社会と芸術の根底的な変革をめざして、20世紀的課題の核心に最もラディカルに挑戦したブレヒト。現代芸術における決定的存在であるブレヒトの創造と思考のすべてを、未来を切り拓く眼で問い続けて来た、世界的水準をはるかに超える野村修の全作業を集大成した記念碑的論集。
この書物は一つのパースペクティブとして、あるいは一つの透視図を描く試みとして、書かれた。したがって米国農業・農業政策の個々の分析はおこなわず、むしろ周辺的な政治体制、世界経済、財政・予算割制度等との総体的な相互連関をできるうるかぎり広角的に画面に収めようとしている。
モンドラゴンは従業員2万人におよびスペインの協同組合複合体です。本書は技術教育に端を発して以後40年以上の歴史を持ち、分権化・分散化を通じて有機的に発展し、最先端のエレクトロニクスの分野にまで進出するまでに至ったモンドラゴンの活動の全貌を紹介しております。労働者自主管理を内在した創造的で豊富な実践が具体的に紹介・分析されております。
本書の基本的な目的は4つある。カナダの政治を解釈するさまざまな方法を紹介するのがひとつ。第2にカナダの政府に対する関心を喚起する。第3にカナダの政治に関する新しい見方や研究方法を提示することによって、カナダの政治に対する読者の理解を深める。第4にひとつだけの研究アプローチではカナダの政治について十分かつバランスのとれた理解は得られないことを示す。
現代韓国社会の実証分析『韓国社会の転換』(1988年)に次ぐ社会分析と韓国での論争史に対する論評。地域単位の就業者動向や資本主義論争の個別論文を稠密に追求する著者独自の研究方法は、今日の世界史的激動の事実へ有効な架橋と視点を提供している。
なぜコメ自由化開放に反対するのか。『大潟村ヤミ米騒動・全記録』につづくコメ自由化反対の農政活動日記。農民として農業の意味を教える。
この本は、80年代始めから民族問題を時代状況のなかで捉えるという問題意識でいわば状況との接点で書いてきた論文を集めたものである。第1部は状況論を中心としたものであるが、その場合、最も自覚的に問題に対処しながらも挫折した社会主義との関連で論じている。第2部は、コロンブスの新大陸到達以来、先進諸国によって直接・間接に滅ぼされた先住諸民族の運命にかかわる問題や、最近のエスニシティ論についての問題を、主に教育の側面から検討したかなり客観性の強い「調査報告」を集めている。
本書は、農業の近代化の過程を理解する上で、従来の農地制度、地代関係および地主・小作の階層的対立等のいわゆる制度的=生産関係的視点からだけではなく、農業生産力を推進する技術的=生産力視点から「農法」なる理念を着想し、その理論的・実証的な内容を概括的に取纒めたものである。
サルトル思想の全体性を問う!甦える相互性のユマニスムの呼びかけ。暴力の地獄的循環のうちに溺れこみつつある現代、「受難した子供」・「暴力」・「想像的人間」という三つのキーワードをとおしてサルトルをわれわれの今とここに復権させる渾身の試み。