本書は、高齢者のターミナルケア、特に在宅のターミナルケアを課題とし、実際に終末期の訪問診療にあたっている医師、ターミナルケアを扱って来た訪問看護ステーションの看護職や、相談事業を行って来た方など、優れた実践をされている人の報告を紹介するとともに、全体的な背景や考え方、実態と課題をまとめたものである。できれば、在宅で終末期を、穏やかに、いわば凝縮された尊い時間を有意味に過ごしうるような、質の高い終末期にある高齢者の支援を、全国的な社会システムとして、実現、運営出来るような条件を明らかにするものである。
本論文集には、七編が収録されている。テキスト『明六雑誌』の研究そのものではない。むしろ、もう少し広く近代日本における西洋文化の受容について、思想と言語を柱として考察した。
ポスト9・11の現代に鮮烈に甦る後期サルトル。-アーレント、ファノン、バタイユ、レヴィナス、レイン、サイード、ニーチェ、ブーバー、ハイデッガー、…彼らと、サルトルとの息詰まる対決と対話。
現代の法・政治思想では各人のアイデンティティの在り方を含めた「自己決定権」の重要性が声高に主張されているが、「“私”自身は一体何を求めているのか、何者になりたいか」を完全に分かっている人間はいない。文化的・技術的な複雑さがますます増大していく現代社会において、自らの置かれている状況を把握したうえで「自己」決定するという当たり前のことが困難になっている。ポストモダン系フェミニズム法哲学の旗手コーネルが、「中絶」「ポルノグラフィ」「セクシュアル・ハラスメント」の三大テーマに焦点を当てながら、「イマジナリーな領域への権利」保護という視点から、ポスト・リベラルな正義論の可能性を模索する。
現代アメリカ社会における「異国」=先住民の土地に、「放射性廃棄物処分場」が?先住民への表象差別の問題も提起しつつ、「聖地・環境保護」「経済開発」でゆれる先住民族の抵抗の論理とその歴史を探る。
本書は『マルクス経済学の活き方』、『もう一つの経済学』に続く「批判と好奇心」の第三弾。経済学の諸古典、ペティからマルクスに至る経済学の流れの検討を諸古典が達成した成果となお残る限界を資料操作の面から的確に捉える。
戦後、進駐軍まわりのクラブ歌手としてキャリアをスタートし、歌謡界で一時代を築いた“魅惑の低音”フランク永井。デビュー曲の「恋人よ我に帰れ」をはじめ計50曲を収録したこのベスト盤を聴けば、ジャズを根っこに持った華のあるポップス・シンガーだったことがわかる。
ロックの植民地支配に関する議論を考察し、その議論が彼の自由主義政治思想とどう関係しているのかを究明する。万人の自由と平等を主張する自由主義が、どうして異国の土地を獲得して植民地とし、現地の民衆を武力で征服し、政治的に支配する政策と結びつくのだろうか。
天正15年(1587)10月1日、豊臣秀吉は京都北野で大茶会を開いた。庶民も参加しての野外イベントは、なぜ、どのように行われたか?初公開の北野天満宮本「北野大茶湯之記」ほか資料総覧。
企業社会とその労働現場に生じている構造転換について、精密機械産業と電子機器産業を事例に分析した産業と労働の社会学。
「一党独裁」の強固な政治体制を前にして、草の根NGOは政府とどのような関係を結び、どのように公益活動を展開しているのか。中国都市社会に芽生えつつある「市民社会」の可能性を探る。
本書では、Illustratorで出力・印刷し後加工するために必要な知識や技術について、できるだけわかりやすく構成しました。読んでわかるというより、目で見て理解できるようにしてあります。