1976年ハリウッドのライヴハウス《トルバドール》にて収録。叫ぶー歌うーかき鳴らす。少しもたじろがずに美しい言葉を叫んでいる日本人と観客との間に通い合う熱気が確かに伝わってくる。定番の(4)を含み、「怒れる若者」泉谷しげるが浮き彫りだ。
自分のふがいなさに眠れぬ夜もあれば、患者と喜びを共にする日もある。口は悪いが、患者とホンネでつき合う町医者がその日常を綴りながら、医学知識をわかり易く解説していく-。ユニークな心にひびく医学エッセイ。
子どもはときどき、おとなが考えもしないことを口にします。でもその突拍子もないように思えるつぶやきのなかには、子どもからおとなへの信号が、たくさんつまっているのです。教師として経験豊かな著者が、おもわず笑ってしまう子どもたちのつぶやきを見ながら、子育てについて語ります。
主婦としての暮らしの明け暮れに何となく不満を抱いていた時、ふと出会った絵手紙。父の看護に焦立ちと疲れを覚えた時、心の支えとなってくれた絵手紙。花をテーマに、花ばかりかき続けてきた尾見七重の花追いの記録。
小さな診療所に、病いに悩む人々の生活と人生の明暗が交錯する。医師と患者との暖かい人間的な交流を描きながら、日常の医学知識をわかり易く解説した心優しい医学エッセイ。
「ゆーさんのラーメン、残したりするんじゃなかった…」。ここは船底、オリの中。白黒まだらの腕でつかんだ笹の葉を、後悔の涙がぬらしてる。あわれ、ミキは空腹のパンダの姿に。南の島のマーナ王から、聖マリアに招待状が来た。香港への船旅を楽しめるのは、院長先生が選んだ10人だけ。めだたないミキは、ぬいぐるみを着て忍びこむしかなかったのです。ところが、重大な秘密を“パンダ”は聞いた。船長たちはニセモノ、凶悪な乗っ取り犯なの!
制服がわりのシンプルな黒いドレスに身を包み、カリスは客の指し示す宝石をつけてみせる。一流ホテル内の宝石店に勤め、ほほ笑んで接客する彼女の胸の奥に、悲しい過去が潜むのを知る人はいない。男性とのつきあいも拒否して働く理由はあまりに深刻すぎて、親しい同僚にさえ気軽に話すわけにはいかなかった。今日もカリスは客のために、大きな鏡の前でネックレスをつけた。顔を上げたとたん、全身が凍りつくー鏡の中に見覚えのある男。あの冷ややかな目つきはニック・クリスチャナイズに違いない。客を送り出してから店の前に出てみたが、彼の姿は見えなかった。
絵、文字、そしてエッセイが奏でる不思議なハーモニー。「かたやぶり」な手づくりの世界が私たちの心に自然と生命の暖かさをそっと運んでくれるのです。
はかない草花の木の花、海・山の幸ー四季自然のうつりゆきに自身の来し方をかね、句との出合いをかたり、句の魅力をさぐる。絶妙の句と歳時記への案内書。
「純な魂が降臨したんだよ。魂の存在を誰も信じないこの時代に…」老人はニューヨークで出会った自分そっくりの青年“天使”について語った。ポー風の物語にはじまり、ルイジアナの美しい屋敷に住む一家の崩壊がゴシック的につづられるかと思えば、SF童話風に核シェルターでの一家族の残虐行為が“長靴”によって話されていく…。注目のアメリカの新人マグラアが、超自然物から精神分析までを巧みに使い、ゴシック小説を現代によみがえらせたエレガントで不気味な短篇集。米英でベストセラー。