たとえ「上を向いて歩こう」1曲でも日本ポップス史にこの人の名は残っただろうが、61年の生涯に残した作品の裾野はさらに広い。なかでもジャズ・コンボのピアニストとして活動していた時期の録音を中心に収録した[4]、この演奏の明るい洒脱さはすごい。ノリがあって、かつ楽しい。そうした姿勢こそが、70年代初頭までの日本を彩った、数々の名曲を生み出したのだろう。ダーク・ダックスが歌う[1](8)の演奏が、ボサ・ノヴァを名乗っているにもかかわらず実はカリプソというおおらかさにも参りました。★
1970年代の歌謡界を彩った山本リンダのベスト・アルバム。恋に奥手な女の子を描いた初々しいデビュー曲「こまっちゃうナ」、“ウララ〜ウララ〜”のフレーズで一世を風靡したヒット曲「狙いうち」ほかを収録。