これはスカルラッティ生誕300年を記念しての録音だ。そしてカークパトリックの整理した順序に従って録音された。楽譜はケネス・ギルバートが校訂したものを使用。全555曲のうち、オルガンと指定がついている3曲(K.287,288,328)はオルガンで、数字付低音の付された5曲はモニカ・ハジェット(vn)、ミシェル・アンリ(ob)、らとの室内ソナタで奏している。さて、スコット・ロスはこの録音当時34歳だった。とにかくその優れたリズム感の豊かさに驚嘆した。まさしく躍動しているのだ。それが緩徐楽章での“うた”を引き立てる。こんなに面白いとは思わなかった。買うのに迷うぐらいな人ならば、無理しても買う価値は絶対あります。