現代文学の愉しい解読。吉本ばなな、糸井重里、太宰治からミニマリズム、文章読本、競馬新聞まで、ただしい文学の傾向と対策を軽重軽重の文体で展開する最新評論集。
私はここにいます。生きていることのリアリティーを希求して、現実と幻想の間を往還するモノローグの世界。個性強烈な第一小説集。
センスは服を買うときだけ必要なものじゃない。立派にセイシュンするのにも、すぐれたセンスは欠かせないーというわけで、学校では教えてくれない学問論、愛情論、教養論、常識論を開講する。独断と毒舌パロディに満ちた饒舌エッセイ集。
二人の物語は、フィルムを通して語られていく。ある時は女が男を撮り、ある時は男が女を…。純粋で大胆な性の冒険をファインダーごしに浮かび上がらせる、六つの恋愛変奏曲。
電気がむずかしいとして敬遠されるのは、電気が見えないことに原因があるのかもしれない。しかし多くの電気現象は電子の振舞いとして、かなり視覚的に理解することができるし、イオンの振舞いを加えれば従来の電気現象はほとんど説明できる。さらにそれで説明のつかない半導体についても、ホール粒子の考え方を導き入れて解きあかすことができる。摩擦電気に始まり、コイルやコンデンサ、トランジスタは言うに及ばず、ファクシミリやCDの原理まで、身のまわりの「電気」を解きあかしてみよう。
日本人の原郷は何処か。これまでは、その出自、系統、混合、重なり合いから、南方起源説が有力であった。本書は、この定説を、血液学の成果から一挙に覆す。
湾岸戦争は、「正義」と「正義」がぶつかりあっておこった。いま世界では、双方が「正義」をかかげた紛争が数多くおこっている。何が「正義」で、「正義」の実現のためにはどうすればいいのか。「正義」について考える。
「小さかった頃にはまだ町ん中に原っぱがあって…」先輩の原口さんが、呑み屋で知り合った男と思い出話に意気投合しているのを、ぼくはぼんやりと聞いていた。中年男二人の他愛ない話と思っていたのだが、その日から原口さんはおかしくなっていったー少年時代の記憶に潜む恐怖を描いた表現作他、130年ぶりに地球に戻った宇宙飛行士の過酷な運命を物語る「ウラシマの帰還」等、美しくも哀しい8篇を収録したSF作品集。
約4500年前、地球上の陸地という陸地を水没させた「ノアの大洪水」…。インド、中国をはじめ、世界各地に残る大洪水伝説は、この未曾有の大洪水がまぎれもない史実であることを物語っていた。では地球全土を覆いつくした膨大な量の水は、いったいどこからきたのか。かつてその謎に挑んだ「天体M」仮説が提唱された。しかし、肝心の天体Mが発見されず、やがて忘却の淵に消え去る。が、天体Mは実在していた。最大の謎を解く鍵、それは天空に輝く月が握っていたのである。現代アカデミズムのパラダイムを根底からくつがえす衝撃の問題作。
2才〜4才むき。
世界にたった一人しかいない君へ贈る、秋元康の“自分を好きになる本”。
なぜ、なに、子どもたちのまわりにはたくさんの不思議があふれている。本書はそんな子どもたちの疑問に、イラストと写真でわかりやすく答える。対象、4歳〜6歳。
ナニモシテナイ幸福な私がなぜだか自分では気に入らないのだった。十年間ずっと私自身はナニカヲシテキタつもりでいたのだった。-生きていることのリアリティを希求して、現実と幻想の間を往還するモノローグの世界を描いた表題作に加えて「イセ市、ハルチ」の2編を収録する芥川賞作家の第一小説集。
やみくもに多読・速読を重ねても、真の読解力は身につきません。本書ではまず、英文を読む際つねに駆使されるルールを言葉で懇切丁寧に解説、続いて『タイム』『ニューズウィーク』誌からとった生の英文にチャレンジ。英文を正確に読める人の頭のはたらきを、あますところなく解き明かします。
銘酒の面白ルーツから、酒の通と一目おかれるウンチクまで、酒場でつい喋りたくなる話のネタがぎっしり。
社会学になにができるか?-それは、「あたりまえ」の世界から私たちを引き剥がし、動き始めることを可能にする。自我論・儀礼論・会話分析・ジェンダー論・権力論・歴史社会学・文化装置論・世界社会論という、考える道具としての「社会学」が、私たちの生きる世界のなにを問い、なにを見えるようにするかを描く、新しい「社会学」入門。
改めて「国の栄辱」と「独立自尊」を問う。舌鋒鋭く、また切々と胸を打つ、慶応義塾大学最終講義を併録。