鬼才リュビモフが弾くアップライトのプレイエル!
ショパンが選び、弾いたであろう1843年製の銘器の響き。
時代を超越した膨大かつ幅広いレパートリー、卓越した解釈と極められたピリオド奏法によって、生ける伝説的フォルテピアニストとして絶大な評価と支持を得ているロシアの鬼才アレクセイ・リュビモフ。NIFCレーベル初登場となる鬼才リュビモフが弾いている楽器は、モダン・ピアノでもなく、ヒストリカルのグランド・ピアノでもなく、なんと1843年にフランスの名工プレイエルによって製作された「シリアル・ナンバー10112」の『アップライト・ピアノ(ピアニーノ)』!
1843年、プレイエルの工場でショパンは自分のアパート用に「シリアル・ナンバー10113」のアップライトを選び、同時にパトロン(であると同時に隣人)だったナタリア・オブレスコフ用に「シリアル・ナンバー10112」のアップライトを選んだのですが、社交で求められた場合には、ショパンはこの「10112」も度々弾いたに違いないとされており、今回リュビモフが弾いている「10112」はショパンと特別に縁の深い楽器の1つなのです!
ちなみにパリの音楽博物館には1839年にオブレスコフ家によって購入され、ショパンが同年から1841年まで弾いたプレイエルのグランド・ピアノ(シリアル・ナンバー7267)が所蔵されており、この事実からもピアノの詩人と同一族との関係の深さを窺い知ることができます。
リュビモフはショパンと非常に関係の深いこの「プレイエルのアップライト」を用いることにより、当時、聴衆のいないパリのスタディ・サロンでショパンとその弟子たちが、この楽器で古典派のレパートリーを演奏した時に聴こえていた響きとその世界の再現、さらにはバッハ、モーツァルト、そしてベートーヴェンの作品を、その魔法(プレイエルのアップライト)を使ってショパンの世界の音楽的イメージに変えてしまうという壮大なテーマに取り組んでいます。
リュビモフとプレイエルのアップライトによる、ショパン以前の大作曲家たちの「ショパン化」。その結果や如何に!? 乞うご期待!(Photo by Wojciech Grzedzinski)(輸入元情報)
【収録情報】
● ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
● ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
● ショパン:前奏曲 変イ長調(遺作/Presto con leggierezza)
● ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57
● J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より前奏曲とフーガ第4番嬰ハ短調 BWV.849
● J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より前奏曲とフーガ第13番嬰ヘ長調 BWV.858
● J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より前奏曲とフーガ第24番ロ短調 BWV.869
● モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』
アレクセイ・リュビモフ(ヒストリカル・アップライト・ピアノ)
使用楽器:プレイエル1843年製作、シリアル・ナンバー10112
録音時期:2019年8月26-29日
録音場所:ワルシャワ、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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