くさや、納豆、鮒鮓、たくあん、熟鮓、チーズect…世界中の妙なニオイ、怪しげなカオリの食品ばかり集めた“酒・発酵博士”の不思議な話-。誰もが鼻をつまむくさやのニオイの起こりは?大納豆文化圏とは?ニオイにも単位がある?エスキモーの奇食、キビャックの作り方は?など鼻も鼓を打つ、クサくてウマい話が満載!
足利政権の末期、京に一人の若者が現われた。若者の名は、塚原新右衛門高幹。常陸の国鹿島に伝わる剣技をたずさえて、兵法修業の旅に出た、後の剣聖・塚原卜伝の若き日の姿であった。十有余年後、鹿島に戻った新右衛門は、一朝、鹿島神宮の神木の前で、ついに秘伝“一の太刀”を完成する。新当流の一流をたてた彼は、やがて新たな修業の旅へ出た。剣に命を賭けた男を描く傑作時代長篇。
夫淳一は泥棒、妻の真弓は名刑事。この異色カップルに一報が入った。TVの人気俳優内沢洋介が、ドラマの役づくりに借りたプレハブの耐久実験室で殺されたのだ。けれど内沢の葬儀をTVで観た淳一は、未亡人の圭子が、かつてシゴト中に知り合った富豪松永が探していた行方不明の孫娘であることに気がついて…(「暑さ寒さもひがんでる」)。ほか絶妙の珍コンビが活躍する好評シリーズ4篇を収録。
思い出、雀こ、狂言の神、虚構の春など20篇、すべて初出誌・紙を底本とした初めての全集。作品の配列は作者の執筆脱稿年月日順。全巻に詳細な作品生成過程を述べた解題と綿密な校異を収載。
スペイン南部アンダルシアの古都グラナダにそびえる“赤い城”-アルハンブラ。タイルや大理石が造るアラベスク模様と、鐘乳石飾りのドームが、ふんだんに水を湛える池や噴水を配した静謐なパティオの周囲に建ちならぶイスラム建築の精華だ。十五世紀末、イベリア半島におけるイスラム勢力最後の砦として歴史の興亡の舞台となったアルハンブラを、カメラとペンで抒情豊かに描いた傑作ノンフィクション。
絵で見て、楽しく覚えるおもしろい字典。新しく改定された教育漢字全1006字を4色刷で、わかりやすく解説。小学校1年から6年生まで。
幼稚園や小学校低学年の子どもたちは、まわりに目をむけ、いろいろなことに関心をもつ時期です。そしてこの時期に、多くのものごとをおぼえていきます。なぞなぞは、こうした子どもたちの知識欲をみたすために、最適のゲームといえるでしょう。
江戸時代、長崎の町に、孫二郎と名乗る奇妙な若者が現われた。「俺は人の住める豊かな無人島に、上も下もない自由な国を造る」という夢を胸に、こともあろうに長崎代官の片腕、島谷市左衛門の下に弟子入り。キリシタン禁令、大型船建造の取締りなど、厳しいしめつけの中で、彼の夢は八丈島の南二百里の無人島へ、果てはインド洋マダガスカル島へと広がる。時代に逆らい、ユートピア建設を夢みた若き海の男の冒険ロマン。
オバタリアン、定年離婚、「いちご」族、しょうゆ顔とソース顔…思わずうなる珍語・新語・流行語をウォッチング、さらに〈「自粛」したことば〉〈年号をめぐって〉〈ワープロの誤変換〉など、88年のことばの姿をさまざまな角度から紹介。ことばが捉えた昭和の終幕。
21世紀後半、世界は相変らず血と硝煙に満ちていた。キューバ、ニカラグアはレッド・アメリカと呼ばれていたが、怖るべき殺戳事件が起った。反政府ゲリラ、政府軍、米空挺部隊、米陸軍特殊部隊と敵味方の区別なく惨殺された死体の山には腕や脚は勿論、首のないものもあった…。イランの首都テヘランで、一匹狼の殺し屋シド・アキヤマに接触した男がいた。日本の内閣官房情報室の黒崎と名乗る男は、シド・アキヤマに四人のテロリストの殺害を依頼した。彼らは特別な肉体を獲得したサイボーグだという。闘いは始まった。
新年早々、京都二年坂で、首と手首のない男の死体が発見された。京都府警の橋口と検視官・江夏冬子は、死体の足の爪に付着していた嵯峨菊をヒントに、大覚寺の庭から切断された小指をみつける。一方、府警には、行方不明になっている夫、兄、父ではないかと、三人の女性からの問い合せが相ついだ。結局、指紋から大和田ユリの父親と確認されたが、事件は意外な展開をみせ始める…。本格長篇ミステリー。
魔力をむさぼりつくし、呪文を無力にしてしまう《暗黒の剣》-魔法がすべてを統べる世界シムハランにおいて、この剣を持つ者は絶大な力を持つことになる。暗き野望に燃えた主人公ジョーラムは、ついにこの《暗告の剣》を鍛え上げることに成功した。《車輪の一族》の里から、そして大僧正ヴァンヤの手から逃れたジョーラムたちは、魔法の都メリロンへと向かう。背教の触媒師サリオン、親友のモシア、得体の知れないシムキンを連れてのこの旅は、宿命ともいうべき人物との出会いをもたらすのだった。運命の輪はゆっくりと、しかし誰にも止められない回転を続けるー。M・ワイス&T・ヒックマンのゴールデン・コンビが放つ、長編ファンタジー・シリーズ第三弾。
大正8年貴族院書記官長を辞任し、翌9年朝日新聞社の客員となった柳田国男は、東北地方をはじめ日本全国各地を旺盛に旅し、農山村や漁村の人々の生活・信仰や風俗・風習に触れたが、これらの旅における発見と認識が彼の学問の基礎となった。本巻には、著者の民俗学的関心と詩人としての感受性が一体化した紀行文学の傑作として評価の高い作品『雪国の春』『秋風帖』『豆の葉と太陽』のほか、街道や峠道と人間との関わりを説いた『東国古道記』および単行本未収録作品「旅中小景」「丹波市記」などを収録。
カルメン、フラメンコ、流浪の民…。ロマンチックな響きをもって語られる民族ジプシー。その起源から、文化、風俗、現在の日常生活まで、いわれなき差別と迫害をのりこえて、たくましく生きるジプシーの世界のすべて。中学生から。