人類にとって宗教的現象とはいったい何か、人類史という壮大なスケールのなかでその展望を企てた本書は、20世紀を代表する宗教学者・エリアーデが最晩年に遺した畢生のライフワークである。この古今未曾有の偉大な業績は、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教といった個々の宗教の理解を助けるばかりでなく、人類が創造した宗教そのものの姿を見事に描きだしている。文庫版第6巻は、中世後期から宗教改革前夜までのヨーロッパの宗教運動、宗教改革前後における宗教・魔術・ヘルメス主義の伝統、チベットの諸宗教を収録し、文庫版第1巻から第6巻までの詳細な索引を付す。
北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。彼を救ったのは、クマを自在に操る不思議な能力を持つ謎の女だった。その女を捜し求める吉本が見たものとは?野性と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作。第十回小説すばる新人賞受賞作。
ぼくは、春にうまれたばかりのヤマメの子、ピンク。山奥の水のきれいな川にすんでいる。ピンクのひれが、ぼくのじまんさ。あぶない目にもあうけれど、ぼくはまいにち、げんきいっぱい!さわやかな水のなかでくりひろげられる魚や鳥や虫たちのドラマをあざやかなタッチで描きだす、自然派アーティスト村上康成のデビュー作。
1986年、M.エリアーデの死によって、大著『世界宗教史』は未完の書として残された。その愛弟子であり学問的後継者であったヨアン・P・クリアーヌは、エリアーデから最終巻の編集を依頼され、師の精神と構想に基づいてまとめる作業を行ったが、中途、彼もまた不慮の死を遂げてしまう。最終刊のドイツ語原本の版元ヘルダー社は、エリアーデ、クリアーヌの意を受け、著名な宗教学者や民族学者の協力を得てそれを完成させた。これにより、既刊分では論じられなかった諸地域がカバーされることとなった。文庫版第7巻は、メソアメリカの諸宗教、中国六朝時代の道教、インドネシア・オセアニア・オーストラリアの宗教を収録。
くろぶたのバーティは、グレアムさんのうちのぶたです。ある夜のこと、たいくつしたバーティは、たのしい計画をたてると、ぶたごやをぬけだしました。ともだちのうさぎたちもさそって、いさんでくりだしたのですが、さんざんな目にあって…?!「たのしい川べ」の作者ケネス・グレアムが、むすこのアラステアのために書いた、楽しくゆかいなものがたり。小学校低・中学年から。
春に生まれたヤマメのピンクのすむ山に冬がやってきた。こごえそうに冷たい川。食べる物がなにもない。あっ!あぶない!イタチにおそわれそうになったピンクを助けた、大イワナのスノーじいさんは…。きびしい自然を生きのびる動物たちの姿と春の到来をドラマチックに描く。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞作。
1986年、M・エリアーデの死によって、大著『世界宗教史』は未完の書として残された。その愛弟子であり学問的後継者であったヨアン・P・クリアーヌは、エリアーデから最終巻の編集を依頼され、師の精神と構想に基づいてまとめる作業を行ったが、中途、彼もまた不慮の死を遂げてしまう。最終刊のドイツ語原本の版元ヘルダー社は、エリアーデ、クリアーヌの意を受け、著名な宗教学者や民族学者の協力を得てそれを完成させた。これにより、既刊分では論じられなかった諸地域がカバーされることとなった。文庫版第8巻は、西・中央アフリカ、南米インディオ、北米オグララ・スー族、日本の神道、啓蒙主義以降のヨーロッパなど各地の宗教。全8巻完結。
20世紀を代表する技術家、バックミンスター・フラーが遺した記念碑的著作の新訳。地球を一つの宇宙船と捉える彼の刺激的な発想は、人類が直面している全地球的問題の解決に示唆をあたえ、またエコロジー・ムーヴメントやインターネット的思考を生むきっかけにもなった。「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」(マーシャル・マクルーハン)といわれているフラーのメッセージは、私たちに発想の大転換を迫り、新たな思考回路の形成を強く促す。
本書を学ぶにあたっては、ほとんど何の知識も要りません。第1章は、計算だけに注目すれば四則演算の延長に過ぎず、練習さえすれば誰でもできるようになります。第2章の線形空間の勉強には少し数学的思考が必要ですが、初めに空間ベクトル(幾何ベクトル)を勉強して具体的なイメージを作っておけば理解しやすくなります。
若きレヴィ=ストロースに哲学の道を放棄させ、ブラジルの奥地へと駆り立てたものは何だったのか?彼の構造主義を中心とする思考は、現代思想にも深い影響を与え、西洋の自文化中心主義への反省と主体の解体をうながす大きな役割を果たした。本書は、レヴィ=ストロースの代表作『親族の基本構造』『野生の思考』『神話論理』をとりあげ、彼が未開社会の親族構造や神話研究から汲みあげた豊かな思考の可能性の核心を読み解く。しばしば誤解されがちな「構造主義」をホントに理解し、ポストコロニアル論にも活かすための新しいレヴィ=ストロース入門。
ちびのミイやニョロニョロをはじめ、初登場のゲスト・キャラクターも大活躍。
ぼくはピンク。おとなになって、海にくだったけれど、子孫を残すために、こいびとのパールをつれて、生まれ故郷の川にもどってきた。けれど、あたりのようすはすっかりかわり、水はよごれ、その上、ダムができて、このままじゃ、上流までたどりつけない…。山奥の清流で生まれたヤマメ、ピンクの運命は…!『ヤマメのピンク三部作』の完結編!ブラチスラバ国際絵本原画展金牌受賞作。
三国志の四大スター(曹操、孫権、劉備、諸葛亮)を始めとして彼らをめぐる勇士傑物、女性たちなど正史「三国志」の主要な登場人物を縦横に語り尽くす。「本読みの達人」による最良の「三国志」案内。
おさんぽしていたジョジョくん、みんなが「ぎゅっ」としているのをみてママがこいしくなりました。「ママー!」どうぶつたちのしあわせそうなかお!おもわず、ぎゅっとしたくなる絵本です。
古いお城のあとに建てられた「みはらし館」にひっこしてきた三人きょうだい。その晩、長女のユッタは、おばけを見ました。白くて、小さくて、とても悲しそうなおばけのフローリアンは、五百年以上もむかしにのろいをかけられ、それからずっとさまよっていたというのです。ユッタたちは、フローリアンと友だちになり、なんとかたすけてあげたいと思うのですが、のろいをとく方法は想像以上にたいへんで…。本好きの姉ユッタ、おてんばな妹のイーミ、ちっちゃな弟ベンノーの三人きょうだいと、おばけのフローリアンがまきおこす、ゆかいでほろりとする物語。
神の敵、あるいは人々を陥れる邪悪な存在、歴史の中に描き出された悪魔の全貌を紹介。