名作絵本『よあけ』の作者、シュルヴィッツ、待望の最新作!雪が積もりゆく街の風景と雪を愛でる男の子の気持ちをみごとに描いたつめたく温かな雪の日のお話。
本書は昭和49年5月三菱丸の内道場で剣道を修行している真摯(しんし)な会員、ついで三菱神奈川剣道稽古会、福島市剣道教室分校の会員のために毎月1回開いた勉強会の参考のテキストとして作成し使用した資料10年分を集録し、実力に応じて縦割りにし、技術の種目によって横割りに整理統合したものである。
17歳で機を習い、30過ぎて染色をはじめた作家が、長い歳月のうちに、内面に深く潜めた思いの数々を綴る珠玉のエッセイ。“植物から色が抽出され、媒染されるのも、人間がさまざまの事象に出会い、苦しみを受け、自身の色に染めあげられていくのも、根源は一つであり、光の旅ではないだろうか。”色と糸と織と。丹念な手仕事で「わたし」が染めあげられていく。心に響くエッセイと鮮かな写真。
ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。“〓YE SUK@NT MUWOQ”相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手になる、全国の猫のためのマニュアルだった。「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」ひょっとしてうちの猫も?描き下ろしマンガ(大島弓子)も収録。
痛み病む体、苦しむ体、悩む心、落ち込む心、不安と恐れーさまざまな想いにとらわれて揺れ動く人間の心。本書は、限りなき生命の彼方に明るく開かれている救いの世界・隈本確の大霊界の核心にせまるガイドブック。
版を重ねた『プリンシパル滅菌・消毒法の実際』を新たに、最新の情報をもって、現場でなお一層役立つようまとめたのが本書である。院内感染の予防とコントロールから、各種滅菌法の実際、消毒薬の使い方、内視鏡の消毒、手指消毒、バイオロジカルクリーン、実際の現場から出たQ&Aまで。
いま子どもたちのからだは追いつめられている。演出家として演劇創造・療育に長くかかわり共に生きるための「人間関係としての授業」を追求し続けてきた著者による教師論。どのように声を届かせるか、三角座りがいかに拘束するか、また学級崩壊、不登校…いま教師と教育が抱える問題を生の「からだ」と「ことば」から考える待望の書。
取っ手や橋・扉など、見慣れた風景の細部からモデルネの本質を読み解き、貨幣、大都市、女性、モードにいたるまで、現代社会のあらゆる事象に哲学的思索を向けた「エッセーの思想家」ジンメルーその20世紀的思考を生き生きと伝える、新編・新訳のアンソロジー。
金がないならないなりに粋にやろうというのが江戸っ子の心意気。玉子焼きはタクアンでかまぼこは大根、もちろん酒は番茶。近々いいことがあるようだ。「湯飲みのなかに、酒柱が立ってます」。おなじみ「長屋の花見」をはじめ「饅頭こわい」「花見酒」などのんびりと春の気分が漂う25話を収める。
高畑勲監督の長編アニメ映画第一作。人間の生きる素晴らしさを感動的に描いた傑作が絵本で甦る。悪魔に戦いを挑んだ少年ホルスの物語。
「刀が一本」「長剣か短剣か」「じゃんけん」「じゃんけんなんてえものはない。長いか短いか」「いいかげん」(出来心)。軽くすばやいやりとりも江戸の落語の痛快なところ。愛すべき人々やお化けたちが続々登場するこの巻は「一眼国」「二十四孝」「お化け長屋」「あくび指南」など25話を収める。
保護者同士の同居によって、一緒に暮らすことになった高校生の真弓と勇太。家では可愛い末っ子として幼くふるまう真弓も、学校では年相応の少年になる。勇太は、真弓が自分にだけ見せる素顔が気になって仕方がない。同じ部屋で寝起きしていても、決して肌を見せない真弓は、その服の下に、明るい笑顔の陰に何を隠しているのか。見守る勇太は、次第に心を奪われてゆき。
メルロ=ポンティの思想の魅力は、言いえないものを言うために傾ける強靱な思想的な営為にある。彼の思考の根幹にあるのは、客体であるとともに主体であり、見る者であるとともに見られるものであるという「身体」の両義性を考え抜こうとする強い意志である。この「身体」という謎によって開ける共同の生と世界の不思議さ。
人間が生きるということは、身の回りの空間や環境に自分なりの様々な意味を与えることと同値である。自らの直接経験による意味づけによって分節した空間が、すなわち「場所」である。場所は、大量生産と商業主義が深化した現代においては、多様だったはずの意味や環境適合性を欠落させ、お仕着せのものとなり、「偽物の場所」のはびこる「没場所性」に支配される。本書は、ディズニー化、博物館化、未来化などの現代の没場所性の特徴を暴き出し、キルケゴールやカミュやリフトンらの文学や哲学の成果も動員しつつ、場所に対する人間の姿勢と経験のあり方を問う、現象学的地理学の果敢な挑戦である。
ぼくはびょうきで歩けなくなり、ずっとベッドですごしていた。するとある日の夕ぐれ、まどをたたく音がして、小さなふしぎなおじさんが、へやに入ってきた。「きみ、夕あかりの国へいってみたいだろう?」ぼくたちはいっしょに空をとんで…?「子どもの本の女王」リンドグレーンの優しく、不思議な物語に、スウェーデンの人気画家が絵をそえた、うつくしい絵本です。5歳から。
いまや世界中でもてはやされる日本のアニメ。その隆盛のわけは?「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」の高畑勲監督は、平安時代の絵巻物に最大のルーツを求める。アニメーション監督の眼が明かす「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵詞」などの驚くべき“動きの魔術”の実態。