八月六日、壊滅状態の広島で、交信を求める悲しげな女性の声がラジオから流れた…。NHKに舞い込んだ一通の手紙から、“幻の声”の主を追う著者の旅は始まる。一七年にも及ぶ取材から見えてきた、巨大な悲劇の下の人間たちのドラマとは?戦時下のメディアの実像、そして、敗戦を目前にした日本の防空体制の不備もつく異色の記録。
あの夏を一生忘れない。兵庫県立こどもの館に集まった23人の中学生たちは初めての野外移動劇づくりに燃えた。ひと夏の熱いドキュメント。
「椿」「柏」「蓬」「楓」…。これらの漢字が示す植物は、日本と中国では大きく違っている。一体なぜ、そうなってしまったのか。その謎を和漢の古典文学から探りつつ、花と木に寄せる人々の想いをたどってゆく。
戦後補償問題の解決は21世紀の日本が避けては通れない課題である。今こそ問われる日本企業の対応。
いきなり白い光が、ぴかあっと光りわたりました。とっさに、にんぎょうをつかんでうつぶせたきぬえに、ものすごいバク風がおそいかかりました。1945年8月9日、長崎に原子バクダンがおとされたのです。そのとき、きぬえは5つでした。第20回小学館児童出版文化賞。第18回産経児童出版文化賞推薦。