チカソー語「彼を探すな」
広東語「あのあの」
イタリア語「アミーコ・イタリアーノ」
フランス語「パリのデッサン」
アイヌ語「ひとは何度も」
ラテン語「ローマの将軍」
フィリピノ語「誰が? 何を?」
中国語「何か食べたい? 何食べたい?」
上級レベル ★★★☆
フィジー語「私たち、あなたたち」
シエラポポルカ語「動詞の中身は何だろな?」
シンハラ語「いる・ある・いない・ない」
スンダ語「白いトラたち」
ダガ語「私の手足」
フィンランド語「森の友ペッカ」
韓国語「韓国料理を作ろう」
タイ語、ラオス語、シャン語「偶然とは思えない!」
グルジア語「君はカルトヴェリ?」
モンゴル語「名のある権兵衛」
インドネシア語「ハンドる」
トルコ語「終わりのない海の話」
ロシア語「モスクワまで飛ばすぜ!」
アゼルバイジャン語「山は山に出会わない」
南サーミ語「数の数珠繋ぎ」
難関レベル ★★★★
バスク語「バスク風」
日本点字「てんじの しくみ」
ケチュア語「アンデスに飛ぶ鳥」
チェコ語「音楽家の詩人」
ハワイ語「カメハメハ大王の子ども達」
ビルマ数字「ビルマの覆面算」
イヌクティトゥット語「ヌナヴトの旅人」
ジャル語「彼らの関係」
ヒエログリフ「ヒエログリフ解読」
アラワク語「これ、いくつ?」
解答編
言語はいかにして生まれ、変化するのか。そのメカニズムを解明するのが比較言語学という学問だ。現存する言語や死語となった言語を突き合わせることで記録以前の言語を再建し、各言語を歴史的に位置づけていくその試みは、ソシュールをはじめとする多くの学者たちを魅了してきた。本書では、ヒッタイト語などの印欧アナトリア諸語のみならず、ギリシア語、ラテン語、古教会スラブ語、古期アイルランド語、ゲルマン語、サンスクリット語など、多数のインド・ヨーロッパ語に通じた世界的な比較言語学者が、その本質や具体的アプローチを丁寧に掘り下げて紹介する。第一人者による最良の入門書。
まえがき
第1章 言語の歴史を考える
第1節 言語は変化する
第2節 言語の歴史的研究とは
第3節 解読
第2章 比較方法
第1節 祖語を推定する
第2節 比較方法
第3節 再建される祖語の性格
第4節 系統樹モデルと波状モデル
第5節 変化の起こった相対的な時期
第3章 内的再建法
第1節 条件変化の起こった環境が残っている場合
第2節 条件変化の起こった環境が失われた場合
第3節 内的再建法の限界
第4章 類推
第1節 類推の役割
第2節 パラダイムの画一化
第3節 残存形式
第4節 クリウォーヴィッチの類推の法則
第5節 類推と内的再建法
第5章 生成文法から音変化をみる
第1節 生成音韻論とは
第2節 言語変化のメカニズム
第3節 規則の追加
第4節 基底表示の組み替え
第5節 規則の順序替え
第6節 規則の消失
第7節 規則の挿入
第8節 生成文法と類推
キーワード/さらに広く知りたい人のために/初版あとがき/文庫版あとがき
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは? ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
なぜ声や話し方で「印象」が変わるのか。音から意味が紡ぎ出される仕組みから、それぞれの音の発音方法の詳細、音声コミュニケーションを支える体の不思議までを網羅。俳優、歌人、ラッパー、声優、歌手、アナウンサーなど、「声のプロ」たちとの豊富なエピソードを題材に、多数の図版を使いながら「伝える・伝わる」の謎をわかりやすく解説する!
日本語の動詞「ナル」は、主に事物の「出来(例:実がナル)・変化(例:氷が水にナル)」を専用に表すが、ユーラシアの諸言語にもこうした「ナル相当動詞」があり、「主格/ゼロ格」を伴って「出来」を表し(例:実(が)ナル・氷が水(が)ナル)、派生的に「変化」の意味を表す。本書はこうした「ナル・ナル相当動詞」を伴う「ナル的表現」をめぐる28言語の調査結果と、記述言語学・認知言語学、および哲学の観点に基づく論考47本を収める。
・私たちの頭の中では、ことばに対してどのような処理が行われているのだろうか?
・頭の中で(いままさに)行われている処理は、コンピュータによって再現できるのだろうか?
これらの問いに、ことばの意味を計算する2つのアプローチ(計算言語学と統計的言語処理)から挑む!
【言語処理学会前会長 乾健太郎先生推薦!】
本書は、ChatGPTで周知となった「ことばのテクノロジー」としての自然言語処理と、哲学・数学・論理学から「ことばをサイエンスする」計算言語学との架け橋となる教科書である。
どちらの世界も知り尽くした第一線の若手研究者が基礎から最先端までを妥協なしに書き上げた。
骨太だが、豊富な例とかみ砕いた説明が読者の背中を押してくれる。
生成AIを作る人使う人はもちろん、「ことばを数学する」と聞いて心がざわつくようなすべての人に届けたい。
【主な内容】
第1部 ことばの意味を計算するには
第1章 はじめに:文の容認可能性
第2章 ことばの分析から解析へ
第2部 計算言語学からみた,ことばの意味を計算するしくみ
第3章 形式統語論の考え方
第4章 形式意味論の考え方
第5章 形式意味論の準備:集合論
第6章 形式意味論の準備:記号論理学
第7章 形式意味論に基づく含意関係の計算
第8章 組合せ範疇文法に基づく意味合成
第9章 イベント意味論と推論
第10章 談話意味論
第3部 自然言語処理からみた,ことばの意味を計算するしくみ
第11章 分布意味論
第12章 ニューラル言語モデル
第13章 大規模言語モデル
第14章 分布意味論の特性と問題点
第4部 学際的視点からみた,ことばの意味を計算するしくみ
第15章 古典的計算主義とコネクショニズム
第16章 深層ニューラルネットの体系性の分析
第17章 計算言語学と自然言語処理の融合の展望
ことばは、空気のように我々の周りに当たり前に存在し、かつ不可思議で複雑である。本書では、一流の言語研究者が平易な語り口で、未知なることばの世界へと読者を誘う。60からなる各章は短く、数ページである。言語の起源、動物の言語、世界の書き言葉、手話言語、言語の変化等、様々な角度からことばに迫る。時間の許すときに手に取り、読み始めてみよう。
翻訳者:上田功、大津智彦、加藤正治、金子理紗、斎藤里香、田中瑶子、高森理絵、中尾朋子、早瀬尚子、渡邉拓人
原著:E. M. Rickerson and Barry Hilton(編)The 5-Minute Linguist: Bite-Sized Essays on Language and Languages.
言語聴覚士をめざす学生が学ぶ「音声・言語学」領域のすべて(「音声学」「音響学」「聴覚心理学」「言語学」)を網羅した
はじめての教科書
「言語学は自然科学である」日本の言語学を長年牽引してきた著者による講義形式の言語学概論。生成文法に立脚して、語用論、関連性理論、認知言語学の科学性を鋭く突く。柔和な語り口調のなかに著者の学問への姿勢が浮かび上がる。
本書は、日本のある大学の、学生と教員の会話。二人は、言語学の授業で出会った。二人の会話のさわりだけ。
(順)日本語と朝鮮・韓国語って、まだ、その帰属がわかってないそうですね。
(牧)え、そうなの?
その起源を追い求め、二人は旅に出る。グレート・ジャーニー。本書の鍵。狛犬、DNA、三重構造仮説。トルコ語、ビジ語、タミル語、シンハラ語に出会う。ワトソンとクリック、ドーキンズ、ジョーンズ卿、チョムスキーにも。
1章 はじめに
問題の起源
2章 百済と日本
はにわ
3章 狛犬
シルクロード
4章 アイルランドと日本
信仰
5章 DNA
「ニッポンジン」の過去と今
[コラム1]ワトソンとクリック
6章 グレート・ジャーニー
アフリカ
7章 語彙
タミル語・韓国語・モンゴル語
8章 係り結び
古語・シンハラ語・タミル語
[コラム2]ドーキンズ
9章 対格性
モンゴル語・トルコ語・カザフ語
10章 能格性
ウルドゥ語・チベット語・ビジ語
11章 話題助詞
韓国語・延辺語・モンゴル語・ウイグル語・チベット語・ビジ語
12章 属格主語
モンゴル語・トルコ語・カザフ語・ウルドゥ語・ベンガル語・ビジ語・延辺語
[コラム3]ジョーンズ卿
13章 連体形
モンゴル語・トルコ語・カザフ語・ウルドゥ語・ベンガル語・シンハラ語・タミル語・ビジ語・韓国語・延 辺語
14章 活用
古語・日本語・韓国語・モンゴル語・ベンガル語・トルコ語
15章 直接疑問文
日本語・モンゴル語・韓国語・シンハラ語・古語 vs.トルコ語・中国語・ビジ語・タミル語
16章 間接疑問文
日本語・韓国語・シンハラ語・古語 vs.モンゴル語・トルコ語・中国語・ビジ語
[コラム4]チョムスキー
17章 敬語
古語・日本語・韓国語・チベット語・モンゴル語・トルコ語
18章 主語格助詞
古語・日本語・韓国語
19章 状態述語
日本語・韓国語
20章 おわりに
DNA地図と言語地図
[コラム5]Why Japanese People?
「難しくて面白い」と評判の日経新聞日曜版の人気連載「チャレンジ!クロスワード 」書籍化第3弾。脳トレにもぴったり。
本書は、21世紀の言語・コミュニケーションの課題に「境界」と「周縁」の視点から迫る。ジェンダー、翻訳通訳、危機言語、移動する人々、方言やマイノリティ言語、言語実践のリアリティなどをテーマとする11の論考は、「境界」と「周縁」の恣意性、曖昧性、政治性、暴力性、潜在するイデオロギーを多様な論点と方法で顕在化させ、新たな研究の地平を照らしだす。
執筆者:新井保裕、新垣友子、井上史雄、尾辻恵美、木本幸憲、熊谷慈子、クレア・マリィ、寺尾智史、坪井睦子、滕越、三宅和子