立て続けに同じ手口の殺しがあった。殺されたのは、十年前、盗品を扱った罪で潰された木綿問屋『大黒屋』の元番頭と、盗品と告発した女だった。当時、身の潔白を訴えたものの、島流しにあった『大黒屋』には、七人の子供がいた。復讐か?なぜ、今頃?探索が行き詰まるなか、新たな殺しが!風烈廻り与力の青柳剣一郎が人を信じる心で復讐の裏にある真相を暴く!
風烈廻り与力の青柳剣一郎は、迷宮入りした事件の探索を任される。十年前に今戸で起きた男女の殺しだ。死んだ女の元許婚は消え、唯一の容疑者は江戸から姿を晦ましたあと殺されてしまう。有力な手がかりもなく行き詰まるなか、新たな殺しが。調べを進めると、意外な男女のもつれが事件を紐解く鍵にー犯人が命をかけてまで守りたかったものとは?
雪のおだんごをころんころんぎゅっ。はりねずみくんは、ひつじばぁばのために大きなゆきだるまをつくろうとしましたが…寒い季節に読みたい一冊。
彼等は鼠のように遊んだ。少年たちの秘密の隠れ場。ある日、一人が盗んだ石膏の女の人形を持ち込んだことで、何かが変わっていく。堀辰雄の名作が、大人気イラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第26弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
すりばち森にふく風がそっとせなかをおしてくれたよ。
あなたも最低。許せないー。高校二年生の鈴美は逆上した痴漢から守ってくれた比呂に感謝するが、予想外のきつい言葉を返され戸惑う。周りから浮くことを恐れる鈴美は、独りでも毅然とふるまう比呂と接するなかで次第に変化してゆく。だが比呂もまた、誰にも言えない悩みを抱えていて…。両親の離婚、中退した幼馴染み、壊れてしまった心。まばゆい出会いが胸に響く青春小説の新たな傑作。
「赤毛組合」の犯人一味が脱獄した!ワトソン博士のもとに、驚天動地の知らせが舞い込んだ。だが肝心のホームズは重度のコカイン中毒で幻覚を見る状態…。犯人たちの仰天の大計画とは。その陰で囁かれた謎の言葉「新しい十五匹のネズミのフライ」とは。そして「赤毛組合」事件の書かれざる真相とは。果たして、われらがホームズが復活する時は来るのかー。さまざまなホームズ作品のエッセンスを、英国流のユーモアあふれる冒険譚に昇華させた大作。
本書は、イソップ寓話にもとづく話ですが、イングランド湖水地方が舞台となっています。まちのねずみのジョニーが住んでいるのはホークスヘッドの町で、いなかのねずみのチミーが住んでいるのはソーリー村です。1918年刊。
祭りの夜には、ねずみ石をさがせ。かなう願いは、ひとつだけー。中学一年生のサトには、四年前のお祭りの記憶がない。恒例の子供向けイベント「ねずみ石さがし」の最中に、道に迷って朝まで行方しれずだったのだ。同じ夜、村ではひとつの惨殺事件が起こっていて、今でも未解決のまま。交錯する少年たちの想いが、眠っていたサトの記憶に触れたとき、事件は再び動き始める。瑞々しい青春推理長編の最新作。
はらぺこねずみがやってきて…ねこのしっぽをぱくっ!ねこはびっくりおどろいて、いぬのしっぽをぱくっ!次々現れる動物たちの驚く表情に注目!大好評「アリのおでかけ」につづく幼児絵本第2弾!1歳から。
しがない中二階なれど魅入られた世界から足は洗えず、今日も腰元役を務める瀬川小菊は、成行きで劇場の怪事件を調べ始める。二か月前、上演中に花形役者の婚約者が謎の死を遂げた。人目を避けることは至難であったにも拘らず、目撃証言すら満足に得られない。事件の焦点が梨園の住人に絞られるにつれ、歌舞伎界の光と闇を知りながら、客観視できない小菊は激情に身を焼かれる。名探偵今泉文吾が導く真相は?梨園を舞台に展開する三幕の悲劇。歌舞伎ミステリ。
ぼくのなまえはイグナート。ちっぽけなネズミのぼくは、いつも涙目、ひとりぼっち。そんなぼくにも、生まれてはじめて友だちができた。ナタリア。口は悪いけど、ぼくにパンを分けてくれたやさしい人だ。でも、ナタリアはいなくなった。いやがるナタリアを、兵隊がつれさった。ちっぽけなぼくだって、たまにはでっかいことをおもいつく!ナタリアに会いにいこう。旅に出るんだ。
時は1942年。ヒトラーの軍隊は、敵地スターリングラードを制圧することで、一挙にソ連征服を試みようとしていた。一進一退の攻防を繰り返す、この生き地獄のただなかに、二人の天才的狙撃手がいた。ソ連軍ザイツェフ曹長と、ドイツ軍トルヴァルト大佐。二人の使命は、たがいに相手を葬りさることだったが…。史実の陰に隠された悲劇を、精緻に綴った戦争ドラマの新たなる名作。
前線で闘う兵士たちを鼓舞するため英雄に祭り上げられた狙撃手ザイツェフ。彼を抹殺することでソ連軍の士気をくじこうとするトルヴァルトは、獲物をおびき出すべく、ソ連兵を無差別に狙撃していた。女狙撃兵ターニャは、標的とされた憤りと怯えとで焦燥にかられるザイツェフをいたわり、二人の間に愛が通い始める。が、平穏な時もつかのま、ついに非情なる対決の日がやってきた。
「縁談があったの」「お前に?」「違うわよ!千草さんによ」鼠小僧次郎吉の妹、小袖がもたらした報せは、微妙な関係にある女医・千草と、さる大名の子息との縁談で…。恋、謎、剣劇ー胸躍る物語の千両箱が今開く!
クリスマス・イヴに贈られたくるみ割り人形。その導きで、少女マリーは不思議の国の扉を開ける…。珠玉のメールヘン「くるみ割り人形とねずみの王さま」。役者ジーリオとお針子ジアチンタの恋が大騒動を巻き起こす「ブランビラ王女」。奔放な想像力が炸裂するホフマン円熟期の傑作2篇。
妹、小袖と“地獄”で湯治。人気役者と若い妻に出会い事件が。(「鼠、地獄を巡る」)。幼い娘を残し、貧乏長屋で腹を切った浪人。驚くべきその理由とは。(「鼠、腹切り長屋を覗く」)。そば屋の女房に頼まれ同行した山奥の村。不穏な空気が充ち満ちて。(「鼠、山道に迷う」)。大名屋敷で男女の逢引き。男が斬られる場に居合わせた「鼠」だが。(「鼠、今宵は月明り」)。大店の旦那が女と心中?見つけた娘に災難が降り懸かる。(「鼠、戸を開ける」)。目が不自由ながらも腕の立つ姉とその妹。同じ男に惚れてはいるが。(「鼠、闇に数える」)。