この本は、人間のまったく新しい機能「中心感覚」を解明する本である。といっても、その機能自体は人間というものが“設計”されたときに、すでに組み込まれていたものだ。そして人間は、この機能があったからこそ、今日まで生存を続けてきたのである。しかし、この機能は今まで十分に知られることがなかった。人間はよく知らないままに、この機能を部分的にのみ使ってきたのである。この機能の名を「中心感覚」という。人間は、この中心感覚を具体的に知ることによって、大きな変換をとげることができる。それは、それまで人生の重荷であったものから、いとも簡単に人々を解放してしまう。
「生きて行く力ーいやになってしまった活動写真を、おしまいまで、見ている勇気。」昭和10年発表の「もの思う葦」より死の直前の「如是我聞」にいたる一切のエッセイ、アフォリズムを収録する。
この本は角野栄子さん作「魔女の宅急便」(福音館書店刊)を映画化するにあたり、宮崎駿さんが書いた詩と、スタジオ・ジブリの作画スタッフが描いたイメージボードによって構成したものです。
「善に対して真剣になれず、美しき悪業に対してのみ真剣になれるような、奇態な性癖を己に生みつけたのは誰なのだ」-対象の善悪を問わず美しいものへの惑溺に情熱を燃やし尽くした谷崎。大正期の谷崎文学に注目してきた編者種村氏が、表題作ほか7篇で再構成した珠玉のアンソロジー。いま新しく、谷崎文学の再発見。
明日訪れるかもしれない“死の世界”。あの世で道に迷ったら、どうしよう!-戦火に追われ、恐怖にかられて考えめぐらした暗い時代。それにしても、世界の人々は“あの世”をどんな風に考えているのだろうかー古代バビロニア人の考える“あの世”、インド人の考える“あの世”、インド人の思い描いた“あの世”、アフリカの、チベットの、マレーシアの…。古今東西の“あの世”をイラストでつづる、水木しげる版「霊界めぐり」。地獄のような戦争体験から始まった“あの世”の“渉猟”によって、奇しくも生みおとされた“あの世エンサイクロペディア”。
大人になりきれない日本人。アルコールに溺れ、食べることに逃避し、仕事に没頭して自分を見失っている人たち…。その彼らを何とか救おうと必死になるが、かえって愛によって彼らを縛ってしまう人たち。「愛しすぎる人」と「愛されていなければすまない人」の依存しあう人間関係のメカニズムとその回復。
八方破れの生きざまがみごと芸の肥やしとなった、といわれる五代目古今亭志ん生。その自由奔放な芸は、没後15年を経て、色褪せるどころか、ますます評価がたかまっている。おなじみ一挺入りの出囃子とともに鮮やかによみがえる志ん生落語、『お色直し』ほか絶妙の高座を、きめこまかく再現する。昭和落語の名人シリーズ第1弾。
ライト兄弟の名は、飛行機の発明者として、世界じゅうの人びとに知られています。空を飛ぶことは、大むかしからの人類の夢でした。ライト兄弟も子どものころからの夢を実現させようと、飛行の原理を学び、何度も失敗をかさねて、世界ではじめての動力飛行に成功したのです。
霊媒体質とは霊にとりつかれやすい体質のことをいい、年中病気がちの人、事故にあいやすい人、俗にいうツイていない人などがそれである。では霊媒体質者は、どうしたら病気、死、災難などの不運から逃れられるであろうか?目に見えない霊魂の迷いを究明してあなたを救済し、光明をもたらす衝撃の大霊界第3弾。
ガンの恐怖とたたかいながらも、タンポポのようにたくましく生きた少女の記録。
世界の真ん中にあるという1本の大きな木の根本に住んでいる少女シシは、ある日、空を舞う金色の鳥をみかけます。その鳥が「全てを知るという伝説の鳥」だと信じたシシは、金色の鳥をさがしに、その大きな木に登ることを決意するのです。1匹のカエルを相棒に木に登り始めたシシは、苔の番人スプルや、やはり鳥をさがし求めて木に登る少年サマに出会います。そして、ついに姿を現わした、金色の鳥…。宮崎駿作品の主要スタッフのひとりとして活躍する著者の初めての描き下ろし絵本。透明感あふれる絵と独特の文体でつづった、自然と少女の物語。
日本近代建築史の研究者たちが、ある日街を歩いていて由緒ある西洋館や古い街並を発見した。その娯しみに病みつきとなった人々が「東京建築探偵団」をつくり、都内を徘徊し、古い建物、変った建物を探し、記録する作業をはじめた。本書はこの探偵団の主唱者による東京の建物にまつわる面白い話の発掘記である。楽しく読みすすむうちに、世界に例のない構造をもつ東京という都市空間が鮮やかに見えてくる。稀有な東京論・都市論の本でもある。
「狼と七ひきの子やぎ」「ヘンゼルとグレーテル」「灰かぶり姫」「赤ずきん」「ブレーメンの音楽隊」など32篇を骨太でしかもリズミカルな名訳で贈る。
「いばら姫」「白雪姫」「水のみ百姓」「ヨリンデとヨリンゲル」「きつねと猫」に新訳「すすまみれ悪魔の弟」「若返った小男」「わがままな子供」など6篇を加え35篇をKHM順に収める。
歴史と風土がはぐくんだ美しい日本の町並み。異国情緒溢れる長崎、塗篭の町家が並ぶ内子、山陰の小京都津和野、蔵と白壁の伏見、中山道宿場町妻篭、水辺に豪壮な商家の立つ栃木、格式高い武家屋敷の角館など全国52の特色ある地域を選び、人びとが築いてきた町並みの魅力を伝えます。便利なミニマップつき。
恋多きゼウスと、嫉妬に狂う妻ヘラ、その子ヘーパイトスと美の女神アプロディテ、恋の矢をもつエロス…オリュンポスの神々はいかに戦い、いかに恋したか。しなやかな哲学者による、ギリシア神話入門の決定板。