中世ヨーロッパを遍歴し、近代民衆文学を生み出した吟遊詩人たち。現代ヨーロッパでは消え去ったその伝統が、今なお息づくブラジル。小冊子リテラトゥーラ・デ・コルデルを通してブラジル民衆文化の深層にせまる。
巨大コンピュータで宇宙をシミュレートしたとき、ビッグ・バンから始まって、星雲が生じ惑星ができ、ついには人間(ソフト人類)までが登場するだろう。そのソフト人間から世界がどう見えるかを考察するのが「ソフト宇宙論」である。ソフト宇宙とはわれわれの宇宙そのものではないのだろうか?そのとき“コンピュータの外の世界”とはいったい何なのか?コンピュータの内と外とのコミュニケーションとは?彼そのものが情報的実体であり、情報はコピー可能なので、彼そのものもコピー可能となるが、人間を記録し再生するとは、いったい何を意味するのか?結論には真に驚くべきものがある。物理学の宇宙像をまるごとソフトウェアですくいとったとき、情報科学的な宇宙像が生まれる。そこには科学主義をはるかに超えた、新しい世界観の展望がひらける。本書は物理学と情報科学のひとつの統合を果たしている。
太平洋戦争、中国人強制連行、一斎蜂起、大量虐殺…。秋田県の小さな寒村で起きた歴史的な事件の大きな意味を新たに発見された資料と証言で現代史に位置づける鎭魂のルポルタージュ。
「ひどい!三年間もいっしょだったのに、べつべつにするなんて!」新学期そうそう、パッティも仲良しのプリシラとコニーも、もうかんかん。さっそく作戦を練った三人は、ゆかいなさわぎの末、また一緒の部屋、パラダイス横町にもどることができた-。全寮制の学園を舞台に、あったかいハートと正義感をもつ、行動的な少女パッティと、個性ゆたかな友人たちがくりひろげるドラマの数かず。「あしながおじさん」の作者ジーン・ウェブスターの、ユーモア学園物語。少学校高学年〜中学生向。
なぜ原子力発電を選ぶのか。日本は40基もの新規建設、アメリカは「安全」な新型炉の出現を予告している。100年間にも及ぶ電力産業の支配をめぐる抗争を検証し、原発の拡大戦略の本質を問う。
本書は、農村における擬制的親子関係の法社会学的調査・研究のいくつかをとりまとめたものである。
東京の街にジャズが息づいていた。思い出に残るあの店、あのレコード渇いたようにジャズを求めたあの頃が、今よみがえる。
金賛汀渾身の最新ルポルタージュ。
1969年以降、ささやかながらも壮絶なサヴァイヴァル戦を展開してきた缶コーヒー産業。その栄枯盛衰を20年に及んで採集された空き缶を眺めつつ検証する。自動販売機で埋めつくされた現代日本の日常を軽やかに走り抜ける視線。世界はまだまだおもしろい。
はじめての恋。雨あがりのなつかしい町。少し大人に近づいた夏の夜。夕暮れの湖で伝えた、ほんとうの気持ち…。たちどまり、ゆらぎながらも、おだやかに時を重ねていく登場人物たち。イギリスの田園を舞台に繰りひろげられる六つの透き通った風景。人と人とが紡ぐ、ただひとつの、たしかな物語。ロザムンドさんからの二冊目の贈り物。