ピカソ83歳の誕生日に、親友の写真家によって捧げられた、対話と写真による記録。30年に及ぶ日々の創造の歓び、彼をめぐる芸術家たちの肖像。
オー・ヘンリーほど庶民の哀歓を多彩に描いた作家は少ない。大都会でけんめいに生きる貧しい人々、なぜか憎めない悪漢や詐欺師など、彼の人生の中に見出したさまざまな人生模様を卓抜な手法でくりひろげる。「アメリカのモーパッサン」とまでいわれる彼の三百篇余の短篇の中から、「二十年後」「献立表の春」等、広く愛読されてきた定評ある作品を選んで収録。12篇。
コンピュータの究極の目的“人間頭脳”。その行手に立ちふさがる一大困難“パターン認識”。長い間続いていた足踏み状態を克服する手掛かりが見えてきた。本書は、これからコンピュータ技術者をめざす方々のために、パターン認識克服のために必要とする基礎知識を意欲的に記述した。
本書は、よく知られた昔話の中に現代人が忘れ去ってしまった古代医術の驚くべき知識や効能が秘められていることを解明して、かつて自然を畏れ、敬い、利用してきた祖先の心情や民俗を描き出すユニークな昔話論である。
本書は、現在では数少ない砂子師の一人である著者が、優雅な料紙(かな料紙)や色紙、短冊などの作り方を中心に、箔装飾の実際を写真でわかりやすく解説したものです。
何に驚き、何に喜び、何に悲しみ、何に懼れ、何を善として自己を生きればよいのか。不断に変化生成する社会のなかで、溢れる情報を正しく受け取り、進取と保守の間に自己を位置づけ、人間の名にかけて自己を、他者を、世界を主体的に生きるための哲学的考察。
いたずらが大好きで、手がつけられないわんぱく、そのくせ、センチでお人よしー。そんな少年トムがミシシッピ川沿岸の小さな町を舞台に宿なし少年ハックたちとともに引きおこす海賊ごっこや、本物の宝さがしなど、大冒険をつぎつぎに…。アメリカ文学の最高傑作。
その昔、文楽が『明烏』を高座にかけると、売店の甘納豆がよく売れた。噺のなかで甘納豆を食べる迫真の芸に、ついお客がつりこまれてーという話がある。八代目桂文楽は演題のすべてが「十八番」だった。どれも、言葉のはしばしまで一字一句ゆるがせにできぬほど磨きぬかれ、完成された一席。それを、完璧な落語芸で演じてみせた。古典落語が行きついた一つの到達点というべき、文楽落語十八番集の一冊。
死と非愛の彼岸であるシュイサイドの夢の部屋ごもりから、漱石へ、南島へ、鮎川信夫へと震える触手を生の此岸へ架け渡す。時代の鬱屈した結節点を大正期や幕末に生きた群像へ照らして、再生の姿を変奏した短篇小説集。
話し始めるや、手が怒りでブルブル震えた人。深夜、数時間にわたって体験を語ってくれた人…この本には、あなたのまわりにいる人のソックリさんが多数出演している。あなた自身も必ずどこかに登場しているはずだ。でも、負けてはダメ。たったひと言、勇気を出して「NO」と言つただけで、克服した人もいる。イジメの全手口と、対策・反撃・逆襲の方法を教えます。
石原裕次郎、鶴田浩二、三田佳子、美空ひばり、吉永小百合ら戦後芸能史を飾ったスターたちの知られざる素顔。
子ども義太夫語りの豊竹豆仮名太夫として、寄席に出演したのが6歳のとき。ついで落語家に転じ、三遊亭円童を名のって初高座をふんだのが9歳。文字通り“寄席育ち”の六代目円生は、寄席の世界の雰囲気を色濃く身につけていた。その魅力、情緻をきわめた語り口が、ファンにはいまなお忘れがたい正札付きの出囃しとともに鮮やかによみがえる、円生落語の独演集。