TV『筑紫哲也のニュース23』のテーマ曲「清河への道」の完全版で、なんと48番まである大河私小説とも言える作品。このエネルギーの根源にあるものについて、聴き手それぞれの受け止め方があるだろうが、表現手段としての音楽を信じる意思を評価する。
ブリティッシュ・ハード・ロック・サウンドと文学的な日本語詞で独特の世界観を聴かせる人間椅子のデビュー15周年記念アルバム。ドラマー、ナカジマノブが加入により熟練の日本語ロックを聴かせる。
都市生活者の心の渦と町そのものの渦とをオーバー・ラップさせたコンセプチュアルな作品ととらえることもできる76年発表の2作目のアルバム。加治木剛っていい詩書くよなあ。イラスト&ADは吉田カツ。充実という言葉がぴったりの好盤。
80年代後半にデビュー、数少ないロカビリー・バンドとして将来を期待されながらも、メンバーの死で活動を停止したヒルビリーのベスト。デビューから3年の間にリリースしたシングルを中心とした選曲になっており、今もなお輝きを失っていない。
大島渚監督、デビッド・ボウイ、ビートたけし共演の『戦場のメリー・クリスマス』はカンヌ映画祭にも出品され惜しくもグランプリはのがしたものの大変な評判を呼んだ。殊にボウイと坂本龍一のラストのキス・シーンは話題になったものだ。1枚はオリジナル・サントラ、そしてもう1枚は全曲ピアノ・ヴァージョンとして新たに録音し新曲「JAPAN」「CODA」を追加収録。メイン・テーマ「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」は日本の伝統音楽と東南アジアの民族音楽を融合した感がする。
3ピースR&Rバンドという編成ならではの単純明快に乗れる骨太さと、バンド名からも彷彿できるような揺らめく浮遊感、その両方を併せ持ったスタイルがいい。メーターの振り切り方も大胆。余計なもんを何ひとつ入れないとこも技と熟練を感じさせる。
ほとんどリミックス・アルバムの趣だった前作の収録曲を、ライヴで演奏したもの。だがここでも、音全体をコンプレッサーで押し潰したような過激な加工を施していて、きわめてダーティでノイジィな音に仕上げている。この時点での彼ららしいアヴァンギャルドな作品だ。★
スウェーデン産メロディック&ブルータルなメタル・バンドのサード。彼らの最大の武器は何といっても流麗なツイン・リードだが、今作ではその劇的さがこれまで以上に激烈な楽曲へとうまく組み込まれたとの印象だ。何と(9)はヨーロッパのカヴァー。★
聴いた直後、頭が明後日の方向へいってしまっている自分に気づいた。キョ〜レツ。うしろめたさや惨めさや人のドロドロした部分をえぐる大槻の詞は相変わらず不気味に気持ちいい。非常に才能のある人です。スラッシュあり、マーチありと曲もバラエティー豊か。
プロデューサーとしても有名な小林武史が中心メンバーの“マイラバ”。これはシングル曲を集めたベスト盤。全曲完成度が高いのはもちろんだけど、魅力はやっぱりヴォーカルのAkkoに。透明感あふれる歌声だ。
初期代表曲をリカットした「アルエ」に続くシングルは、切なくも激しいメッセージが込められたファン待望の新曲。疾走感たっぷりのギター・サウンドとタイトなリズム隊との絡み合いが絶妙だ。
“走り屋系コミック”の代名詞となったアニメ『頭文字D』のサントラ盤。音楽はメガ・エナジー・マン、デイヴ・ロジャースなどの高速ビートのユーロビートで、公道走りまくりというテーマで連動しているレース・ゲームともイメージがピッタリ合う。