フラの歴史は王権の歴史だった。
東日本大震災から10年へ、被災者のこころの復興に向けて。被災地復興から地域再生へ。震災前のライフヒストリーと、震災後の想いについて、被災者の語りに焦点を当て復興に向かう人々の姿を記録。
越境の変容から見えてきた移住者/移民研究の新しいステージ。
本書は、獄前は青年期からほぼ年代順に、「獄中ノート」からはいくつかの大きな主題ごとに、グリムシの基本的論稿が一巻本としてまとめられ、主題ごとに論じられがちだったグラムシ思想をトータルにとらえるうえで役立つ。しかも論稿には、わが国で初めて紹介されるものも少なくない。とりわけ広い意味での文化領域における論稿が数多く含まれていることは、今後のグラムシ研究に新しい光を投げかけるであろう。
「行為の哲学」と題する第二巻は、ヘーゲル左派思想家群のうち主としてヘーゲル歴史哲学の分野で批判運動を開始した人々の文書を集めたものである。
良知の研究は、思想史研究と歴史研究を不可分のものとし、たえずその架橋をはかり、その橋をみずから往き来し続けながら橋自体の作り直しを図っていた。本書では、こうした研究の歩みを再構成する資料として、没後、その蔵書の散逸を防ぐため、テーマごとに蔵書の受け入れに応じた一橋大学附属図書館(一八四八年革命関連)と慶應義塾図書館(マルクス主義関連)の所蔵目録を収録した。
戦後の瀬戸内「海の道」の再編にしたがって、マニラ移民送出の離島が変容してゆく過程を、階層分解に焦点をあて、解き明かす。近現代の「海の労働」の変化と、集落間のタイムラグ。島に起きた「産業の時間」と「むらの時間」のコンフリクトを通して、昭和期の「海」と「島」を舞台に、重層的な時間構造、空間構造のなかで生きる人々を浮き彫りにする。
近代天皇制国家はどのようなイデオロギーの醸成によって成立したのか。新井白石の思想を「正名」論に着目し捉え直すとともに、近世後期の名分論・尊王(皇)論が白石の正名思想を反定立させることによって昂揚していった流れを立体的・構造的に解明する。
1990年代以降の台湾において、民主化、中央・地方政府の政策、地域社会の変容の中で社会運動はどのように形成され、またその社会運動がどのように政策や地域社会を変えていくのかを、日本の地域社会学の知見を導入しながら解明する。
「中華民族」という概念を最初に提唱した梁啓超・章炳麟と孫文のナショナリズム受容及びネーション像模索の軌跡を辿り、なぜ彼らは異なったネーション像を描き、その後しだいに接近していったのか、外部要因や歴史の記憶・伝統文化はどのような影響を与えたのかを考察する。