あなたの悪夢をごちそうに。不思議な料理人・平峰花は、誰もが抱える「心の傷」をおいしい食事にかえて癒やしてくれるー。絵に描いたような“理想の家庭”の悪夢に苛まれる女性や、夢の中で七色の石を集め続ける少年。それぞれの悪夢を呼びおこす、未練、後悔、過去の記憶とは…?夢を行き交うシェフが紡ぐ、チョコレートのようにほろ苦くも甘い、心が救われる連作短編集。
明治時代の北海道・函館。戦争で負傷した兎月は目覚めると神社の境内にいた。自分のことも思い出せない彼の前に神様と名乗る少年が現れ、死んだことを聞かされる。兎月は修行として神社の用心棒となり参拝客の願いを叶えることに。願いを叶えることで少しずつ生前の記憶を取り戻していき、自分自身の正体を思い出したとき彼はー?小さな神社の神様と元サムライの用心棒が怪異事件を解決していく和風ファンタジー!
ルベイラ国王ジークハルトの元に嫁いで半年、その間手を出されず事実上“お飾り王妃”となってしまったロイスリーネ。それもそのはず、ジークにはとある呪いがかけられ、夜を共に過ごすことができないのだ!そうとは知らず、毎晩寝床に遊びに来るうさぎを溺愛することで開き直ったリーネは、ひょんな偶然から下町の食堂で給仕係をやることになり!?
札幌市の繁華街、高いビルに囲まれた一角に、レトロな石蔵がぽつんと建っている。そして、その重い扉にはこんな文字が掲げられているのだー『パフェバー・紅うさぎ』。そう、この石蔵は知る人ぞ知る、夜にひらくオトナのためのパフェ専門店なのだった。大学生の平牧紅葉は、店のオーナーである兄の岳人に会うために「紅うさぎ」を訪れた。しかし肝心の兄は不在。折り返しの連絡を待つ間、紅葉は店長の池口からパフェの試食を勧められるが…。口の中で溶ける極上の甘みは、傷ついた心まで癒やしてくれる。優しくてホロリとくる北海道“夜パフェ”物語!
うさぎとの暮らしを幸せにするヒントがいっぱい。うさぎ様から飼い主へ愛あるダメだし100本!
「料理好きの男子大学生」。最近、私が夢中になっているお料理動画アカウントだ。疲労と憂鬱を溜め込んだ重たい体で帰宅して、スマホで彼の動画を見るのが唯一の癒し。ああ、今日もなんて美味しそう!-寄生ぶりっ子マウント女、純情女子大生から金も身体も巻き上げるクズ男、同担拒否SNS粘着女。嫌なことは全部この包丁で刻んで焼いて煮込んで、ハンバーグにしてやりたい…。読めばスカッと、暗黒童話的メシウマ小説!
劇団の看板女優・清水伶奈がストーキングされているという。脚本家の亀井明月は、ハチヤというストーカー男を追い払ってほしいと頼まれた。が、すぐにその必要はなくなった。この男が死体となって見つかったのだ。(「表題作」)臨床犯罪学者・火村英生が鉄道トリックを華麗に暴く表題作をはじめ、本格ミステリ全四編を収録した傑作作品集!
皆が振り返る清楚系美人の沙都美。その中身はなんと口を開けばゲートボールのことしか話さないスポ根少女だったー。妙なきっかけから助っ人を引き受けた僕は、競技の魅力と、彼女のひたむきな思いに惹き込まれていく。でも、僕はまだ知らなかった、彼女の情熱の理由も、その胸に抱えた秘密も。ゴールへ向かう一条の光の軌跡に、青春のきらめきのすべてをかける高校生の熱い物語。
うさぎ工場に、年とった灰色うさぎがいました。工場暮らしがあまりに長すぎて、この灰色うさぎは、外の世界で花が咲いたり、雨や雪が降ったりすることを、すっかり忘れていました。ある日のこと、外から小さな茶色いうさぎが工場に送りこまれてきました。怖くてふるえている茶色うさぎをみて、灰色うさぎは勇気をふりおこし、外につれだしてあげます。外は甘いかおりにみちた夏の夜…けれども野に出てはみたものの、灰色うさぎは、ほし草のにおいをかいでは、「へんなにおいだ」といったり、小川の流れをベルトコンベアとかんちがいしたり、しまいには犬に追いかけられたり…あまり怖い目にあうので、灰色うさぎは何不自由ないうさぎ工場でのくらしが、なつかしくてたまらなくなりました。…野の自然や動物を愛し、自然破壊に対して警鐘を鳴らしつづけてきたミュラーとシュタイナーのコンビが、うさぎを主人公に見ごたえのある絵本に仕あげました。6歳から。
そのおみせのげんかんのドアには、こんなことをかいたふだがかかっていました。-なぞなぞ屋。なぞなぞうります、かいます。