江戸の夜闇のなか、屋根から屋根へ風のような身のこなしで瓦をわたり歩く、その名も世に聞こえた盗賊・鼠小僧。しかし昼の顔は、“甘酒屋の次郎吉”と呼ばれる遊び人だったー。盗みに入った先で頼まれごとをして帰ってきたり、美女の誘いにたじろいだり…。なさけ深く、気っ風のよい次郎吉が、小太刀の達人・妹の小袖とともに、江戸の正義を守って、夜な夜な大活躍する、胸すく熱血時代小説。
ちょいとドジを踏んでしまった“鼠小僧”こと次郎吉。忍び込んだ大名屋敷で、狙った大金はなく、いつもならそこで諦めるところ、ちょいと好奇心が頭をもたげた。開いている土蔵の扉に近づいた途端、侍と鉢合わせてしまったのだ。たちまち捕手が集まってきて、細い路地へ追い詰められる。一軒の長屋へ身を隠そうと戸を開けると、そこには血に染って死んでいる母と娘の姿がー。痛快エンタテインメント時代小説、第6弾!
「此の度手放したき品は今迄の品とは違ひて、世に出る事は有り得ぬ神品也」。禅僧・小坂了稔の手紙に心惹かれて箱根の老舗旅館、仙石楼に投宿した骨董屋の今川は元医師の老人・久遠寺を知る。が、二人が発見したのは世にも奇妙な小坂の屍。思えばそれが謎の巨刹、明慧寺を舞台の惨劇の始まりだった…。
「ねずみくんのしりとり」「りすさんのはね」「ね、ねね…」ねずみくんとおともだちのたのしいしりとりがはじまります。さあ、どんなどうぶつたちがでてくるかな。
きりのなかではりねずみが体験したのは、あこがれ、おどろき、おそれ、そして、よろこび…、そう、人生そのものなんだ。映像の詩人と呼ばれ、世界的に評価の高いロシアのアニメーション作家ノルシュテインが、短編アニメーションの傑作『きりのなかのはりねずみ』を、新たに絵本として見事に表現してくれました。絵は、ノルシュテイン作品の美術監督でパートナーでもあるヤルブーソヴァが担当。詩情あふれる、美しく、味わい深い絵本です。
ハリネズミのおとなりさんはちいさなヤマネ。ふたりのまいにちはちいさなはっけんでいっぱい。ちいさなおはなしが6つつまっています。
くるりんのおばあちゃんがびょうきになってしまいました。しんぱいするくるりんたちは、おみまいにいくことにしました。おばあちゃんのびょうきがしんぱいなくるりんは…。
まちのはずれのぞうきばやしに、のねずみのかぞくがすんでいました。ぞうきばやしのむこうには、ガラクタおきばがありました。さんびきのこねずみたちは、「ガラクタおきばにあそびにいきたいなあ」とおもっていました。いっぽう、ガラクタおきばでは、ちいさなガラクタたちが、むかしのことをはなしあっていました。やがてふゆがきて、ゆきがふったあるひ、さんびきのこねずみは、はじめてガラクタおきばにやってきました。そして…?捨てられた小さなガラクタを、たからものに変えていくのねずみたちのようすを、愛情をこめて描いた、心がぽっとあたたかくなる、冬の日にぴったりの絵本です。
寒さがしみる夜、熱い手打ちそばをすすっていた次郎吉と小袖のいる店に、旅装姿の若い男女が入ってきた。どうやらやくざ者に追われているらしい。咄嗟に二人を匿った次郎吉が事情を聞くと、娘はやくざの親分に手篭めにされ、同情した男が駆け落ち覚悟で連れ出したという。だが、男が勤めていた貸本屋が付け火で焼け落ちてしまう。二人の事情には何か裏があるのでは…。義理人情に篤い鼠小僧が、今宵も悪を盗み出す!
大きなおやしきの中にある、人形の家で、子だくさんなネズミの一家が、しあわせにくらしていました。ところがあるとき、その人形の家に、たいへんなことがおこって、ネズミたちは、住むところをなくしてしまいます…。「わたしたちがこの人形の家をピカピカにすればいいのよ!」ところが、子ネズミたちがそうじをしたせいで、人形の家は、めちゃくちゃになってしまい…?『くまのパディントン』のマイケル・ボンドの文章に、緻密でかわいい絵を添えた、すみずみまで楽しめる、英国の香り高い絵本。5さい〜。