本書は、フォイエルバッハ哲学の今日的意義をもとめて、新たな読みなおしをしようという試みである。
日常生活世界論、多元的現実論に代表されるシュッツの理論は社会学が自明視している生活世界の構成原理を明らかにし、社会学の理論形成の出発点をなしている。本書はそのシュッツが自らの経験的関心から、文学、音楽、神話、実際の社会問題に素材を求め、社会的現実を理論的に解釈した労作である。
モラント・ベイ叛乱の真相を追求。告訴運動を繰り返したねばり強い下院議員・ミルの言論と活動の姿を訴追運動の原史料を洗い直して活写した意欲作。
本書は宗教・信仰・哲学・現代医療などの側面から、変容する死生観と生命観を照射する。
『価値論・方法論の諸問題』に続く原理論問題の第2部。『競争と商業資本』と『経済原論講義』で展開した、商業資本を組織者とする商品市場機構論に提起された諸問題への回答と検討。
今や、民主政は世界の各地で支配的統治形態となるに至った。人口・経済・環境・社会の諸問題は国民的政府だけでは対処し得ないものとなっている。これまでの歩みを踏まえて、民主政の深化を期し、もっと地球的規模の政治制度をつくり上げる必要がある。本書は、国民国家を超えるレベルで民主政の諸形態を考察。
イギリスは世界で最初に産業革命を行なった国である。従って、それにより大量の労働者が出現した。世界で最初の労働者の政治運動と言われるチャーティスト運動はこの産業革命の後半、特に末期近くに発生した。チャーティズムに関する文献の中にはチャーティストがその後自由主義勢力に接近して行ったと述べているものもある。とすれば何故そのようなことが起きたのかを検討する中で自由労働主義を理解することができるのではないかと考えたことが本書の出発点となったいる。チャーティスト運動の中で主張された様々の発言をイデオロギーとして取り出し、それらが自由労働主義下の労働者のイデオロギーとどのように関連するのかを検討した。双方のイデオロギーを比較すると相当類似している点があることがわかった。
われわれの知り得たユーゴ紛争の情報は正しいか。長い間、ユーゴスラヴィアの自主管理社会主義とポーランドの集権制社会主義を比較研究してきた著者は空爆下の現地を訪れた。最新論文「ユーゴスラヴィア空爆とミロシェビィチの事実-NATOは何を狙っているのか」を収録した本書で、実らなかった和平交渉、紛争の長期化、空爆の劇に至るまでの著しく欧米メディアに偏った情報を糺す。
新世紀を迎えつつある今、かれこれ四分の三世紀も前の反戦文学運動を取り上げる今日的意味は何か。
「都市」という環境を生かし、子どもの興味・関心から始まる学習のさまざま。都市にある学校だからこそできる「総合的な学習」の姿を紹介する。
『資本論』によるマルクス学派の特質が、新古典派経済学、不均衡累積的動学理論、現代オーストリー学派、新リカード学派、貨幣数量説の現代的諸類型、シュンペーター、ケインズとポストケインズ学派などの広範な現代的非マルクス学派との緊張関係のなかで再考されている。前著『現代資本主義のダイナミズム』の姉妹編。
「現在」の現状分析を試みる以上は、市場や産業の動きや経済政策の移り変わりだけを追いかけるのでは、複雑な世の中をきわめて局所的にしか観察していないということになる。そこで、社会的・文化的なコンテクスト(文脈)というものを視野に入れた「現在」へのアプローチが必要になってくる。