2003年1月8日に行なわれた、都はるみの武道館公演の模様を収録。素晴らしい熱唱に、デビュー40周年というキャリアの凄さを実感させてくれる作品。
阿久悠(あく・ゆう、本名・深田公之=ふかだ・ひろゆき)さんが2007年8月1日午前5時29分、尿管がんのため東京都港区の慈恵会医大病院で死去されました。ご冥福をお祈りいたします
悪友をもじったペンネームで数々の作品を送り出した。名曲は、昭和という時代を彩り、人々の心を温めてきた。手掛けた作品は5000曲。6800万枚を超える総売上枚数を誇り、オリコンランクインシングルは511作を数え、オリコン作詞家ランキングの頂点に立っていた阿久悠さんが天へと旅立たれました。
作詞家、阿久悠の40年に及ぶ輝かしい歩みをCD5枚組で括った力作アンソロジー。単に時代を追うだけの安易な編集は避け、ディスクごとにテーマを分けて構成。とりわけ興味深いのは、特典盤扱いの[5]。ヒットしなかったが愛着のある曲を中心にまとめられた一枚だ。これらの埋もれた名曲群には、阿久が時代に対して放った“くさび”が突き刺さったまま。そこに時代を超えた生々しさがある。北沢夏音氏によるロング・インタビューと収録曲全曲解説を掲載した分厚いブックレットも素晴らしい仕事だ。
2005年にデビュー20周年を迎える吉川晃司のベスト・アルバムが、3レーベル、3枚同時発売。本ユニバーサル編では彼のデビュー最初期、「モニカ」や「サヨナラは八月のララバイ」などのヒット曲を収録。
ノイズ・ギターに情感あるメロディを乗せ、往年のジーザス&メリーチェインからダイナソーJr.みたいな、アナクロ的な部分も一部窺えるが、日本語の歌詞を大切にし、ヴォーカルを前面に配置することで、純粋さと弛緩が同居したような独特の空気を生む。
5年前にリリースされた『プレイアデス舞曲集』の続編。今回収められている作品の多くは田部京子のために書かれたもので、彼女の魅力を最大限に引き出した珠玉の小品である。
80年代に活躍した実力派シンガー・ソングライター、佐藤隆のベスト盤。高橋真梨子に提供したヒット曲「桃色吐息」をはじめ、「マイ・クラシック」「カルメン」など質の高い作品が味わえる。
新しい「乾杯」との呼び声も高いヒット曲(10)をフィーチャーしたフル・アルバム。いつもながらの気迫に加え、ヒップホップ風の(2)、なぜかレゲエの(3)など、楽曲のバラエティも豊か。また、(10)や(5)など初期の瑞々しいメロディを思い出させる曲が多いのも魅力。
わらべうたや子供の縄跳びあそびうたなど現在ではあまり耳にすることのない、昔から伝わる懐かしい“あそびうた”を集めた企画盤。小さなお子さんがいる家庭や、祖父母と孫とのコミュニケーションに。
大人のシティ・ポップスで80年代をアーバンでクリスタル(笑)に演出してくれた佐藤隆の2枚組ベスト。メロディ・メイカーとしての才能もさることながら、大人のラブ・ソングを歌うことにかけては、南佳孝と双璧を成す存在であることを改めて実感。
一度聴くだけで印象に残るリズムと、恋愛の移ろいゆくさまを季節や風景とともに切り取っていく詞は健在。その変わらない姿勢に喜びを感じる。一方、Kardelのラップを入れた(1)やアラブ風音楽の(4)なども新鮮で、そこにも彼女の色が存在しているのはさすが。
軍歌・戦時歌謡13曲+オリジナル3曲で、幼少期を戦時下に過ごした彼女の“平和”への想いをまとめた企画作。空襲など自らの悲惨な体験をベースに、死んでいった者への温かな眼差しを込めつつ、あの時代への嫌悪とある種の郷愁を見事に唄い上げている。