幽閉された九度山をのがれ、家康に一矢を報いようとする真田幸村、四角兵衛、覚鈴主従は、峨々たる山脈の連なる熊野の修験道の奥深くに分け入った。その主従を風の如く襲う追手の前に立ちはだかる自然児猿飛佐助の忍びの数々を描く、『元禄御畳奉行の日記』の著者会心の奇想天外な長篇伝奇ロマン。
この世で起きるすべては真実のトリックだ!諜報・逆宣伝・エロチシズム・洗脳・殺人-アメリカ100年史の戦慄すべき新解読法!過去の歴史についての解釈は、すべて〓ではないか?ジャーナリスト必読の書。
書物の頁を繰ると、そこから不思議な幻想世界への旅がはじまっていた。戦中から焼跡へ、さらに未来へと、失われた都市の相貌を求めて、通り過ぎた奇人、変人、そして凡人たちの顔を探して、書物めぐりの旅は続く。名著、奇書、珍本…博覧強記の筆者による異色の読書案内。
薔薇の眠りに、月は黒く輝く。世紀末、懐しき人は去り、光より速く、闇は走る。掌にのせて贈る澄明なエッセイのいろいろ。
「ラリス、僕を抱いてくれ」男として育てられた女戦士・フィレーナをゆり動かすひとつの出会い。それは…。本格ヒロイニック・アドベンチャー第2弾!
不慮の事故で矢吹剣という肉体をすてた若き戦士ケンは、不毛の星間戦争に終止符を打つ使命を帯び、惑星ゾアのイスパン国の領主オズマ家の世継ぎとして〈輪廻転生〉した。赤い砂漠の惑星アルケアをめぐる凄惨な死闘のさなかに父ドミトルを失い新領主となったケンは、人類発祥の〈聖地〉アルケアに向けて出陣するが、その前途には新たな試練が立ちはだかっていた…。壮大な構想で描くスペース・ロマン。
時代はフォトジェニック!いきいき幕末・明治・大正、そして昭和 朝日新聞に好評掲載中の「古い写真」が大集合!!
夢迦(ムカ)国王女・真昼(マヒル)は、父王と家族を謀殺した5人の王への復讐を誓い、当代随一の死客・鹿毛里を探して旅立った。ある日、鹿毛里への橋渡しを引き受けた非無呂(ヒムロ)老人が衆人環視の中、真昼の手にかかり死んだ。真昼に老人を殺さねばならないわけがあったのか?その夜、真昼の繋がれた獄舎に鹿毛里が現われた…。鮮かな筆さばきで蜃気楼にも似た世界を描出する、傑作ニンジャ・ファンタジイ。
膨大な額にふくれあがった借金をすべて踏み倒す。この役目を誰にやらせるか、島津重豪は目の前に茶坊主の調所がありながら思案に暮れた。やがて、駄目でもともとと調所を大坂に派遣する。回天の事業は、まさしくこの時に端を発する。地位もなく財力もない身で調所は、5百万両にも及ぶ借金を抱えた薩摩経済をたて直し、非常用資金として百万両を蓄えた。調所なくば薩摩は動けず、薩摩動かずば維新はなし、維新なくば現代ニッポンも。歴史を、とくに幕末・維新を経済の面から捉えるユニークな視点が話題の大型新人、待望の歴史小説第2弾!
さまざまな偶然が重なって、第1次大戦が始まった、そしてその恐るべき規模と波及効果を誰一人予測できなかった。現代世界を作りだした「総力戦」の実態を描く傑作。ピューリッツァー賞受賞。
人類学者カルロス・カスタネダのドン・ファンを主人公とする4冊の著書に描かれた、〈異世界〉の感性と論理を手がかりに、人間ほんらいの生き方の発掘をめざし、人間解放の拠点を探る、コミューン構想のための比較社会学。
スマートに人をだますことは楽しい。上手にだまされることもまた楽しい。-トリック、ミステリ、パズルの世界に精通した著者がくりひろげる、だましのテクニック。つらくせつない憂き世をしばし離れて、虚実の楽園へと読者をいざなう、たぐいまれな楽しみの本。
アメリカ留学中に奇妙な翳りを身につけて帰国した婚約者の日野夏彦を迎えて、千沙子は不安を覚えた。やがて恩師の教授が密室状態で殺され、助教授のポストを手に入れた夏彦に嫌疑がかかった。一旦は容疑は晴れたものの、続いて第2、第3の殺人事件が発生、そこに夏彦が絡んでいる匂いを感じた時、千沙子の不安は怯えへと変わった。未来の夫は殺人者なのか?アリバイ崩しと密室トリックに挑む長篇本格推理。
どどいつ作ってストレス解消!俳句・短歌・川柳はもう古い?!NHKラジオ文芸選評「折りこみどどいつ」選者をつとめる著者が、この道30余年の蓄積を傾注してつづるホンネの歌“26字詩”づくりのすすめ。古今の秀句680余を収録!
ここは宇宙の番外地。究極のソバを食べようと〈ゑゐり庵〉に集まる宇宙人たちが語るオカシクも恐ろしい事件の数々、衝撃か、笑撃か!?最新連作集。
今、人びとの熱い関心をよんでいる、ワンダーシティ・TOKYO。そこでは、震災復興から戦災、高度成長へと時代がめまぐるしく変化していく中で、街と人びとの織りなすさまざまなシーン、さまざまなドラマが演じられていた。昭和の東京について書かれた名エッセイ(短篇小説)を選りすぐり〈天〉〈地〉〈人〉の3冊にまとめるアンソロジー。-本巻〈天の巻〉では、〈大道〉〈見せ物〉〈食べ物〉〈カフェ〉〈色街〉〈博物誌〉〈お化け〉〈夢〉など、東京の都市空間でくりひろげられる劇的なるものを集める。
森羅万象、とりわけ人間に対して人一倍好奇心の強い狐狸庵・遠藤周作氏。昭和26年から54年まで、文学の話から闘病生活、新婚旅行の話、学生時代のこと、ダンスや芝居の話など…折りにふれて書き綴ったエッセイ集。知られざるエピソードがたくさん入って、作家の素顔が見える。